(執筆:すすむ)
- 社労士の資格に興味はあるけれど、なんだか難しそう…
- 40代から資格を取っても、ちゃんと転職できるの?
- 働きながらでも、取れる資格なのだろうか…
こんなふうに悩んでいる方はいませんか?
大丈夫です!
社労士は働きながらでも合格できますし、転職にも十分役立ちます。
なんだったら、資格を持っていなくても、社労士事務所に転職することは可能です。
筆者も会社員をしながら勉強して、45歳で社労士の資格を取得しましたし、資格取得後には業務未経験で、社労士事務所へ転職できました。
社会保険労務士というのは、いろいろな働き方ができるのが魅力です。
勉強するのはもちろん大変ですが、苦労は報われると信じて、合格を目指しましょう!
今回の記事では、40代で社労士に転職した筆者が、
- 社会保険労務士は働きながら取れる資格なのか?
- 社労士として働く魅力・メリット
- 社労士事務所の求人における特徴
- 40代で社労士への転職活動をしてみて分かったこと
といったことについて、詳しくお話しします。
これから社労士を目指している人は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
なぜ40代で社会保険労務士を目指したのか?
まずはじめに、筆者がなぜ社労士事務所へ転職することにしたのか、その経緯についてお話しします。
元々は社労士とは関係のない仕事をしていました
筆者は現在、社会保険労務士事務所に勤務しています。(追記:2020年1月に独立開業しました!)
社労士事務所のおもな業務は、企業の人事や総務部門のお手伝いをすることです。
給与計算から人事・労務に関するコンサルティングまで、幅広い業務にあたっています。
社労士事務所へ転職する前は、製造業で総務を担当していました。
ですが、最初から総務だった訳ではありません。
元々は生産管理を担当していましたが、総務を兼任することになり、そこではじめて社会保険労務士の存在を知りました。
それまでは、社労士にはまったく縁がなかったのです。
社労士の勉強をしようと思ったのも、総務業務に必要な知識を得るためで、社労士事務所へ転職をしようなんて、当時は考えもしませんでした。
試験に合格後、社労士事務所への転職を考えるように
ところが、社労士の試験勉強を進めていくにつれて、社会保険労務士の仕事に興味を覚え始めました。
そして試験に合格した頃には、
このように思うようになったのです。
さらに、社労士の活動に関するセミナーなどへ参加しているうちに、
上記のように考えるようになりました。
そして試験合格から約半年後、ついに退職願を出すことなったのです。
社会保険労務士は働きながら取れる資格です
社労士の資格は難関と思われていますが、じつは働きながらでも十分に合格できる資格です。
実際に筆者も、会社員をしながら試験に合格しました。
合格者のデータを詳しく見ていくと、多くの会社員の方が働きながら合格していることがわかります。
合格者の58.9%は会社員
社会保険労務士の合格率は、ここ数年でみると、4%台から6%台で推移しています。
◆社会保険労務士試験合格者の推移
実施年 | 受験者数(名) | 合格者数(名) | 合格率 |
---|---|---|---|
2019 | 38,428 | 2,525 | 6.6% |
2018 | 38,427 | 2,413 | 6.3% |
2017 | 38,685 | 2,613 | 6.8% |
2016 | 39,972 | 1,770 | 4.4% |
2015 | 40,712 | 1,051 | 2.6% |
厚生労働省資料より |
この数字だけみると、
このように思う方もいるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。
◆社会保険労務士試験合格者の職業別構成
会社員 | 58.9% |
---|---|
無職 | 13.4% |
公務員 | 7.7% |
団体職員 | 5.2% |
自営業 | 4.3% |
その他 | 10.5% |
厚生労働省資料より |
上記の合格者データ(令和元年度)を見てみると、合格者のうち58.9%が会社員です。
◆社会保険労務士試験合格者の年齢別構成
20代以下 | 8.2% |
---|---|
30代 | 33.1% |
40代 | 31.5% |
50代 | 18.8% |
60代以上 | 8.4% |
また、年齢層を見ても40代が31.5%、30代が33.1%となっているように、
働きながら合格を勝ち取った人が非常に多い
ということがわかります。
確かに簡単に合格できる試験ではありませんが、あきらめずに正しい方法で学習すれば、必ず合格できる試験だといえるのです。
合格率にはトリックがある
じつは合格率には、トリックがあります。
合格率は、「合格者数÷受験者数」で計算されますが、受験者数のすべてが、合格ラインに立っているわけではありません。
実際には、記念で受験された方や、単なる腕試しで受験されている方も、受験者数のなかに相当数が含まれています。
合格率という数字に惑わされず、
合格に必要な知識を身につけるために、どうすればよいか?
上記に意識を向けるようにしましょう。
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社会保険労務士として働く魅力・メリットとは
この記事を読まれているのは、社労士への転職を検討しているという方が多いでしょう。
社会保険労務士とは、時代の後押しもあるなかで魅力的な業務が多く、働き手としての可能性が広がる仕事です。
ここでは、社労士として働くことの魅力やメリットについて、実際に社労士へ転職をした筆者の目線でお話しします。
働き方改革が社労士のニーズを後押し!
いま、ニュースで聞かない日はない「働き方改革」という言葉。
企業は残業の削減などに躍起になっています。
社会保険労務士は、数ある士業の中でも、「人」に関するエキスパートです。
お客様である企業の人に関する悩みに、ダイレクトに応えられる職種といえます。
コンサルティング業務が熱い!
- 残業を削減するために、業務の生産性を上げるためにはどうすればいいか?
- 従業員の方のスキルアップや定着を図るために、どのような人事評価制度を構築するか?
上記のような企業の悩みごとに対して、コンサルティングを提供しやすい位置にいるのが、社会保険労務士という仕事です。
実際に企業からの問い合わせが増えています。
AIや外国人労働者の参入が懸念されていますが、人手不足の状況は簡単に解決できる問題ではありません。
「人材の採用・定着」の問題は、企業のニーズであり続けるでしょう。
社労士は、独立するかしないかも自由に選べる
転職というと、会社から会社へというイメージが一般的ですよね。
実際に、社労士として最初の転職は、社労士事務所への就職ということになるでしょう。
もちろん、社労士の資格を取って、業界未経験のまま独立される方も大勢いらっしゃいます。
しかし、まずは社労士事務所に就職して、ひと通りの業務内容を覚えることも選択肢のひとつです。
社労士事務所に就職したあとは、
- 定年になるまで、そのままスタッフとして勤め続ける
- ゆくゆくは独立する
上記のように働き方を選ぶことができるのも、社労士の魅力であります。
実際に、社労士の登録方法は、
開業 / 勤務 / その他
この3つの種別があり、すべての社労士がいずれかの種で登録しているのです。
自分でやりたいことがあるなら独立しよう!
筆者はいま、勤務社労士として働いていますが、将来的には独立するつもりです。(追記:2020年1月に独立開業しました!)
スタッフとして働くのも、やりがいはあるのですが、
もっとダイレクトに世の中の役に立ちたい
という思いがあるので、いずれは独立しようと思っています。
社労士の良いところは、弁護士や税理士と同じく、顧問契約を取りやすい職種であることです。
もちろん、顧問契約をいただくことは、易しいことではないのですが、
毎月安定した収入がある
というのは、事業主として大きなメリットとなります。
いまのご時世、ダブルワークも主流になりつつありますので、
社会保険労務士 + 〇〇
このような働き方もあるでしょう。
自分のやりたいことを仕事をするには、どうすれば良いかを考えていくことで、あなたの可能性はさらに広がるかもしれません。
社労士事務所の求人における特徴とは
別の業界から、社労士事務所に転職したいと思った場合に、
このように思われる方もいらっしゃいますが、実はそんなことはありません。
ここでは、社労士事務所の求人における特徴についてご説明します。
「未経験者歓迎」で募集しているところもある
実際の求人欄を見てみると、
- 未経験者歓迎
- 社労士資格勉強中の方歓迎
このような記載がある求人をよく見かけます。
裏を返せば、経験者(社労士合格者含む)だけでは、人手が足りていない事務所が存在するということです。
ただ、何の知識もない状態で飛び込むのは、転職した後に苦労するでしょう。
社労士事務所は大企業とは違って、研修制度などが十分に整っているわけではないです。
当然ながら法律用語が多いですから、資格を取るつもりで事前に勉強しておくことをおすすめします。
そうやって勉強しておくと、面接の際にアピールすることも可能です。
業務を行うのに資格はなくてもよい
社労士事務所では、顧客企業の給与計算や社会保険手続きなどを、メインに行なっているところが多いです。
しかしこれらの業務は、すべてを社労士が行うわけではありません。
もちろん最終的には、所長である社労士の名前で仕事を完成させますが、入力作業などのアシスタント業務は無資格でも問題ないのです。
志望動機が重要視されます
あなたは、なぜ社労士事務所に転職したいのでしょうか?
- 今まで総務で給与計算などをしていて、キャリアアップをしたいから
- 人事労務に興味があり、将来的には独立したいから
上記のように、さまざまな理由があると思います。
資格の有無に関わらず、社労士業界で自分が何をしたいのかは、よく考えておきましょう。
面接で必ずこのように聞かれます。
未経験者を歓迎している理由とは?
前述したように、社労士事務所の求人欄には、「未経験者歓迎」と書いてある所をよく見かけます。
当然ながら、「未経験者でも歓迎」するのには理由があるはずです。
なぜそこまでして、その社労士事務所が求人募集しているのかを、見極める必要があります。
事務所の人手が不足している
企業の人手不足を取り上げているニュースをよく見かけますが、社労士事務所も例外ではありません。
人気の社労士事務所であれば、常に仕事が舞い込んできますので、求人をかけてどんどん規模を大きくしています。
このような事務所では、仕事はきっと大変でしょう。
しかしそのトレンドに乗ることで、未経験でもしっかりとした業務経験を積むことができるかもしれません。
人の入れ替わりが激しい
一方で、単に「人が辞めていくから募集をかけている」という事務所もあるでしょう。
社労士事務所は、激務である会社が割と存在しています。
仕事量に対して、スタッフの数が足りておらず、常に大量の仕事を抱えて働いているのです。
このような事務所では、せっかく新人のスタッフが入所しても、研修制度が整っていなかったり、誰も教えるヒマがないことがあります。
新人スタッフは、誰にも仕事をロクに教えてもらうことができず、すぐに辞めてしまう悪循環になっているのです。
トップのキャラクターが影響している
社労士事務所は、スタッフ数名~十数名までの小規模な事務所が多いです。
したがって、トップである所長のキャラクターが、事務所の運営に色濃く出ている場合があり、
所長との相性が合いそうかどうか?
上記が勤務先を選ぶうえで重要な要素です。
このような話も、実際にはちらほら耳にすることがあります。
40代で社労士への転職活動をしてみて分かったこと
40代で社労士事務所への転職活動をしてみて、学んだことや気付いたこともたくさんありました。
ここでは、実際に活動してわかったことをお話しします。
最初は不安だらけでした
転職すると決心したのは良かったのですが、
このような心配はありました。
また、かりに転職に成功したとしても、妻と当時6歳の息子を養うことができるのか、不安な気持ちでいっぱいだったのです…
ただ、仕事は辞めずに続けていたので、「ダメで元々」という感じで、まずは一歩を踏み出すことができました。
行動を起こせば、意外と何とかなる
結論から申し上げると、不安に思ってたことはすべて思い過ごしでした。
妻には、自分のやりたいことを説明すると、
このようにすぐに理解をして応援してくれました。
もちろん不安を感じることはあったでしょう。
ただ、筆者がつまらなさそうに会社に行っているのが、妻は気になっていたようで、筆者が転職をすることに賛成してくれたのです。
また、肝心の転職活動についても、開始してからわずか1ヶ月で、内定をいただくことができました。
結果としては、充分といえるのではないでしょうか!
なぜ未経験でも社労士に転職できたのか?
いま振り返って考えてみると、面接のときに、
自分のスキルではなく、ビジョンを語ったこと
これが内定をいただけた要因ではないかと思います。
たとえサラリーマンを数十年経験していて、社労士試験にも合格したといっても、社労士業界においては素人同然です。
ですから、これまでのサラリーマンスキルをアピールしたところで、何の役にも立たなかったでしょう。
これまでのキャリア・経験をアピールするよりも、
- 自分がこれからやりたいこと
- 転職して成し遂げたいこと
上記について熱く語ることで、
面接官にこのように思ってもらえた気がするのです。
社労士へ就職する理由をよく考え、事前準備をしておこう
転職活動を始めるときには、
- 何のために転職するのか?
- なぜその会社を受けるのか?
事前にこれらをよく考えておくことが大切です。
40代ともなると、就職活動や転職活動から長らく離れていて、
- 職務経歴書の書き方
- 面接がどんなだったか
といったことを覚えていない人もいるでしょう。
例えば、転職に関するサイトや関連書籍などを読んでおくなど、事前準備はきっちりしておくことをオススメします。
未経験で社労士への転職を考えている方へ
ここでは、筆者と同じように未経験で社労士への就職を考えている方に、成功させるために押さえておいて欲しいことをご紹介します。
転職が決まるまで仕事を辞めないで!
なんだか矛盾しているようですが、もし可能であれば、転職活動は今の仕事を続けながらやりましょう。
退職してから、じっくり転職活動をされる方もおられます。
でも万が一、転職活動が思うように進まない場合は、生活のことを考えて焦りが出てしまうのです。
不本意な会社に妥協してしまうことになりかねないので、今の収入を確保しながら転職活動を行う方が、冷静な判断をすることができます。
仕事を続けながらの場合、面接などの時間を確保できるのか心配ですよね。
でも面接日は、終業後や休日などに調整してもらえるように交渉することも可能です。
求人をかける側も、無職よりも現職の人のほうが評価してくれる場合もあります。
働きながら、焦らずじっくりと取り組みましょう。
転職に求めるのは「収入」か「生きがい」か?
筆者の場合は、未経験の業界に転職したので、収入は前職よりも20%ほど下がりました。
自分のなかでは、生活レベルを落としてでも、「自分のやりたい仕事」を選んだのです。
もちろん妻には、申し訳ないことをしたと思っています…
ですが、これからの人生を自分のやりたくない仕事に費やしたくない。
たとえ生活レベルが下がっても、自分のやりたい仕事をして生きがいを得たかったのです。
いまは新しいことへの出会いばかりで、覚えることも多くて大変ですが、前職にはなかったワクワク感に囲まれて、充実した毎日を過ごしています。
転職で何を得たいかは人それぞれですが、もし今の仕事に少しでも引っかかるものがあるのでしたら、
この問いに対して、じっくりご自身向き合ってみるといいでしょう。
できれば入社前に、「事務所見学」をやっておこう
可能であれば、入社を決める前に「事務所見学」をすることをおすすめします。
内定までに、面接を何回行うかは事務所によって異なりますが、入社を決める材料はできるだけ多く確認しておくべきです。
事務所の雰囲気などは、面接では分からないこと多いですから、少なくとも半日程度は、事務所見学ができるか申し出てみましょう。
業務で扱うものが個人情報であることが多いので、スタッフの隣に座って見学することは難しいかもしれません。
部屋の隅に座ってでも、事務所の雰囲気をつかむことに集中しましょう。
- 所長とスタッフがどのように関わっているのか?
- スタッフ同士がどのような会話をしているのか?
- 電話の応対の仕方などで気づいたこと
こういったことをメモしておき、入社するかどうかを決める判断材料のひとつにしてください。
ただし、事務見学を断られてしまった場合は、いさぎよく引き下がるようにしましょうね。
まとめ:40代からでも社労士に転職できます
今回は、社労士事務所への転職について、現役社労士が詳しくお話ししました。
社労士事務所への転職は、資格がなくても可能です。
40代で未経験で入所して、働いて経験を積みながら、社労士資格の取得を目指すこともできます。
ただし、求人欄に「未経験歓迎」の文字がある場合は、
なぜ未経験者でも大丈夫なのか?
という理由について、冷静に見極めましょう。
面接などの限られた機会のなかで、事務所の雰囲気を掴むのは大変かもしれません。
しかし、自分がこれから働く場所なのですから、しっかりと確認しておくべきです。
このように考えている方は、むしろ「いまの職場に留まって勉強する」ことをおすすめします。
慣れない仕事のなかで勉強するよりも、慣れた仕事で自分の時間をコントロールしながら、勉強時間を確保する方が合理的ですよ。
社会保険労務士は独立開業も目指せますので、人生の選択肢を増やす意味でも、ぜひ資格合格と転職を目指してチャレンジしてみましょう!
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40代の転職を成功させるためには、まず40代の転職を取り巻く状況や現実を知ることが大切です。
そのうえで転職活動の具体的な流れ、各ステップごとの対策や攻略ポイントを学びましょう。
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