(執筆:Santiago)
サラリーマンであれば、一度くらいは「窓際族」や「閑職」といった言葉を、耳にしたことがあるのではないでしょうか。
出世ラインを外れた”窓際族”に待ち受けているのは、やりがいのない毎日や追い出し部屋といった不条理な配置転換です。
ただ幸いにも、窓際族となる前にはいくつかの予兆がみられます。
そこで今回の記事では、
このようなテーマで詳しく解説していきます。
ぜひご自身の状況と照らし合わせて、お読みください。
サラリーマンの閑職「窓際族」とは?
窓際族とは、出世ルートから外れて成果や責任を問われなくなったサラリーマンの総称で、そのポストを閑職(かんしょく)といいます。
窓際族の多くは、毎日大した仕事もないため雑務が中心です。
一日中ネットを眺めたり、スマホでゲームをしたりと、ダラダラと過ごすことが多く、会社からの需要はほとんどありません。
元々は仕事のできない中高年を揶揄した窓際族ですが、最近では「社内ニート」といった言葉と混同され、若年層に対して使われるケースもあります。
1998年のTVドラマ「ショムニ」の中では、江角マキコ演じる「坪井千夏」が、閑職につきながらも、社内で奮闘する姿が描かれていました。
しかしリアルの窓際族は、仕事へのモチベーションが著しく低下した、「落ちこぼれ集団」と捉えられているケースがほとんどです。
閑職としての過ごし方
窓際族になってしまう原因はさまざまです。
業務上の失敗や成績不振から左遷されるケースもあれば、メンタルに問題を抱えて閑職に就くケースもあります。
ただ共通していえるのは、出勤から退社までの時間を持て余し、やりがいのない雑務ばかりを押しつけられるということです。
消耗品の発注や在庫管理、社内清掃といった仕事があればまだマシで、朝から夕方までスマホを眺めているうちに終わってしまう日もあります。
窓際族ばかりが集まる部署では、自らの立ち位置に焦燥感を示す人間はほとんどおらず、モチベーションは下がる一方でしょう。
窓際族は中年サラリーマンの末期
中高年にとって窓際族とは、サラリーマン人生の末期といっても過言ではありません。
20~30代の独身サラリーマンであれば、たとえ閑職に追い込まれたとしても、転職してキャリアを積み直すことができます。
しかし40代ともなれば、子どもの教育費や住宅ローン、老後の資金作りに追われて、そう簡単に転職に踏み切れるものではありません。
それゆえに、仕方なく”会社にしがみついている”というのが、窓際族の実状といえるでしょう。
家族には話しづらい会社での立場、みじめな気持ち、無気力な毎日を送ることは、サラリーマンにとって大変苦痛なことです。
やりがいのない毎日に心が病んでしまい、「うつ」を発症してしまう人もいます。
努力によって、閑職から抜け出す人もいるかもしれませんが、それはごく一部だけ。
多くの窓際族は、むなしくも「サラリーマン人生の終焉」を迎えることになるのです。
閑職に就いてつらいのは本人だけじゃない
社内で閑職に追いやられて辛いのは、本人だけでなく家族も同様です。
たとえば「Yahoo知恵袋」には、稼ぎ頭が左遷されたことによる相談や悩みなどが、数多く寄せられています。
窓際族を取り巻く問題は様々ありますが、家族との関係悪化もそのひとつでしょう。
子どもの視点からみた父親の姿
子どもは成長とともに、親の仕事や働きぶりが理解できるようになります。
同級生の親が出世したと聞けば、
このように聞いてくるでしょう。
また、進学の際に学費に悩む姿を見せれば、
上記のような不要や悩みを与えかねません。
子どもが就職をすれば、親の社会的な立ち位置を理解して傷つくかもしれませんし、父親や社会に失望して、自らの将来にも不安を抱くことは避けられません。
旦那が窓際族という虚しさ
奥さまからしても、長年支えてきたパートナーが閑職になれば、
このように思いつつも、やはり虚しい気持ちにはなるでしょう。
バーベキューやスポーツ大会など、会社のレクレーションに参加する機会があれば、社内でどういった扱いをされているのかはすぐにわかります。
親同士との会話でも”旦那ネタ”は定番ですので、窓際族だと打ち明けらない気持ちに、一層モヤモヤすることでしょう。
将来への不安から離婚の可能性も
パートナーへの失望、将来への不安などが原因となって、最悪の場合は離婚に発展する可能性もあります。
一定の給与が保証されているのならまだしも、閑職に就いて残業が減らされれば、収入減は避けられないでしょう。
パートやアルバイトに出る必要があるかもしれません。
不慣れな家事や子育てにオロオロしていれば、パートナーのストレスはさらに悪化、家庭内での立場を失ってしまうケースも考えられます。
窓際族や社内ニートは勝ち組ではない
些細なミスや成績が悪い程度では、会社が従業員を解雇することはできません。
こうした背景から、大企業ほど窓際族が多く生み出される傾向にあります。
組織への貢献度が低く、会社の“お荷物”的な存在である窓際族ですが、精神論や競争を嫌う若年サラリーマンのなかには、
このように表現する人がいます。
彼らは閑職というポストを、
責任から逃れて、楽をして給料がもらえる
と捉えているようですが、現実はそう甘くはありません。
当然ながら、会社は窓際族という存在をなんとかしようと、左遷や追い出し部屋といった手段で排除してくるでしょう。
現代社会においては、AI(人工知能)などのテクノロジーが、日々ものすごい勢いで進化しています。
これまで窓際族がおこなっていた、雑務やルーチンワークなどが、
こんなふうに、肩をたたかれる時代がもうそこまで来ているのです…
後から入社した若手に抜かれて、AIにも仕事を奪われてしまう閑職にいる人に、明るい将来は待っていないでしょう。
【要注意】窓際族への予兆とは
ある日とつぜん、上司に肩をたたかれる
このようなケースはあまりなく、窓際族に追いやられる前にはいくつかの予兆があります。
もし以下のような変化を感じたら、自身の言動を省みる必要があるかもしれません。
雑務ばかり頼まれるようになった
書類整理や社内清掃などの雑務が、とつぜん増えてきたら危険信号です。
事業への貢献度が低いと判断されたあなたは、会社での成長に見切りをつけられているかもしれません。
そんな雑務が回ってくるようになったら、早々に対策を講じる必要があります。
上司や周囲の人が急によそよそしくなった
仕事中やアフター5などに、これまでは活発にコミュニケーションしていた上司や周囲の人間が、急に距離を取るようになったら要注意です。
態度や言葉遣いが急によそよそしくなった時は、近い将来に異動人事が発令される可能性があるのかもしれません。
明らかに仕事量が減ってきた
会社がこのように判断すれば、仕事量を一気に減らしてきます。
昨今どの業界も人手不足とはいえ、会社は利益を出してこそ、存続させることができるのです。
低すぎる処理能力や言い訳ばかりの働きぶりでは、多くのタスクを任せることなどできません。
忙しさから一転して、自分に回ってくる仕事量が明らかに減ってきたら、それは窓際族の予兆だといえるでしょう。
スキル・生産性が問われない部署へ配置転換
これまでの技術職やスキルを活かした部署から、急にネガティブな部署へ配置転換される。
これはもう窓際族への最短ルートといえます。
たとえ資格やスキルがあっても、
- 営業力
- クライアントとの交渉力
- コミュニケーション能力
このような、プラスαの要素をあわせ持った人材が現われた場合、ある日とつぜん窮地に立たされることもあり得ます。
- 任せられてきたプロジェクトから、突然外される
- 意図の見えない人事異動が発令
上記のような場合は、まさに警戒警報レベルです。
もし閑職に就いてしまったら
まずは事実を真摯に受け止めたうえで、
この原因となる要素を探しまょう。
- 指示通りの行動ができてきたか?
- ハラスメントなど問題行動はなかったか?
- 会社に対する批判的な言動はなかったか?
- 成績(実績)は他者と比較してどうなのか?
- ポストに見合うスキルや知識を保てているか?
元を正して、会社からの評価を上げる以外に、窓際族から脱却する方法はありません。
任せられた業務を正確にこなすのはもちろん、作業の効率化や問題定義なども、積極的におこないましょう。
人間関係も見直して、伝えてこなかった感謝の気持ちを、きちんと態度で示していくことも重要です。
ただし不当な“仕事外し”であれば問題外
- 上司から無視される
- 明らかに周囲の人間と扱いが違う
- 明確な理由もなく、担当を外された
- 自分だけ業務に関する連絡をもらえない
上記のような場合は、パワハラに該当する可能性がありますので、周囲の人間に相談するか、公的機関に申し出ましょう。
会社の意志ではなく、上司による感情的な人事であった場合は、事態を覆せる可能性があります。
不毛な争いを避けて、転職することもひとつの手段ですが、客観的な視点でジャッジしてもらってからでも遅くはありません。
窓際族にならないために今できること
部署内で孤立することも、ネガティブな部署への異動も、起こってしまってからでは手遅れです。
窓際族にならないために、今すぐできることはたくさんあります。
仕事への心構えを見直す
年齢とともに、仕事に対する謙虚な姿勢は薄れてくるものです。
とくに周囲が年下の社員ばかりになってくると、言葉遣いなども雑になりがちです。
40代になったからといって、
このように考えているようでは、社会に淘汰されてしまいます。
丁寧な言葉遣いや元気な挨拶など、入社当時の気持ちを思い出して、仕事への心構えを見直しましょう。
スキルを身に付ける
時代とともに、労働者に求められるスキルも変化してきており、もはやパソコンスキルは必須です。
グローバル社会においては、外国語が話せるようになれば、活躍の場をもっと広めることができます。
年齢を重ねると、新しいことにチャレンジするのが億劫になりますが、そんなことでは時代に取り残されてしまいます。
若手に差をつけられる前に、いま求められているスキルを身に付けておきましょう。
積極的にアピールする
年功序列が崩れた現在では、勤続年数よりも、仕事への積極的な姿勢が評価されます。
このような待ちの姿勢では、やがて仕事を依頼されなくなるでしょう。
- 仕事を選ばない
- 自分から仕事を取りにいく
上記のような、攻めの姿勢がとても大切です。
こんなふうに恥ずかしがらずに、積極的に自分をアピールしていきましょう。
どうしようもないときは転職も考えよう
ご紹介した対処法を実践しても、状況が変わらないようであれば、それは転職を考えるときかもしれません。
もし転職を考えるのであえば、以下のポイントを必ず押さえておきましょう。
転職は万全の準備で進めよう
40代の転職は甘くありませんので、メリット・デメリットを十分に理解したうえで、万全の準備で進めていきましょう。
- キャリアの棚卸し
- 情報収集
- 応募企業の絞り込み
- 面接対策
- 退職交渉
- 業務の引継ぎ
転職の準備に関しては、以下のカテゴリーで解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
転職への”動機づけ”を明確にしよう
転職準備をしっかり進めることに合わせて、転職に対する”動機づけ”を明確にしておくことも大切です。
採用面接で、面接官に転職の動機を聞かれたときに、
さすがに上記のように答えるわけにはいきません。
退職理由にも、転職理由にもなり得る“ポジティブ”な理由や目標を、しっかりと決めておきましょう。
転職の動機を明確にしておけば、転職活動が長期化した際にも、原点回帰できるのでとても重要です。
なお、転職の動機については、
- 退職理由
- 転職理由
- 志望動機
上記のような要素として、面接で必ず質問される内容です。
それぞれにはノウハウが存在していますので、以下の記事などを参考にして、しっかりと対策しておきましょう。
40代は転職エージェントの活用が成功への近道
転職活動を進めるには、かなりの労力が必要であり、ノウハウも必要となってきます。
働きながら、あれもこれも一人でやるのは、本当に大変なものです…
そこで筆者がおすすめしたいのが、転職に必要な一連の作業をフォローしてくれる、「転職エージェント」を活用すること。
転職のプロによるサポートを受けることで、以下のようなメリットを得ることができます。
- 自身の強みを効果的に表現できるように、応募書類作成や面接対策のサポートを実施してくれる
- プロの視点で自身のキャリアや市場価値を見極めて、最適な求人案件を紹介してもらえる
- 転職サイトなどに出回っていない、管理職などの40代向け求人を多く保有している
- 応募企業との連絡や日程調整、入社時期や給与の交渉まで、エージェント担当者が間に入って行ってくれる
40代が無駄なく効率的な転職活動をおこなううえで、利用しない手はないサービスです。
転職エージェントは人材が採用されたときに、企業から成功報酬を得るビジネスモデルのため、転職者は無料で利用することができます。
転職エージェントの選び方については、以下の記事で解説していますので、さらに詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
▼おすすめの転職エージェントはこちら▼
まとめ:窓際族からの脱却は今できる行動を示すこと
今回は、窓際族の予兆や閑職に就いてしまった時のリスク、窓際族にならないためにできることなどをお話ししました。
40代であれば、少なくともまだ20数年は、労働者としての人生が残っています。
定年までの時間を充実させるのも、「つまらない」と嘆きながら無気力に過ごすのも、すべては「今これから」の行動にかかっているのです。
- 雑務ばかり依頼されるようになった
- 上司、周囲の人間が急によそよそしくなった
- 仕事量を減らされた
- スキル・生産性とは無縁の部署に配置転換された
これらはすべて窓際族の予兆です。
閑職に追いやられる前に、今できることを最大限に実践して、会社に価値を示せるサラリーマンでい続けましょう。
もし、いまの状況を変えるのが難しいのであれば、転職することも検討してみてください。
▼40代転職の完全ガイドはこちら▼
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そのうえで転職活動の具体的な流れ、各ステップごとの対策や攻略ポイントを学びましょう。
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