仕事の悩み

人事異動を拒否したらどうなる?懲戒解雇や降格のリスクはあるのか

社員として働くうえで、転勤や配置転換といった「人事異動」は、避けては通れない道でしょう。

たとえば以下のように、異動命令には必ず会社側の何らかの意図がまれています。

  • 従業員のキャリアアップのため
  • 会社の業績回復のため

もし異動辞令を拒否した場合は、懲戒解雇といった重いペナルティが課せられるケースもあり得るのです。

今回の記事では、サラリーマンなら知っておきたい、

  • 人事異動の常識
  • 拒否権の有無

上記について詳しく解説します。

どうしても異動を回避したい方に向けた対処法もご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

人事異動は基本断れない

長年、会社員をしていると、一度や二度は異動の話が持ち上がることがあるもの。

しかし会社が異動辞令を出したときに、従業員は拒否権を持っているのでしょうか?

答えは「NO」。
理由は簡単で、異動を断るということは業務命令に従わないのと同じだからです。

企業には、必ず就業規則というものがあります。

たとえば、厚生労働省が発表している就業規則のモデルケースでも、以下のように記されています。

(人事異動)
第8条  会社は、業務上必要がある場合に、労働者に対して就業する場所及び従事する業務の変更を命ずることがある。
2 会社は、業務上必要がある場合に、労働者を在籍のまま関係会社へ出向させることがある。
3 前2項の場合、労働者は正当な理由なくこれを拒むことはできない。

引用:厚生労働省モデル就業規則平成31年3月

雇用する際に交わされる労働契約書においても、特別に勤務地が限定される記載がなければ、会社側の契約違反とはならないのです。

また、会社が従業員を人事異動をさせるのには、次のような目的があります。

  • 事業方針であるため
  • 会社や業績回復・向上
  • 従業員のモチベーション維持、成長促進
  • 人材構成のアンバランス解消
  • 長期勤務によるマンネリ、癒着や不正の防止

上記のような背景もあり、会社が持つ人事権はとても強い効力を持っています。

したがって、転勤を伴う異動の場合でも、基本的には拒否することは難しいでしょう。

新築マンションを買ったばかりなのに…
今の部署が好きなので、離れたくない…

たとえこのような事情があっても、断れないのが現実なのです。

転勤や配置転換を断ると、懲戒解雇される可能性も

就業規則に人事異動に関する記載がある以上は、辞令に背くことは、懲戒処分の対象になってしまいます。

懲戒処分とは、企業の秩序と規律を維持する目的で、使用者が従業員の企業秩序違反行為に対して課す制裁罰のことです。

処分の種類には戒告、けん責、減給、出勤停止、懲戒解雇などがあります。

記述のとおり、軽度のペナルティとしては始末書の提出となる「けん責処分」、重くなると「懲戒解雇(クビ)」となります。

ちなみに「出勤停止」といった一過性のペナルティは、人事異動自体が軽視される可能性がありますので、ほとんど適用されません。

家族を養う生活費や教育費、住宅ローンなどの支払いに追われるサラリーマンにとって、懲戒解雇ほど痛いペナルティは無いでしょう。

転職するにしても、離職票に【重責解雇】と記載されてしまうので、再就職も難しくなってしまうのです。

仮に人手不足などの理由から解雇処分は免れたとしても、昇進の道は“ほぼ閉ざされた”と考えておいた方がよいでしょう。

辞令が出やすい時期とは

職種や企業にもよりますが、下半期に向けた人事として、7月と10月に異動辞令が多くでる傾向にあります。

四半期決算となる企業では、決算後の7月、10月、1月に異動辞令が出されるケースも多いです。

転勤族ともなると、本人も家族もある程度の覚悟を持っているでしょう。

しかし、転勤を避けたい中堅・ベテラン会社員にとって、異動シーズンになると、

いつ声がかかってしまうのか…

このようにヒヤヒヤしながら働くことになるのです。

辞令と内示では状況が異なる

もし早いタイミングで異動を拒否できたら、回避できる可能性はあるのでしょうか?

一般的な周知の方法として、内示辞令がありますので、詳しく見ていきましょう。

内示とは

内示とは、本人や直属の上司のみに(内々に)異動の話しが伝えられている状態です。

非公式な情報ですので、周囲に話すことは社内の混乱を招くので許されません。

内示とはいえ、実際には“ほぼ確定”となっているケースもあります。

ただし、正当な理由がある場合においては、拒否の意志を示せる最後のタイミングです。

辞令とは

辞令とは、公式の文書を用いて、企業側が従業員に正式に通達することを意味します。

いってみれば、雇用主からの業務命令文書のようなものです。

内示にて事前通達した後に、全体周知として発令されるものですから、ここまで来るともはや覆すことはできないでしょう。

辞令の交付には、

  • 本人への手渡し
  • 掲示物での開示
  • 社内文書での掲載

このような方法があります。

また、権限を持つ人間が発信する場合に限り、口頭での伝達でも法律的に問題はありません。



異動を拒否するには正当な理由が必要

もし、自己都合による人事異動の回避を考えるのであれば、やはり会社側が納得する“相応の理由”が必要となってきます。

正当性を主張できる理由としては、以下のものが挙げられます。

  • 親や家族の介護が必要
  • 家族が重い病気(難病)のため、看護が必要
  • うつ病など、異動することで病状が悪化する可能性がある
  • 労働契約書に【勤務地限定】の記載がある

この他にも、あきらかに不当な人事(転勤や降格)も、異動拒否できる理由となります。

会社側が人事権を濫用していると考えられるときは、労働組合やコンプライアンスコール(社内相談窓口)など、しかるべき機関に相談してみましょう。

人事異動はある種のチャンス

当然ながら、人事異動はネガティブな要素ばかりではありません。

会社への忠誠心を見せておくことで、後々の昇進が期待できることもあるのです。

実際に、昇格させることを前提として、異動させる会社は数多くあります。

その他にあるメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。

  • さまざまな業務を覚えることで、マルチに活躍できる
  • 現状よりも、高度な知識や技術を習得できる
  • 心機一転でモチベーションアップできる
  • 新たな人脈を築くことができる
  • 人間的な成長が期待できる
  • 昇給、年収アップが期待できる
  • 異動(転勤)に伴う赴任手当が付与される

多少なりとも、異動するメリットに魅力があるのであれば、いちど考え直す余地があるのかもしれません。

人事異動を受け入れられないなら、退職・転職という選択もある

人事異動を避ける最終手段としては、退職(転職)があります。

ただし、この場合は以下の2点に留意してください。

早めに退職の意向を伝える

打診があった時点から、早めに退職の意志を示しましょう。

一般的に、内示から辞令交付(着任)までは1〜2ヶ月といわれています。

会社側や取引先へのダメージを最小限に抑えるため、最大限の配慮を心がけてください。

自身の市場価値を確かめて、リスクを最小限に抑える

転職には、一定のリスクが付きものです。

年齢的なハンデ、年収ダウン、資格の有無、一時的とはいえ収入が途絶えるリスクなど。

これらの課題をクリアして、転職を果たすためには、事前の情報収集やしっかりとした転職プランが必要となってきます。

加えて、家族の理解も重要となってくることも、頭に入れておきましょう。

まとめ:異動を拒否するのはリスクがある。後悔しない選択を

今回は、サラリーマンなら知っておきたい人事異動の常識や、もし異動を拒否するとどうなるかなどについてお話ししました。

人事異動にはさまざまな目的があるので、これを拒否するためには、会社側を納得させる正当な理由を、適切なタイミングで伝える必要があります。

就業規則に反して、自己都合で異動を断ることになれば、懲戒処分を受ける可能性があるので注意しましょう。

もし異動を回避するべく転職するときは、会社への影響を考えて早めに申し出ること。

もちろん、転職活動の準備も抜かりなく行いましょう。

人事異動にはプラスの要素とマイナスの要素がありますから、あなたの将来を考えたうえで、後悔しない選択をしてください。

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この記事を書いた人
Santiago
40代男性、神奈川県在住。運送業界にて管理職を経験するも、家族との時間をもっと大切にしたいと40歳にて転職。現在は、自由気ままに暮らしながらWebライターとしても活動中。森林散策とカフェでのひと時が元気の源!

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