筆者は40代を迎える頃、所帯持ちにもかかわらず副業と転職活動をはじめました。
その理由は、家族との時間を大切にしたかったから。
ダブルワーク前提の暮らしなら、仕事量と収入を自由にコントロールして、家族との時間が確保できると思ったのです。
現在では、管理職をしていた前職には及ばないまでも、一定水準以上の収入と、たくさんのプライベートの時間を手にすることができました。
転職にも、さまざまな形があってよいはずです。
もし、あなたがこのように悩んでいるなら、ぜひ筆者の体験を参考にして、新たな可能性に目を向けてみてください。
40代所帯持ちが“副業ありき”での転職を決意したワケ
所帯持ちにもかかわらず、筆者が転職を考えたのは、あまりにも家族との時間が取れない環境下に身を置いていたからです。
平日は”寝顔の家族”しか見れない暮らし
週末こそ休みでしたが、平日は通勤時間を含めると14~16時間は拘束されていました。
もちろん、帰宅したころには家族はすっかり就寝しています。
起きてる家族と顔を合わせられるのは、土日だけだったのですが、平日の仕事疲れで子どもからは、
このように心配されるほどでした。
勤続年数は14年ほどで、幸い一定のキャリアを築けていたので、収入としては十分に満足はしていたのです。
ただ、現状のままで定年まで働くことに不安がありましたし、妻の“ワンオペ育児”にも申し訳なさを感じていました。
「転職+副業」を組み合わせて、理想の暮らしを手に入れる
だからといって、転職することで収入が大幅にダウンしてしまっては、家族を養っていけません。
思案したあとに思いついたのが、
副業ありきで転職する
という選択肢でした。
探すべきは「新たな本業+副業」であり、いってみればハイブリッド型の転職です。
本業で足りない収入を副業で補う。本来はこれがセオリーだと思います。
しかし40代目前の筆者にとって、イチからキャリアを築く自信はありません…。
また、飽きっぽい性格なので、
このようにも思えました。
ワークスタイルの多様化、パラレルワークという言葉も浸透しつつあります。
こんなふうに考えて、40歳の誕生日を迎えるころに、転職活動を開始したのです。
Webライターという仕事を副業に
所帯持ちという立場上、失敗は許されません。
そこで在職中から、副業について徹底的にリサーチをしたのです。
いろいろと検討した結果、資格を必要とせず、過去につちかった文章作成のスキルを活かせる、「webライター」という仕事を副業に選びました。
まずはコツコツとライターとしてのスキルを磨き、40歳で本業を退職。
退職後は転職活動をしながら、クラウドソーシングを介して、複数の仕事を受注していったのです。
副業をいち早く軌道に乗せることで、
- 本業で稼ぐべき収入の最低ライン
- 必要な時間の配分(本業・副業)
この2点を把握することができ、会社選びの幅が広がって、スムーズに転職することができました。
副業ありきの転職活動で気付いたこと
副業ありきの転職活動を進めるなかで、筆者が気づいたこと、感じたことをまとめてみました。
仕事選びのハードルが下がった
いちばん大きかったのは、本業探しのハードルが下がったことです。
前職では管理職でしたし、残業も上限ギリギリでしたので、平均値よりも高い給与をもらっていました。
このように思いつつも、転職による収入のダウンを、なんとか最小限に抑えたかったのが本音です。
ですので、ハローワークや転職サイトで求人情報を見たときに、その額面に少なからずショックを受けました。
ただ、この時点ですでに副業が軌道に乗っていたので、給与よりも通勤距離や身体の負担といった部分を重視して、本業選びをすることができたのです。
本業に求める要素が減った分、転職活動にありがちなプレッシャーも感じませんでした。
生活リズムを保てた
退職してから転職活動をしていると、会社への通勤などの縛りがなくなるため、一般的に生活リズムを崩しがちです。
しかし、Webライターとして活動していたため、退職から再就職の間も完全オフの期間はなく、生活リズムが大きく乱れることはありませんでした。
退職するまでは同時進行で苦労する
退職にあたって業務の引継ぎ、副業、そして転職活動…。
3つの事柄をほぼ同時進行させる必要があったので、その点にはやはり苦労しました。
所帯持ちゆえにプライベートの時間は「家族との時間」ですし、一人でのんびりといった余裕はほとんどなかったです。
副業NGの会社もまだまだ多い
最近では、働き方改革で“副業解禁”といわれています。
しかし実際には、まだまだ副業を許可していない企業も多いです。
筆者が転職活動をするなかで、副業前提であることを伝えると、電話口や面接で断られることも結構ありました。
失業保険の手続きで注意が必要
筆者は転職活動時にはじめて知ったのですが、副業と雇用保険(失業保険)の関係に注意が必要です。
- 雇用保険申請後の待機期間(7日間)はアルバイト・副業が一切禁止
- 待機後も、副業の日数や時間の制限がある
- 失業認定日に、副業収入の申告しなければいけない
上記のようなルールがあるため、ライターとしての仕事量を調整することとなりました。
副業を絡めた転職活動には、このような注意点も存在しています。
所帯持ちが副業をして感じたメリット
独身時代含めて、筆者は副業に取り組んだのは初めてでしたが、実際に行ってみて感じたメリットは以下のとおりです。
家庭内でのメンツを保てる
子どもが成長するにつれて、
- 塾や習い事などの費用
- 外食や旅行といった娯楽費
このような出費がかさむのは、所帯持ちならではの悩みでしょう。
しかし、副業でプラスαの収入を得られると、家族にお金の心配をかけずに済むため、家庭内でのメンツを保つことができます。
記念日や急な出費にも対応できるので、家族からの信頼度がアップしました。
収入・時間をコントロールしやすい
サラリーマンが自らの仕事量や、労働時間を調整することは難しいですし、転職したてなら尚更でしょう。
しかし副業なら、時間も仕事量も自分の裁量でコントロールできます。
- 忙しいときは副業の割合を抑える
- バリバリ稼ぎたいときは、副業の仕事量を増やす
このようなコントロールができることが、副業の魅力といえるでしょう。
子どもに頑張っている姿を見せられる
自営業でもない限り、子どもに「親の勇姿」を見せられる機会はほとんどありません。
どちらかといえば、休日に疲れた表情でダラダラ過ごすイメージばかりでしょう。
しかし副業、とくに在宅ワークであれば、「仕事を頑張っている親の姿」を我が子に見せられます。
子どもが一定の年齢以上であれば、お金を稼ぐ仕組みを教える、よい機会にもなるでしょう。
親の威厳にもつながって、“ありがたみ”も増すはずです。
ひとりの時間が確保できる
仕事帰りにノートPCをカフェに持ち込んで、副業に没頭することができます。
時間と場所に縛られない副業であれば、家族サービスに身を尽くす所帯持ちに、”癒しのひと時”を与えてくれます。
外出理由にもなるため、自分ひとりの時間が欲しいときにも副業は最適です。
しっかりとリフレッシュした後に、バリバリ働いて稼げば、ストレス軽減と副収入の「一石二鳥」となるでしょう。
収入源を複数持つことで万が一に備えられる
企業のM&Aが一般的となり、いつ会社が買収されて状況が変わるかわかりません。
働き方改革で残業時間が減らされて、いまの収入も下がるかもしれないのです。
このような不安的な経済状況のなかでも、副業で一定金額の収入があれば、万が一のダメージを最小限に抑えることができます。
AI(人工知能)が徐々に人の仕事を奪っていくなか、リスクヘッジとして副業で稼げる手段を持っておくことは、“賢い選択”といえるでしょう。
モチベーションが高まる
本業でも副業でも、仕事の組み立てや進め方に違いはありません。
副業でうまくいった方法は本業でも活かせますし、やがて自身の成功メソッドとして確立されるでしょう。
二つの仕事を同時に進めながら、プライベートも十分に楽しむ
上記のような成功体験の積み重ねが、毎日のモチベーションUPにつながるのです。
本業が行き詰ったときでも、副業が気分転換になるため、リカバリーが早くなるというメリットもあります。
副業が将来の投資になる
副業で得られる知識や経験は、自分にとって大きな財産となります。
たとえばWebライターの場合、記事制作には十分な下調べと文章力が必要です。
将来はWebライターでつちかったスキルを活かして、
- 編集関係の仕事
- メディア運営の仕事
このような仕事に就けるかもしれませんし、子どもや周りの人に文章作成のノウハウを教えることもできるでしょう。
経験を積めば、フリーランスとして独立することも可能です。
収入を得るだけではなく、副業がもたらすセカンドキャリアは、将来の可能性を限りなく広げてくれます。
所帯持ちが副業をして感じたデメリット
メリットがある一方で、やはり苦労する点もいくつかありますのでご紹介しておきます。
リズムができるまでは苦労をする
ダブルワークの生活リズムが、身体になじむまではそれなりに苦労をします。
気力、体力の配分が分からず、どちらも中途半端な状態になり、まさに典型的な二足の草鞋(わらじ)状態です。
ただし、こうしたきつい時期は「一過性のもの」と認識できれば、乗り切ることができます。
掛け持ち初期の苦労は、後々は大きな自信となって返ってくるでしょう。
自己管理にシビアになる
風邪や怪我などでダウンしてしまうと、本業の会社に迷惑をかけるばかりか、副業のリスケジュールも余儀なくされます。
“体調管理も仕事のうち”ですが、シビアさはダブルワーカーならではといえるでしょう。
40代ともなれば、病気のリスクが高まります。
定期検診はもちろん、インフルエンザなどの予防接種も積極的に受けるようにしましょう。
ダブルワーカー、そして所帯持ちとしての自覚を持ち、日頃の自己管理にしっかりと努めなければなりません。
ダブルワークの苦労が理解されないときがある
ダブルワーカーの苦労は当事者にしかわかりません。
はたから見れば、本業以外は“気楽な稼業”と映っているときがあり、ピンチになってもあまり理解されない場合があります。
また副業ありきの場合は、「やって当然」という認識を持たれることが多く、モチベーション維持に苦労するときもあるでしょう。
やり過ぎると家族との時間が減る
こなすほどにスキルが身に付き、ハマっていくのが副業です。
とくに稼げるようになると、時間を忘れて没頭しがちなもの。
そこで注意しておきたいのが、家族と過ごす時間とのバランスです。
ワークライフバランスは副業においても同様であり、一線を超えれば必ず不具合があらわれます。
本人は家族のためと考えていても、家族からすると、
このように悩んでいるかもしれません。
歯がゆいところかもしれませんが、所帯持ちが副業をする際は、
- 効率重視でスピーディーに作業する
- メリハリをつけた働き方をする
このような点に留意した方がよいでしょう。
本業・副業の組み合わせはとても重要
筆者がオススメしたいのが、ルート営業やルート配送、工場作業といったルーティンワークと、在宅ワークの組み合わせです。
これらの業種は退社時間(帰宅時間)が安定していて、思考や体力の消耗も少ないため、帰宅後の副業が負担になりません。
間違っても、「肉体労働 + 体力勝負の副業(アルバイト)」の組み合わせは、避けておきましょう。
また、サラリーマンの副業というと、
- 株式投資
- 不動産投資
- せどり(転売ビジネス)
このようなものが根強い人気ですが、始めるには軍資金が必要であり、元本割れなどのリスクも伴います。
一方で、在宅ワークならリスクゼロですし、所帯持ちでも安心して始められるでしょう。
とくにクラウドソーシングでの在宅ワークは、データ入力などのカンタン作業から、ライターやデザイナーといった本格的な仕事まで選べます。
スキルやレベルに応じて選べることが利点です。
まとめ:副業ありきの転職で、ワークライフバランスが実現できる!
今回は、40代の所帯持ちである筆者が実践した、「副業ありきで転職する」という転職活動について、詳しくお話ししました。
所帯持ち、まして40代ともなれば、転職に対して“ネガティブなイメージ”を抱くのも仕方がありません。
しかし視点を変えて、ダブルワーク前提の転職を選択することで、仕事選びのハードルは下がり、収入面のリスクも軽減されます。
もちろん、最初は環境変化や覚えることが多くて苦労しますが、あくまで一過性ですから、問題視するほどではありません。
特定キャリアや生涯雇用にこだわらないのであれば、筆者が選択したような「副業ありきの転職」をぜひおすすめします。
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