私は26歳で印刷会社を退職して、自営業を17年間営んできました。
しかし結婚して子供も授かり、妻とも話し合いをした結果、会社員として再スタートすることにしたのです。
自営業を辞める一番の理由は不安定なこと。そして将来が見通せないことでした。
国民年金だけで老後を暮らしていくのは困難ですし、愛する子供たちに迷惑を掛けてしまうかもしれません…。
所得税、市県民税、国民健康保険が高すぎるのも、家計を圧迫する原因となっていました。
しかしこのような思いを持っていても、自営業の仕事が忙しくて、なかなか就職活動する暇がありませんでした。
そんな時に、ネットで知ったのが職業訓練校だったのです。
わらにもすがる思いで職業訓練校に入校して5ヶ月、私は訓練終了を待たずに、無事に再就職することができました。
私のように、自営業者やフリーランスの方が再就職をするのなら、職業訓練に通うのが一番の近道かもしれません。
今回の記事では、40代の自営業者やフリーランスの方が、職業訓練校を利用して再就職する方法について、私の体験談に基づいて詳しくお話しします。
40代の自営業者やフリーランスの再就職が困難な理由

会社員と違って、自営業者やフリーランスは仕事のやり方次第で、自分の時間を自由に使えます。
しかしそれが逆に、再就職への道を阻むのです。
また、長らくひとりで仕事し続けている人ほど、会社という組織に再び馴染むのが難しくなります。
40代の場合は、それらにプラスして年齢の壁もあり、再就職はとても険しい道なのです。
会社という組織に馴染めるか不安がある
自営業者やフリーランスの人が再就職するのに、不安を感じるのが人間関係についてでしょう。
いちど一人の気楽さに慣れてしまうと、組織で仕事をするのは息苦しさを感じるものです。
年下の上司に使われるのも、気を使って嫌になることが多いでしょう。
満足な月収の求人が少ない
自営業者やフリーランスを長年続けている方であれば、同年代の会社員の月収を上回っていることが多いものです。
社会保険や厚生年金など、会社員であるメリットを考えて就職活動をするものの、満足いく月収の求人に出会えることは稀でしょう。
仕事を辞める(廃業)するきっかけがない
会社員の人が退職をする場合は、仕事の引継ぎをおこないます。
いま手がけている仕事が途中であっても、決められた退職日が来れば、それ以降に出社が求められるようなケースはまずあり得ません。
しかし、自営業者やフリーランスの人が仕事を辞めるのは、その事業を廃業するということです。
思い切って廃業することができずに、ズルズルと仕事をしてしまう場合もあります。
就職活動している暇がない
自営業者やフリーランスの人には、もちろん有給休暇などはありませんし、仕事をする気になれば土日祝だって休みではありません。
お客様から頼まれれば、休日返上でやる。
そんな生活をしていれば、再就職したくとも就職活動をしている暇が、そう簡単には取れないのです。
再就職へのモチベーションを保つのが難しい
このような気持ちにもなってしまいますし、思うように再就職が果たせないことで、モチベーションを保てなくなる方が多いのも現実です。
自営業者やフリーランスが職業訓練校に通うメリット
上記のように考えて、自営業者やフリーランスの方が再就職を目指すのであれば、職業訓練校に通うのが一番の近道といえます。
ここでは、実際に私自身が通って感じた、職業訓練校を利用するメリットについてお話します。
就職活動をするしかない環境である
職業訓練校では、月曜から金曜まで授業(訓練)があり、就職活動以外の休みが多いと退校になってしまいます。
就職活動しなければならない環境となるのが、いちばん大きなメリットです。
再就職へのプレッシャーをモチベーションにできる
自営業者やフリーランスの方は、廃業して職業訓練校に通うことになります。
一切の仕事をなくして、退路を断ってから入校するのです。
失業手当もないですから、早く就職しなければなりません。再就職へのプレッシャーが、そのままモチベーションとなります。
同年代の仲間と出会える
職業訓練に通う年代はさまざまです。
下は10代から上は60代まで、みなで一緒に訓練を受けることになります。
私が通った職業訓練では30~40代が多く、再就職を目指している同年代の仲間と出会うことができました。
それだけでモチベーションは上がりますし、安心もします。
集団活動をおこなう機会になる
職業訓練はクラス単位で授業を行います。私が通ったクラスは20人くらいでした。
自営業者やフリーランスの方は、一人で仕事していることが多いので、職業訓練は会社に就職する前に、集団活動をおこなうよい機会になるのです。
職業訓練後の就職率が非常に高い
職業訓練校は最短で3ヶ月ほど、長いコースなら1年くらい授業に通います。
私が受けたクラスでは、期間は6ヶ月でしたが就職率は90%以上ありました。
10人いれば9人は就職しているのです。
このように考えれば頑張ることができました。
就職活動のための書類コストが無料
職業訓練のための書籍は実費購入が必要ですが、履歴書や職務経歴書を印刷するのは、無料でおこなえます。
公的な職業訓練校なら求人票も印刷できますし、就職アドバイザーもいますので、困った時はいつでも相談することができるのです。
今までの仕事と違ったスキルや資格を取得できる
職業訓練のなかには、資格取得することができるコースもあります。
私の場合は、国家資格である「ITパスポート」を職業訓練中に取得しました。
またその他にも、訓練の空き時間に勉強して、同じく国家資格である「危険物取扱者乙4類」にも合格しています。
たった6ヶ月ですが、勉強すれば取得できる資格はたくさんあるのです。
職業訓練では、もちろん資格だけでなく、実務のためのスキルも取得できます。
職業訓練に通う前に注意すべきこと

たくさんのメリットがある職業訓練ですが、自営業者やフリーランスだからこそ、訓練に通う前に注意すべきことがあります。
再就職のために、覚悟を持って通いましょう。
入校する前に税務署に廃業届を提出する必要がある
自営業者やフリーランスであれば、仕事をするために税務署へ開業届を提出しているはずです。
また、その際記入した屋号で確定申告を行っているでしょう。
職業訓練校は、離職した人でないと通うことができませんので、自営業者やフリーランスの場合は、税務署へ廃業届を提出しなければなりません。
私の場合は、職業訓練校の説明会の時に廃業届のコピーを提出しました。
そこまで厳しくない場合もありますが、もし廃業届を提出していないことが発覚した場合は、職業訓練校を退校させられる可能性もあります。
職業訓練の期間中は収入が途絶える
職業訓練を受講できる前提として、「失業中であること」とされていますので、訓練の受講期間中は仕事をすることができません。
雇用保険に加入しない短時間のアルバイトであれば、労働をすることは可能ですが、職業訓練と両立させることは容易ではありません。
また、自営業者やフリーランスは、会社員のように雇用保険がありませんから、失業保険の支給もないのです。
職業訓練中は、一切の収入が途絶えるものとして認識しておきましょう。
まとめ:職業訓練は自営業者とフリーランスの再就職に活用できる
今回は私の経験をもとに、40代の自営業者やフリーランスの方が、職業訓練校を利用して再就職する方法を詳しくお話ししました。
私は家族と老後のために、43歳で自営業を廃業して職業訓練校に通い、無事に再就職を果たしています。
実はいちど就職した会社選びで失敗して、1年後に転職することになったのですが、もし職業訓練校に通っていなければ、就職はできていなかったでしょう。
40代で自営業やフリーランスをしている方でも、私のように正社員として再就職できます。
そのために職業訓練校を活用しましょう。
そして社会保険と厚生年金、雇用保険を手に入れてください。
大丈夫です。きっと就職できます。
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