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退職時の引き継ぎはどこまでやればいい?現実的なラインを経験者が解説します

退職時の引き継ぎはどこまでやればいい?現実的なラインを経験者が解説します

退職するときの悩みの一つとして、「引き継ぎをどうするか?」という問題があるでしょう。

  • どこまでやれば、後任者にちゃんと引き継げるのか?
  • 引継ぎする内容に漏れはないだろうか…

こういったことを、いろいろと考えてしまうものです。

やり残しがあれば、転職後も心残りになることもありますし、

ちゃんと引き継ぎが終わるまで辞めさせない!

といった嫌がらせを言う会社もあります。

ですが、実際には完璧な引き継ぎというのはありえません

現実的には、後任者の業務に対する疑問がなくなって、

これなら自分にもできそうだ

と思ってもらえるくらいが、引き継ぎ完了のラインとなります。

この記事では、退職の引き継ぎについて悩んでいる方に向けて、引き継ぎで押さえておきたいポイントを解説しています。

筆者はこれまで転職を7回経験したなかで、何度も退職引継ぎをしてきました。

その実体験も交えながらお話ししていますので、ぜひ最後までご覧いただいて、あなたの悩みを解決するヒントにしてください。

会社を辞めるときの手続きについては、退職手続きを円滑に進めるためのポイントでご紹介していますので、あわせてご確認ください。

目次

▼この記事の執筆者▼

50代男性、東京都在住。日用品業界にて30年近く営業として働いています。 7回ほど転職を経験しており、私の転職体験や経験が40代の転職でお悩みの方に、なにか少しでも参考になればと思っています。

退職の引き継ぎは、どこまでやっても終わりがない!

退職の引き継ぎは、引き継ぐ側と引き継がれる側が、

お互い納得するまで引継ぎをおこなう

というのが理想ですが、それでは終わりが見えませんし、そんなに時間が取れる方は少ないでしょう。

1ヶ月くらいの期間で、後任をベテラン並みにするのは無理がある

筆者が以前退職するとき、取引先に後任の紹介回りをしたのですが、そのときに言われたのは、

ちゃんと使えるようにしてから辞めてくれよ

こっちがイチから教えるのは勘弁してくれ。それは困るよ…

というような話でした。

確かに、後任者をすぐに動けて使えるようにしてから、退職するのがベストでしょう。

しかし、自分と同じくらいの力量がある既存社員が後任ならまだしも、

  • 後任者が新人である
  • 他業界から転職してきて、まだ勝手がわかっていない

こういった状況であれば、1ヶ月やそこらの引継ぎ期間で、10年選手並みに育てるのは無理です。

完全に引き継いだと言えるまでには、やはり実務の経験値も必要となりますので、実際にはかなり難しいことでしょう。

仕事をしていれば、次から次へと別の問題が出てくる

仮にすべての業務を引き継ぎしたとしても、仕事をしていれば次から次へと問題は発生するものです。

何十年もずっと同じことをやっていたとしても、次々に今までと違う問題が起きますよね…

ですから、たとえ引き継ぎマニュアルを完璧に作ったとしても、

後任者

これってマニュアルに書いてないんだけど…

ということはいくらでも出てきます。

例えば、カスタマーセンターやクレーム処理など。

しっかりとしたマニュアルがあったとしても、相手がマニュアル通りに動いてくれることばかりではありません。

ケースバイケースで、判断しなければいけないことがほとんどでしょう。

そして、まだ見ぬ問題を予想して引き継ぎすることはできないのです。

こうした未知の問題への対応策としては、マニュアルで作業のやり方だけを引き継ぐのではなく、

なぜこの業務をするのか?

という理由をしっかり説明しておきましょう。

仕事に終わりがないように、引き継ぎにも終わりはありません

ですから、その仕事自体の意味(骨子)をしっかり伝えておいて、

後任の人が、自分で考えて応用できるようにしてあげる

ということが重要となります。

退職時の引継ぎで心掛けておきたいポイント

退職時の引き継ぎは、実際にはどこまでやればいいのでしょうか?

後任が育つまで、無期限でいつまでもダラダラと続けるわけにもいきません。

引き継ぎにはタイムリミットがあり、たいていの場合は最終出社日まででしょう。

つまり、退職時の引き継ぎは時間との戦いでもあるのです。

引き継ぎの方法を会社に確認しよう

引き継ぎの方法は、会社側の指定があれば、基本的にはその方法に従いましょう。

もしあなたが前任者から業務を引き継いでいるのであれば、前任者の引き継ぎ資料を元にアップデートしてください。

資料が何もなければ、新たな引き継ぎ書類を作成しましょう。

引き継ぎをするときの基本的な流れとしては、

  1. 引き継ぎする人が、業務の流れをフローチャートでまとめておく
  2. 実際に業務をやってみせる
  3. 引き継ぎを受ける後任者が、のフローチャートを自分の言い回しで書き直して、マニュアル化する

上記のような形になります。

業務内容をすべて書き出して残しておく

紙でもファイルでもかまいませんが、

引き継ぎ事項はすべて書き出しておく

ということを心がけましょう。

そうしておけば、言った言わないで後々にもめることもありませんし、後任者もあとで何度でも見なおすことができます。

業務内容とそれに伴ってやるべきことを、すべて書き出しておきましょう。

まずは自身がやってみせる

引き継ぎは、まず業務を自身がやってみせるところから始めてください。

概要を先に説明しておくと、後任者が理解しやすくなります。

引継ぎの心構えとしていえることは、

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ

というものです。

まずは自身でやって見せた後に、後任者にやらせてみて、できないところはフォローしてあげましょう。

すぐにはできないこともありますので、

できないところは宿題で!

ということにして、後日にもう一度やらせてみる形がおすすめです。

マニュアルは引き継ぎする後任者に作らせる

これは筆者が引き継ぎを受ける時に、実際に経験した方法ですが、

引き継ぎマニュアルを、引き継ぐ後任者に作らせる

というやり方が有効です。

他人の言い回しだと、

  • 後でわからなくなってしまう
  • 意味を取り違えてしまう

こういったことが起こりやすいですが、自分の言い回しでまとめておくと、後から見直したときにわかりやすいでしょう。

引継ぎ資料を後任者に渡すときに、

この資料をベースにして、自分のマニュアルを作っておいてね!

と話しておくとスムーズです。

疑問がなくなるまで、質疑応答を繰り返す

引き継ぎが進むにつれて、いろいろと疑問が出てくるケースも多いでしょう。

後任者も業務を理解できるようになってくると、

これからは自分でしっかりやらなければ…

という思いから、いろいろと疑問点が出てくるものです。

引き継ぎの期間に、できる限り疑問点を潰してあげて、疑問がなくなるようにしてあげましょう。

疑問点がなくなれば、引き継ぎはほぼ完了したといえる状態になります。

解決していない問題点も教えておく

もうひとつポイントとして、

  • いま抱えている問題
  • これから発生するかもしれない問題点

上記についても、自身の見解と対策を教えておきましょう

退職までに自分で処理できない問題があれば、後任者に伝えておいて、処理方法や対策について指示を出しておきます。

今すぐの問題点でなくても、前もって伝えておくことで、後任者も心構えができるというものです。

理想は即戦力にすること

これはあくまで理想論ではありますが、

社内でもクライアントに対しても、戦力として使えるようにする

というのが引き継ぎの理想です。

実際にはそこまでできるケースは少ないかもしれませんが、

よし、これならなんとかできそうかも

このように後任者が感じて、滞りなく退職後の業務を行えるようにしてあげましょう。

私が経験した引き継ぎ体験談

会社や環境が違うと、引き継ぎにもたくさんのやり方があり、いろいろな問題が起こるものです。

ここでは、筆者がこれまでの転職で引き継ぎした際に、経験したことをご紹介します。

パソコンの中身をすべて消していった前任者

筆者が管理職だった時に、ある社員が退職することになりました。

後任の社員がいなかったため、当面の引き継ぎを筆者が受けたのです。

しかし退職後に、退職した彼のパソコンを確認したら、簡単な引き継ぎ書以外はすべて削除されていました…

その社員は営業だったのですが、

  • 業務日報
  • クライアントに提出した企画書
  • 担当者の実績など

上記のような資料をサーバにも残すことなく、すべて削除していたのです。

パソコンをチェックしなかった筆者も間抜けでしたが、

これはやられた…

このように思わざるを得ませんでした。

幸いなことに、特段の必要な資料もなかったので事なきを得ましたが、

必要と思われる資料は、退職するときは削除せずに残しておく

ということを心がけてください。

退職後に、後任から電話が頻繁にかかってくる

筆者が退職した後に、わからないことがあるとすぐに電話をかけてくる人もいました。

引き継ぎ期間は1ヶ月ほどあったので、

よし、しっかり引き継ぎできたな…

と思っていたのですが、後任者はキャリアが浅いこともあり、なかなかうまく回せなかったようです。

後任の子は、在職中は直属の部下であり、可愛がっていたこともあったので、とくに苦に感じることもなく、その都度対応していました。

しかし、そういった良好な関係性ばかりとは限りませんし、

  • 後任者があまり仲良くない社員である
  • 何の遠慮もなく、当たり前のように電話をかけてくる

上記のような場合は、イライラしてしまうこともあるでしょう。

とくに、こちらが転職して間もない時期であればなおさらです。

引き継ぎをする際に、

わからないことがあったら、いつでも連絡してくれていいよ!

このように言うのはとても親切ですが、後任がすぐに人を頼ってくるタイプの場合には、注意したほうがよいかもしれません。

引き継ぎはいらないと言われた会社

ある会社にいた時にリストラされてしまい、

3日後から出社不要です。引き継ぎもいりません!

このように言われたことがあります。

まさに喧嘩上等です

そのときはカチンときて、

こんな会社に義理はない。引き継ぎなんかひとつもしてやるものか!

という思いになりました。

しかし、筆者はまだその業界で生きていくつもりだったので、クライアントには仁義を通さねばなりません。

たとえ会社から出社不要と言われたとしても、

〇〇さんは挨拶もなく、急に辞めちゃったのか…

こんなふうに思われてしまうと、この先の自分の信用にかかわります。

とりあえず3日間でクライアントに挨拶回りをして、後任の部下には必要最小限の引き継ぎをしてから、退職することにしました。

とくに同業界に転職する場合は、

辞める会社に義理はない、引き継ぎなんか適当でいいよ…

上記のように考えるのではなく、

将来の自分のために必要なことである

と思って引き継ぎをしておいた方が、自分にとって安心です。

自分が編み出したやり方を、引継ぎする義務はあるのか?

自分が考え出した効率よい仕事のやり方を、後任に伝えるべきかどうか悩む場合もあるかもしれません。

例えば、

  • Excelにものすごい数式を組んで効率化した
  • 自分でシステムを組んで、作業を短時間にできるようにした

こういった場合に、それを残していく義務があるのかどうかというケースです。

自分の作ったシステムを巻き戻して、退職してしまった知人の話

これは筆者の知人の話ですが、彼はある会社でITを担当していました。

自分で作ったシステムを活用して、3人分の仕事をこなしていたのですが、

自分の仕事が正当に評価されていない…

と感じた彼は、転職することを決意したのです。

そして退職するときに、自分の作ったシステムを置いて行かず、彼が入社する前の古いやり方で、後任者に業務を引き継ぎしました。

すると、引き継いだ後任の担当者は、

この仕事量は3人分くらいあるので、とても私一人では対応しきれません!

このように会社に相談したのだとか…

退職する本人は、さぞや痛快だったでしょう。

業務時間に作ったものは「会社のもの」。引き継ぎはするべき

個人的には、知人に共感できる点もあるのですが、実際にはあまりおすすめできるやり方ではありません。

  • 業務中に開発したシステム
  • 業務時間内で作成した書類

こういったものはやはり「会社のもの」と判断されますので、引き継ぎのときに共有しておくべきです。

たとえ作成したシステムを会社に置いてきたとしても、作成する能力やノウハウは、すでに自分の中にある財産であり、減るわけでもありません。

後任者に引き継げることは、実際には業務の方法論や形式でしかないのです。

どれだけ綿密なマニュアルを作ったとしても、後任者はあなたと同じようにはできないでしょう。

マニュアルというのは楽譜のようなものです。

ピアニストによって表現方法が違うように、同じマニュアルでも出せる結果は人によって違いますから、

  • 気難しいクライアントのご機嫌の取り方
  • 自分で構築したノウハウや信用など

こういったものをすべて引き継ぐことはできません。

教えられることは、出し惜しみせずに教えてあげましょう

後任者に教えているうちに、こちらも気づかされることもあったりするものです。

まとめ:引き継ぎ期間の完了は後任者の疑問がなくなるまで

今回は、退職するときの引き継ぎについて、どこまでやればよいのかを、筆者の経験をもとにお話ししました。

どこまで引継ぎすればよいのだろうか?

このように悩むかもしれませんが、実際には完璧な引き継ぎというのはあり得ません

もちろん、後任者が自分と同じように、仕事ができるようにしていくのが理想的です。

しかし現実的には、業務への疑問がなくなり、

これなら自分にもできそうだ!

と思ってもらうくらいが、引き継ぎできる限界でしょう。

「言ったの言わない」とか「引き継ぎで聞いてない」というトラブルにならないように、

引き継ぎ事項はすべて書面に起こしておく

ということをおすすめします。

「立つ鳥跡を濁さず」といいますが、とくに同業他社に転職する場合は、適当な引き継ぎをすると自分の首を絞めることになりかねません。

これからの自分のためにも、できるだけ丁寧に引き継ぎしておきましょう。

この記事を書いた人

50代男性、東京都在住。日用品業界にて30年近く営業として働いています。
7回ほど転職を経験しており、私の転職体験や経験が40代の転職でお悩みの方に、なにか少しでも参考になればと思っています。

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