(執筆:Rika)
40代の転職は甘くありません。20代・30代の時の転職活動とは全く状況が異なります。
各企業が中途採用でターゲットにしているのは、おもに35歳までの若年層ですから、40代はまず「中高年向けの求人」を探し出すのに苦労します。
仮に面接に進めたとしても、マネジメント経験や高い実績・専門性などを問われて、あえなく撃沈…。
なかなか内定を得られないのが40代の現状です。
しかし、書類選考や面接の通過率を上げるための準備はもちろん、応募前の事前準備の質を高めれば、40代でも良い結果が得られます。
ここでは、40代が転職を考えるときに、準備するべき3つのポイントについてご説明します。
転職時期のタイミングとスケジュールを考える

転職を考えたときは、まずは以下の3つについて確認しましょう。
- 転職活動の流れを把握する
- 転職するタイミングを考える
- 転職活動のスケジュール計画を立てる
40代の転職は長期化しがちなので、転職するタイミングや活動のスケジュールについて、最初にしっかり考えておくことが重要です。
転職活動の流れを把握しよう
はじめて転職活動する方なら、どのような順番で何をしていけばよいのか、なかなか見当がつかないでしょう。
しかし、最初に流れをつかんでおくことはとても重要です。
たとえば料理を作るときに、
材料の準備 ⇒ したごしらえ ⇒ 調理 ⇒ 盛り付け ⇒ 実食
このような順番があるように、転職活動にも流れがあります。
効率的かつ美味しく仕上げるために、調理の順番やコツがあるのと一緒で、転職にも通過率を高めるためのノウハウがあるのです。
このようなポイントを認識せずに転職活動を開始してしまうと、ときには大きな回り道をしてしまうことがあります。
転職活動の大まかな流れとしては、以下のとおりです。
転職のタイミングはどうする?
うまくいけば活動開始3~4ヶ月後に転職できるケースもありますが、希望職種やエリアによっては、半年~1年以上かかることもあります。
転職をいつ実現させるかについて、以下の3つの観点をふまえて、ベストな転職時期と絶対に避けたい時期を明確にしましょう。
- 転職理由や家族の事情などの個人的理由を勘案すると、ベストな転職時期はいつか?
- 求人が多い時期、少ない時期はいつか?
- 現職企業にあまり負担をかけない時期はいつか?
まずいちばん重視されるのは、なんといっても個人的事情です。
自身のモチベーションや家族の状況を踏まえて、転職の希望時期を決めましょう。
次に転職市場全体の動きについて。
中途採用を通年で行っている企業も多く、月別の求人数にそれほど大きな差はありません。
しいていうならば、月別では4月入社、10月入社の順で求人が多い状況です。
そして在職中の場合は、職場の状況をよく見極める必要があります。
繁忙期に退職することは、のちに禍根を残すことになりかねませんので、緊急性が高い転職理由でない限りは、配慮をしたほうがよいでしょう。
できるだけ、3つのタイミングがうまく重なる時期が理想的です。
とくに40代の場合は、すぐに決まらないことを想定したうえで、在職中に転職活動することを心掛けましょう。
退職をしてからの転職は、離職期間が長引くと転職の難易度がさらに高まるため、あまりおすすめできません。
転職活動のスケジュール計画を立てよう
次の会社に入社する時期について、大まかな目安・目標を立てたら、その目標から逆算して転職活動のスケジュール計画を立てましょう。
たとえば、4月1日入社を目指すのなら、
- 退職日:3月31日
- 最終出勤日:3月20日(その後は有給消化)
- 退職交渉開始日:2月15日ごろ
- 内定受諾日:2月14日
- 最終面接合格通知:2月10日
- 一次面接~2次面接:12月~2月上旬
- 書類準備、応募:11月後半
上記のように、3~4ヶ月のスケジュールで組むことが一般的です。
ただ3~4ヶ月で決まるのは、比較的うまくいっているパターンであり、
- 書類応募の通過率や面接通過率があまり良くない
- U・Iターン転職など
上記のようなケースでは、半年~1年近くかかる場合もありますので、いくつかのシナリオを想定しておきましょう。
また、面接が複数設定されるようになると、かなり忙しくなってくるはずなので、面接をする時期が繁忙期に重ならないように、調整する必要が出てきます。
面接のために休暇を申請することも見越して、有給休暇を残しておくなどの計画性が大切です。
無理な転職スケジュールは転職失敗のもとです。自分に合ったスケジュールを組んでいきましょう。
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経歴・スキル・価値観を棚卸しして、自身の強みを自己分析する

転職を考えるきっかけの多くは、現職への不満・不安というケースが大半です。
しかし、このような逃げの転職では、自分を客観的に見ることができていないので、次の転職先選びに失敗する可能性が高くなります。
かりに面接まで進めたとしても、自分の強みを把握していないので、効果的な自己PRができません。
これまでの経歴やスキル、価値観などを棚卸しして、自身の強みや弱みを自己分析しましょう。
自己分析をすることで、企業と自分のマッチングが向上し、書類選考や面接の通過率を上げることにつながります。
自己分析をして、自身の強みを言語化しよう
転職活動において20代であることの特典は、「ポテンシャル(伸びしろ)に賭けてもらえること」でしょう。
スキルや経験値が多少低くても、人柄の良さがあれば、

今後の育成次第で伸びるかもしれないな…
このような判断がされることがあります。
一方で、40代に対してはそのような特典はありません。
「今後の可能性に期待」という悠長な姿勢はなく、入社してすぐに結果を出すことを求められます。

この人ならすぐに活躍してくれそうだ!
このような確証が持てない限りは、企業側が内定を出すことはないでしょう。
即戦力であると企業側に思ってもらうためには、
自身が持っている強み
をしっかりアピールしなければなりません。
さらにいえば、応募求人を選定する段階で、自身の強みをアピールできる求人を選んでおく必要があるのです。
まずは社会人になってからこれまでの、職歴や実績について棚卸しをしてみましょう。
そのうえで、自身の強みを自己分析して、言語化しておく必要があります。
自己分析は面接対策の一環として行うものではなく、転職を考えたら初期の段階でおこなってください。
最初にしっかり自己分析をしておくことで、求人を選ぶ際の手がかりや、応募書類作成時にも役立ちます。
言語化できるスキルは誰にでもある

他人にアピールできるようなスキルなんて持ってないよ…
こんなふうにあきらめるのは尚早です。
これまでやってきたことを的確に言語化することで、スキルと認識されるものは誰にでも必ずあります。
スキルを言語化する手順については、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
転職先に求める条件を整理する

40代であれば、今回の転職を最後にしたいと考える人も多いでしょう。
求人票の内容に魅力的を感じて入ったものの、
- 実際に入社してみたら想像と違っていた
- 自分のやりたいことができない会社だった
このようなミスマッチを入社後に感じることは、ぜひとも避けたいところです。
大切なことは、具体的に条件を設定すること。
また、年収や働きやすさなど、表面的な条件だけで応募企業を選ばずに、
- 仕事を通して、誰にどんな価値提供をしていくか?
- 自分のどの部分を成長させていくか?
上記のような、仕事内容に重点を置いた選び方をすることが重要です。
給与や福利厚生はもちろん重要ですが、それだけでは、モチベーションを長期的に維持するのは難しいでしょう。
希望条件は、いくつもあって当然のものです。
すべての希望条件にあてはまる企業はまずありませんが、どんな環境であれば満足感高く仕事ができるか、自分の希望条件をきちんと言語化しておきましょう。
希望条件の整理に関しては、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。