40代は転職面接の逆質問をどうする?対策を例文付きで解説
転職面接の終盤では、
最後に、○○さんの方から当社に対してなにか質問ありますか?
遠慮なくなんでも聞いてください
こんなふうに、今まで質問に答える側だった応募者が、面接官に質問できる機会が提供されます。
この「逆質問」は、必ずといっていいほど、面接の最後で聞かれる設問です。
ただ、面接対策では志望動機や転職理由から準備を始める人が多いので、
逆質問はとくに準備していなかった…
このように、手つかずのまま面接に挑む人もいるでしょう。
しかし、逆質問は志望動機や転職理由と同じく、面接の合否を左右する重要な要素です。
質問の内容ひとつで、それまで好感触だった面接の雰囲気が、一変する可能性もあります。
貴重な面接の機会を無駄にすることの無いように、きちんと逆質問の内容を考えておきましょう。
この記事では、ミドル世代向けの逆質問対策に焦点を当てて、逆質問の準備のしかたや質問をする際の注意点などをわかりやすく解説しています。
これまで3000名以上の転職相談にのってきた、筆者の具体的ノウハウに基づいておりますので、ぜひ参考にしてください。
逆質問とはどういうものなのか?
中途採用では、会社説明会やOB・OG訪問などの設定がありません。
したがって、応募者が企業に直接質問できる機会は面接のときしかないので、企業側が逆質問の時間を設けてくれるのです。
応募企業の情報収集と自己をアピールできる貴重な機会
逆質問には、以下の2つの重要な役割があります。
- 応募企業の情報を収集できる貴重な機会である
- 入社意欲や主体性をアピールできる
上記のように考えると、逆質問とは面接におまけのようなコーナーではなく、自分をアピールできる貴重な機会であることがわかります。
こちらから積極的に質問をすることで、
御社にとても興味を持っています!
ぜひ活躍したいです!
このようにアピールすることができるのです。
逆質問の機会において、
- 単なる質問の場と捉えて、準備を怠ってしまった人
- 戦略的に質問を用意していた人
この両者においては、評価に大きな差がついてしまうでしょう。
逆質問タイムはいつもらえるのか?
一次面接では、逆質問は面接の最後に聞かれます。
たとえば、全体の面接時間が60分の場合なら、
- 最初の50分:面接官から応募者に対する質問
- 残り10分程度:逆質問に充てる時間
上記のような配分が一般的です。
二次(最終)面接でも同様ですが、一部だけ例外があります。
一次面接の選考でほぼ内定が確定していて、選考要素のない、つまり形式的な二次面接である場合などです。
こういった場合は序盤から、
入社にあたって、なにか聞いておきたいことはありますか?
こんなふうに、質問中心の展開になることがあります。
「特にありません」と回答したらどうなる?
- 準備不足により質問を用意できなかった
- 考えたけれども、本当に質問が思い浮かばなかった
上記のような理由で、「特に質問したいことはありません」と答えるとどうなるのでしょうか?
おそらく、大半の面接官はがっかりした気持ちになるでしょう。
うちの会社にあまり興味ないのかな?
当社のことをあまり調べていないのかも…
こういった面接官の不安な気持ちが、そのまま評価に表れて、たいていは減点されてしまいます。
「評価が変わらない・影響しない」という場合もあるかもしれませんが、プラス評価になることは絶対にありえません。
逆質問を準備する際のポイント
ここでは、具体的にどんな逆質問を用意すべきか、内容を考えるうえで注意するべきことを解説します。
逆質問は何個くらい用意するべき?
逆質問は複数個は用意しましょう。1つでは足りないので、2~3個ほどが適切です。
ただし、複数用意するといっても、あまり細かすぎる質問を5~6個も続けてするのは、逆効果となってしまいます。
ずいぶん心配性だな…
細かすぎる人なのかも…
このように思われて、マイナス評価になってしまうかもしれません。
質問は浮かぶものではなく、情報を整理して作るもの
逆質問は頭の中で考えているだけでは、浮かんできません。
企業について調べていくなかで、情報を整理しながら作っていくものです。
志望動機を考える際におこなう企業研究のときに、一緒に準備を進めていくとよいでしょう。
- 業界内での立ち位置
- 経営戦略はどういったものなのか
- 経済・環境・社会問題のなかで、どんなリスクが想定されるのか?
こういった情報収集が、質問作りのヒントになるはずです。
企業研究や志望動機の作成方法については、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
面接官によって質問のパターンを変えよう
企業によっては、面接が2回以上設定されることがありますが、それぞれの面接において、担当する面接官は役割が違っています。
登場する面接官の役割に、マッチする質問を用意するようにしましょう。
転職エージェントなどから応募した場合は、あらかじめ面接官の所属や役職を教えてくれることがあります。
もし事前に情報が得られなくても、面接の冒頭に面接官から簡単な自己紹介があるので、そのときに把握することができるはずです。
中途採用で登場する面接官には、以下の4種類の方がいます。
- 人事担当者
- 配属部署のマネージャー(課長クラス)
- 配属部署の統括責任者(部長クラス)
- 社長や役員(役員クラス)
企業が面接を設定する場合、多くのケースでは、選考に応じて担当する面接官が変わります。
- 一次面接:人事担当者と課長クラスが担当
- 二次面接:人事担当者と部長クラスが担当
- 最終面接:役員クラスが担当
上記のようなかたちで、それぞれの面接で職位の異なる人が、面接官として登場するのです。
したがって、現場に関する質問は一次面接の面接官に、会社全体の方向性については最終面接の面接官に聞くとよいでしょう。
現場に関する質問を役員クラスの方に聞いても、詳細が分からずに相手を困らせるだけです。
配属部署の人数や男女比は、どのような感じでしょうか?
一日の仕事の流れを教えてください
このような内容を社長に聞いたところで、よほどの小規模の会社でないかぎり、具体的な回答をその場で得るのは難しいでしょう。
相手が答えやすい質問を用意するのも、ひとつのマナーといえます。
後ほど詳しく触れていますが、社長・役員が面接官の場合には、役員クラスにしか聞けない質問を用意していくようにしましょう。
逆質問をする際の注意点
面接のなかで逆質問をする際は、以下のことに注意しておきましょう。
印象がよくなる逆質問の話し方とは
逆質問の切り出し方は、
上記のように前置きしてから、
このように質問を開始します。
質問に対する面接官の回答を聞き終えたあと、さらに掘り下げて質問したい場合は、その話題を続けましょう。
次の質問に移る場合は、ひと段落してから
上記のように同様の流れですすめ、三つ目の質問をする際は、
このように質問していきます。
最初に質問する際に何点あるかも告げず、ひとつの質問が終わるたびに、
あと、○○についてですが…
上記のように、「あと」でつなげて追加質問するのはNGです。
話し方が冗長になって、稚拙な印象を与えてしまいます。
ノートや手帳にメモしてもOK
緊張して、逆質問の内容を忘れてしまうかもしれない…
このように心配に思う方は、逆質問のときにかぎり、持参した手帳やノートを見ても構いません。
上記のように面接官へ聞いてみましょう。
熱心さや一生懸命さが伝わって、拒否されることはまずありません。
ただし、iPhoneやiPadをメモ代わりにするのはNGです。
そういった情報端末を面接の場で使用することが、あまり浸透していないので、避けておいたほうが無難でしょう。
中途採用面接で40代がしてはいけない質問とは?
遠慮なくなんでも聞いてください
面接官がこのように話したとしても、だからといって何でも聞いてよいわけではありません。
40代が口に出してしまうと、選考でマイナスになってしまう質問が存在しています。
受け身で消極的と思われる質問はNG
もしあなたが面接官ならば、以下のどちらの応募者を採用しますか。
もしご入社させていただけたら、即戦力として貴社に貢献していきたいと考えています。
製品に関する勉強や業界理解など、入社前までにどんなことを勉強しておくとよいですか?
研修の中身について聞いてもよろしいでしょうか?
入社後どれくらいの期間実施されるのでしょうか。
教育係は何歳ぐらいの方で、実施方法はOJTのようなものなのかなど、おおまか内容でよいので教えてください。
いかがでしょうか?
おそらく、多くの面接官がAさんを採用するはずです。
Aさんからは、積極性や意欲、自分で主体性を発揮して成長していく姿勢が感じられます。
一方でBさんからは、受け身で消極的、どれくらい教育環境が整っているのかを不安視している様子が見てとれます。
Bさんが、20代前半の第二新卒枠の採用面接を受けているのなら、セーフかもしれません。
しかし、即戦力やマネジメントスキルを期待される40代ならばどうでしょうか?
それまでの面接が好感触だったとしても、不採用という流れに変わってしまうかもしれません。
企業側も研修をせずに、いきなり任せるつもりなどありませんが、
研修をアテにしているようでは、先が思いやられるな…
このように、マイナスの方向に受け取られてしまうでしょう。
自発的に学び取ろうという姿勢がない人を、あえて40代で採用する理由はなにもありません。
この前提を忘れないでください。
消極的な内容はポジティブに言い換えて質問する
前述したBさんの質問でも、以下のように表現方法を変えれば、面接官にポジティブな印象を残せます。
中途入社ですので、早期に自力で仕事を完結できるようになりたいと考えています。
- 入社してすぐに業務をお任せいただけるのか?
- 御社の方で、中途入社者向けのカリキュラム等をこなしてからなのか?
こういった、実際の業務につくまでの流れを教えていただけないでしょうか。
調べればすぐわかること、待遇・条件面の質問は避ける
その会社のWebサイトを見ればわかるようなことや、給与などの待遇面、休日日数・有給取得率などの質問も避けておきましょう。
- どうしても面接で聞いておきたい
- 聞かなければいけない事情がある
こういった場合は別ですが、内定後でも問題ないのであれば、待遇面・条件面に関する質問は、面接のなかでは避けておいたほうが無難です。
一次面接で聞くべき逆質問(例文あり)
逆質問でするべき質問とは、その質問をすることで、
- 入社意欲や貴社に貢献したい気持ちを示せる
- 主体性、達成意欲などを表現できる
上記のようなことを満たせる質問です。
ここでは、具体的な例文についてご紹介します。
企業への強い興味、志望度が高いことを示す逆質問
- その企業が展開するお店や、販売商品を実際見にいく行動力
- 細部にも気が付くことができる観察力、洞察力
- 企業研究をしっかりと行っていること、分析力
- 改善点に関して「ぜひ私も一緒に頑張っていきたい」と組織貢献する気持ち
主体性、達成意欲を表現できる逆質問
- 具体的なイメージを持ちたいという、仕事に対する強い興味
- 高い実績を残したいという達成意欲
- 強い向上心
- メンバークラスではなく、マネジメントへの興味・挑戦意欲
- 事前に覚悟感を醸成することで、定着性を高めようとしていること
- タフさ、ストレス耐性
質問する順番も重要です
複数の質問を用意したら、質問する順番を考えましょう。
最初の質問が最もインパクトを与えますので、順番を考えておくことも重要です。
きちんと下調べをしたからこそ、しっかり聞ける質問を作成できたのなら、それを最初に据えるのもひとつのやり方でしょう。
ここでは、代表的な質問パターンを2つご紹介します。
- 会社全体に関する質問
- 応募したポジションに関する質問
- 配属部署に関する質問
- 志望度の高さ
- 向上心
- 覚悟感
最終面接では、役員クラス向けの逆質問を用意しよう(例文あり)
一次面接を通過して、二次や最終の面接を受ける場合は、一次面接とは別の質問を用意しておきましょう。
とくに最終面接では、社長や役員など経営陣クラスの方が面接官を務めることが多いです。
社長や役員にしか聞けない、高い次元の質問を用意しておくことをおすすめします。
(自分が応募している)○○支社は、全社売上の何%を占めているのでしょうか。
地方ならではの課題には、どういったものがあるのでしょうか?
社会問題(労働人口減少や、自然災害、新型コロナウィルス、東京五輪延期など)が御社に与える影響としては、△△のようなものがあると思っているのですが、実際のところはいかがでしょうか?
上記などのような、マクロ的な視点を入れた質問ができるとよいでしょう。
面接対策はプロのアドバイザーに相談しよう
面接の対策を進めるには、かなりの労力が必要であり、ノウハウも必要となってきます。
働きながら、あれもこれも一人でやるのは、本当に大変なことでしょう。
そこでおすすめしたいのが、転職のプロによるサポートを活用すること。
客観的な視点で、適切なアドバイスをもらうことができます。
転職エージェントの活用が成功の近道
「転職エージェント」では、希望することで模擬面接を実施してもらえるので、面接本番に向けて実践的な準備に取り組めます。
企業との取引実績や長年の経験があるからこそ、
- 応募企業における面接でのポイント
- 採用担当者の傾向など
上記のような点をふまえて、効果的なサポートをしてもらえるのです。
その他にも、転職エージェントを利用することで、以下のようなメリットを得ることができます。
- 転職サイトなどに出回っていない、40代向けの非公開求人を紹介してもらえる
- 履歴書や職務経歴書の添削をしてもらえる
- 業界や企業について、独自の情報を提供してもらえる
- 求人企業について、気兼ねなく質問できる
- 選考に落選した理由を教えてくれるので、次への対策が打てる
- キャリアや市場価値をプロの視点で見定めて、アピールするべき自身の強みを教えてくれる
- 応募企業との連絡や日程など、エージェント担当者が間に入って調整してくれる
- 入社時期や年収条件など、交渉ごとを代行してくれる
無駄なく効率的に転職活動を進めるうえで、利用しない手はないサービスです。
しかも、転職エージェントは人材が採用されたときに、企業から成功報酬を得るビジネスモデルのため、転職者は無料で利用することができます。
エージェントとの相性を見極めて厳選するという前提で、最初から3~4社ほどに登録しておきましょう。
ミドル世代向けの転職エージェントについては、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
ハローワークなどの公共就職支援サービスも利用する
ハローワークは、転職サイトと比較すると求人の詳細がわかりにくく、待遇面で見劣りすることが多いので、利用を敬遠している人もいるかもしれませんね。
ですが、ハローワーク併設の転職支援コーナーにおいて、転職エージェントのような充実したサービスを用意している地域もあります。
とくにミドル世代の転職においては、ハローワークも積極的に活用しましょう。
当サイトに寄せられた転職体験談でも、
ハローワークでの面接指導のおかげで、転職することができました!
このような事例もあります。
ハローワークの面接指導で転職できた40代女性の体験談はこちら
他にも、ハローワークを利用することで、得られるメリットは以下のとおり。
- 仕事の種類が豊富で求人数が圧倒的に多い
- ハローワークだけの独自求人がたくさんある
- 職業相談の窓口が充実しており、気軽に相談できる
- 子育て中の仕事探しを支援するマザーズコーナーがある
- 職業訓練を受けて、資格やスキルを習得できる
ハローワークは公共の職業紹介機関ですから、企業は無料で求人を掲載することが可能です。
そのため、
ブラック企業の求人が紛れているのではないか…
こういった心配をしている人もいるでしょう。
ですが、質の悪い求人は見分けることができますし、窓口で確認すれば、さまざまな情報を教えてもらえます。
- 現在失業中である
- 地元企業への就職を希望している
- 未経験の仕事に転職したい
- 子育て中である
上記のような方であれば、利用しないのはもったいないサービスですよ。
ハローワークなどの公共支援サービスについては、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
まとめ:中途採用の面接では、逆質問は絶対に準備しておこう
今回は面接の逆質問について、質問の作り方や質問する際の注意点、40代が注意するべきことなどを、例文を交えながら詳しくお話ししました。
逆質問は、中途面接で必ず聞かれる質問のひとつです。
何も質問しなかったり、浅い内容の質問だったりすると、評価を大幅に下げてしまうこともあるので、必ず準備していきましょう。
逆質問は単なる質問の場ではなく、やる気や熱意をアピールできる時間です。
会社への高い志望度と貢献する意欲を、暗に示せるような質問内容を用意しておきましょう。
せっかく用意された自己PRできる場を、研修のことや福利厚生などの質問に使うのは、非常にもったいないことです。
40代であれば、
そんなことまで調べてきているのか!
前向きな姿勢で、入社後が期待できるな
面接官にこのような感想を持ってもらえるよう、しっかり質問を準備しなければなりません。
志望動機を作成する際や、企業研究を入念に行うタイミングで、質問する内容も考えておくとスムーズです。
しっかりと準備をしてのぞめば、面接官との会話も弾んで、好印象を与えることができます。
逆質問の存在を軽視せずに、面接では最後まで自分を売り込みましょう。
セカンドゴングは40代の転職を応援しています!
当サイト(セカンドゴング)では、40代の転職に特化した転職ノウハウについて、
- 実際に40代で転職を経験した人
- 企業の採用担当・キャリアコンサルタントなど、転職活動に知見を有する人
上記のようなメンバーが数多くの記事を提供しています。
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