看護師の40代は転職が難しい?パートから正社員になれた方法とは
筆者はパート勤務の看護師として、これまでは子ども中心の働き方を選んできました。
しかし40代になって、
なんとなくキャリアを重ねてきたけれど、チャンスがあるなら、もう一度頑張りたい!
このような思いになって、転職を考えるようになったのです。
とはいえ、「40代の転職は難しい」と言われていますので、
どのように仕事探しをすればいいんだろう…
といった不安もありますよね。
でも大丈夫です!
これまでの経験を活かせば、40代看護師の転職は十分に可能です。
筆者も、看護師として正社員への転職に成功。
転職先に選んだのは、以下のような職場でした。
- 少し敷居の高い、地域で人気の医療機関
- 夜勤付きが条件だったが、先方の希望で内視鏡室の日勤勤務に
- パート勤務のときより年収アップ
ここで細く長く前進していくつもりです。
筆者には特別なスキルがあるわけでもなく、認定看護師などのキラキラとした資格もありません。
それでも、転職をかなえることができた理由や、筆者が取り組んだ具体的な就活方法についてご紹介します。
40代のパート看護師が転職を考えた理由
筆者はこれまで、子育てをしながらパート勤務の看護師として働いてきました。
なぜ40代というタイミングで転職をしたいと考えたのか、まずはその理由についてお話しします。
ナースのキャリアを再稼働させる転職がしたい
筆者が転職活動を始めたのは、
自分のキャリアを再稼働させる、「自分のための転職」がしたい!
というのが、いちばんの理由でした。
筆者は看護師になって20年ですが、これまでに何度も転職を繰り返しています。
その全てが非常勤の勤務で、転居や子育てなど家庭を中心に置いた働き方だったのです。
働くうえでの優先順位は、
自宅の近く / 勤務時間 / 残業ナシ / 週末休み
こういった物理的な条件だけを見て、勤務先を選ぶ就職活動が続いていました。
その働き方を後悔しているわけではありません。
実際にフルタイム勤務では難しいような、学校行事や保育園の活動を楽しんできましたから…
ただ、筆者がこのような働き方をしているうちに、同期だった看護師は、次々と主任や師長に昇進。
スタート地点は同じだったのに、自分だけが取り残された状態になってしまったのです。
子育ての負担が減ったので、働き方を変えるチャンスかもしれない
これまで非常勤で働き続けてきた筆者ですが、子どもたちは少しづつ大きくなって、手を離れるようになりました。
手助けする子育てから、見守る子育てへと変化してきたのです。
すると、時間的な制約が少なくなり、
これまで最優先にしてきた条件を、見直せる状態になったのかもしれない…
このように感じるようになりました。
そして、今ならもう一度、
看護師として自分のやりたかったことや、新しい挑戦ができるのではないだろうか?
という思いを持つようになったのです
年齢的にも、この先のチャンスはそう多くはないでしょう。
もしかしたら最後のチャンスかもしれません。
もしダメだったとしても、今なら条件を見直すことだってできるはず
このように前向きに考えることにして、40歳の転職活動を始めることを決意したのです。
40代の転職活動で取り組んだこと
転職活動を始めるにあたって、
本当に転職できるのかな…
こういった不安はもちろんあったのですが、それでもできることから、具体的な取り組みを始めていきました。
職場選びの「優先順位」を書き出してみる
まず最初に、今の自分が考える「転職先に求める条件」について、具体的に考えることにしました。
実際に、優先順位をできるだけ細かく書き出してみると、
- できれば定年まで働きたい
- 患者さんとのコミュニケーションは問題ない、むしろ得意
- これまでの経験が活かせるとベター
- 体力勝負のガチな夜勤は自信がない
- でも回数次第では夜勤もできるかも
- 3次救急のようなスピードにはついていけないかも
- 忙しくて高給与よりも、忙しさはちょっとで給与それなりでOK
- 人間関係で消耗したくないけど、もうおばさんだし、今ならスルーできるかも…
- できれば近くがいいけど、「できれば」というレベル
自分ではゆるい条件だと思っていたものが、上記のようにいろいろな「希望」が出てくるものです。
書き出した希望条件を見て気づいたのは、
- 心の安定
- 働きやすさ
というような、給与以外の「何か」を重視しているということ。
そしてこれまでと違って、
通勤時間や勤務時間は、最優先にしなくてもいいな…
ということに、改めて気付かされたのです。
実際に動いて、経験やスキルを残さずアピールする
実際に転職活動をはじめてみると、求人票だけではわからないこともたくさんありました。
- 「35歳くらいまで」の求人に応募したところ、意外と面接まで進めた
- 「夜勤必須」の条件で求人が出ていても、実際に紹介されたのは「内視鏡室」勤務だった。(筆者が内視鏡技師の有資格のためかもしれません)
- 「転職歴多数=幅広い経験」と解釈されて、訪問看護のオファーがもらえた
- 年齢条件が「なし」になっていたのに、実は「35歳以下の経験者」だけの美容クリニック
- 「45歳まで」という市立病院に2回落ちて、実は年齢要件が裏で存在していたことが判明
自分自身が納得できるように、機会をいただけた場合は、できるだけ多くの方とお会いするようにしたのです。
そしてできる限り、自分の経験やスキルを残さずアピールすることを心がけました。
- すべての面接が「コミュニケーションスキル」を披露する場である
- 職務経歴書の体裁を整えて、「最低限のPCスキルは持っている」ことを証明する
上記のように、自分の使える知識や技術を全て出し切るつもりでやってみたのです。
客観的な意見を積極的に取り入れる
筆者は転職活動を進めるにあたって、転職エージェントも利用しました。
といっても、看護師用のエージェントではなく、一般企業も手掛けるエージェントです。
一般企業への転職となると、きちんとした書類やマナーが必要となります。
これまでは医療機関への転職ばかりで、少し緩めの転職準備をしていたので、筆者にはとても参考になりました。
転職エージェントを利用すると、
- 職務経歴書の作り込み
- スキルや経験の洗い出し
上記などについて、「プロのアドバイス」をもらうことができます。
医療機関以外の常識スキルからマナー、職務経歴書の添削が本当に詳細でわかりやすく、経歴の棚卸し的な作業もしてもらえました。
例えば、自分にとっては当たり前すぎることが、「経験の一つ」として経歴に挙げられるかもしれません。
そういったことを取り入れて、細かな職務経歴書の体裁を整えるだけで、「損をしない職務経歴書」ができ上がるのです。
また、少し敷居が高いと思っていた職場でも、エージェントを通じて実情を知ることで、
可能性はゼロではないのかも…
ということを知ることができました。
客観的な意見を取り入れることで、なかなか自分だけでは気づくことのできない、
自分が意識せずに持っているもの
上記を最大限に活かすことができ、それが転職成功につながったのだと感じています。
一般企業向けの転職エージェントの選び方については、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
40代看護師の転職を成功させるコツは、スキルと得意を活かすこと!
40代であれば、これまでずっと看護師として働き続けてきた方なら、「看護師歴20年」の大ベテランです。
自分の能力にはなかなか気づきにくいものですが、これまでの業務経験を振り返ってみると、
看護師として〇〇を身につけています
このように表現できるスキルは、かならず何かあります。
また、経験してきた診療科や医療機関によっては、「専門的な」知識や技術を獲得されている方も多いでしょう。
そういった自分のスキルと得意をアピールすることで、40代看護師としての価値を高めて、転職成功に近づけます。
自分の強みをスキルとして言語化しよう
医療機関が最も求めているのは、即戦力となる看護師です。
そのため、採用側が選考をするなかで、
この人ならすぐに活躍してくれそうだ!
このように感じてもらえるスキルがあれば、転職できる可能性は高まります。
そんなこと言われても、特別なスキルなんてないのだけど…
このように思う方もいるかもしれませんが、これまでやってきた経験を的確に表現することで、スキルと認識されるものは必ず何かあるはずです。
以下を参考にして、これまで自分がやってきたことを、スキルとして言語化してみましょう。
看護師経験で積み上げた「コミュニケーション力」
看護師の毎日は、コミュニケーションの繰り返しです。
- 年齢や性別
- 社会的な背景
- 精神状態
上記などは人によっても違うので、患者さんごとに最適な対応が必要となります。
体調に不安を抱えている患者さんは、気持ちに余裕がなく、感情が揺れている事が多いでしょう。
そんななかで、患者さんに必要なことを伝えて、ときには勇気づけながら、治療へつなげる意欲を引き出せるように交流をしてきたはずです。
看護師としての業務を積み重ねてきたことで、
患者さんとよりよい関係を築くためのコミュニケーション力
上記を身につけているのではないでしょうか。
リーダー業務のなかで身につけた「マネジメント力」
日常的なリーダー業務をこなしているのであれば、「マネジメント力」が身についているはず。
- スキルや意見の違う同僚や後輩の動きを観察する
- 安全な業務のために、必要なサポートを見極めて援助する
こういったことを日々繰り返しているからこそ、事故のない看護が提供できています。
ときにはスタッフの意見をまとめて看護部と交渉したり、仕事がしやすいようにスタッフを配置できているのも、あなたの「マネジメント力」の賜物でしょう。
医師の要望を叶えるための「交渉力・調整力」
医師とのやり取りでは、
明日の検査枠、もう1件だけ空けておいて
〇〇さんの点滴をこれに変えておいて
このような無茶ぶりともいえる指示が飛んでくることもあります。
そういった場面で、医師にも患者さんにも不都合がないように、
最適な案を提供する
ということも看護師の重要な役割です。
日々のなかで、多くの交渉が自然に行われているので、あまり意識していないかもしれませんね。
しかし、看護師としての即戦力性を示すうえで、立派なスキルといえるでしょう。
得意を活かせる分野を探そう
筆者の場合は、看護師としての経験にくわえて、内視鏡技師の資格を持っていたことから、
看護師としてだけでなく、内視鏡技師としての経験もあるのか!
というプラスαのスキルが評価されて、パート看護師から正社員になることができました。
基本的な看護技術が身についている看護師であれば、
透析 / 内視鏡 / カテ室 / オペ室 など
こういった部署に配属されることも多いでしょう。
専門性のある分野で看護師を経験してきた場合は、その経験を強みにして、専門分野のクリニックなどにアピールすることができるはずです。
採用側と顧客(患者)の視点からみた、40代看護師に最適な仕事とは?
40代看護師はコストが高いですから、採用側からすれば、
採用するなら、やはりそれなりのメリットが無いと…
というのが本音のところ。
ですから、40代看護師が転職を成功させるには、
求められる場所に自分の経験を売り込む
というのが現実的です。
採用側と顧客(患者)の視点からみて、「40代の看護師が最適」と思われる仕事を選びましょう。
40代ナースが採用されやすい、おすすめの仕事3選
40代であれば、「妊娠・出産・育児」などが少し落ち着く年代でもあります。
子どもの体調不良による急な欠勤が減るなど、落ち着いて仕事ができるため、少人数の職場にも挑戦しやすいでしょう。
ここでは、40代看護師が採用されやすいお仕事を3つご紹介します。
クリニック
総合病院などとは違って、少人数での運営となるので、
幅広い業務がこなせる人を採用したい…
このようなニーズが高いです。
採血や点滴、患者対応や接遇など、基本的な業務を問題なくこなせる40代には向いている仕事でしょう。
多くのクリニックは「日勤だけで正社員」です。
- 診療時間内の休憩時間が長い
- 拘束時間が長い
こういったデメリットもありますが、体力面に不安を感じはじめる40代には、働きやすい職場といえるかもしれません。
訪問看護
訪問看護は、基本的に「独り訪問」です。
病院では協力しながら行っていた、体位交換やオムツ替えなども、独りで行うスキルが求められます。
そのほかにも、
- 観察力:
症状の変化に気づくことができる - アセスメント力:
患者さんの状態を評価・分析できる - 判断力:
状況が変化したときに適切な対処ができる
こういったスキルも重要です。
医師主導の医療現場とは違って、看護師の気づきや工夫しだいで、
利用者さんの生活の変化を体感できる
というのは、訪問看護ならではのだいご味でしょう。
技術や対応力が求められますが、40代看護師なら、やりがいを感じながら働くことができるはずです。
介護福祉施設
介護施設も、少人数体制での運営です。
さまざまな介護スタッフと協力する必要がありますし、ときには技術指導することもあります。
ご利用者さんとの会話のなかから、不具合の可能性を察知することもありますし、急な体調不良に対する判断を迫られる場面もあるでしょう。
そんなときに、これまで積み重ねてきた看護師としての経験値が役立ちます。
介護が必要となる場面では、介護士さんが担当してくれますので、
体力面に不安がある…
という方でも、少ない負担で働くことができますよ。
長く続けている看護師が多いのも特徴で、定年後でも勤務が続けられる仕事です。
40代ナースの転職が難しいお仕事は?
40代看護師を求める医療現場は多いので、転職先は比較的見つけやすいはずです。
ただし、以下のような職場への転職は、難しい場合が多いのでおすすめできません。
一般企業
一般企業の場合は、育成して長く働けることを重視しているので、
採用するなら若い人のほうがいい。できれば35歳までかな…
このような考え方が採用側にあります。
たとえ看護の資格があっても、40代看護師には厳しい場合が多いでしょう。
一般企業への転職を成功させるうえでは、看護師以外の特別なスキルが求められるケースが多いです。
- WebライティングやWebマーケティングのスキルを活かして転職成功
- 循環器疾患のスキルとカテ室で身についた技術をアピールして、トレーナーとして採用される
こういった事例もあるのですが、求人数は多くありません。
企業転職を希望する場合は、
スキルにマッチする求人を、タイミングよく見つける
ということが重要です。
日頃から欠かさずに、情報収集をおこなう必要があるでしょう。
美容分野
美容分野のクリニックなどでは、「キレイ」を商品にしているため、基本的な看護スキル以外にも、
- 接客や営業のスキル
- アートメイクの知識・スキル
上記のようなものが必要です。
「若さや美しさ」を求める顧客層ですから、「若くてキレイな」看護師が求められます。
一般の医療機関で働いてきた40代ナースが、未経験で美容分野に挑戦するハードルは高いでしょう。
美容外科などで、オペ室経験のある看護師を募集している場合もありますが、
若い人を採用したい…
というケースがほとんどなのが実情です。
急性期
急性期の医療部門は、
- 多忙である
- 夜勤がある
こういった面から、過酷で厳しい勤務環境であることが多く、体力面に自信がある方以外にはおすすめできません。
ただし、認定や専門看護師の資格がある方なら、
現場スタッフへの指導をお願いします
というポジションで募集がかかっている場合もあり、40代看護師に狙い目の仕事です。
看護師の求人探しは専門の転職サイト・エージェントを利用しよう
40代看護師の転職活動では、新人の頃とは違って、
- 個人的な事情
- 得意分野の多様性
上記のような面から、求人探しが難しくなりがちです。
保育事情や子育てとの両立に対する考え方など、「自分以外の事情」も含めて、さまざまな状況を考慮する必要があります。
とくに女性の場合は、子育てや家事を担っている場合が多く、家庭との兼ね合いも考えながら、仕事探しをすることになるでしょう。
また、40代という年齢をふまえて、
スキルや得意分野のアピールをどのようにしていくのか?
ということについても、考慮しなければなりません。
働きながら家事や子育てと並行しつつ、こういった一連の活動をするのはとても大変です…
そこでおすすめなのが、看護師求人に特化した転職エージェントを活用すること。
転職のプロによるサポートを受けることで、以下のような、たくさんのメリットを得ることができます。
- 通勤時間や活かせる分野、希望条件を考慮したうえで、マッチする施設の求人を紹介してくれる
- 履歴書や職務経歴書の添削をしてもらえる
- 面接対策のサポートをしてもらえる
- 求人施設に関する独自の情報を提供してもらえる
- 求人施設について、気兼ねなく質問できる
- 選考に落選した理由を教えてくれるので、次への対策が打てる
- キャリアや市場価値をプロの視点で見定めて、アピールするべき自身の強みを教えてくれる
- 応募先との連絡や日程など、エージェント担当者が間に入って調整してくれる
- 入社時期や年収条件など、交渉ごとを代行してくれる
何かと忙しい40代看護師が、無駄なく効率的に転職活動を進めるうえで、利用しない手はないサービスです。
しかも、転職エージェントは人材が採用されたときに、医療機関から成功報酬を得るビジネスモデルのため、転職者は無料で利用することができます。
転職エージェントの選び方については、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
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まとめ:看護師の転職では年齢のハードルは高くない!
今回は、40代のパート看護師だった筆者が、転職活動から学んだことについてお話しました。
結論として、40代の看護師でも、転職は「十分に可能」です。
- 転職先選びの優先順位を再確認する
- 自分のスキルを洗い出す
- 活かせる経験を伝える
- 行動していく
積極的に「人の意見を聞く」ことで、さらに自分の強みを引き出すことができ、自分自身のスキルを再確認することもできました。
その結果として、筆者はパート看護師から、正社員としての転職を果たしています。
「自分らしい働き方」へのチャンスは誰にでもあります。
40代だからと諦めることなく、後悔しない転職活動へぜひ挑戦してみましょう。
セカンドゴングは40代の転職を応援しています!
当サイト(セカンドゴング)では、40代の転職に特化した転職ノウハウについて、
- 実際に40代で転職を経験した人
- 企業の採用担当・キャリアコンサルタントなど、転職活動に知見を有する人
上記のようなメンバーが数多くの記事を提供しています。
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