ビジネスモデルのサイクルが短くなるなかで、家業が業績不振で廃業したり、倒産する案件も増えています。
- 家業を続けることができず、再就職をせざるを得なくなった
- 家業を継ぐことができなくなった
このような悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
意図せずに再就職を余儀なくされてしまった、元経営者や後継者にとって、転職活動は未知の世界です。
家業への未練やしこりもあるでしょう。
気持ちを切り替えて、前向きに就職活動を行うには、よき相談相手が必要です。
今回の記事では、後継者として家業を継ぐことを断念した筆者が、後ろめたさを残しながらも、就職活動を始めた体験談をお話しします。
2020年1月現在、筆者はまだ就職活動中です。
失敗しながらも、転職エージェントの協力を得て、転職活動に手応えを感じるようになってきました。
後継者が家業を諦めて、転職活動をはじめた理由

まず最初に、筆者が転職しようと考えた理由と、家業に対する葛藤についてお話しします。
事業の行き詰まり。親の経営方針について行けない…
筆者の家業は、父が30年前に創業したものです。
開業した当時はバブル景気でしたが、現在では典型的な斜陽産業になってしまいました。
現在のビジネスモデルで、なんとか延命を図ろうとする父でしたが、

このように思っている筆者との間で、絶えず葛藤があったのです。
社長である父は、ワンマン経営者でした。
もちろん後継者として、会社の方針(社長の意図)にできるだけ従ってきましたが、場当たり的な方針の連続だったのです。
このままでは将来に希望が持てないですし、扶養するべき子供もいることから、

筆者はこのように決意しました。
退社を決意も、影響を考えつつ仕事に取り組む
筆者が家業の退社を決めたことを、社員や取引業者に伝えました。
後継者がいなくなる会社は、長く営業することはできず、将来は他社に吸収合併されるか、解散となってしまうでしょう。
後継者がいないと、その会社は「将来性が低い」とみなされます。
筆者が退職した後も、家業の会社が、関連業者と取引できるのかも気がかりでした。
家業に支障が出ないように、引継業務を慎重かつ十分におこなって、ほかの従業員や取引業者へのフォローに神経を集中しました。
その結果、就業期間中は転職準備がほとんどできなかったのです。
40代の自営業者が転職活動をしてみた結果
転職に関する準備不足は否めません。
実際に転職活動をはじめても、40代の転職に関する認識不足から、焦燥感を募らせるばかりでした。
転職活動に対する「過信」からスタート
筆者が以前に転職活動をしたのは、30歳くらいの時だったのですが、40代の転職もこの経験の延長で捉えていました。
業界の関連資格として、
- 二級建築士
- マンション管理士
- ファイナンシャルプランナー
上記のような資格を持っていたので、すぐに就職できると過信していたのです。

ハローワーク担当者のこのような言葉を鵜呑みにして、就職活動自体を楽観視していました。
そして、興味はあるけど実務経験がない、「ファイナンシャルプランナー」関係の仕事ばかりに応募してしまったのです。
40代で初めて知った「転職エージェント」の存在
応募するようになって、最初の数社はともかくも、それ以降も書類選考にまったく通りませんでした。
この段階で、過信が疑問に変わってきて、ネットでさまざまな情報を集めるようになり、ようやく「40代転職の厳しさ」を知ったのです。
ここまでの転職活動では、転職サイトに一社登録したのみで、転職エージェントについては、存在すらよく知りませんでした。
妻や身内も、転職に協力してくれていたのですが、近々に転職を経験した者はいません。
本当に何も知らない状態で、40代の転職を進めようとしていたのです…
いろいろな転職サイトを見てみると、転職エージェントの存在が目につきました。


最初のころはよくわかっておらず、

このようにすら思っていたくらいです。
しかし、電話面談でアドバイスをもらって認識が一変して、

このように即断しました。
転職エージェントを利用してみて感じたこと
筆者がはじめて転職エージェントを使ってみて、実際に経験したことや感じたことをご紹介します。
転職エージェントに相談して得られたものとは?
筆者が転職エージェントを利用してみて、「転職活動の方向性」について学べたことが、まず何よりも大きな収穫でした。
筆者が、複数の転職エージェントと面談をするなかで、得た情報は以下のとおりです。
- 筆者のキャリアと希望年収は、相場と離れておらず妥当である
- 今までの経験したことで、プロフェッショナルとして通用する
- ファイナンシャルプランナーは募集が少なく、未経験で転職は難しい
このようなことから、FP以外の業種へも応募していくことを勧められました。
また、求人情報への申し込み方法についても、
40代転職者の強力なライバルは、30代の転職者である
このようなアドバイスをもらい、企業から募集がかかった際は、迅速に応募をするように指摘を受けたのです。
先に30代の選考対象者がいる状態では、40代の人が面接を申しこんだとしても、面接に至る可能性は低くなってしまいます。

このように言ってもらえて、少し安堵しました。
書類選考に落選した理由を知り、対応策を学べる
普通に求人の応募しても、書類選考で落選した場合は簡単な連絡しかありません。
しかし転職エージェントであれば、落選した理由を詳細に知らせてくれるので、次への参考にすることができます。
筆者は現在、分譲マンションのフロント業務に応募しております。
フロント業務の経験はないのですが、
- 賃貸マンションの管理の経験
- マンションの管理士の資格
- リフォーム工事時の折衝経験
上記のような経験・スキルがあるので、それらを十分に活かせる仕事だと思ったためです。
しかし、ある転職エージェントが落選時に教えてくれたのは、

このような内容でした。
まさか未経験者として選考されていたとは…
筆者としては、「新たな発見」でした。
そこで、その後の職務経歴書には、
未経験の部分は、今までの経験で埋められます!
このようなアピールをするようにしています。
人とのコミュニケーション能力があることや、とくに修繕工事のノウハウがある点を強調するようにしました。
担当者とのコミュニケーションのなかで、このような選考の対策を見出せることが、転職エージェントを利用するメリットといえるでしょう。
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転職エージェントを利用するときの留意点

筆者が実際に転職エージェントを利用してみて、留意しておくべきことをまとめておきます。
転職サイトと転職エージェントで連動していないことがある
筆者の場合は、転職サイトの利用をはじめて、そこから転職エージェントに登録しました。
ただし、転職サイトと転職エージェントのシステムは、すべてが連動しているわけではありません。
たとえば、同じリクルートであっても、転職サイトでは応募できる企業が、転職エージェントでは応募できない場合があるのです。
もちろんその逆の場合もありますし、すでに登録済みの履歴書情報が、システム連動していない会社もあります。
大手企業の求人が多い
よく耳にする転職エージェントは大手企業なので、求人を募集する企業も大手のことが多いです。
中小企業を応募対象として考えるのであれば、ハローワークの方に強みがあるかもしれません。
エージェント会社ごとにシステムや担当者の質も違う
筆者はいくつかの転職エージェントを使っていますが、会社ごとにシステムが違っており、担当者の質も異なっています。
使い勝手を考えれば、複数の転職エージェントに登録して、そのなかから3社くらいに絞った方が楽でしょう。
ただ、条件の良い求人紹介をきっかけに、登録を持ちかける中小の転職エージェントもあります。
継続的な相談は、信頼している数社の転職エージェントを利用し、その他は条件の良い求人の紹介先として、割り切ることも検討すべきでしょう。
ビジネスパーソンとして付き合うこと
転職エージェントも、当然ながらビジネスパーソンですので、
- メールのリアクションが遅れる
- Web履歴書などの登録がいい加減な状態
このような対応をしていると、連絡が頂けないようになります。
ビジネス上の付き合いであることを留意しておきましょう。
まとめ:転職エージェントを活用して、40代転職の特性を認識しよう
今回は、後継者として家業を継ぐことを断念した筆者が、転職エージェントをはじめて利用して、40代の転職について学んだことをお話ししました。
ひと言で『転職』といっても、世代別に違うものです。
20代なら第一、第二を問わず『新卒』扱いとなりますし、30代であれば、勢いだけで転職することができます。
しかし、40代の転職では「即戦力」が求められるのです。
筆者のように、自営業者で転職市場をよく知らない状態だからこそ、客観的な判断が必要となります。
自分のキャリアと適職について、転職エージェントのような第三者を交えて、方向性を出していきましょう。
もちろん、最終的には自分の判断が重要ですが、プロの相談相手となると、転職エージェントを活用するのがベストです。
筆者はまだ転職を果たしておりませんが、転職エージェントのアドバイスをうまく取り入れて、理想の転職を勝ち取りたいと思います。
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