退職手続き

円満退社なんてありえない?無理にこだわらなくてよいケースとは

退職するときには、誰でも少なからず辞める会社に不満があるもの。

しかし退職するからといって、今までの不満をぶちまけて辞めたり、ケンカ腰で退職するのは避けるべきです。

とはいえ、

退職するときには、円満退社を心がけよう

こういった論調が多いのですが、不満を押し殺してでも、本当に円満退社するべきなのでしょうか?

筆者の考えとしては、

可能であれば円満退社した方がよいが、円満退社にこだわり過ぎる必要はない

このように考えています。

実際には、そこまでこだわらなくてもよいケースもありますし、円満かどうかなど考えずに、さっさと辞めたほうがよい場合もあるのです。

そこで今回の記事では、

  • 円満退社を考えるうえで知っておくべきこと
  • 円満退社するための7つのポイント

について詳しく解説します。

これから退職しようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

円満退社とはどういう辞め方をさすのか?

退職するときには、「円満退社」や「円満退職」という言葉がよく使われますが、これはどのような状態のことを指しているのでしょうか?

一般的に円満退社とは、以下のことをクリアしている退職をいう場合が多いです。

  • 会社も自分も納得して退社できた
  • もめごとがなく、ケンカ別れではなく退社できた
  • 引継ぎがきちんとできてから退社できた
  • 退職後でも気兼ねなく会社に連絡できる

そもそも会社を辞めたいという時点で、本当は円満な状態ではないといえるかもしれません。

似たような言葉で「円満離婚」というものがありますが、一緒にいられないから離婚するわけで、すでに円満ではないですよね。

円満退社も同じようなものです。

ですからゆるく考えると、円満退社というのは、

  • ケンカ別れではなく、もめごとがなく辞められる
  • 気持ちよく辞められる

このような状態であるといっていいでしょう。

転職時に円満退社をした方がいい理由とは?

もし可能であるのなら、転職する際はやはり円満退社をした方が理想的です。

それは気持ちの問題だけでなく、後々に自分がやりやすくなるから

ここでは、なるべく円満退社をしたほうがいい理由についてお話しします。

同業他社に転職する場合は、関係性が続く場合もある

業界が同じだったり、クライアントが前職とかぶる場合は、可能な限り円満に退職する方がよいでしょう。

業界が同じだと、どこかで退職した会社の人と会う可能性が多分にあります。

その時にやりにくくならない程度に、なるべく穏便に退職しておきたいものです。

また、退職でトラブルになったことで、タチの悪い上司や先輩がいた場合に、あなたの悪口をクライアントに吹き込まないとも限りません。

筆者の友人は体を壊して退職して、同業界へ転職したのですが、

あいつはうつ病で辞めたので使い物にならない

前職の社長に、上記のような吹聴をされたのだとか…

世の中にはこういう人もいるのです。

社内にいる時は身内であっても、退社したらライバルになるので、弱みをつかまれないという意味でも、できるだけ円満退社を目指すようにしましょう。

退職後も会社に連絡する可能性がある

辞めた会社には、もう二度と連絡したくない

誰もがこのように思うものですが、意外と退社後にも、その会社に連絡を取らなければならない場合があったりします。

たとえば離職票が届かないとか、源泉徴収票が必要になった場合などは、どうしても前職の会社に連絡をせねばなりません。

そんな時に、ケンカ別れした会社であれば連絡しづらいですし、頼みにくくなるうえに、嫌がらせされるようなこともあり得ます。

この先に、前の会社と一切かかわりを持たないつもりだとしても、万が一のことも考えて、可能なかぎり円満退社しておいたほうが何かと便利です。

円満退社にこだわり過ぎる必要はない

ここまでお話ししたとおり、転職する時は、できるだけ円満に退社できることが理想ではありますが、

なんとしても円満退社しなければ…

こんなふうに、こだわり過ぎる必要はありません。

円満退社にこだわることで、あなたに不利益が生じるのであれば、それは本末転倒になってしまいます。

退職に「うしろめたさ」を感じる必要はない

退職する時には、なんとなく「うしろめたさ」を感じてしまうこともありますよね。

うしろめたさを感じるのは、

みんな忙しいのに、自分の都合で急に退職したら、誰かにしわ寄せがいくのでは…

という思いかもしれませんし、

今までお世話になったのに、最後まで勤められなくて申し訳ない

このような思いがあるからなのかもしれません。

ですが、そんなことを気に病む必要は全くありません

企業というのは、業績が悪くなったら勝手にリストラしてきますし、ボーナスが出なくなることだってままあります。

いま勤めている会社が、一生あなたの面倒を見てくれるわけではないのです。

会社とあなたは一蓮托生ではなく、単なる雇用契約が結ばれているだけ

今よりいい条件で雇ってくれる会社があるのなら、転職するのは当たり前の話でしょう。

また、うしろめたい気持ちというのは、あなたがそこを去るほうだから生まれる感情といえます。

そして、あなたがひとりで後ろめたさを感じていても、誰も得することはないのです。

うしろめたさを感じるあまり、

せめて円満退職できるようにしよう…

このように考えて、辞める会社のご機嫌を取ったところでしょうがありませんし、辞め際にいい仕事をして評価されても、あまり意味はありません。

会社を辞めることに「うしろめたさ」を感じるあまり、円満退社にこだわって、会社に最後までサービスなんかしなくてもいいのです。

まったく別の業界に転職するときは、円満退社に固執しなくてもよい

同業他社に転職する場合は、どこかで前の会社の人に会う可能性はあるでしょう。

しかし、まったく別の業界に転職するので、

もうその会社の人とは、二度と関わらないだろう

というのであれば、とくに円満退社に固執する必要はありません。

もちろん、後ろ足で砂をかける必要もありませんが、円満退職をするために歩み寄る必要もないでしょう。

かりに円満退社できなかったとしても、この先も付き合っていきたい人とは、個人的に連絡を取ることはできます。

仕事だけの付き合いだった上司となら、退職時に決裂したとしても、この先の仕事に支障が出る可能性は低いはずです。

すでに転職先が決まっているのなら、こだわるべきは「円満に退社すること」ではなく、「確実に退社すること」でしょう。

こういう場合は無理!円満退社できないケースとは

こちらがいくら譲歩しても、会社が円満退社を阻むこともあります。

以下のケースに当てはまる場合は、「円満」であることを望むよりも、とりあえず「早く辞める」ことを優先するべきです。

あきらかに会社側に問題がある場合

筆者の経験値でいえることは、

いい会社というのは、辞める時もそれなりの対応をしてくれる

ということです。

辞めるときにトラブルになるような会社であれば、それは「転職を決めて正解だった」といえます。

あきらかなブラック企業であれば、そもそも辞める社員に対して、「円満退社」などという価値観を持っていません

多少は強硬だったとしても、逃げ出した方が得策といえるでしょう。

退職を伝えたあとに、嫌がらせをしてくる場合

退職する意思を伝えたあとに、嫌がらせとしか思えない行動をしてくる会社もあります。

以下に該当するような場合は、円満退社より「早く辞めること」を優先しましょう。

1.有給休暇を消化するのを拒否する

これは筆者が実際に言われたことですが、退職日までに有給休暇を消化しようとしたら、

会社には有給休暇の時季変更権があるから、勝手に休ませない

このようなことを会社から言われました。

なぜこのようなことを言われるかというと、有給休暇を消化している社員に、会社側が給料を払うのがイヤだからです。

ケチな会社にはよくありがちなことです。

ケチな会社ですから、もちろん有給休暇の買取もしてくれません

先ほどの筆者のケースでは、

変更するなら変更してもらっても結構です

このように言って、筆者は有給休暇の消化を強行しました。

2.こちらの言い分を聞かず、最後まで利用だけしようとする

有給休暇の消化を要求しても拒否するくせに、

辞めるまでに○○の資料を作れ
過去の取引先のもろもろをデータ化しておけ

このような要求ばかりしてくることもあります。

どうせ辞めるなら、とことん使い切ってしぼり取ってやろう

上記のような考えの上司や経営者も、実際には結構いるものなのです。

そんな会社に恩義を感じて、つきあってあげる必要はありません。

3.いつまでも辞めさせてくれない

このケースが一番タチが悪いです

引継ぎが完全に終わったと会社が認めるまで、辞めさせるわけにはいかない
次の社員を自分で見つけてくるまで辞めさせない

こういうことを言って、いつまでも引っ張ろうとすることもあります。

優しい人や気弱な人なら、

最後だからやってあげよう

このように思ってしまいがちですが、会社はその気持ちを利用して、ダラダラと退職日を引き延ばすのです

転職先の入社日までに退職できなければ、転職先の会社に迷惑がかかってしまいます。

悠長なことは言っていられませんので、円満退社を考える必要はないでしょう。

円満退社しなくていいケースにすべて共通していえることは、

会社側は「円満退社」なんて考えていない

ということです。

このような意図を感じたら、円満退社よりも「早く辞める」ことを優先しましょう。

どうしようもないときは「退職代行」もひとつの方法

基本的には、責任をもって退職の手続きを進めるべきですが、

  • 上司や会社がブラックで、まともなやり取りができない
  • 心身がまずいので、どうしてもすぐに退職したい

上記のように、本当に辛くてどうしようもないというケースであれば、退職代行サービスを利用するというのもひとつの方法です。

会社への連絡などを代行してくれるので、直接話をする必要もなく、いちども会社へ行くことなく退職を完了させることができます。

でも退職代行なんて、最近の若いやつが使うものでは?

このような思いがあるかもしれませんが、じつは退職代行を利用する人の28%が40代以上というデータもあるくらい、利用者の幅は広がっているのです。

最近では、弁護士が退職代行サービスに乗り出すケースも増えており、

  • 残業代の未払いがある
  • 有休消化を拒まれる

上記のような労働問題に対しても、代理人として責任をもって対応してもらえます。

退職代行を依頼すると費用が発生しますが、初回相談は無料です

会社へ行かずに退職手続きを進めたい場合は、いちど相談してみることをおすすめします。

退職代行は40代も利用している!ヤバい会社は代理を立てて退職しよう
退職代行は40代も利用している!ヤバい会社は代理を立てて退職しよう退職代行は40代でも利用できます。利用者の28%が40代以上だったというデータもあり、最近では弁護士が法的な代理人としてサービス提供するケースも増えています。ヤバい会社との交渉人として活用しましょう。...

円満退社するための7つのポイント

ここでは、会社を円満に退職しようと考えたときに、押さえておきたい7つのポイントについてお話しします。

退職を切り出すタイミングが重要

転職先の入社日が決まっていれば、おのずと退職時期は決まってくるものです。

ただし、こちらが退職の意思を伝える際に、一方的に退職日を指定するというやり方はおすすめできません。

最低でも1ヶ月前くらい、余裕があれば3ヶ月くらい前には申し出たいものです

また、決算月や繁忙期に退職することは、可能なかぎり避けましょう。

忙しい時期に辞められたら、

なんでわざわざ忙しい時期に辞めるんだ!

誰でもこんなふうに思いますから、無用なトラブルの原因になりかねません。

最初の退職交渉は直接の上司に伝えること

退職の意思は、直属の上司へ最初に伝えるのが基本です。

たとえその上司が退職の原因だったとしても、直属の上司をとばして、その上の役職者や人事部に伝えるというのは、あまり好ましくありません。

直属の上司に対して、

あなたには信頼がおけません

このように言っているようなものですから、退職までの期間にゴネられたり、嫌がらせを受けたりする可能性もあります。

また、直属上司も上席者から監督不行き届きで叱責されるなどして、社内的にも話を大きくしてしまうのです。

できるだけ平和に穏便に、円満に退職するためにも、まずは直属の上司に伝えるべきと心得ておきましょう。

上司に伝える前に、先輩や同僚に退職の意思を話すのも避けるべきです。

○○さんが退職するらしいよ

上司に直接伝える前に、このような話が間接的に上司の耳に入ってしまうのは、トラブルを招く原因になりかねません。

辞めると決めたのなら、まずは直属の上司に退職の意思を伝えましょう。

退職願は上司への相談後に提出する

自分がもう退職を決めたからといって、

上司と退職の話をする際に、退職願を書いて持っていく

というのはちょっと早いです。

まるでTVドラマのように、

これ、お願いします

上記のように話もせずに、いきなり退職届を突き付けるのもNGです。

まずは直属の上司に退職の意志を伝えて、お互い退職合意に至ってから、退職届を提出するタイミングを聞くようにしましょう。

退職理由は会社が納得する無難なものを選ぶ

退職する際には、本当の理由を言う必要はありません。

給料が安いので…
会社とそりが合わないから

上記のような不満や本音を言ったところで、誰も得することはないですし、

この会社は営業の意見を取り入れなさすぎる
他の企業に比べて、△△が劣っているから辞めたい

といった、辞める会社の改善点を教えてあげる必要はありません。

そのほかでも、

田舎に帰ります
体を壊したので、しばらく休みます

上記のようなウソをつくことも、後々バレてしまうと気まずくなりますから、やめておきましょう。

会社をキッパリ辞めたいのであれば、

あくまでも自己都合による退職です

ということを、しっかり伝えるのがポイントです。

退職願には、「一身上の都合」と記載すれば問題ありません。

細かいことを上司に聞かれたら、

違う仕事にチャレンジしてみたいと思うようになりました

というような、比較的で前向きであり、会社側も納得できる無難な理由にしておくことをおすすめします。

基本的には「立つ鳥跡を濁さず」です

本音は会社と関係ない友人などにグチりましょう。

引き留められた場合はどうする?

退職する意向を伝えた際に、上司から引き留められることもあるかもしれません。

引き留めにあった場合でも、

ちょっと考えさせてください
いったん持ち帰らせてください

上記のような、保留するような返答は避けたほうがよいです。

考えずに、即答でお断りしましょう。

いったん退職を言い出した以上は、会社から見れば、

会社を裏切ろうとする人

このような扱いをされるので、もう元の関係に戻ることはできません。

また、引き留めは単なる「上司の保身」という場合もあります。

例えば、彼氏彼女から別れ話を切り出されたら、急にその人の存在のありがたみを感じることってありますよね。

引き留めはそれと同じようなものです。

会社側はその時点で、

きみを手放したくない

ということに気づいたのでしょう。

ですが、別れ話を切り出したあなたは、もうお別れの決心をしているはず

だらだらすることなく、別れ際はスパッときれいに別れたほうが、今後のお互いのためでもあるのです。

正確な引き継ぎと挨拶周りをおこなう

後任への確実な引継ぎは、会社のダメージを軽減するためであり、自分へのけじめでもあります。

充てられる期間から逆算して、計画的に業務を引き継いでいく準備が必要です。

マニュアルがなかったり、ローカルルールなどが存在するなら、事前にまとめておきましょう。

外回りの仕事で得意先を持っているなら、適切なタイミングで退職を周知して、挨拶周りを実施してください。

とくに営業マンは「会社の顔」であり、担当が変わるタイミングで、競合他社に乗り換えられる可能性もゼロではありません。

自分が辞めることで、会社の業績が低下することがないように、社会人としてのマナーを最後まで心がけましょう。

退職日の挨拶とお菓子の準備

忘れてならないのが、退職当日の挨拶(スピーチ)菓子折りの準備です。

挨拶の内容は当日の気分で話すのではなく、事前に考えておきましょう。

退職日当日の挨拶で心がけるポイントとしては、

  • 周囲がしらけるジョークは避ける
  • 会社や人間関係など、批判的な内容は話さない
  • 振り返りはそこそこに、2〜3分程度にまとめる
  • 最後に、周囲を気遣うようなフレーズで締める

上記のようなことを意識しながら、ハキハキとした口調でゆっくり話すことです。

メモ(カンペ)を用意するなら、緊張しても話せるように、箇条書きで要点を書き出しておきましょう。

退職当日に渡す菓子折りは、必ずしも必要なわけではありません。

ただ、お菓子を渡すタイミングで感謝を伝えるきっかけになりますし、好印象で最後を締めることができます。

お菓子は常温で保存できる、クッキーなどを用意するのが一般的です。

なるべく賞味期限が長く、個別包装のものを選ぶことをおすすめします。

お菓子の数は、十数人程度の会社なら全員にいきわたるような数量を用意して、それ以上の人数であれば、在籍部署の人数を目安に用意しておきましょう。

まとめ:円満退社はあくまでも理想。確実に辞めることを優先しよう

今回は、転職する際にいまの会社を円満退職するべきか、どうすれば円満に退職できるのかといったことについてお話ししました。

この記事のまとめ
  • 可能であれば円満退社した方がよい
  • ただし、円満退社にこだわり過ぎる必要はなく、自分の利益を優先するべき
  • 円満退社する場合は7つのポイントを押さえる

そして円満退社することを考える場合は、以下の7つのポイントを押さえましょう。

円満退職をするために押さえたいポイント
  • 退職を切り出すタイミングが重要
  • 最初の退職交渉は直接の上司に伝えること
  • 退職願は上司への相談後に提出する
  • 退職理由は会社が納得する無難なものを選ぶ
  • 引き留められた場合は、保留せず即答でお断りする
  • 正確な引継ぎと挨拶周りをおこなう
  • 退職当日の挨拶と菓子折りの準備をする

転職で退職するということは、

すでにその会社に見切りをつけている

ということなので、そもそも円満退社というのは理想論なのかもしれません。

転職するためには、まずは退職する必要がありますので、無理やり円満退社にこだわる必要はなく、とにかく「まず辞めること」を優先すべきでしょう。

お話しした内容を参考にして、できるだけスマートな退職が果たせることを願っています。

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この記事を書いた人
なげ
50代男性、東京都在住。日用品業界にて30年近く営業として働いています。 7回ほど転職を経験しており、私の転職体験や経験が40代の転職でお悩みの方に、なにか少しでも参考になればと思っています。
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