あなたが40代で転職を考えているのはなぜですか?
このような思いを持たれている方も多いでしょう。
また、将来に備えて何らかの資格を取得したので、その資格を活かした仕事をしたいと考えて考える方も、いらっしゃるのではないかと思います。
筆者も48歳のときに、上記ような思いが相まって、転職することにしました。
自分のキャリアと持っている資格から考えて、
と安易に考えて、前職を辞めてから転職活動を開始したのです。
しかし、現実はそんなに甘いものではありませんでした…。
資格や経験が、かえって仇になってしまうということもあるのです。
最終的に転職を果たすまでに、多くの苦労と学びを得ることになりました。
48歳で転職した筆者の実体験を通して、よかったことや反省点などを具体的にお話ししますので、ぜひご参考にしてみてください。
どんな経験と資格を持っていたのか?
「資格や経験がある」と書きましたが、まずは筆者が保有していた資格や経験してきた業務について、具体的にご紹介させていただきます。
IT系のキャリア
筆者は高校卒業後にシステム開発の会社に入社して、ソフトウエアの開発に携わっていました。
それから約30年、勤務先の変更はあったものの、
- コンピュータシステムの設計
- 運用、保守
- 顧客サポートなど
このようなIT関連の業種に、ずっと関わってきたのです。
IT業界では、会社にこだわらないような働き方が進んでおり、転職をしたり、独立してフリーになる人がたくさんいます。
筆者もそうした例にならって、若いうちに会社を辞めて、派遣として働いたり、フリーで仕事を受注する働き方をしていました。
いわゆる個人事業主というもので、自分ひとりで会社との契約を交わしたり、会計事務を行っていたのです。
会社の経営
30代になったころ、それまで契約をしていた会社から、
このように告げられて、一緒に仕事をしていた人と二人で、急きょ会社を設立することにしました。
立ち上げた会社は、コンピュータのサポートをおもな業務とする小さな株式会社。
資金もあまりないですから、節約するためにも、できることは自分たちで行うようにしたのです。
定款の作成や商業登記など、会社設立の手続きを筆者がひとりで行い、会社の設立後は経理労務などの事務を担当しました。
この会社の経営には、8年間携わっています。
個人事業とネットビジネス
会社の役員とはいっても、仕事の契約が取れずに、役員報酬を大幅に下げざるを得ないこともよくあり、収入は安定しませんでした。
ただ、その代わり時間的な余裕はあったので、
- 個人宅向けのパソコン訪問サポート
- インターネットでの中古パソコンの販売
- 輸入玩具のネット販売
- 中国雑貨の輸入転売ビジネスなど
上記のような副業に取り組んで、それなりの収入を得ていたのです。
社会保険労務士と行政書士の国家資格を取得
会社経営をするかたわら、独学で勉強をして、難関といわれる以下の国家資格を取得しました。
- 行政書士
- 社会保険労務士
転職を考えたきっかけは?
このように思われる方もいるかもしれませんね。
48歳にして、筆者が転職しようと思うに至ったきっかけをお話しします。
資格を取得したこと
会社経営をしていた時に、給与計算や人事労務事務を担当して、「社会保険労務士」という資格があるということをはじめて知りました。
やがてこの資格に興味を持つようになり、この資格を取ってみようと思ったのです。
しかし残念なことに、高卒の学歴では受験資格がありませんでした。
そこで、「社会保険労務士」の受験資格を得るために、まずは「行政書士」の資格取得を目指したのです。
このような流れでまずは行政書士の資格を、そして社会保険労務士と、2つの国家資格を取得することができました。
せっかく難しい資格を取ったのですから、
という思いが、転職を考えるきっかけとなったのです。
人にかかわる仕事をしたい
高校を卒業してから、30年近くもIT系の仕事に携わってきたわけですが、それはおもに人間味のない機械相手の仕事でした。
40代も半ばを過ぎたころから、
このように思うようになったのです。
こちらも転職を意識するようになった理由のひとつです。
会社勤めは安定した収入が得られる
会社経営といっても、仕事がないときは収入が激減してしまうような状況でした。
かといって、副業だけで食べていけるほどの収入があったわけでもありません。
より安定した収入を得るためには、
会社勤めをした方が得策である
このように考えるようになったのです。
どのような転職活動をしたのか?
会社員へ転職することを決めた筆者は、経営していた会社を辞めて、転職活動を行うことにしました。
ここでは、どのような活動をしたのかお話しします。
ハローワーク
地方で中小企業の求人を探すのなら、まずハローワークですよね。
いまは昔と違って、わざわざハローワークに出向かなくても、インターネットサービスを使って、家でゆっくり求人情報をチェックすることができます。
勤務場所や職種、年齢などを絞って検索をして、いくつかの求人に応募してみました。
転職サイト
転職サイトも、ネットでゆっくり検索することができるのですが、実際にチェックしてみると、筆者が住む地方の求人は数えるほどしかありません…
残念ながら、あまり利用価値はありませんでした。
転職エージェント
大手のエージェントでは、求人企業の情報をたくさん持っているようですが、都市部の求人ばかりで地方の情報は少なく、あまり利用価値はなさそうでした。
そこで、地元のエージェントに3社ほど登録。
実際に登録に行くと、どこの担当者も筆者の経歴や資格を見て、
このように言ってもらえたのです。
親身になって探してくれたエージェントの紹介で、実際に何社か応募して、一緒に面接に行ってもらったこともありました。
知り合いへ紹介依頼
これはあまり乗り気ではなかったのですが、経営者や人事権を持っている知り合いに、求人の紹介依頼で声をかけてみました。
声を掛けると、知り合いということもあるので、見ず知らずの求職者に対するよりは、親身に相談には乗ってくれるのです。
ただ、実際に人材を必要としている状況ではないので、簡単には雇ってやるとは言えないのでしょう。
いくらかアドバイスはもらえたので、まったく無駄ではなかったものの、縁故の利用はしなければよかったと後悔しています。
フリーペーパーの就職情報
どこの地域でもあるものでしょうが、筆者の住んでいる地域にも、毎週各家庭に配布されるフリーペーパーがあり、地元の求人情報がたくさん載っています。
比較的気軽に掲載できるため、小さな会社でも利用するところが多く、地元の中小企業の新鮮な求人が手に入ります。
このフリーペーパーの求人情報を毎週チェックしていたのですが、新しく掲載された求人に応募して、いまの会社に採用されることになったのです。
求職活動の実体験
お話ししたようにさまざまな媒体を活用して、いくつもの求人に応募して、最終的には転職を果たすことができました。
ただ、内定にたどり着くまでに数多くの企業に断れられ続けて、
このように不安が募り、メンタルもおかしくなり、冷静さを失ってしまったくらいです。
とくに印象に残っている応募先についてお話しします。
社会保険労務士法人の支部事務所
この会社は全国展開を推し進めており、筆者の住んでいる県にも新しく支部を開設するため、社会保険労務士を数名募集していたのです。
筆者は社会保険労務士の資格も持っていますし、会社経営の実務経験もあるので、求める人材にマッチすると考えて応募してみました。
簡単な筆記試験と社長自らが面接していただき、
このように言われました。
ダメな場合は、数日で不採用の連絡があるものですが、2~3週待っても連絡がこないのです。
このように考えて待っていましたが、まったく連絡が来ません。ついに業を煮やして、こちらから問い合わせてみました。
すると翌々日にお断りの通知が届いたのです…。
ダメならダメと早く言ってもらいたかったですね。
個人病院の事務員
転職エージェントの方の紹介で、理事長を含めた数人の役員の方たちと、面接をセッティングしてもらいました。
面接の感触はとても良好。理事長さんは、
このようなことをおっしゃってくださったのです。
筆者はこれで決まりかなと思っていましたが、数日経ったころに、転職エージェントの担当から電話があり、先方からお断りの連絡が入ったとのこと。
見送り理由は、筆者の資格や経験が高すぎるので、
経験や資格が邪魔になってしまうこともあるんですね…。
人材派遣会社のコーディネーター
かなり焦って冷静さを欠いていたからですが、自分の経験や資格とは異質とは思ったものの、年齢制限や資格の記載もなかったので応募してみました。
しかし書類選考のみで、すぐにお断りの通知が到着。
やはり無駄な応募でした…
冷静に考えればすぐにわかりそうなものですが、焦ってしまうと、このような無駄な動きをしてしまうものなのです。
市の機関のパートタイム
あまりにも不採用が続いたので、どんどん焦りが募ります。
ついにはかなり条件を下げて、
簡単な事務とパソコンが使えればOK
という条件だけの、時給もあまり高くないパートの募集にまで応募してしまいました。
面接では簡単なパソコンの試験と面談があり、担当の方は筆者の履歴書を見て、
このように恐縮されてしまいました。
しかし結果は不採用。求人企業の希望する人材とは、筆者は合致していなかったようです。
自動車販売会社の経理事務
この会社は、今回の転職活動のなかで、もっとも長くかつ最後まで候補となったところです。
かなり内容の濃い筆記試験に挑み、一次試験、二次試験と役員との面接を経て、
このように内定の通知をいただきました。
ただし年齢を考慮して、正社員ではなく契約社員での打診です。
ほぼ同じタイミングで、別の会社から正社員の内定をいただけたので、こちらはお断りすることにしました。
運送会社の事務&社内SE
こちらが最終的に筆者が転職した会社です。
- 経理、労務、事務の経験者
- コンピュータの保守ができる人
上記のような募集をしている新しい求人を、フリーペーパーで見つけました。
このように感じてすぐに電話したのです。
前述した自動車販売会社とは違って、筆記試験などはなく、ゆるい面接と社長さんとほんの1~2分あいさつしただけでした。
しかし先方から、採用したいとの連絡が入ります。
このように感じた面もあったのですが、仕事の内容のマッチングは十分で、条件もまずまず良かったですから、この会社へ転職することに決めました。
転職活動中に困ったこと
キャリアと資格があるので、
このように気楽に始めたものの、なかなか決まらずに焦りや失意におちいり、自信も喪失しました。
メンタルがズタズタになってしまったのです…
当初は求人情報を厳選して、良さそうなものだけに応募していましたが、断りのお祈りメールばかりが続いて、どんどん自信が無くなっていきます。
焦りから冷静さも失ってしまい、
- それほど親しくない知人にまで、求人紹介を頼んでしまう
- 自分の資格や経験と全然マッチしない求人に応募してしまう
- 時給の安いバイトに応募してしまう
上記のように、どんどん泥沼にはまってしまいました。
どう乗り越えたか?
転職活動が長期化して泥沼にはまってしまう中で、そこから脱出して転職へつなげることができたのは、やはり支えや備えがあったことが大きいです。
家族の支えや副業からの収入があったからこそ、厳しい転職活動を乗り越えることができました。
家族の支え
テレビドラマなどでは、仕事をせず家でゴロゴロしているダンナが、邪魔者扱いされて妻からも責められる、このような光景を目にすることがありますよね。
しかし筆者の家族からは、そのような扱いを受けることはありませんでした。
むしろふだん以上に温かく見守ってくれて、
- 悶々としている筆者をドライブに連れ出してくれる
- 話し相手になってくる
このように、いつも支えとなってくれたのです。
メンタルの弱い筆者は、家族の支えがなかったら、きっと堪えることができなかったでしょう。
家族には本当に感謝しています。
副業からの収入
退職して収入が途絶えてしまったことが、不安を大きくする要因でもありました。
しかしわずかながらも、副業のネットビジネスから収入がありましたので、多少は不安を軽減できていたと思います。
また副業に取り組むことで、転職の不安で頭がいっぱいになってしまう、このような状態も避けることができました。
転職活動を経験して学んだ教訓
筆者は今回の転職活動を通して、以下のような教訓を得ることができました。
40代の転職は厳しいものになると覚悟が必要
40代の転職は、たとえ良い資格や経験があったとしても、容易なものではありません。
応募しても、次から次とお断りの通知が来て、自信を失ってしまうこともあるでしょう。
そういう状況になって、実際に筆者はかなり迷走してしまい、さらに自分を追い込むことになってしまいました。
焦らずに冷静さを保ち、辛抱強く活動する
断られ続けて、
このように不安になってしまうものですが、焦りは禁物です。
冷静さを失わずに、辛抱強く活動することが大事だと痛感しました。
もしあきらめてしまっていたら、今の就職先は見つからなかったでしょう。
求人探しを継続して、よい求人には速やかに応募
あきらめずにコツコツと求人情報の収集を続けていたので、ついには自分に合った求人を見つけることができました。
そして速やかに応募して、採用へと結びつけることができたのです。
家族の理解、収入源を確保しておくことは大切
厳しい転職活動のなかで、メンタルをしっかり保つのはとても難しかったのですが、家族や周りの人の支えはとても助けになりました。
また、いくらかの収入を得る手段を確保しておいたことも、心の余裕を持つ効果があったと思います。
まとめ:40代後半でも転職はできます!
筆者の40代の転職活動は、迷走、紆余曲折もありましたが、重要なことを学びながら、最終的には、自分にとって最適な転職先を見つけることができました。
今回の経験で筆者が得たものとして、最後に申し上げたいことは以下の通りです。
40代後半でも、転職することは無理ではない!
今まさに転職活動中の方も、これから転職活動を開始するという方も、あきらめずに頑張っていただきたいと思います。
そしてぜひとも、満足できる結果をつかんでいただけますように!
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