キャリアコンサルタントのRikaです。
30~40代の方の転職支援業務を行っており、とくに面接指導を得意としています。
新型コロナウイルスの感染拡大にともなって、多くの企業が中途採用活動をスローダウンさせました。
しかしマクロ的に見れば、「人手不足」という社会構造は変わっていません。
一時的な落ち込みはあるかもしれませんが、中途採用市場が大幅に縮小することは、想定しにくい状況です。
- オンラインビジネスを展開する企業
- IT・Web関連企業など
こういった企業では、採用を活発化させているところもあり、Webを活用した面接手法を積極的に取り入れ始めています。
ある調査によると、
- 全体の42%の企業:一次面接から最終面接まで、Webのみで選考可能である
- 全体の約7割の企業:一部の面接をWebで対応できる
このような回答結果になっており、大手企業を中心に、面接のWeb化が急速に進んでいるのです。
これからの中途採用において、Web面接が新たなスタンダードになることは間違いありません。
昨今の状況で転職を成功させたい人は、早々にWeb面接を攻略することが重要です。
Web面接には特有の注意点があるため、事前に把握して、早めの対策をとる必要があります。
とくに40代の方のなかには、

という人もいるかもしれませんが、早々に克服しなければなりません。
この記事では、Web面接のやり方と注意点について、はじめての方でもわかるように解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
新型コロナウイルスは転職活動をどう変えた?

新型コロナウイルスの発生により、人々の生活は一変しました。
中途採用を実施する企業や転職活動を行う個人にも、かつてない変化がおとずれています。
Web面接(オンライン面接)の主流化
「新しい生活様式を」という政府の提言を受けて、中途採用の面接においても、非接触型のWeb(オンライン)で実施する企業が増えています。
これまでのWeb面接は、応募者がUIターン転職など遠方への転職をする際に、企業が応募者側の負担を減らすための特例として、実施する面接スタイルのひとつでした。
しかし今後は、
- 新型ウイルス感染防止のため
- 面接官がリモートワークである場合を想定
上記のような背景もあり、Web面接がスタンダードとなることが想定されます。
応募者の居住地と企業の所在地が、たとえ同じエリア内であったとしても、

といった調整が、企業と応募者の間で一般化するでしょう。
企業選びの視点に変化

こんなふうに、企業の姿勢を問う転職者が増えています。
- いざという時に、在宅勤務やリモートワークなど、柔軟な働き方が可能なのか?
- 新型コロナウイルスや各種災害時の対応策が、どの程度進んでいるのか?
- 面接はWeb面接が可能なのか?
上記のようなポイントで、企業を判断する動きが加速しているのです。
新型コロナの感染拡大によって、
その企業の緊急時の対応力が、どの程度のものなのか?
ということが、あぶり出されているといってもよいでしょう。
スキル要件の見直し
新型コロナウイルスの動きを止める、有効なワクチンが開発されるまでは、社会全体で第二波・第三波に備える動きをとらなくてはなりません。
こういった不安定な状況下で転職をするとなると、
入社と同時に、在宅で勤務開始
上記のようなケースも予想されます。
当然のことながら、
- 受け身(指示待ち)気質である
- コミュニケーション力が低い
このようなタイプの人が、入社して早々、在宅勤務のなかで独り立ちしていくことは難しいでしょう。
これからの選考においては、
- 自己管理力が高いか?
- 主体的に動けるかどうか?
といったスキルが問われます。
これまでは、「直行直帰型の営業職」などの職種で重要視されていたスキルが、今後はあらゆる職種の採用要件として重要視されるのです。
「自立して働ける人」のニーズが、中途市場でどんどん高まっていくことでしょう。
Web面接を実施するメリットとデメリット
Web面接とは、対面での面接と何が異なるのでしょうか?
メリット・デメリットも含めて、詳しく解説していきます。
対面の面接とは何が異なるのか?
Web面接でも対面面接でも、質問内容や面接の流れ自体は変わりません。
しかしWeb面接の場合は、以下のような準備が別途必要となります。
- 通信に必要な機材やアプリの事前準備
- 面接に適した場所の確保
- 通信トラブルが起きたときの対処
上記のようなことは、対面の面接であれば全く必要のないことばかりです。
デジタルコミュニケーションに慣れていない人にとっては、準備そのものが負担に感じることでしょう。
志望動機や自己PR文作りなど、通常の面接対策をする合間に対応しなくてはならないため、気が重いのかもしれません。しかし、いちどWeb面接の準備をしてうまくいけば、二度目の面接からは同じ接続方法を試すだけなので、大変なのは最初だけです。
事前に通信テストをしておくなど、できるだけ早めに準備を済ませて、心理的負担を軽減しておきましょう。
Web面接のメリットとは
Web面接のメリットは、なんといっても、面接をする場所を自分で選べることです。
- 移動時間や交通費、移動にかかる労力が削減できる
- テレワークの合間に面接を受けやすい
- 日程調整を行いやすい
- 効率的に多くの企業と接触できる
- 遠方の企業にもエントリーしやすくなる。交通費だけでなく宿泊費も削減可能
新型コロナウイルスは、人々に不自由な生活を強いています。
しかし、業務をリモートワークで行う人にとっては、空いた時間を企業研究や面接対策に充てられるなど、プラスに働いている面もあるのです。

上記のように考える人にとっては、よいチャンスかもしれません。
Web面接のデメリット
一方で、Web面接だからこそのデメリットも存在します。
- カメラ越しでは、面接官の表情やリアクションがわかりにくい
- 会話にタイムラグが生じて、コミュニケーションがスムーズに進まない
- 人柄など、直接会うことでしか伝えられないアピールポイントが、Webでは伝わりにくい
- 対面面接なら、会社訪問時に職場の様子を確認できたが、Web面接では確認はできない
Web面接はどこでも実施できる一方で、

といった声が多く聞かれます。
Web面接のやり方と注意点

Web面接には、たしかにいくつかのデメリットが存在しています。
しかし、今後は確実に採用面接の主流になると想定されるので、今のうちから対策と慣れが必要です。
ここでは、Web面接のやり方と注意点を確認していきましょう。
事前に準備しておくこと
Web面接は通信アプリを使用しておこないます。
どのアプリを使ってWeb面接を行うかは、各企業によっても異なりますが、面接の日程調整時に企業から案内されるのが一般的です。
よく使われるのは「Zoom」と「Skype」というアプリで、どちらも無料で利用できます。
▼Web面接でよく使用されるアプリ▼
どのアプリを使うのか情報を得られたら、事前に以下の3つの準備を行っておきましょう。
- Web面接で使用する機材を決める(タブレット / スマホ / Webカメラがついているパソコン)
- タブレットやスマホを利用する場合は、アプリをダウンロードする
- アカウントを取得する
この際の注意点として、ビジネスの場にふさわしくない、アカウント名やアイコンを設定しないようにしてください。
くだけ過ぎたあだ名やニックネームは、面接の場にふさわしくありません。
また、パソコンにカメラがついていない場合は、外付けのWebカメラを用意する必要があります。
Amazonなどで、3,000円くらいで購入できるWebカメラで問題ありませんので、用意しておきましょう。
スマホとパソコン、どちらがいいの?
Web面接の案内をされるとき、企業からは端末の種類までは指定されません。
スマホとパソコンのどちらを使用しても問題なく、自分で選ぶことができます。
スマホとパソコン、それぞれのメリットとデメリットをまとめると、以下のとおりです。
◆Web面接で使用する場合
スマホ | パソコン | |
---|---|---|
メリット |
|
|
デメリット |
|
|
落ち着いた環境で、かつ操作が楽なのはパソコンでしょう。
とくにデスクトップPCであれば、スマホの細々としたデメリットを、いっさい気にする必要がありません。
しかし、在職中で仕事が忙しい場合は、

という時もあるはずです。
表で挙げたスマホのデメリットのうち、電話の着信以外は自分でコントロールできるものですから、事前に準備しておきましょう。
データ通信量に関しては、転職活動中の間だけでも、無制限のプランに切り替えておくのもひとつの手です。
ただし、電話の着信だけは自分ではどうしようもできないですから、もし着信があったときにどうすればいいのかは押さえておきましょう。
Zoomの場合は以下の記事のように、着信があった段階でカメラが切れてしまいますが、Skypeは着信を無視すれば、そのままWeb面接を続けられます。
Web面接の始め方
ZoomとSkype、それぞれの始め方は以下のとおりです。
- 企業から送られてきた案内を確認して、開始時刻の5~10分前に記載されているURLにアクセスする
- パソコンの場合はダウンロードを要求されるので、指示に従いダウンロードを実施
- 画面上の「ミーティングに参加する」を選択する
- ユーザーの名前入力を求められるので、フルネームで入力する
- パソコン・スマホともに機器、機能の使用許可を求められるので、すべて「OK」で許可をする
- 企業側が入室を許可すると、Web面接が開始されます
- 企業から送られてきた案内を確認して、開始時刻の5~10分前にSkypeにサインインする
- 音声テストをおこない、接続機器の正常性を確認する
- 企業側アカウントからの着信、もしくは企業側アカウントへの発信をおこなう
- 相手側との接続がされると、Web面接が開始されます
画面の操作は、慣れると難しいものではありませんが、面接という場では緊張のせいでうまく操作できないかもしれません。
- 音声の大きさ
- 画面の映り方
- 背景の見え方
上記のような事前に調整できるものは、前日までに家族や友人に頼んで、テスト通話に協力してもらいましょう。
なお、それぞれのアプリのより詳細な手順が知りたい方は、以下のサイトがとても参考になりますので、こちらをどうぞ。
Web面接の流れ
Web面接だけにある、特有の流れというものはありません。
しいて言うなら、


このような雑談から始まる可能性がある程度で、その後は対面での面接とまったく同じ内容となります。
- 簡単な自己紹介
- 転職理由
- 志望動機
上記のような流れで面接が進められるでしょう。
Web面接に適した場所とは?(背景に注意)
Web面接は、通信環境が良好で静かな場所であれば、どこで選考を受けても問題ありません。
ただし、注意したいのは、面接官は応募者の画面に映る”背景”に注目しているという点です。
Web面接では自分の身だしなみだけでなく、
自分も含めた、画面全体が第一印象を決める
といっても過言ではありません。
ゴチャゴチャと物が溢れた部屋で、面接をすることはもちろんNGです。
日々の生活の生々しさを感じさせるだけでなく、


こういったマイナスの印象を与えてしまいます。
面接官がその背景から、どのような印象を受けるかを想像しながら、カメラのアングルを決めましょう。
できるだけ生活感のあるモノを排除して、白壁もしくは無地の壁を選ぶのがおすすめです。
服装は普通の面接と同じものを
企業からとくに指定されていない限りは、Web面接であってもスーツを着用しましょう。
上半身しかカメラに映らないからといって、
下半身だけカジュアルな格好
というのはおススメできません!
接続不良などのトラブルが発生したり、面接の途中で動くことがあって、全身が映りこんでしまうかもしれません。
何よりも、面接の緊張感を維持できませんので、普通の面接と同じ格好でWeb面接にのぞみましょう。
カンペを見てもバレないの?
通常の面接では、
用意したメモを見ながら回答をする
ということはできませんが、Web面接ではカンペを見ても大丈夫なのでしょうか?
ちょっとしたカンペくらいなら、カメラの横に貼って見ながら答えても、おそらく先方には分からないでしょう。
長い文章を目で追いながら話すのは、さすがに不自然なのでバレます。
しかし、自分の強みを表す単語などを書いておき、メモを貼って見る程度なら問題ありません。
とっさに回答が出てこなかったときの、安心材料程度で考えておきましょう。
Web面接で注意するべきマナーとは

Web面接は普段の面接と異なるので、想定外のトラブルが発生することもあります。
無用のトラブルを回避するためにも、Web面接特有のマナーを確認しておきましょう。
使用機器の充電は、満タンにしておく
面接は、通常は60分程度の時間を要します。
その間に、使用機器の電源が切れることのないように、できればコンセントを電源につないだまま利用するのが望ましいです。
どうしても難しい場合は、充電を満タンにしておくか、予備のバッテリーを用意しておきましょう。
安定したネットワークに接続しておく
通信速度が安定しないと、
- 画面が固まってしまう
- 途中で切れてしまう
こういったアクシデントが発生する場合があります。
テザリングなどの接続は、通信が重くなりがちなので、有線LANやWi-Fiなどの安定したネットワークを利用しましょう。
また、機器の動作も重くならないように、事前にほかのソフトは落としておくことをおすすめします。
面接をおこなう部屋は、雑音が入らないようにしておく
対面の面接と比べると、会話は聞き取りにくいので、面接をおこなう部屋では、雑音が発生しないように気をつけましょう。
携帯電話やインターフォンなど、音が鳴る可能性があるものは、すべて消音に設定しておいてください。
家族がいる場合は、面接中に話し声などが入ってこないように、面接の時間だけ外出してもらうなど、事前の調整が必要です。
発言は大きな声でゆっくりと
通信の状況によっては、通話にタイムラグが生じる場合があります。
面接官が聞き取りやすいように、発言は大きな声ではっきりと、ゆっくりと話しましょう。
パソコンやスマホに標準で搭載されているマイクやスピーカーでは、会話が聞き取りづらい場合があります。
イヤホンマイクを準備しておくと、よりスムーズな会話ができるのでおすすめです。
機器がグラつかないように、しっかり固定させる
タブレットやスマホを利用する場合は、単に立てかけておくだけだと、滑って倒れてしまう可能性があります。
スマホスタンドを用意して、しっかりと固定しておくのがおすすめです。
Web面接では、カメラの位置にも気を使わなければなりません。
いちばん良いのは、カメラ位置を自分の目線と同じ高さに設定すること。
カメラを低い位置に固定すると、目線が下がってしまい表情が暗く見えてしまいます。
以下の記事がとても参考になるので、参照してみてください。
カメラの位置ひとつで、印象が大きく変わることがご理解いただけるはずです。
[blogcard url=”https://recruit.okamoto-group.co.jp/f-post/7433/”]
Web面接でトラブルが起きたときの対処法

Web面接をおこなう上では、
- 機器の接続不良で、映像や音声が出ない
- アクセスしてもつながらない
上記のような、ちょっとした設定ミスや勘違いで、アクシデントが起こりがちなもの。
もちろんアクシデントを起こさないよう、事前に入念な準備をすることは必須です。
ただ、いちばん大切なのは、
アクシデントが起きてしまったとき、どのようなリカバリーをするか?
という点となります。
なぜなら、トラブル発生時の振る舞いも、選考要素のひとつとして見られているからです。
面接官は、応募者の対処方法から、

このような想像をしています。
- ただただ、慌てるばかり
- 「どうしたらいいでしょうか?」と丸投げの姿勢
上記のような対応をしていては、評価を下げる一方です…
事前にアクシデントが発生することも想定して、
- 別のデバイスを確保している
- 万一に備えて、代替案を用意している
- 接続が切れた場合の連絡方法を、事前に確認していた
こういった対応策を用意しておきましょう。
急なトラブルにも慌てず迅速に対応すれば、ピンチをチャンスに、つまりマイナスをプラス評価に変えることができるのです。
まとめ:Web面接はこれからのスタンダード。早めに慣れておこう
今回は、Web面接のやり方や注意点などについて、はじめての方でもご理解いただけるように、詳しくお話ししてきました。
新型コロナウイルスの流行により、日本経済の停滞感は避けられませんが、中途採用のニーズが完全に無くなるわけではありません。
多くの企業がWeb面接という手法を用いて、採用活動を継続していくでしょう。
Web面接には、対面の面接では必要のない事前準備が、いろいろと発生します。
デジタルコミュニケーションに疎い人には、大きな負担に感じるかもしれません。
しかしWeb面接は、これからの転職面接で主流になる可能性がありますので、決して避けては通れない道です。
やり方はいちど覚えてしまえば、二度目からはそれほど難しくありません。
Web面接には、
面接場所を選ばずに、効率的に転職活動を進められる
上記のような大きなメリットも存在します。
Web面接の開催をポジティブに捉えて、早めに対策を進めておきましょう!
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