いざ退職をするとなると、多少会社に思うところはあっても、立つ鳥跡を濁さずで、できるだけ穏便に退職したいと思うものです。
とくに同業他社へ転職する場合にはなおさらでしょう。
ただこちらの意に反して、転職する旨を伝えた時から、捨てゼリフを吐かれたり、嫌がらせが始まることもあります。
この期に及んで嫌がらせをするような会社は、辞めて正解だったといえるでしょう。
いい会社であれば、退職時のマニュアルやマネジメントもよくできているものなのです。
もう辞める会社の都合に振り回される必要はありませんし、今さら利益に貢献してあげる必要もありません。
嫌がらせを言われても、できるだけ軽く受け流して、今後の自分の利益を優先して行動しましょう。
ただ仕事というのは、いまは関係ないと思っている会社でも、どこでご縁があるかはわかりません。
ですので、自分から捨てゼリフを返すようなことはせずに、グッと飲み込んで笑顔でお別れしておけば、この先なにかあったときにも安心です。
退職を伝えて始まった上司の嫌がらせ
退職を伝えたら、とたんに、
このようなことを言い出したり、仕事を全部取り上げられてすることがなくなったなど、ほぼ嫌がらせというようなことが起こったりします。
じつは筆者も退職するときに、上司から嫌がらせといえる行為を受けたことがあります。
その実例をいくつかご紹介しますが、もっとひどい嫌がらせを聞いたこともありますので、筆者の体験はまだ可愛い方だったのかもしれません。
「もう経費を使うな」と言われる
筆者は営業部に所属していたので、普段から外回りをするのが仕事でした。
退職するまでとくに担当の変更もなかったので、退職のあいさつ回りもかねて取引先に通っていたところ、上司に呼び出されて、
このように言われてしまいました…
普通は退職する時には、後任の担当者を連れてご挨拶にあがるものなのですが、退職する奴の経費はムダだと経費節減を優先したようです。
とくに筆者に不利益があるわけでもないので、これは素直に従いましたが、
このように思ってあきれてしまいました。
提出した書類にダメ出しされる
ある時に営業部全員に指示があり、指示事項のまとめを提出したところ、筆者だけが呼び出され、
上記のように言われたことがあります。
エクセルで作成した簡単な表であり、とくにおかしなところもなかったので、
このように聞いたところ、それをプリントアウトしてきて、
こう言い出したのです。
エクセルのフォーマットは上司が送ってきたものなので、初期設定のままなのであり、完全に嫌がらせの為にやっているとしか思えません。
しかもそのあとに、
このように聞いたところ、
こんな話だったのです。
期日までに提出した筆者に文句をつけて、提出していない人には文句ひとつ言わないので、ただ「いちゃもん」つけているだけだなとあきれてしまいました。
パソコンの使用を監視される
辞める一週間くらい前になって、また上司に呼び出されて、
こう言って、SDカードの取扱説明サイトのプリントアウトを見せられました。
確かに筆者が見たサイトですが、普段使っているSDカードの調子が悪かったので、メーカーのサイトを確認しただけなのですが、それが気に入らなかったようです。
このようなお達しを受けました。
このときに初めて、社員のパソコンが監視されていることに気が付きました。
おそらく今までも、メールの内容などをチェックしていたのかもしれません。
これは筆者のガードが甘かったと反省材料になりました。
この上司の方は、退職間際に筆者への不手際があったので、念のため書面にしておこうと思い、
上記のように伝えたのですが、
筆者にこのように言ってきたのです…
信用できない人間は、やはり最後まで信用できないものなんだと、この時に痛感しました。
退職を伝えた時に言われても無視していい常套句
次に、退職することを伝えた時、よく言われるイヤミの常套句をご紹介しておきます。
転職が決まった後は、
こんなふうになぜか謙虚になってしまい、嫌がらせの言葉にも心を痛めてしまうことがあるもの。
しかし、ここで紹介するのはよく言われる単純な嫌がらせであり、あなたのことを心配して言っている言葉ではありません。
もしこんなセリフを言われたら、
このように思って、気にしないことが一番です。
君、別の会社に行っても難しいと思うよ
まっとうな会社のまっとうな社会人であれば、普通はこんなことは言いませんから、ただの嫌がらせだと思って間違いありません。
別にあなたのことを心配して、言ってくれているわけではありません。
そもそも、このセリフを吐いた人自身が、別の会社で通用する保証もないのです。
人間やスキルって、合わないところでは合わないものです。
実際に、就職した会社でハマらなくても、転職したらその仕事にばっちりハマったというケースもあります。
こんなことを言われたからといって、くよくよ考え込む必要はありません。
また、実務のスキルの問題ではなく、単にその会社の習慣に合ってない場合や、そりが合わなかった人からも、捨てゼリフとして多用されるのです。
同義語として、上記のような言われ方もあります。
この業界で仕事をできなくしてやる
そもそもそんなことができる大物は、こんなセリフを言いません。
今あなたが勤めている会社が相当の業界シェアを持っており、上司がその業界のドンでもない限り不可能です。
このパターンは、
このように虚勢を張っているだけです。
あるいは転職したことを後悔させたり、ちょっと脅かしとくか、というレベルの嫌がらせにすぎません。
ただし、ひとつ注意しておきたいことは、同業他社に転職して、クライアントが転職先の会社でもかぶる場合です。
タチの悪い上司の場合、あなたの悪口を言いふらす可能性があります。
筆者の友人がうつ気味になって退職せざるを得なくなった際に、その会社の社長がクライアントに、
このように言いふらしていたことがありました。
こんなバカな社会人は少ないと思いますし、クライアントがまともな企業であれば、逆に悪口を言っている人の評判が落ちるだけです。
さほど心配はいりませんが、実際にこのような話はあるもの。
この対策としては、退職する前に転職先を決めておくことです。
いちど内定をもらっておけば、このような風評被害で内定を取り消されることはありません。
そしてもし会社の判断よりも、他人のウワサを信じるような会社であれば、しょせんその程度の会社だったということです。
辞めるなら代わりの人を見つけてからにして
少人数で回している会社だと言われがちな言葉です。
退職するのにそんな義務はありません。
会社の業務にブランクができないように、あなたに押し付けているだけです。
こういうことが言いたいわけですね。
そもそも、辞めようとしている会社を、知人に勧められるわけがありません。
このようにきっぱりとお断りしましょう。
いちど退職することを告げたら、引き留められても退職したほうがいい
あなたがやり手だった場合、引き留められることもあるかもしれません。
上記のように好条件を提示してくることもあります。
いちど退職した会社に復職する人もいますが、退職の意思をすぐに撤回するのは、やめておいた方がいいでしょう。
一度退職の意志を示したら今までと同じ関係には戻れない
極端な言い方をすれば、退職したいと言った時点で、あなたはすでに「裏切者」です。
仲間から離れて、自分だけいい目をしようと思っている奴と思われているかもしれません。
この時点で同僚とも会社とも、今までの関係ではなくなっています。
今まで全面的に信じていたパートナーが、
このように言ってきた時に、それまでと同様に信頼することができるでしょうか?
離婚したいと言った方は元に戻れるかもしれませんが、離婚したいと言われた方は、裏切られた傷が残ったままになります。
いったん転職の意志を伝えたら、撤回せずに転職することをおすすめします。
また、引き留め工作として給料アップや昇進、残業時間の改善などの条件を提示してくる場合もあります。
ですが、それはその場しのぎにしかなりません。
昇進して給料が上がったと仮定して考えても、
しばらくしたら、このように言われるのは目に見えています。
もし不満なのが給与面であるのならば、ダメもとで事前交渉しておくべきです。
そうしておけば、会社側がどう思っているのかを事前に知ることができますし、給料アップの提示で退職の意志がぐらつくこともありません。
転職は逃げではない
上記のように追いつめてくる上司もまれにいます。
しかし、何と言われても転職は逃げではありません。
ドロ沼や焼け野原から脱出することを「逃げ」とは言わないのです。
転職する時には、多かれ少なかれ、
このような気持ちが芽生えてしまうものです。
自分だけ脱出するのは申し訳ないと思ってしまって、「逃げる」という言葉に敏感に反応してしまうことがあります。
しかし、転職は「逃げ」でも「撤退」でもありません。
新しい道へ進むためのスタート地点です。
会社側や残された同僚から見ると、
このように思っているのかもしれませんが、そう思っているのなら彼らも逃げればいいだけの話です。
目の前に希望と絶望の分岐点があれば、希望に向かって進むのは当たり前の話でしょう。
仮にあなたが「逃げ」だと思っていたとしても、それはそれでいいのです。
ゴジラや毒ガスや悪意とは戦えませんから、「逃げるが勝ち」なのです。
辞める会社の利益をあなたが気にする必要はない
いざ退職の意思を伝えると、退職は認めても無理な注文を付けてくる場合もあります。
このようなことを言われてしまうのです。
会社側はあなたが退職して発生する業務へのダメージを、当然ながら最小限にとどめようとします。
しかし、辞める会社の利益を心配してあげる必要はないのです。
企業は営利を追求するものなので、利用できるものはギリギリまで利用します。
そして逆はありません。
たとえば、あなたがクビを通告されたとして、
このように言ったところで、そんな話は絶対に通らないのです。
逆を考えたらありえないわけですから、そんなところで義理立てする必要はありません。
まずなによりも、あなたの利益を優先して行動していきましょう。
どうしようもないときは「退職代行」もひとつの方法
基本的には、責任をもって退職の手続きを進めるべきですが、
- 上司や会社がブラックすぎて、まともなやり取りができない
- 心身がまずいので、どうしてもすぐに退職したい
上記のように、本当に辛くてどうしようもないというケースであれば、退職代行サービスを利用するというのもひとつの方法です。
会社への連絡などを代行してくれるので、直接話をする必要もなく、いちども会社へ行くことなく退職を完了させることができます。
このような思いがあるかもしれませんが、じつは退職代行を利用する人の28%が40代以上というデータもあるくらい、利用者の幅は広がっているのです。
最近では、弁護士が退職代行サービスに乗り出すケースも増えており、
- 残業代の未払いがある
- 有休消化を拒まれる
上記のような労働問題に対しても、代理人として責任をもって対応してもらえます。
退職代行を依頼すると費用が発生しますが、初回相談は無料です。
会社へ行かずに退職手続きを進めたい場合は、いちど相談してみることをおすすめします。
まとめ:退職時の嫌がらせはよくあること。そんな会社は辞めて正解
在職中はうまくいっていたとしても、いざ退職するとなるといろいろ難癖をつけられたりするものですが、退職時の嫌がらせはどこでもあることです。
今回ご紹介した嫌がらせの常套句は、あなたを心配して言ってくれているわけではなく、ただのイヤミなのでまったく気にする必要はありません。
転職で忙しいのですから、辞める会社のロートルが発する能書きを、聞いているヒマはないのです。
転職の時に耳を傾ける必要があるのは、あなたを本当に心配してくれる人と、あなたが尊敬している人の言葉です。
最後に繰り返しておきますが、転職することも会社を辞めることも、悪いことではありません。
40代はキャリアも十分にあり、さまざまな経験値を積んできて、自分の判断で行動できる不惑の年代です。
余計な人の言葉に左右されず、あなたが選択した道を自信を持って進んでいきましょう。
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