40代で意を決して転職しても、すべてがうまくいくとはかぎりません。
新しい職場でいざ働き出してみると、
どうにもうまく馴染めていない気がする…
このように感じるときもあるでしょう。
既存社員や会社に馴染めないのは、40代という年齢が関係している場合もあります。
職場に若い世代が多ければ、仲間として認識してもらえないのが普通ですから、自分から馴染む努力をすることが大切です。
また、本人の努力だけでは改善が難しい場合は、再転職することも視野に入れておくべきでしょう。
この記事では、転職先の職場に馴染めないと悩む40代の方に向けて、
- 40代が新しい職場に馴染めない理由
- 会社に馴染めないときにできる努力とは?
- 努力しても無理なときは、再転職を視野に入れよう
上記のような内容について解説しています。
40代の転職を何度か経験して、馴染むことに苦労した筆者の実体験も交えながらお話ししていますので、ぜひ最後までご覧いただいて、あなたの悩みを解決するヒントにしてください。
▼この記事の執筆者▼
新しい職場に馴染めない理由とは?
新しい職場に馴染めないのには、いくつか理由があります。
ここでは、おもな理由について確認しておきましょう。
人間関係に問題がある
新しい会社に馴染めない理由で、いちばん多いのは、やはり人間関係によるもの。
人間関係だけは、実際にその会社に入ってみないとわかりませんし、どんな会社であっても人間関係の悩みはつきものです。
今までそれなりに円満に存続してきた会社に、いわば異物が混入してくるわけですから、
というくらいに考えておく方が、ちょうどいいのかもしれません。
入社して間もないうちは、
新参者の40代をすぐに受け入れてくれる方が稀だろうな…
このような気持ちで、あまり気にし過ぎない方が得策です。
過去を引きずっている
以前にいた会社のことを、
うちの会社はこうでしたよ
とうっかり言ってしまったり、
この会社ではこういうやり方なんですね
このような発言をしてしまうと、既存社員からすれば面白くないですし、距離を置かれてしまうでしょう。
自分では切り替えているつもりでも、過去の経験というのは、なかなか捨てきれるものではありません。
過去の経験値を活かさなければ…
という気持ちで発言したとしても、
前の会社の話ばかりで謙虚さがないな…
このように受け取られる可能性もあるのです。
新天地では、過去のことはいったん封印して、新しい知識のインプットに重点を置きましょう。
過去の経験値は聞かれたときだけ答える
これくらいの意識でいたほうが、何かとうまくいくものです。
入社前の約束と違う
転職するということは、入社を決めた段階で条件面の折り合いがついていたはずですが、
入社してみたら話が違うんだけど…
このような事態になることもあります。
筆者が実際に体験した事例では、
- 試用期間は3ヶ月という話だったのに延長された。試用期間が明けたら収入ダウンの提示された
- 入社してすぐの評価で給料を下げられて、予定していた年収を下回った
上記のようなケースがありました。
条件面だけの話ではありませんが、「約束と違う」と不信感を覚えれば、
この会社で大丈夫なのかな…
と疑いの気持ちが生まれてしまうので、信頼関係が築けない場合があります。
こちらが信頼をおけないと思うと、会社側もぎこちなさを感じ取ってしまうので、
お互いに距離を置いて馴染めない
ということになってしまうのです。
転職先に馴染めなかった私の経験談
筆者も40代で何度か転職を経験しておりますが、やはり転職しても馴染めない職場はありました。
ここでは、筆者が体験した実例をご紹介します。
会社の規模が違いすぎた
大企業から小さい会社に転職する場合の方が、転職先に馴染みにくい傾向にあります。
会社の規模がそれなりに大きければ、担当分担も細分化していますし、福利厚生もきちんとしているでしょう。
しかし、会社の規模が小さいと、
- 有休をとるのにも社長のご機嫌伺いが必要
- 仕事の分担があいまいで、自分の責任範囲がはっきりしていない
- 仕事上のトラブルが「個人対個人」のぶつかり合いになって収拾がつかない
上記のような職場環境で働かざるを得ないことがあるのです。
実際にその環境に身を置くと、馴染めないというよりも戸惑うばかりで、
株式会社とは名ばかりで、会社の体をなしていないじゃないか…
筆者もこのように思わざるを得ませんでした…
会社の規模が違いすぎると、このような弊害が起こりがちです。
仕事の進め方・システムが違いすぎた
会社規模と関連する場合も多いですが、仕事の進め方や社内のシステムが違い過ぎる場合も、戸惑って馴染みにくいと感じることが多いでしょう。
筆者が体験した例でいうと、
- 前の会社ではパソコンでしていた業務を、わざわざ手書きでやる必要があった
- 出勤退勤を紙のタイムカードで打刻する必要があった
こういったケースでは戸惑いました。
実際に遭遇したときには、
なんて遅れた会社なんだろう…
と驚いたものですが、いま考えてみると、
というのが正解だったように思います。
ある会社に転職したときに、タイムカードをパソコン上のソフトで記入する必要がありました。
筆者はそれまで、タイムカードの打刻がない会社に勤務していたので、
今どきタイムカードがある会社なんてあるんだ…
このように驚いたものです。
しかし、同期で入社した人たちの反応は、
ずいぶん古いシステムを使ってるね
パソコンで勤怠管理とかすごいなぁ
上記のように人それぞれ違っていました。
このように、過去の自分の環境によって、受け取り方は変わってきます。
ただ、新しいことから旧式なことに戻るのは、なかなか受け入れにくいことですから、「馴染めない」と感じてしまう人も多いでしょう。
既存社員と年齢が違いすぎた
40代ってじつは微妙な年ごろです。
上記のような中途半端な年代だったりします。
経営陣が年配で、社員が若手しかいない会社に転職すると、同世代の社員がいないので、
年齢のギャップがあるので馴染めない…
と感じてしまう場合もあるでしょう。
筆者も40代後半のときに、20代~30代前半の若手社員が多い会社に転職して、努力はしたのですがどうしても馴染めなかったことがあります。
休憩時間などに出てくる話題といえば、
今週の『週刊少年ジャンプ』見ました?
K-popなら誰が好きですか?
こんな内容ばかりで、筆者にはついていけませんでした。
筆者のケースでは、単純に「趣味が合わなかった」という側面もありますが、世代によって話題が違うのはよくあることです。
普通は年齢を重ねるにつれて、新入社員などが入社してきますので、
自分より若い年代を受け入れることには慣れている
という人は多いでしょう。
しかし、自分より上の社員が入社してくるというのはイレギュラーなことですし、そもそも年上の中途社員など、若い子には煙たいだけです。
筆者も、最後までこの会社には馴染めませんでした…
自分から会社に距離を置いてしまうこともある
会社に馴染めないと感じている場合、
じつは自分から会社と距離を取っている
というケースもあります。
たとえば、ブラック企業であることを、社員が自虐的な意味合いで話題にしているような会社です。
サービス残業も当たり前で、無茶な要求が多かったりする会社だと、
この会社を経験したら、もうどこでもやっていけますよ(笑)
このような話を既存社員から聞かされることがあります。
これはスキルやキャリアを積めるという意味合いではなく、
という言い換えに他なりません。
こんなことを言われると、どうしても心や頭に拒否反応が生まれてしまいますよね…
ですから、無意識に会社と距離を取ってしまい、結果的に馴染めなくなってしまいました。
40代が会社に馴染めないときにできる努力とは?
年齢だけの問題にするわけにはいきませんが、既存社員や会社に馴染めないのには、40代という年齢も関係しています。
20代や30代前半の既存社員からすれば、
よく知らないおっさんが入ってきた…
という状態でしょう。
たとえあなたが後輩扱いであったとしても、仲間としては認識してくれないことが普通です。
自分が20代の若手だった頃を思い出してみてください。
40代の社員って、話しかけにくい存在ではありませんでしたか?
ですから、ある程度の時間はかかりますし、自分から馴染む努力をすることが大切です。
老害になっていませんか?
最近は「老害」という言葉をよく耳にしますが、40代でもうっかりするとそれに近いことがあります。
- 社会人としてのキャリアが十分だと自負している
- 以前の職場の方が大企業だった
こういった思いがあると、自分では意識していなくても、相手にはちょっと偉そうな態度に見えてしまうものなのです。
自分では謙虚にしているつもりでも、相手にとっては「鼻につく人」なのかもしれません。
管理職として肩書があればまだいいのですが、役職がなく対等な場合であれば、村八分のような扱いに合うこともあります。
新しい会社では、相手が寄り添ってくれるのを待つのではなく、
自分から溶け込む努力と謙虚な姿勢をもつ
ということが大切です。
新しい会社のやり方に従う
異文化に慣れるのには努力が必要です。
文化が違う会社に入社するわけですから、まずは「郷に入っては郷に従え」を心がけましょう。
40代ともなれば、社会人としての常識も十分に身についています。
しかし、この「常識」というのがくせもの。
常識やルールは会社によって違うものですが、年を取れば取るほど、
自分が知っている常識が正しいだろう
このように思い込みがちなのです。
会社によっては、今までの経験値から判断すると、とんでもなく変な常識がまかり通っていたりします。
違和感を感じることもあるでしょうが、その新しい常識を飲み込まないと、いつまでたってもよそ者扱いで、馴染めずに苦労するのです。
明らかに非合法であったり、ハラスメント的なものなどでなければ、
一旦は違和感を飲み込んで受け入れる
ということが、新しい職場に馴染める近道となるでしょう。
ひとつ例を挙げると、
オフィスの掃除はすべて社員が行うように!
というルールになっている会社があります。
もちろん、ゴミ捨てもトイレ掃除も…
これまで大企業で勤務してきた人からすれば、
社員に掃除をさせることに、何の意味があるのかわからない…
このように思うかもしれませんが、そのルールが会社の「常識」なのです。
くだらない文化に見えても、過去にいろんな経緯があった可能性もあります。
たとえあなたが拒否したとしても、その常識が覆ることはないでしょう。
苦労して学んできた自分の常識を、完全に捨てる必要はありません。
しかし、新しい会社を自分の常識だけで計ると、おかしなことになる場合があります。
改善を提案するにしても、
- なぜこんな古いやり方をしているのか?
- なぜ改善できないのか?
ということを、しっかり見極めてから行動したほうが賢明でしょう。
「郷に入れば郷に従え」という先達の言葉は、やはり的を射ています。
社内の力関係を読む
転職先にいち早く馴染むための方法として、
仕事のことや会社のことを、何でも相談できる人を作る
というのが理想的です。
小さな会社でも、人間関係は複雑だったりします。
そのなかで、
- 誰が親切なのか?
- 誰が実力者なのか?
- 誰が嫌われているのか?
といった社内の力関係を知ることができれば、攻略方法がわかって馴染みやすくなるでしょう。
表立って見える部分には限界があり、
こんなことが水面下で動いていたなんて…
上記のようなことはいくらでもあります。
社内政治に詳しい人と親しくなれば、社内のパワーバランスが理解できて、会社の実情が見えてくるはずです。
また、会社によっては派閥が存在する場合がありますが、
ということをおすすめします。
主流派や対立構造が読めないうちに、どこかに取り込まれてしまうのはかなりリスキーです。
社内の力関係が読めてきて、会社の雰囲気もはっきりしてくると、自分を置くべきポジショニングが明確になってくるでしょう。
コミュニケーションを取る努力をする
職場でのコミュニケーションを円滑にするために、
- 会話数を増やす
- 共通の話題を探す
- 食事をする
上記のような、基本的なことの積み重ねを大切にしてください。
年齢が離れていたとしても、趣味が合ったり共通の話題があれば、コミュニケーションがとりやすくなります。
- 音楽
- ゲーム
- 釣り
といった年齢に関係なく楽しめる趣味があれば、世代を超えたコミュニケーションの媒介となるはずです。
また、酒飲み同士であれば、お酒を酌み交わしての食事なども、親密になれるきっかけとなるでしょう。
筆者の経験談ですが、20歳くらい年齢の離れたアルバイトの子と、一緒に仕事をする機会があったとき、話題がなくて困ったことがありました。
彼とは一日中一緒にいなければならなかったので、
なんとかコミュニケーションを取らなければ…
と苦心していたのですが、なかなか共通点がみつかりません。
しかし、あるとき音楽の話になり、イギリスのバンド「Queen」の話になったのです。
筆者にとっては、若い頃によく聞いたバンドでしたが、音楽好きだった彼の反応は、
伝説のバンドじゃないですか。映画も観ましたよ!
あのクイーンをリアルタイムで聴いていたなんてスゴイですね!
と急に尊敬の眼差しで見られるようになりました。
このような共通の話題を見つけるためにも、まずは会話を重ねることが大切です。
とくに女性の場合は、会話数が親密度に比例しますので、日々の会話を積み重ねることを意識しましょう。
努力しても改善しない場合は、再転職を視野に入れよう
どんなに努力をしても、本人の努力だけでは馴染めないし、改善できないこともあります。
努力してもわかりあえない人もいますし、理解できない人もいます。そしてイヤな奴だっているものです。
努力することが無駄だと感じたら、再度転職することを視野に入れましょう。
貴重な人生の時間を、必要以上に無駄にすることはありません。
どんなに努力しても合わない人はいる
努力をしているのに、それでも馴染めないのであれば、それはあなたのせいではありません。
- 相手側に問題がある
- 周囲との相性が悪い
上記のどちらかでしょう。
筆者もある転職先で、いじめのような個人攻撃に遭遇したことがあります。
上司からの攻撃だったのですが、どんなにこちらが努力して合わせようと思っても、上司側にその気がないので解決のしようがありません。
結局その会社を退職することになったのですが、最終出社日にもその上司は、筆者にひと言も声をかけずに退社していきました。
世の中にはこういう人もいるんです。
筆者は、今でもその会社を退職したことを後悔していませんし、
世の中には、どんなに努力しても合わない人がいるもんだな…
ということを学んだいい機会だったと感じています。
合わないと感じたら、すぐに判断するのもアリ
職場に馴染めないと感じていても、
仕事なんだからある程度は我慢するべきだろう
という意見もあるでしょうが、会社は自分の意思で替えられるものです。
どうしても「馴染めない」「合わない」という場合は、早々に再転職を視野に入れるのもありでしょう。
筆者が転職して、半年ほど在籍していた会社での話ですが、40代の男性が筆者のあとに中途採用で入社してきました。
同年代なので、いろいろと話す機会があったのですが、その人は入社してすぐに、
直属の上司と合わないですね…
と打ち明けられて、1週間ほどで辞めてしまったのです。
彼が入社してすぐのときに、
会社は自分がどの程度なのか見定めているのかもしれない
でも僕もどの程度の会社なのか見ているんですよ
このように話していたのが印象的でした。
たしかに上司はクセのある人物で、そのあと筆者についても、
あいつとよく話していたから、良からぬことを吹き込んだんだろう…
こんなウワサを流していたようです。
筆者もその後退職することになったのですが、結局はそういう会社でしたので、彼も私も長居せずに辞めて正解だったのでしょう。
会社と会社員は恋愛関係みたいなものですから、やはり相性の良し悪しはあります。
こちらが好きでも、向こうが必ず好きになってくれるわけではありませんし、努力すれば何とかなるというものでもありません。
管理職で転職する方がやりやすい
40代であれば、一般社員で入社するよりは、管理職として転職したほうが馴染みやすいでしょう。
会社員はやはり肩書を重視する傾向にありますから、
ということは間違いありません。
ただし、求められるものも高くなります。
結果を出せないと部下ばかりか、経営陣からも総スカンを喰ってしまう可能性もあるでしょう。
どうしようもないときは、「退職代行」もひとつの方法
基本的には、責任をもって退職の手続きを進めるべきですが、
- 上司や会社がブラックすぎて、まともなやり取りができない
- 心身がまずいので、どうしてもすぐに退職したい
上記のように、本当に辛くてどうしようもないというケースであれば、退職代行サービスを利用するのもひとつの方法です。
退職代行を利用すれば、会社への連絡などを代行してくれるので、
自分で直接話をすることなく、退職手続きを完了できる
というメリットがあります。
ただ、「退職代行」と聞くと、
そんな無責任な辞め方をしたらマズいのでは…
このように思う人もいるかもしれませんね。
しかし今では、
- 利用者の58%が30代以上、40代以上の割合は28%
- 40代でも34.8%の人が、退職代行の利用を検討
上記のような調査データもあるくらい、年齢や会社規模を問わず、退職代行は幅広く利用されています。
最近では、弁護士や労働組合が退職代行サービスに乗り出すケースも増えており、
- 残業代の未払いがある
- 有休消化を拒まれる
といった労働問題に対しても、代理人として責任をもって対応してもらえます。
退職代行を依頼すると費用が発生しますが、初回相談は無料です。
会社へ行かずに退職手続きを進めたい場合は、いちど相談してみることをおすすめします。
実際に使ってみた人のリアルな感想やおすすめの退職代行サービスについては、以下の記事でご紹介していますので、詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。
まとめ:40代なら職場に馴染むための努力は必要。でも難しい場合もある
今回は、転職先に馴染めないと悩む40代の方に向けて、
- 新しい職場に馴染めない理由
- 40代が会社に馴染めないときにできる努力とは?
- 努力しても無理なときは再転職を視野に入れるべき
こういった内容について、筆者の体験談を交えながらお話ししました。
転職を果たしたとしても、40代が新しい職場に馴染めないのは、珍しいことではありません。
もしあなたに原因があるのなら、馴染むための努力をする必要がありますが、本人の努力だけでは改善できない場合もあるのです。
努力をしても無駄かもしれない…
このように感じるときは、再度転職をすることも視野に入れましょう。
40代ともなれば時間は貴重ですから、無駄な労力に時間をかけすぎる必要はありません。
ただし、40代の転職はそれほど簡単ではありませんので、しっかり準備をしたうえで、転職活動を再開するようにしてくださいね。