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うつ病で退職を考える方へ。辞め方や支援制度、40代の転職方法も解説

うつ病で退職を考える方へ。辞め方や支援制度、40代の転職方法も解説

うつ病で仕事をするのがつらい状況にあり、

もう会社を退職したい…

こんな思いで悩んでいませんか?

うつ病の治療で何よりも大切なのは、まずはしっかり静養すること

ゆっくり休める期間を取りましょう。

しかし、何も考えずにただ会社を辞めて、静養するというのも不安ですよね…

生活費や医療費のことが心配になって、休む間もなく再就職のことを考えるようでは、退職する意味がありません。

じつは、うつ病で退職することになった際に、

  • 生活を支援する制度
  • 再就職するための支援サービス

上記のような、利用できる制度が用意されています

これらの制度をフル活用すれば、余裕をもって休めるはずです。

この記事では、うつ病で退職することを考えている方に向けて、知っておきたいことや辞め方、支援制度などについて解説しています。

退職後の不安を減らしてゆっくり静養するために、少しだけ記事を読み進めてみてください。

目次
この記事の監修者
久木田(くきた)みすづ 精神保健福祉士、社会福祉士、認定心理士(心理カウンセラー)

精神保健福祉士・社会福祉士
久木田 みすづ

40代女性、福岡県在住。福祉系大学卒業後、カウンセリングセンターの勤務を経て、心療内科クリニック・精神科病院で精神保健福祉士・カウンセラーとして従事。うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんと家族に対する相談や支援に力を入れる。おもにメンタルヘルス系の記事を執筆しています。【精神保健福祉士社会福祉士

うつ病で辞めるとき、後悔しないために退職前にやっておきたいこと

うつ病でつらいので、会社を退職したい…

このようなときに、「退職する前にこれだけはやっておいてほしい」ことを、まずはご紹介します。

医療機関を受診する

退職を考えるほどの状態になっているのであれば、すでに病院で治療を受けている方が多いかもしれませんね。

もし、まだ受診していないという方がいれば、精神科心療内科などの医療機関を受診しましょう。

精神科と心療内科 どちらに行くべきか?
精神科だと抵抗がある方や、軽度のうつ病の方、自律神経失調症、意欲が出ないなど、身体的、精神的な症状に悩んでいるのであれば、心療内科に相談すると良いでしょう。 悩みで身体に症状が出てつらい、症状が悪化しているということであれば、一度心療内科を受診してみてください。

出典:Medicalook

ネット上には、うつ病のセルフチェックをができるツールもありますが、自己診断だけで判断することは危険です

似たような症状の病気もありますので、やはりいちどは病院に行き、医師から適切な治療を受けてください。

▼うつ病のおもな症状▼

うつ病の精神症状
うつ病の身体症状
出典:うつ病ABC|すまいるナビゲーターうつ病

また、医療機関を受診していないと、次項で説明する診断書を出してもらうことができません。

心身の不調を感じたら、まずは病院へ行きましょう。

病院でうつ病の診断書を出してもらう

病院で、うつ病の診断書を出してもらいましょう。

診断書をもらうメリットとしては、

会社に休職や欠勤の制度があれば、利用して休める

という点です。

診断書をもらっておくことで、上司に診断書を見せて相談できますし、会社から休職が認められば、休養に専念できます。

デメリットとしては、診断書を発行してもらうのに、お金がかかることくらいでしょうか。

病院によっても違いますが、その費用は2千円〜1万円ほどです。

休職することは、デメリットになるのでは…

このように心配する人がいるかもしれませんが、休まないで無理をしていると、状態がさらに悪化することも考えられます。

うつ病と診断された場合は、

いったん休んで、治療に専念する

ということを第一に考えましょう。

会社に休職・欠勤制度があれば、利用してしっかり休む

いま働いている会社で、休職や欠勤の制度があるか確認をして、制度がある場合は利用して休みましょう。

休職は法律で義務付けられているわけではありませんが、

  • 欠勤制度
  • 私傷病休職制度

上記のような制度は、多くの会社で導入されています。

会社の総務や人事の担当者に尋ねてみるか、就業規則で制度の有無を確認できるはずです。

休職・欠勤制度の利用には、ほとんどの場合で診断書が必要となりますので、病院で発行してもらってください。

会社に休職制度がある場合は、安心して休職するために、以下のポイントを確認しておきましょう。

休職制度で確認しておきたいこと
  • 休職できる期間
  • 休職期間経過後の措置
  • 休職中の賃金
  • 復職手続き

休職の手続きに関しては、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

傷病手当金の受給要件を満たしているか確認する

健康保険制度の傷病手当金とは?

傷病手当金とは、病気やケガで休業したときに、休業期間の生活を保障する制度です。

傷病手当金の保障内容
  • 休業した1日につき、標準報酬日額の3分の2の額を支給
  • 支給される期間は最長で1年6ヶ月

休職期間中は、有給休暇とは違って無給で休むことになります

休職して収入がなくなってしまう期間に、給与の2/3ほどの額が支給されますので、給付対象になるのなら、利用しない手はありません。

傷病手当金の受給要件については、次項で詳しく解説しますので、事前に要件を満たしているか確認しておきましょう。

傷病手当金を受給する際のポイント

傷病手当金を申請するためには、以下の要件を満たしている必要があります。

傷病手当金を受給するための条件とは

傷病手当金の支給を受けるには、以下の3つの条件をすべて満たしている必要があります

傷病手当金を受給するための要件
  1. 業務外の事由による病気やケガの療養で、仕事に就くことができない
  2. 3日間連続して休業し、4日目以降も労務不能状態である
  3. 給与の支払いがない
    (給与の一部が支払われている場合は、手当が減額して支給されるか、受給対象にならないこともあります)

傷病手当金は退職後も受給できる

傷病手当金は、在職中に受給していた状態でそのまま退職しても、支給期間が残っていれば引き続き受給することができます。(最長1年6ヶ月)

ただし、継続して受給するためには、以下の2点をどちらも満たしていることが条件です。

傷病手当金を退職後も受給するための要件
  1. 退職日までに、継続して1年以上健康保険に加入している
  2. 退職時に傷病手当金を受けているか、または受ける条件を満たしている

在職中に傷病手当金を受給していない場合でも、退職後に受給するための2つの要件を満たしていれば、退職後から受給することができます

退職後も傷病手当金を受給する場合の注意点

退職後も傷病手当金を受給する場合に、気をつけてほしいのが、

退職日に出勤してしまうと、退職日以降の手当を受けられなくなる

このような注意事項があることです。

退職日に出勤したときは、継続給付を受ける条件を満たさないために資格喪失後(退職日の翌日)以降の傷病手当金はお支払いできません。

出典:協会けんぽ「傷病手当金について」

退職の挨拶や手続きなどで、うっかり出勤してしまうと、

退職日以降の傷病手当金が受給できなくなってしまった…

このような事態になりかねないので注意しましょう。

退職後の傷病手当金受給については、前述したようなわかりづらいルールがあります。

確実に受給できるように、退職前に人事や総務の担当者、健康組合などにしっかり確認しておくことをおすすめします。

傷病手当金の申請手続きに関しては、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

うつ病で会社を退職するときの辞め方

ここでは、うつ病で退職する場合の会社の辞め方についてご紹介します。

退職届の退職理由の書き方

会社に出す退職届の退職理由に、

病気のことを書く必要はあるの?

と迷っている方がいるかもしれませんが、その必要はありません。

退職理由に具体的なことを詳しく書く必要はなく、退職届には「一身上の都合により」と記載するだけでOKです。

退職届については、以下の記事で書き方などをご紹介していますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

正社員の場合は、退職の2週間前には上司に伝えること

正社員など、期間の定めのない雇用契約を会社と結んでいる場合、民法では「2週間前に退職の意向を伝えれば良い」とされています。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

出典:民法第627条

ただし、多くの企業では就業規則などで、

退職の1ヶ月前までに申し出ること

上記のように定めている場合が多いです。

どちらにするかは、退職するあなたの体調しだいで判断してください

体調に余裕があるのなら1ヶ月前に、余裕がなければ、せめて2週間前には退職を伝えておきましょう。

できれば、相談しやすい上司の方に前もって話しておくと、退職を伝えることもスムーズになるはずです。

パートや契約社員などは、即日退職も可能です

パート社員や契約社員などの有期雇用契約の場合は、契約期間に退職する場合は、基本的に「会社との合意」が必要です。

ただし、民法第628条では、

当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

出典:Wikibooks

上記のように定められているため、

うつ病になったので、働くことができません…

このように申し出て、「やむを得ない事由」と判断されれば、即日で退職することも可能でしょう。

とはいえ、損害賠償請求などのトラブルもありえます。

退職の話をスムーズに進めるために、上司には前もって心身が不調であることを伝えておきましょう。

派遣社員であれば、派遣会社に早めに相談する

派遣社員で働いている方は、体や心の不調を感じたら、すぐに派遣会社に相談をしましょう。

  • 業務量が多すぎる場合には、業務を減らしてもらう
  • 契約外の仕事を振られる場合は、断ってもらう

上記のように、派遣会社の営業担当にフォローしてもらえるのが、派遣社員として働くメリットであるといえます。

それでも職場環境が改善されないのなら、派遣先を変えてもらうこと検討するべきです。

この職場で働き出してから調子が悪い…

こんなふうに感じるときは、すぐに派遣会社に相談して改善してもらい、ラクに仕事ができる環境を作りましょう。

仕事の引き継ぎよりも、自分の体調を第一に考えて!

会社によっては、

出社して仕事の引き継ぎをしてから、退職してください!

このような要望をされるかもしれません。

しかしこの場合でも、何よりも自分の体調を第一に考えましょう

自宅で業務の要点をまとめて、メール送信でも郵送してもいいですし、電話で担当者に伝えることもできますよね。

また、傷病手当金を受給している場合は、退職日に出社してしまうと退職日以降の手当が支給されません

会社のことよりも、あなたの体調第一で考えるべきです。

どうしようもないときは、「退職代行」もひとつの方法

基本的には、責任をもって退職の手続きを進めるべきですが、

  • 上司や会社がブラックすぎて、まともなやり取りができない
  • 心身がまずいので、どうしてもすぐに退職したい

上記のように、本当に辛くてどうしようもないというケースであれば、退職代行サービスを利用するのもひとつの方法です。

退職代行を利用すれば、会社への連絡などを代行してくれるので、

自分で直接話をすることなく、退職手続きを完了できる

というメリットがあります。

ただ、「退職代行」と聞くと、

そんな無責任な辞め方をしたらマズいのでは…

このように思う人もいるかもしれませんね。

しかし今では、

  • 利用者の58%が30代以上、40代以上の割合は28%
  • 40代でも34.8%の人が、退職代行の利用を検討

上記のような調査データもあるくらい、年齢や会社規模を問わず、退職代行は幅広く利用されています

最近では、弁護士や労働組合が退職代行サービスに乗り出すケースも増えており、

  • 残業代の未払いがある
  • 有休消化を拒まれる

といった労働問題に対しても、代理人として責任をもって対応してもらえます。

退職代行を依頼すると費用が発生しますが、初回相談は無料です。

会社へ行かずに退職手続きを進めたい場合は、いちど相談してみることをおすすめします。

退職代行を利用しても問題ない理由や実際に使ってみた感想については、以下の記事でご紹介していますので、詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。

うつ病で退職したとき、お金の心配を減らすためにできること

会社を退職したら、どうしても生活費などお金のことが心配になりますよね。

ここでは、そんなお金の心配を減らすための、さまざまな制度についてご紹介します。

傷病手当金の受給要件を満たしているなら申請する

傷病手当金制度の要件を満たしていれば、退職後でも1年6ヶ月を限度に、傷病手当金が支給されます

未申請の場合は、申請手続きをして受給しましょう。

そのためにも、前述した支給のための条件と方法を、退職前によく確認してください。

ただし、一点だけ注意が必要なのが、

傷病手当金と失業保険は同時に受給できない

ということです。

失業保険の受給期間は原則1年間となりますので、傷病手当金のあとに失業保険を受給する場合は、ハローワークで失業保険の期間延長の手続きが必要です。

失業保険(失業給付金)の手続きをする

雇用保険の基本手当(失業給付)とは?

失業保険とは、労働者が会社を辞めて失業した場合に、支給される給付金のことです。

失業保険を受給するための要件について

失業保険を受給するには、以下の要件をすべて満たしている必要があります。

失業保険を受給するための要件
  • 雇用保険の被保険者であった期間が、通算して1年(12ヶ月)以上
  • 現在失業の状態にある
  • 働く意欲があり、実際に求職活動をしている
  • ハローワークで認定を受けた

失業保険の支給額と支給日数について

失業保険が支給される場合は、以下の内容で支給額が大きく変わります。

  • 直近6ヶ月の平均給与額(賞与を除く)
  • 雇用保険の被保険者であった期間
  • 年齢
  • 離職理由

失業保険が支給される「所定給付日数」は、自己都合で退職した場合と、倒産などの理由で退職した人では異なります。

それぞれの所定給付日数は以下のとおりです。

◆自己都合退職の所定給付日数

スクロールできます
被保険者期間1年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
全年齢共通90日120日150日
出典:ハローワーク「基本手当の所定給付日数」

◆会社都合退職の所定給付日数

スクロールできます
被保険者期間6ヶ月以上
1年未満
1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30歳未満90日90日120日180日
30~34歳90日120日180日210日240日
35~44歳90日150日180日240日270日
45~59歳90日180日240日270日330日
60~64歳90日150日180日210日240日
出典:ハローワーク「基本手当の所定給付日数」

自己都合退職の給付制限期間について

自己都合による退職者の場合は、給付制限期間が発生するため、支給開始日が遅くなります。

給付制限の期間はこれまで3ヶ月でしたが、制度が改正されて2ヶ月に短縮されました。
「給付制限期間」が2ヶ月に短縮されます|厚生労働省

ただし、うつ病で退職した場合は特定理由離職者に該当するので、所定の手続きを行うことで、給付制限期間をなくすことが可能です。

失業保険の受給期間について

失業保険の受給期間は、原則として1年間です。

仮に所定給付日数がまだ残っていたとしても、退職日の翌日から1年を過ぎてしまうと、その時点で支給が打ち切られてしまいます。

ただし、病気やけがなどの理由で30日以上働けなくなった人は、申請することで受給期間を延長できます

雇用保険の受給期間は、原則として、離職した日の翌日から1年間ですが、その間に病気、けが、妊娠、出産、育児等の理由により引き続き30日以上働くことができなくなったときは、その働くことのできなくなった日数だけ、受給期間を延長することができます。

ただし、延長できる期間は最長で3年間となっています。

出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」

傷病手当金を受給するなどして、失業保険をすぐに申請できないときは、なるべく早めにハローワークで延長の申請を行いましょう。

自分で手続きするのが不安なら、申請サポートの利用を検討しよう

ここまでお話ししてきたように、傷病手当金や失業保険の申請手続きには、少しわかりにくい面もあります。

とくに退職の話が出ているような状況では、会社側の積極的なサポートも期待できないかもしれません。

心身が辛くて、自分であれこれ手続きできるような状態じゃない…

ちゃんと手続きができるのかな…

もしこのような不安があるのなら、社会保険給付金の申請サポートの利用がおすすめです。

社会保険給付金サポートを利用することで、以下のようなメリットを得ることができます。

サポートを受けるメリット
  • 自身の状況や退職後の予定などを聞き取りしたうえで、適切な対応方法を調査してもらえる
  • ヒアリング内容にもとづいて、細かな申請条件やスケジュール、手順などをわかりやすくアドバイスしてもらえる
  • 音声通話やチャット、対面相談で心配ごとに無制限で相談に乗ってもらえる

専任のコンシェルジュによる万全のサポートが受けられるので、不安な気持ちを解消できるのはもちろん、より確実に受給手続きを進められるはずです。(受給決定率97%

サポートを利用するには費用がかかりますが、受給できない場合の全額返金保証もついています。

ゆっくり休みたいけど、退職後の生活費が不安だ…

という方は、サポートの利用を検討してみましょう。

聞き慣れないサービスですが、利用しても大丈夫なのか、以下の記事で徹底検証しています。

詳しく知りたい方は、こちらをご確認ください。

障害年金で支援を受ける

障害年金とは、病気やケガで仕事ができない場合に支給される年金で、現役世代の人でも受け取ることが可能です。

うつ病の方でも、障害年金を申請して支援を受けることができます。

医師の診療を受けた時点で(初診時)、どちらの年金制度に加入していたかで、請求できる年金が異なります。

障害年金の種類と申請窓口について
  • 国民年金に加入していた場合:障害基礎年金(申請先:役所)
  • 厚生年金に加入していた場合:障害厚生年金(申請先:年金事務所)

※厚生年金に加入していた場合は、軽い障害で障害厚生年金を受け取れない場合でも、障害手当金を受けられる場合があります。

障害年金を申請できるのは、以下のどちらの要件も満たしている場合です。

障害年金を申請するための要件
  1. 初診日要件
    病気の初診日に、国民年金または厚生年金の被保険者期間中であること
  2. 保険料納付要件
    以下のどちらかを満たしていること
    • 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
    • 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

出典:日本年金機構「障害年金」

要件を満たす方が申請をして、障害状態が認定されると障害年金が支給されます。

なお、障害年金の申請を検討したい場合は、以下の団体がサポートを行ってくれますので、確認してみましょう。

自立支援医療(精神通院医療)で支援を受ける

自立支援医療(精神通院医療)とは、精神科の病気で通院する際にかかった医療費に対して、給付が行われる制度です。

うつ病の方でも、申請して支援を受けることができ、通常は3割負担となる医療費が1割に軽減されて、さらに世帯の所得に応じて上限が設けられています。

※ただし、入院した場合の費用は対象外です

申請手続きは役所で行いますので、申請書や診断書などの様式は、各役所のホームページを確認しましょう。

仕事が原因でうつ病になったのなら、労災手続きを検討する

  • 長時間労働やパワハラなど、仕事が原因でうつ病になってしまった

上記に該当する方は、心身に余裕が出てきたならば、労働災害(労災)の申請を行うことも検討してみましょう。

仕事が理由で病気になった」と労災認定されると、休業補償給付傷病補償年金などで療養中の所得が保障され、さらに医療費を払う必要もなくなります。

また、労災認定された場合、休職している期間とその後の30日間は、会社は従業員を解雇することができません。

うつ病で労災として認定されるためには、以下の3点をすべて満たしていることが条件となります。

  • 原則として、「精神および行動の障害」に分類される精神障害を発病している
  • 対象疾病の発病前おおむね6ヶ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められる
  • 業務以外の心理的負荷および個体側要因により、当該精神障害を発病したとは認めれない

ただ実際には、精神障害での労災は認められにくいのが現状であり、

「仕事だけが原因である」とは明確に言い切れない

このようなケースも多いためと言われています。

上のグラフでもわかるとおり、請求件数は増えているものの、支給決定件数はほぼ横ばいです。

また、労災を申請してから認定されるまでの期間も、半年以上はかかります。

かなり精神的に余裕が出てきて、

労災の申請をやってみるか

このような気持ちになれるようであれば、労働基準監督署に出向いて相談してみましょう。

再就職に向けて考えたいこと

まずはしっかり休んで、気持ちに余裕が出てきたら、再就職に向けた準備について考えていきましょう。

以下のようにさまざまな方法がありますので、あなたにとってどのような方法で再就職を目指すことがよいのか、じっくり検討してみてください。

職場復帰支援(リワーク支援)制度を利用する

地域障害者職業センターでは、職場に復帰するための専門的な援助である、「職場復帰支援(リワーク支援)」制度を実施しています。

この制度は、センターの支援担当職員が会社側や主治医と連携しながら、休職者を支援するものです。

センターに通所して、担当職員のサポートを受けながら、以下のことを目指します。

  • 生活リズムの構築
  • 基礎体力の向上
  • 作業遂行に必要な集中力、持続力の向上
  • 体調の自己管理、対人技能の習得

復職したいけど、やっていけるか不安だ…

上記のような方なら、地域障害者職業センターで公的サポートを受けることをおすすめします。

地域障害者職業センターは全国にありますので、興味のある方は最寄りのセンターに問い合わせてみてください。

リワークプログラムは民間でも実施している

リワーク支援は公的なものだけではありません。

民間の精神病院や心療内科クリニックなどでも、リワークプログラムを行っているケースが多々あります。

そちらも検討してみると良いでしょう。

障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)でできること

障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)」は、一定の精神障害の状態にあることを証明するものです。

障害者手帳を持っていることで、以下のようなメリットがあります。

障害者手帳のメリット
  • 所得税や住民税、自動車税が軽減される
  • 医療費の助成制度が受けられる
  • 公共料金の割引が受けられる
  • NHKの放送受信料が減免される など
  • 等級や自治体によって、内容が異なる場合があります

また現在では、厚生労働省が定める「障害者雇用率制度」によって、

すべての会社が、従業員の2.2%以上の障害者を雇用する

ということが義務付けられています。

障害者雇用率制度とは?

従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります。(障害者雇用促進法43条第1項)

民間企業の法定雇用率は2.2%です。従業員を45.5人以上雇用している企業は、障害者を1人以上雇用しなければなりません。

出典:厚生労働省「障害者雇用のルール」

ここでいう障害者とは、「精神障害者保健福祉手帳」「身体障害者手帳」「療育手帳」を持つ人が対象です。

例えば従業員が120人の会社なら、2人以上の障害者雇用義務があります

120×2.2%=2.64人(小数点以下切り捨て)

長年うつ病を患っていて、

働きたい気持ちはあるんだけど、なかなか再就職ができない…

このような方なら、障害者手帳を取得することも、再就職へのひとつの方法となるでしょう。

障害者手帳の交付を希望する場合は、医師の診断書か障害年金証書を持参して、最寄りの役所で申請してください。

精神保健福祉センターなどでの審査を経て、精神障害者保健福祉手帳が交付されます。

転職活動で考えておきたいこと

ここでは、転職活動をするなかで、考えておきたいことについてまとめています。

退職理由を聞かれた場合の対応は?

転職活動で退職理由を聞かれた際に、

うつ病で辞めたことを伝えたほうがいいのかな?

と迷う方もいるでしょう。

伝えるべきかどうかは、あなたの回復状態によって対応が分かれます。

すでに病状が回復している場合

もし、すでに体調が万全で通常どおり働けるようなら、あえて伝える必要はありません

履歴書や職務経歴書にうつ病のことを記載せず、また面接で言わなかったとしても、経歴詐称になることはないからです。

精神疾患歴を偽ったことが問題となった裁判では、精神疾患歴を隠して入社し、後日、そのことが判明した場合でも精神疾患が軽度であり、労働能力の判定に及ぼす影響が少ないようならば仕事に影響が無い、と判断され解雇は無効とされた例があります。

このことから、精神疾患が軽度で、労働能力の評価や適正配置の判断にそれほど影響を与えないような場合には、「重大な経歴」には該当しないといえます。

出典:社会保険労務士事務所 ツノダ人事多摩オフィス

入社時に問題になる健康状態や病歴は、

業務を行う上で支障があるかどうか?

上記で判断されるものなので、回復しているのなら、わざわざ言う必要はないでしょう。

昨今の社会状況もあり、多くの企業が、

メンタル系の病歴がある人の採用は避けたい…

と考えているのが現実です。

あなたが病歴を素直に会社に伝えれば、高確率で不採用になってしまいます。

うつ病になってしまった原因が会社にあるのなら、そのときの状況をできるだけ前向きに変換して、退職理由として述べましょう。

病状にまだ不安がある場合

体調面にまだ不安があるのなら、再就職先に対して、

前職は〇〇でうつ病になって退職したため、□□について対処いただきたいのですが…

上記のように、不安な点を伝えておく方がよいでしょう。

そうすれば、あなたも不安を減らせますし、会社側も気遣うべき点を確認することができます。

ただし、やはり「うつ病で退職」と伝えることはデメリットです

実際に数社受けても就職できなかった場合には、本記事でご紹介している支援制度などを利用することも検討してみてください。

しっかり休んで、体調が万全になってから再び就職活動を行うのも、ひとつの方法でしょう

面接で病歴に話が及んだ場合は?

そうはいっても、面接の流れで話が病歴に及ぶことがあるかもしれません。

個人情報保護の観点から、本来は病名を聞いてはいけないのですが、無頓着な面接官もいますし、

面接官

これは答えなくてもいい質問なのですが…

という前置きをして、質問されるケースもあります。

もし質問された場合は、素直に答えたほうがいいでしょう。

口ごもると印象が悪くなりますし、変に隠そうとすれば、嘘をつくことになってしまいます。

嘘をつくと後ろめたさが態度に出やすいですし、採用されたとしても、のちのち不利な立場になるかもしれません。

正直に話して、不採用なったのなら、

面接で質問されるのもどうかと思うし、まぁそういう会社なら仕方ないかな…

このように割り切って、次の応募に向けて気持ちを切り替えましょう。

回復したメンタル系の病歴を話さないことは、法的にも道義上も何ら問題ないことなので、後ろめたさを感じることなく、堂々と面接にのぞんでください。

40代が面接試験で注意すべきポイントは、40代が転職面接で必ず聞かれる5つの質問でご紹介していますので、あわせてご確認ください。

40代は転職エージェントの活用が成功の近道

転職エージェントの利用は、40代の転職を成功させるためにとても有効です。

転職のプロによるサポートを受けることで、以下のような、たくさんのメリットを得ることができます

転職エージェントを利用するメリット
  • 転職サイトなどに出回っていない、40代向けの非公開求人を紹介してもらえる
  • 履歴書や職務経歴書の添削をしてもらえる
  • 面接対策のサポートをしてもらえる
  • 業界や企業について、独自の情報を提供してもらえる
  • 求人企業について、気兼ねなく質問できる
  • 選考に落選した理由を教えてくれるので、次への対策が打てる
  • キャリアや市場価値をプロの視点で見定めて、アピールするべき自身の強みを教えてくれる
  • 応募企業との連絡や日程など、エージェント担当者が間に入って調整してくれる
  • 入社時期や年収条件など、交渉ごとを代行してくれる

とくに心の病歴を持つ人にとっては、さらなる有用性があるのです。

転職エージェントには病歴は伝えておこう

転職エージェントに登録する際に、心の病歴を伝えるべきか悩むかもしれませんが、転職エージェントには伝えておきましょう

伝えないままに転職活動を進めると、エージェントはあなたのうつ病に対して、まったく配慮しない会社を選んでしまいます。

これではうまく転職できても、再発のリスクが高くなってしまうでしょう。

転職エージェントに病歴を伝えた場合は、

転職先に病歴を伝えるか、伝えないか?

という点で対応が分かれることになります。

病歴をオープンにしてしまうと、採用率はとても低くなってしまいます。

ですから、転職先に病歴を伝えずに、紹介を進めてくれる転職エージェントを選びましょう。

紹介してくれる求人案件は、あなたの体調を配慮した上で、

この会社なら応募しても大丈夫ですよ!

と判断している企業なので、安心度が高いといえます。

応募書類や面接についても、専門家の立場から適切なアドバイスをしてくれるはずです。

複数の転職エージェントに登録しよう

転職エージェントでも病歴の扱いは分かれるので、

転職エージェントは複数社に登録しておく

ということをおすすめします。

複数の会社に登録することで、求人案件の情報も増えますし、より信頼できるエージェントに出会える確率も高くなるはずです。

転職エージェントを有効活用することで、安心して働ける会社選びができ、転職を成功させる近道となるでしょう。

転職エージェントは転職が決まった際に、企業側から報酬をもらう成功報酬システム

ですから、転職者側のサービス利用は無料という会社がほとんどです。

転職エージェントの選び方については、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

40代が支持する転職エージェント7選はこちら

まとめ:まずはゆっくり休んで治すこと。そのために様々な制度があります

今回は、うつ病で退職する前に知っておきたいことや、辞め方、支援制度などについてお話ししました。

うつ病の治療で何よりも大切なのは、まずはしっかり静養すること

とはいえ、静養したくても、

これからの生活費や医療費が心配だ…

このような状況では、ゆっくり休むことなんてできませんよね。

支援制度は、利用するためにあるものです。

今回ご紹介した制度をフルに活用して、余裕をもって休みましょう。

回復して転職活動を始める際も、さまざまな支援サービスがあります。

しっかりサポートを受けながら、あなたが健やかに働ける、素晴らしい再就職先を見つけてくださいね。

この記事を書いた人

40代男性、山形県在住。4度の転職を経験し、現在の会社は40歳で入社。法務部・人事部での勤務経験を活かし、「転職者側」と「採用する側」の両方の視点を持って、皆さんの役に立つ情報を発信します。

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