40代になると、「転職活動の成功率が下がる」と聞いたことはありませんか?
とくに直近では、コロナ禍によって求人自体が減ってしまい、応募をしても面接にすら至らず、転職活動が長期化してしまう事例もあります。
筆者もそれを見聞きして、不安になる日々を過ごし、
このように思い悩んでいました。
しかし、ある気づきを得ることができた結果、わずか1ヶ月で転職に成功することができたのです。
ポイントは、応募先の企業へ思いやりの心を持つこと。
選考に通りやすい応募者が実践しているコツを学び、自身の活動にも取り入れることで、転職の成功率を高めることが可能です。
今回の記事では、筆者なぜ転職を考えて、どうやってわずか1ヶ月で成功することができたのか、実体験をもとにご紹介いたします。
自身が経験した40代の転職活動のリアルとは
筆者が転職活動を始めたのは、2020年10月で41歳のとき。
コロナ禍の影響で、転職市場に逆風が吹き荒れていた時期です。
現職の仕事には慣れており、そつなくこなすことができるのですが、
上記のような、漠然とした不安にさいなまれる日々でした。
その思いは徐々に大きくなり、
ということを家族に伝えて、幸いにも理解を得ることができたのです。
そこで会社には退職の意向を伝達し、すぐに転職サイトに登録して、転職活動を開始しました。
求人に応募しても不採用で失敗ばかり…
ところが、興味をもった数社に連絡してみても、返信なしや不採用のメールばかりが届きます。
なんとか面談にまでこぎつけても、やはり不採用の通知しかきません…
不採用通知が続くなかで、このような不安が徐々に募ってきたのです。
採用担当者の目線で見直すことで問題が判明
- 40代という年齢がネックなのだろうか?
- それともスキルに問題があるのだろうか?
上記のようなことを自問自答しながら、自己嫌悪になる日々でした。
しかし、家族を守りつつも、自分自身のチャレンジに後悔をしたくありません。
このように考えて、自分の職務経歴書やエントリーシートを改めて見直してみました。
すると、かつて会社で中途採用を担当していたときに着眼していたポイントが、自分の応募書類から欠落していることに気がついたのです。
そのポイントとは、
応募先の企業へ思いやりの心を持つこと
という、転職の成功率を上げるために最も重要なことでした。
中途採用担当者の経験から気付いたこと
筆者は前の会社で、中途採用を担当していた時期がありました。
その頃は、毎日数十人から届く履歴書や職務経歴書を確認して、面接日時の調整や面接をするだけで1日が終わっていたのです。
次の選考に進めやすい応募者が存在している
毎日それだけたくさんの応募者と接していると、正直なところ、誰が誰だかわからなくなってしまう時もありました。
しかしその一方で、少し読んだだけでもわかりやすく、次の選考に進めやすい応募書類を提出する応募者もいたのです。
そういった応募者は、面接の際にも印象深くて話が弾みます。
このような「選考を進めやすい応募者」に共通していることは、
- 応募書類や面接の機会を、人事担当者や会社へのプレゼントと捉えている
- 思いやりの心をもって対応をしている
上記のような考え方を持っていることです。
「選考に通りやすい応募者」が実践しているコツとは?
次の選考へ進めやすい、思いやりのある人の特徴としては、以下のようなことが挙げられます。
- 応募書類での特徴:
過去の実績を羅列するのではなく、冒頭に要約文を記載して、フォント調整や改行などで読むべき箇所を明確にしている - 面接での特徴:
自己PRの場ではなく、「会社の課題解決を協議する場」と捉えて、自分に何ができるのか、どうやったら会社貢献につながるのかをすり合わせしてくる
上記のような特徴がある人に、採用担当者である自分は共感して、採用につなげたことが多かったです。
思いやりの心を持っている人であれば、
- 入社後の対人関係に苦慮する不安がない
- すぐに会社に馴染むことができる
という点から、自社で活躍できる可能性を感じることができます。
このような目線で考えると、応募者となった今の自分には、思いやりの視点が欠けていました。
ということを、過去の自分の経験から学ぶことができたのです。
転職の成功率を高めるための5つのステップ
それでは、筆者が転職の成功率を高めるために行った、「思いやり」のある転職活動の進め方について具体的にご紹介します。
以下の5つのステップで進めていきましょう。
- これまでの仕事で積み重ねてきた経験や実績を数値化する
- 数値化した実績を抽象化する
- 応募企業の社長の考えや方向性を想像する
- 会社が求める人物像やスキルを理解する
- 面接ですり合わせを行う
1.これまでの仕事で積み重ねてきた経験や実績を数値化する
まずは、20代、30代、40代と培ってきた、これまでの仕事における経験や実績を洗い出します。
その際に、できるだけ数値化して経験・実績を明示することを意識しました。
たとえば営業部門であれば、売上や営業利益の前年対比など、客観視できる指標を用います。
合わせて、市場全体の伸び率や他社状況も分かれば把握しておき、その妥当性を記載しましょう。
大事なことは、会社が「伸びた」のではなく、
自身や自身のチームで「伸ばした」
ということです。
その成果について、面接の場で具体的に説明をしていくことになります。
管理部門の実績であれば、経費改善や仕組み作りなどを数値化しましょう。
たとえば、仕組み化したことで達成できた、労働時間削減や定時退社率など。
現職でKPIになっていない場合でも、客観的に事実を伝えるために、筆者はオリジナルの指標を作って記載しました。
2.数値化した実績を抽象化する
次は、数値化した実績を抽象化する作業に入ります。
抽象化とは
抽象化(ちゅうしょうか)とは、思考における手法のひとつで、対象から注目すべき要素を重点的に抜き出して他は捨て去る方法である
抽象化が必要な理由は、現職で培ってきたスキルが、転職先の企業でも再現可能なスキルであることを伝えるためです。
私の職務経歴書での改善例
ここでは、実際に筆者が職務経歴書に掲載していた内容を用いて、具体的な説明をしていきます。
◆不採用通知が来ていた頃の職務経歴書
上記の記載だと、役職を伝えているだけで意味がありません…
転職先の企業も、その事実だけを伝えられても、話が前に進みませんよね。
人事担当者が興味をもっていることは、
- どんな役職に就いていたのか?
- 部下であるスタッフをどうやってマネジメントしていたのか?
- 会社の予算やビジョンをどのように達成していたのか?
上記のようなことについてです。
筆者の当初の職務経歴書では、こういった人事担当者の視点が欠落しており、明らかに配慮不足でした。
◆修正した後の職務経歴書
単にスタッフの愚痴を聞くだけではなく、会社から期待されている課長職を遂行させるために、「スタッフを巻き込んでいる様子」を伝えるイメージです。
具体的なイメージを応募書類に盛り込むことで、
このような応募者に対する期待を、人事担当者にイメージしてもらいやすくなります。
そのうえで、面接のときに様々なエピソードを伝えることができれば、
ということが理解してもらえるでしょう。
3.応募企業の社長の考えや方向性を想像する
どんな会社の規模であれ、会社を動かしているのは社長です。
ですので、応募先企業の社長が考えを示している情報について、まずはすべて収集します。
そして収集をした情報から、
会社をどのように動かそうとしているのか?
ということを想像しました。
会社のホームページには、ビジョンや経営理念が書かれています。
現状に対して、少しでも理想へ近づけるために、企業は組織を方向付けして動かしているのです。
応募企業の方向性を理解して、自分なりに転職先の課題や解決策を考えましょう。
自身が考えたプランを面接で提示することで、それは人事担当者へのプレゼントとなります。
4.会社が求める人物像やスキルを理解する
とくに新卒採用の「求める人物像」はわかりやすい例です。
ホームページに記載されている内容と、自分の実績を数値化・抽象化したものが、一致している部分がないかを確認してみましょう。
40代に期待している役割として、
- 会社の管理職として活躍してもらう
- プロフェッショナルな仕事
といったことを、会社側は想定しているはずです。
現職で経験したスキルが、転職先の企業でも活かすことができるのか、確認しておく必要があります。
5.面接ですり合わせを行う
面接では、自分がやってきたことをPRするのではなく、
リサーチしてきた、自分が考える転職先の課題と解決策(プレゼント)
上記について、すり合わせをする機会であることを意識しました。
ですので、面接というよりも、打ち合わせや商談のような形に近かったです。
面接を通じて、課題解決に一緒に取り組める仲間であることが伝われば、転職の成功へグッと近づけます。
もし考えてきた課題や解決策にズレがあれば、改めてその場で一緒に考えることで、課題解決能力が高い人と認知されるでしょう。
また、すでに入社して活躍している中途社員がどのような人物なのか、ヒアリングしておくことをオススメします。
スキルも重要な選考要素ですが、
会社に馴染んで、重用されて、課題解決を進めているのは、どういう人物なのか?
ということを知り、その人材と自分で一致している要素を確認しておくことも大切です。
人事担当者側からすれば、すでに入社している中途社員と、同じ要素を持った人物であることがわかれば、次の選考に進めやすくなるでしょう。
まとめ:応募企業への思いやりがポイント
今回は、40代の転職で成功率を高めるために、筆者が実践したことについてお話ししました。
実際に自身で体験してみて、やはり40代の転職は難しかったです。
失敗を重ねて不安や焦りが募り、そのプレッシャーは、20代の就職活動の比ではありませんでした。
40代ともなれば、家族がいて、ある程度の年収や地位もあり、プライドだってある。
そんななかで、不採用通知ばかりが届くと戸惑いますし、不安と焦りに襲われるのは当然でしょう。
40代の転職で成功率を高めるためには、
- これまで培ってきた経験やスキルで、応募企業でも活かせる要素を抽出して、転職先でも再現可能であることを示すこと
- 応募企業の課題解決に役立つことを、面接の場で証明すること
上記を意識して転職活動を進めてください。
職務経歴書や面接というのは、自分のやってきたことを「ひけらかす場」ではなく、
自身が入社することで、応募企業の課題解決につながる
ということを、すり合わせする機会であることを認識しましょう。
応募企業への思いやりを持って活動を進めることが、40代が転職に成功するための近道となります。
筆者の体験が、あなたの転職活動の手助けになれば幸いです。
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