私たちがはじめて仕事についた頃に比べると、近ごろでは、仕事への価値観や多様性も大きく変わってきました。
人口の減少や年金などの事情を考慮しても、
人生の晩年まで仕事をする必要があるのでは…
このように感じている方も多いでしょう。
つまり、これからの人生をより豊かに過ごしていくためには、
自身の人生設計に合わせたキャリアプラン
上記を構築していくことが重要となってきます。
これから先の20年、30年後を見据えるうえでも、40代の転職はとても大切なタイミングです。
この記事では、40代からのキャリアプランを考える方に向けて、キャリアプランを考えるうえでのポイントや具体例などをご紹介しています。
人材業界に長く関わってきた筆者の経験にもとづいて、わかりやすくお話していますので、ぜひ最後までご覧いただいて、あなたの悩みを解決するヒントにしてください。
40代が転職で準備するべきことは、40代が転職活動で準備するべき5つのポイントでご紹介していますので、あわせてご確認ください。
▼この記事の執筆者▼
キャリアプランの「軸」を設定しよう
40代での転職を検討する場合は、まずはキャリアプランを考えるうえで「軸」となる、
- ご自身が人生で大切にしたいこと(ミッションステートメント)
- これまでのキャリアで得た「強み」と「弱み」は何なのか?
上記について、考えてみることが大切です。
転職先とマッチするかは、相性やタイミングもあり、絶対的なものではありません。
合わない場合も、現実的に致し方ないこともあります。
しかし、万が一マッチしなかった場合でも、キャリアプラン構築の「軸」があれば、また原点に戻ることができるのです。
転職がうまくいった場合も、働くなかで薄れがちな「働くことの意味や目的」を見失うことなく、熱量の高い仕事を継続することができるでしょう。
あなたが人生で大切にしたいことは何ですか?
キャリアプランを考えていくうえで、まずはご自身において、
人生のなかで大切にしたいこと
はいったい何なのかを、いちど見直してみましょう。
これはミッションステートメントともいわれ、日本語では「使命」や「信条」などと訳すことができます。
ミッションステートメントは、組織が存在する理由、組織の全体的な目標、運用の目標(提供する製品またはサービスの種類、主要な顧客または市場、および運用の地理的地域)を特定する短いステートメントです。
出典:Wikipedia(英語)
もともとは、企業・従業員に対して使われていた言葉ですが、近年では個人におけるミッションステートメントも注目されるようになりました。
自身のキャリアプランを考えるうえでも、
人生の重要な決断をおこなう際の指針
となるものが定まっていれば、方向性を見失うことなく、正しい選択をすることができます。
ミッションステートメントに関しては、以下の記事で実際に転職で取り入れた事例が紹介されています。
詳しく知りたい方は、ぜひこちらをご参照ください。
これまでのキャリアで得た、自身の「強み」と「弱み」を知ろう
キャリアプランを考えるうえで、自身の「強み」と「弱み」を知ることは重要です。
そしてその強みが、
- 転職先に通用する、差別化された強み
である必要があります。
また、「弱み」についても分析することで、その弱みを克服しなければならないのか、回避できるのかが判断できるでしょう。
自身の「強み」と「弱み」を分析する方法について、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
40代がキャリアプランを考えるタイミングとは
40代が転職を意識して、自身のキャリアプランについて考えるのは、どのようなタイミングなのでしょうか。
ここでは、代表的な例についてご紹介します。
役職を上げたい・収入を増やしたい
転職の王道ともいえるのが、キャリアアップや収入アップを目的としたキャリアプランではないでしょうか?
自分がこれまで経験してきた道で、
さらに上を目指していく
ということも、人生の楽しみ方のひとつです。
組織や社会に影響する自己成長を実感できるのも、やりがいとなるでしょう。
将来に向けてさらなる経験を積みたい
- 目指したいキャリア
- 就きたい仕事・役職
こういったものが明確になっている場合は、将来のキャリアに向けた経験を積むために、転職を考えることもあるでしょう。
40代以上で次のキャリアなんて…
と思われる方もいるかもしれませんね。
しかし、管理職が不足している現状もあるなかで、とくにマネジメント能力を磨くことで、必要とされる場面はまだまだあると感じます。
注意が必要な点としては、目的の達成を将来に置いているため、企業のネームバリューや、業界の将来性などの考察が必要なこと。
ご自身のキャリアプランの「軸」と合わせて、イメージしてみると失敗も少ないでしょう。
仕事と生活の比重を変えたい
キャリアの多様性も見られる昨今では、仕事より生活中心のキャリアプランを考えることも、珍しいことではありません。
「ライフワークバランス」や 「ライフアズワーク」など、人生のなかで仕事をどの位置に置くかは、自分でデザインできる時代となりました。
30代までハードワークしてきた方や、家族やお子さんなど守るものが増えたという方なら、選択肢のひとつとして、覚えておきたいキャリアイメージです。
筆者自身も、充実した実生活が送れることを、キャリアプランの軸に置いています。
家族との時間を優先するために、仕事量と収入をコントロールする転職を実現した、以下のような体験談も参考になるでしょう。
いまの職場環境から抜け出したい
適切な評価が受けられない職場であったり、不要なストレスが多い環境から、抜け出すことを目的とする転職もあるかもしれません。
1日の半分以上を占める労働時間のなかで、不満にとらわれて過ごしていくのは、時間の無駄使いともいえるでしょう。
まずは脱却というのも正しい選択ですが、一方で環境には自らも関与しているものです。
- 周囲だけがすべて悪い
ということはありえませんので、ご自身の改善点も整理しておくとよいでしょう。
また抜け出した後のキャリアプランやライフプランを、事前に想定しておくことも重要です。
どんなキャリアにしたいのか?
ということをイメージしておくと、仕事へ前向きに取り組める活力になるでしょう。
40代におけるキャリアアップの例
企業規模や役職、収入などの向上を伴う転職のことを、一般的にはキャリアアップといいます。
自身の経験やスキルを活用して、分かり易い結果がでるのも、キャリアアップのだいご味です。
ここでは、キャリアアップの例や注意点などをお伝えしていきます。
経験や実績を活用し、役職を上げる
一般社員から管理職へキャリアアップしたい!
管理職から経営層へキャリアアップしたい!
こういったことを考えている方も多いでしょう。
筆者がこれまで見てきたなかでも、
- 中小企業の管理職から大手管理職へ
- 大手のトップ営業から、中小企業の経営幹部へ
上記のような、さまざまなキャリアアップのケースに出会いました。
そのなかで率直に実感するのが、採用される指標においては、
個人のスキル・特性や役職 + 所属企業の知名度 + 転職先で活用できる価値
このような公式で判断される場合が多いということです。
たとえ個人のスキルが突出していなくても、有名企業出身の方であれば、スムーズにキャリアアップできることが多いのも事実。
逆に中小企業出身でも、個人スキルや活用できる価値が非常に高いのなら、出身企業の知名度が著しく低くても、キャリアアップできるケースもあります。
あくまでも筆者の個人的な指標ですが、企業選定の際に目安としていただくと、目指すべき企業を絞りやすいかもしれません。
企業規模をアップ、有名企業へ転職する
業務のスケールを大きくしたい
高度なスキルや経験を積みたい
このような意識がある方であれば、より大きな企業へ転職することも有益です。
筆者が見てきた40代以上のケースでは、役職を少し落として、有名企業へ転職するケースが大半でした。
なかには、スキルや転職先で活かせる経験値が高く、中小企業の管理職から大手管理職へというケースも、少なからず存在していたのも事実です。
一般社員から大手企業へキャリアアップをはかる場合であれば、人材の少ない部署や、経験を重視する部署に狙いを絞ると、比較的転職が成功しやすいでしょう。
◆企業規模をアップした40代の転職体験談
40代におけるキャリアチェンジの例
生活の比重を変える場合や、労働環境を変えたい場合は、今までの業界・職種から別のカテゴリーへ、キャリアチェンジすることもおすすめです。
長年経験してきたカテゴリーから、別の分野に飛び込むのというのは、非常に恐怖心もあるでしょう。
ただ、長く経験してきた別分野の知識が、
まったく別の業界でも大きな強みになる
という場合もあるものなのです。
いままでの経験を活用して異業種へ
業種はまったく別であっても、活かせる能力は大いにあるものです。
- 販売・サービス業から営業へ
例えば上記のような転職は、一般的なものとなっています。
我々のような昭和の人間であるほど、異業種に飛び込むのには抵抗があるかもしれません。
しかしよく考えてみると、有能な社員や経営者ほど、業種を飛び越えて活躍しているのが一般的ではないでしょうか。
もちろん、有能であることが必須要件なわけではありません。
自分の持っているスキルや経験、好奇心や意欲を活かすことで、十分に新しいキャリアを創っていけるはずです。
◆異業種へ転職した40代の体験談
実績・経験を活かして、フリーランスや独立の道も
個人の実績や経験、興味をもとに、独立して個人で働く方も増えてきました。
独立して自身で経営していくのは恐怖もありますが、しかしその分、すべてが自分次第です。
自由度の高さと、達成感の高さも独立の魅力といえるでしょう。
じつは筆者も、会社員として広告関連の営業やライティングの経験を経て、現在はフリーランスで仕事をしています。
- ライフスタイルとキャリアを融合させる働き方ができる
- ゼロから自分で創り上げて社会貢献できる
上記のような働き方にメリットを感じるであれば、フリーで働くことは有効な道となるかもしれません。
自分自身で責任を負うことを覚悟してしまえば、じつは転職とさほど変わらないのです。
まとめ:自身の「軸」を定めてキャリアプランを描こう
今回は、40代がキャリアプランを考えるうえで押さえておきたいことを、人材業界に関わってきた筆者の経験にもとづいてお話ししました。
もちろん、今回ご紹介したキャリアプラン例だけではなく、他にも多くのケースがあります。
結論を言ってしまえば、キャリアプランの正解は誰にも分からないですし、逆にすべてが正解といえるのかもしれません。
筆者自身の人生を振り返っても、知人や友人の人生を見ていても、失敗も成功も含めて、すべてが無駄なことではないのです。
- ご自身が人生で大切にしたいこと(ミッションステートメント)
- これまでのキャリアで得た「強み」と「弱み」は何なのか?
これらの「軸」をしっかり定めたうえで、自分の腹にスッと落ちるような、あなただけのキャリアプランを構築してくださいね。
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