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タクシー業界に転職しよう!経験者が語る今後の展望や働き方とは?

東京オリンピックを2020年に控えて、少子高齢化に伴う団塊世代の大量退職や人口減少など、どの業界でも人手不足が続いています。

この流れはタクシー業界も例外ではありません。

近年は運転手不足の状況で、とくに若手が入社してこないことから、タクシー業界全体で高齢化が進んでいます。

タクシー運転手は、ピーク時の38万人から30万人まで減少しており、平均年齢も59.4歳と高齢化が深刻な状況です。

今回の記事では、タクシー業界の現状や今後の展望、タクシー運転手への転職はどうなのかなど、タクシー業界を実際に経験した筆者が、詳しくお話しします。

経験談を交えて、かなりリアルに語っていますので、タクシー業界に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

40代でタクシー業界への転職はどうなのか?

他の業界であれば、ベテランとして扱われる40代ですが、タクシー業界ではまだ若手として歓迎されるでしょう。

タクシー業界で新人の募集をかけても、実際にタクシー運転手を志望する人は、50代から60代の高齢者が中心です。

社会人経験も豊富であり、若者にも年配者にも対応できる40代は、顧客層が幅広いタクシー業界にとって、貴重な存在といえます。

最初は慣れないことも多く大変ですが、仕事のペースをつかめれば、長く勤務できる仕事としてオススメです。

40代での転職は可能だが、稼げるかどうかは本人次第!?

結論からいえば、40代でタクシー業界への入社は可能です。しかし注意しなければいけないことがいくつかあります。

  • 勤務体系が特殊である
  • 給料は歩合制がほとんど

勤務体系が特殊である

まず勤務体系についてですが、

  • 勤務日:1日中乗務して翌朝に会社へ戻る
  • 次の日:そのまま明け番で休日

ほとんどの人は上記のような勤務パターンとなります。

身体が慣れないうちは、深夜の運転はかなりつらいものでしょう。

給料は歩合制がほとんど

給料体系についてですが、基本的にタクシー業界では、

お客様を何人乗せて、いくら売上をあげたかで給料が変わる歩合制賃金

上記のパターンがほとんどです。

最初のうちは道も知らないですし、お客様が多いポイントも分からないので、思うように稼ぐことができず、短期間で退職する人も少なくありません。

東京23区と他の地域では、年収にかなりの差がある

東京で働くタクシードライバ―は、平均年収450万円と比較的高額なのに対して、全国のタクシー運転手では、平均年収333万円と約120万もの差があります。

これには下記のような理由が挙げられます。

  • 東京に大手企業の本社が集中して、ビジネス利用の顧客が多いこと
  • 海外からの訪日外国人が増加して、稼ぎやすい環境が整っている

それに比べて地方の場合は、街を流してもほとんどお客様は見つからず、お客様からの呼び出しに対応する無線営業が中心となります。

このような環境の違いによって、売上が大きく変わりますので、年収にもこれだけ大きな差が出るのです。

東京23区と武蔵野市・三鷹市の場合

東京23区で勤務する場合は、近隣の武蔵野市や三鷹市も営業エリアに含まれています。

武蔵野市には吉祥寺駅があり、駅周辺は東京23区の駅とそん色ないほど発展しているため、お客様も多い地域です。

東京23区で勤務するのであれば、

  • 日本交通
  • 国際自動車交通
  • 帝都自動車交通
  • 大和交通

上記の大手4社と呼ばれるタクシー会社がオススメです。

大手と言われるだけあって、4社専用のチケットや専用乗り場を完備しており、稼ぎやすい環境が整っています。

タクシー業界へ転職するには?

タクシー会社へ転職する方法はいろいろありますが、もっとも一般的なのは、インターネットや郵送で、希望する会社に直接応募する方法です。

これがいちばん確実で間違いのない方法ですが、タクシー会社にも個性がありますので、その点は注意しましょう。

例えば、稼げたとしてもノルマが厳しかったり、逆にノルマは厳しくないけど、マイナーな会社で稼げなかったりします。

応募するタクシー会社は、慎重に選ぶことをおすすめします。

タクシー会社専門の転職サイトもあります

タクシー業界は初めてだし、どの会社がいいのかよくわからない…

このように不安な場合は、タクサポなどタクシー会社を専門にしている転職支援サイトもありますので、これらの転職サイトを利用するのも良いでしょう。

最初に自身の希望を聞いて、希望条件に合うタクシー会社を紹介してくれます。

自分に合いそうなタクシー会社が分からなかったり、どの会社に応募するべきか迷っている方は、ぜひ利用してみてください。

普通免許を取って3年以上経過した人(満21歳以上)が応募対象

タクシー運転手は車を運転する職業ですので、もちろん普通免許は必須ですが、免許を取得してから、3年以上が経過していないと応募できません。

これは普通二種免許を取得する条件が、「普通免許取得から3年経過後」となっているからです。

つまり満21歳未満の方は、タクシー会社へ求人応募できないのでご注意ください。

私服で面接に行っても合格できる

かつてはこのように言われたタクシー会社ですが、時代は変わって今では、面接時はスーツと基本的なビジネスマナーは必須となります。

面接やビジネスマナーに自信のない方は、転職エージェントや転職サイトの講習などを受けてみるなど、準備を万全にしてから面接にのぞみましょう。

過去に交通違反歴や持病のある人は要注意!

タクシー会社の応募資格ですが、基本的には前述したように、

普通免許取得から3年以上経過した満21歳以上の人

上記のような記載しかないことがほとんどですが、これを鵜呑みにしてはいけません。

もちろん上記を満たせば応募はできますし、面接へも進めますが、内定が得られるかは本人次第です。

経験談として、2点ほど注意すべき事項をお伝えします。

免許の残り点数に注意!

一つ目の注意すべき事項は、免許の残り点数です。

満点は6点で軽微な違反などであれば問題ありませんが、残り点数が4点以下だったり、免許停止処分や事故などを、過去に起こしている方は要注意です。

よほどのことがない限り、不採用となるでしょう。

ご自身の健康に問題はありませんか?

二つ目の注意すべき事項は、ご自身の健康に関することです。

タクシー会社ではどの会社でも、面接後か日を改めるかで、健康診断が実施されます。

持病などがとくにない方であれば、心配することはありませんが、高血圧や糖尿病、てんかんなど、何らかの持病を持っている方は要注意です。

こちらもよほどのことがない限り、不採用となりますのでご注意ください。

じつはこの健康診断で、不採用になる方は多いのです。

タクシー会社が応募者の健康診断を必ず実施する理由は、タクシー運転手がお客様の命を預かって、車の運転をする仕事だから。

いくら人手不足であったとしても、この点だけはどのタクシー会社でも重視しており、妥協して採用されることはないでしょう。

タクシー会社へ応募する前に、ご自身の過去の健康診断の結果を、いちど確認されることをオススメします。

身だしなみや言葉遣いなど、立ち居振る舞いは重要

タクシードライバーは、車という密室のなかで接客を行う特殊な職業です。

近年ではどのタクシー会社も、面接時に以下の点に着目しています。

  • 身だしなみはどうか?
  • 言葉遣いや会話の内容に問題はないか?

タクシードライバーであれば、乗車しているお客様から、話しかけられることもあるもの。

その時に運転手が不快な対応をすれば、たちまちクレームとなり、会社の信用は大きく失墜してしまいます。

そのため、応募者がタクシー運転手になったときに、どのような立ち居振る舞いをするのか、タクシー会社は慎重に見極めているのです。

応募する際は、言葉遣いや話し方には注意しましょう。

面接官は面接するときに、わざと親しみやすい友達のような話し方をして、こちらの出方を伺ってきます。

面接官に合わせて、軽い口調でやりとりすることは避けてください。面接官をお客様と思って、丁寧によどみなく会話をすることがポイントです。

分かりやすく言うと、面接官がお客様であり、あなたがドライバ―という関係と考えて、丁寧な接し方を心がけましょう。

面接官はよそ行きではない、普段のあなたの立ち居振る舞いに着目しているのです。

この対応を間違えると、確実に不採用となりますのでご注意ください。

経験者が語る、タクシー業界に合う人・合わない人

筆者自身もタクシー業界に身を置いてみて思ったことは、タクシードライバーにも、やはり向き不向きがあるということです。

ここでは、筆者のタクシー運転手の経験にもとづいて、タクシー業界に向く人や、向かない人についてお話しします。

こんな人ならタクシー運転手はオススメ!

タクシードライバーに向く人を挙げると、以下の通りです。

車の運転が好きな人

まずはなによりも車の運転が好きな人です。

タクシードライバーは1日で12時間以上も運転するので、走行距離も250km~300kmに達します。

もし運転が嫌いな人であれば、これは苦痛でしかありません…。

営業や接客の経験がある人

営業や接客の経験があって、相手の立場に立って物事が考えられる人も向いています。

そういう考え方が丁寧な接客につながり、リピーターや固定客の獲得につながるでしょう。

タクシー運転手として稼ぐ人は、営業や接客業の意識が強く、自身で名刺を作成して、お客様に配るようなタイプの人が多いです。

切り替えが早い人

イヤなことがあっても腐らず、切り替えの早い人もタクシー運転手に向いています。

毎日30組近くのお客様をお乗せするので、なかには全くあなたと合わない人や、不機嫌なお客様を乗せることもあるでしょう。

そんな時に、捨てゼリフを吐いて降りていくお客様もいます。

しかしイヤなことがあっても、タクシードライバーは怒ってはいけません。

つらい気持ちもあるでしょうが、運が悪かったと諦めて、笑顔で次のお客様をお迎えする。このような切り替えの早さが大切です。

タクシー運転手に向かない人とは?

タクシードライバ―に向かない人の傾向は、以下のとおりです。

短気で感情が顔に出る人

まず一番に挙げたいのが、短気ですぐに感情が顔に出るタイプの人です。

あなたはあくまでも運転手であり、乗っていただいている方はお客様です。この前提を間違えてはいけません。

今の時代は、些細なことでもすぐにクレームになりますので、タクシー会社もお客様からのクレームに神経を尖らせています。

自己中心的でわがままな人

自己中心的な考え方の人、分かりやすく言うと、わがままな人も向かないでしょう。

タクシードライバーはお客様の応対をしながら、より早く確実・正確に、目的地に着かなければなりません。

周囲の交通状況を確認して、ハンドル操作やブレーキを踏むこと、発進動作におけるまで、慎重な運転が求められるのです。

お客様はもちろんのこと、周囲の車に対しても気を配らないと、迷惑運転や事故につながります。

公共の道路なのですから、あなただけのものではないのです。

気が弱くて声が小さい人

気が弱く声が小さい人も、タクシードライバーには向いていません。

どの仕事においてもそうかもしれませんが、このようなタイプの人は周囲から軽く見られます。

ですので、お客様からも舐められてしまって、理不尽な要求をされることあるのです。

たとえば、赤信号に変わりそうなのに、

いいから進んで!

このように言われてしまったり。

ここで無理に進むと、警察が待機していた場合は確実に違反を取られます。

累積すれば免許停止処分となって、タクシー運転手を続けることができなくなってしまうのです。

たとえ相手がお客様であっても、運転をするうえで間違った要求をされるときは、毅然と対応する勇気も必要となります。

これからタクシードライバーを目指す方へ

これからタクシードライバーを目指すあなたへ、幸せになってほしい一心で、あえて厳しいこともお伝えしました。

これらはすべて、筆者が実際に経験してきたことなので、あなたにも同じような状況が起こるかもしれません。

タクシードライバーは孤独な仕事と思われがちですが、最近ではSNSなどもありますから、仕事の合間に仲間とLINEをしたり、交流を楽しんでいる人もいます。

厳しい仕事だからこそ、仲間やつながり、絆を大切にして欲しいのです。

タクシーを運転している時は一人ですが、昼食や夕食を仲間と共にしたり、休日は仕事を忘れて、思い切り楽しんだりすることをオススメします。

野球やサッカー、釣りなど、タクシー会社ではクラブ活動も盛んに行われています。

このような集まりに参加して、仲間を増やしていき、仲間や友達、先輩や教官、そしてお客様など、人とのつながりを大切にしてください。

筆者はタクシー会社を退職してから、1年以上が経ちましたが、今でも勤務していたタクシー会社に遊びに行きますし、お世話になった先輩と旅行に行ったりもします。

タクシー業界のこれからの展望

ここまで、タクシー業界へ転職を考える方に向けてお話ししてきましたが、ここでは、タクシー業界の今後の展望について、筆者なりの考察をお話しします。

人手不足やドライバーの高齢化など、深刻な課題を抱えるタクシー業界ですが、社会人経験をある程度積んている、40代の転職先としてはよい業界だといえるでしょう。

タクシー会社より重視される接客において、これまでの経験を存分に活かすことができるからです。

タクシー業界の今後の見通しは?

訪日外国人の増加やラグビーワールドカップ、東京オリンピックや大阪万博など、大きなイベントを数多く控えており、今後も需要は増えていくでしょう。

しかし高齢化によって、タクシードライバーは減少していくことが予想されています。

東京の大手タクシー会社である日本交通や国際自動車交通などは、大卒の新卒採用に着目しており、両社ともここ数年で、新たに100人以上の新卒採用に成功しています。

なかには早稲田や慶應など、一流大学と言われる学生も。

タクシー業界としては、今後はこのような若い世代に活路を見出して、業界を活性化していくほかないでしょう。

タクシードライバーの減少は業界自体の縮小につながり、消滅の危機に瀕する可能性があります。

しかしどのタクシー会社においても、100年以上続いている伝統あるこの業界を、無くしてはならないと考えているのです。

景気の影響を受けやすく、消費税の増税後は要注意!

タクシー業界は、景気の影響を受けやすいと言われていますが、これは本当です。

実際に、筆者がタクシー会社で働いている頃に、消費税が5%から8%になりましたが、売上は下がりましたし、回復するまで1年近くを要しました。

今年の10月に、消費税が8%から10%へ増税されることが決まっていますが、ここをどう乗り切るかがポイントになるでしょう。

東京を例に取ると、筆者が在籍していた時期に、初乗り運賃を730円から410円に値下げして、若干ですがお客様が増加しました。

ひとつの会社だけではなく、タクシー業界全体で一致団結して、難局を乗り切る対策が今後も必要となります。

Uberなどの参入により、今後は外資との競争になる?

ウーバーLyftなどの外資ビジネスも、虎視眈々と東京への進出を狙っていますが、現状ではあまり幅広く認知はされていません。

これらは一般のドライバ―とお客様をマッチングさせて、手数料で利益を上げるビジネスモデルですが、こういった外資ビジネスとの競争は、今後も続いていくことが予想されます。

さらに自動運転技術の導入や、CREWのような新しいビジネスも次々と台頭していますので、タクシー業界における今後の展開から目が離せません。

観光タクシーなどの新たなサービスの導入に期待

外資や新しいビジネスが続々と参入する中で、タクシー業界も以下のような新たなビジネスを展開しており、手をこまねいているばかりではありません。

  • 観光タクシー
  • 子育てタクシー
  • 相乗りタクシーの実現化など

また近年では、タクシー業界のIT化が急速に進んでおり、お客様がスマホでタクシーを呼べる配車アプリの開発など、各社がしのぎを削っています。

AIを活用して利用客の分布を予想するシステムも開発されており、タクシードライバーのIT対応が急務の状況です。

今後のタクシー業界は、若者の活用とIT化がキーワードとなるでしょう。

まとめ:これからのタクシー業界は変化と競争の時代に!

かつては雲助と呼ばれて、いちど会社を出ると、どこへ行くか分からないと揶揄されてきたタクシー業界。

しかし近年では、とくに大手各社が接客や教育に力を入れて、業界の悪いイメージを払拭しようと懸命に努力をしてきました。

その結果、東京のタクシーは世界一と評されるまでに。

今後もこのイメージを大切にして、すべての人に愛される業界となってほしいものです。

しかし一方では、外資ビジネスや自動運転などの新技術と、生き残りをかけた競争は激化すると予想されています。

これからタクシー業界を目指す方にとっては、このような新しいビジネスとの厳しい競争は避けられないでしょう。

変化が多く楽しい業界でもありますから、変化を好んで楽しめる方であれば、ぜひタクシー業界への転職を目指してみてください。

晴れてタクシードライバーとなった日には、お客様との会話を楽しみながら、日々の鍛錬や研究を忘れずに、売り上げ上位を目指しましょう。

タクシードライバーの生活にメリハリをつけて、末永くご活躍されることを心より願っております。

この記事を書いた人
エイージ
40代男性、神奈川県在住。これまで外食やノンバンク、法人・個人営業やタクシー運転手、物流など幅広い職種を経験。現在は本業の傍ら副業としてwebライターとして転職関連を中心に執筆。