仕事はやりがいとお金なら、まずはお金を選ぶべき理由と注意点
転職を考えるときに、
「やりがい」と「お金(給料)」のどちらで仕事を選ぶべきなのかな?
このような話はよく議論される内容です。
長く働いていくためには、もちろんどちらも重要なファクターであることは間違いありません。
ただ、筆者としては、まずは「お金」を優先することをおすすめしています。
なぜなら、仕事の第一義はお金を稼ぐことであり、
やりがいは人の気持ちによって感じ方が変わる
というものだからです。
この記事では、仕事の「やりがい」と「お金」に対する考え方について、両者の関係性をひも解きながら、
- 転職では、まずはお金を優先したほうがよい理由
- やりがい重視で転職を考える際の注意点
上記についてわかりやすく解説しています。
ぜひ最後までご覧いただいて、あなたの悩みを解決するヒントにしてください。
仕事のやりがいとは、いったい何なのか?
転職を考えたりするとき、
やりがいのある仕事に就きたいです!
このような言葉をよく聞きますよね。
ではいったい、仕事における「やりがい」とは何なのでしょうか?
まずはこちらについて考えていきましょう。
やりがいのある仕事とは、どんなもの?
「やりがいのある仕事」といっても、ざっくりした言葉なので、発する人によっていろんな意味を持っています。
- 他人に感謝される仕事のこと
- 自分で満足できる仕事のこと
上記のどちらの場合でも、やりがいを感じることができるでしょう。
とくに人さまからの評価や感謝がもらえると、
この仕事にやりがいを感じる!
と思う人は多いはずです。
また、好きな仕事や楽しい仕事というニュアンスの場合もあるでしょう。
確かに「好きなこと」や「楽しいこと」でないと、
- 仕事を長く続けていくことは難しい
- モチベーションが上がらない
というのもひとつの事実です。
やりがいの定義について
もう少しピントを絞って、やりがいの定義について考えてみましょう。
「やりがい」を辞書で調べてみると、以下のようにあらわされています。
やりがい(やり甲斐)
事に当たる際の充足感や手応え、張り合い。過去に行った事について評価する場合は「やり甲斐があった」の他に「やった甲斐があった」とも表現する。
出典:weblio辞書
つまり、言葉の意味から考えると、
- 充足感のある仕事
- 手ごたえのある仕事
- 張り合いのある仕事
上記のようなものが、やりがいのある仕事ということになるのでしょう。
言い換えると、仕事をしたときに、
この仕事はやり甲斐があったな
このように思える仕事が、やりがいのある仕事ということになります。
ただ、これも個人個人の感じ方によって幅があるものなので、
やりがいとは、人によって感じ方が違うもの
上記のように定義づけることができそうです。
仕事における「やりがい」と「お金」の関係性とは
ここでは、仕事の「やりがい」と「お金」について、仕事との関係性にもとづいて考えてみましょう。
並べてみると、実際にはシンプルな問題であることがわかります。
「やりがい」と「お金」の相関関係。悩むパターンは決まっている
やりがいとお金(給料)の関係を、それぞれの軸で考えてみると、
A:やりがいがあって、給料が高い
B:やりがいがあるけど、給料は安い
C:やりがいはないけど、給料が高い
D:やりがいがなくて、給料も安い
上記の4つのパターンになります。
こうやって並べてみると、
上記がベストな仕事であるのは一目瞭然です。
そして、
というDが最悪のパターンになりますので、Dを積極的に選択する人もまずいないでしょう。
つまり、AとDの場合はとくに悩む必要がなく、
B:やりがいがあるけど、給料は安い
C:やりがいはないけど、給料が高い
上記のどちらを優先するかということが、このテーマに関する悩みのポイントとなるのです。
仕事のやりがいは給料で変わることもある
筆者の経験としては、やりがいがある仕事というのは、
- 残業代がしっかりつく
- 評価が能力給で反映される
- 職責ランクアップで収入もアップする
上記のような、やった分だけしっかり給料に反映される仕事でした。
たとえ仕事としてやりがいがあっても、給料に反映されなければ、徐々にモチベーションは下がっていくものです。
そのうち仕事として、
最近はやりがいを感じなくなったな…
上記のような状態になってしまうでしょう。
仕事をはじめた当初は、やりがいのなかには、
- まわりからの評価
- 同僚や顧客からの感謝
といったものも含まれていました。
しかし、仕事をいくら頑張っても「給料(お金)に反映されない」となると、やはりお金以外のやりがいの順位は下がっていくものなのです。
どんなにやりがいがあっても、給料ゼロでは仕事にできない
仕事は「やりがい」か「お金」かという悩みを極論すると、
- ものすごくやりがいがあるけれど、年収が100万円の仕事
- 嫌な仕事でやりがいはないけれど、年収2,000万円の仕事
上記のどちらを選びますかという話になります。
低くても「年収100万円」に設定した意味は、仕事にやりがいだけを求めて、
やりがいさえあれば、お金はいりません!
このような考えで働く人はいないからです。
もし給料ゼロでよいのなら、それは仕事ではなくて「ボランティア」であり、仕事とは別に取り組めばよいものでしょう。
お金を得る目的として仕事に取り組むのであれば、「やりがい」があるかどうかよりも、
まずは「お金」を優先に考えるべき
というのが筆者が感じているところです。
仕事では「やりがい」よりも「お金」を優先するべき理由
仕事にやりがいがあったほうがいいのはもちろんですが、
まずはやりがいよりも、お金を優先させた方がよい
と筆者が考えている理由は、以下のとおりです。
人生のやりがいは、仕事以外でも得ることができる
人生における「やりがい」は、仕事でないところでも得られます。
例えば、お金がかからないところでは、
- ボランティア活動
- PTA活動
といったことに取り組んで、人の役に立つことができれば、やりがいを感じることができるでしょう。
また、お金を使うのであれば、
- 後輩の成長のために資金を使う
- 企業に投資して、社会に役に立つ事業を支援する
このような形で、社会貢献というやりがいを得ることも可能です。
しかし、よほどの資産家でもないかぎり、お金は仕事をしないと得られません。
これが「やりがいよりもお金を優先すべき」と考える最大の理由です。
やりがいは仕事以外のことでも得られますが、お金は仕事でしか稼ぐことができないもの。
どんなに「やりがいがある」といっても、生活できないほどの収入であれば、働くことに満足できる人は少ないでしょう。
逆に給料が高ければ、私生活でもやれることは増えますし、自由度も高くなります。
プライベートな活動や趣味からでも、やりがいを得ることはできるのです。
転職では「やりがい」よりも「お金」が役に立つ
もうひとつ、やりがいよりもお金を優先した方がいい理由があります。
それは転職するときに、
「やりがい」よりも「給料(お金)」の方が役に立つ
ということです。
給料というのは、社会人としてのあなたの値段であり、世間からの客観的評価を表しています。
年収(お金)こそが、転職市場におけるあなたの市場価値であり、
年収が高いほうが、転職における市場価値が高い
というのが、いうまでもない事実なのです。
転職活動をするなかで、
これまで、やりがいのある仕事をしてきました!
このような発言をしても、転職先の企業では、その価値を評価のしようがありません。
やりがいというのは個人的な感情に近いものなので、他人には伝わりにくいものなのです。
仮にあなたが年間100億円の経済効果がある仕事をしていて、その仕事にやりがいを感じていたとしましょう。
でもその仕事の給与が、毎月20万円だとしたら、
この人は100億円の経済効果に関わる仕事をしてきたのか!
このような評価がされることよりも、
月給20万円の仕事をしてきたのですね
上記のような認識をされてしまう場合がほとんどなのです。
これから先に転職を見据えているのであれば、仕事においては「やりがい」よりも、お金を優先した方が有利になるでしょう。
「お金」と「やりがい」は、いまの会社で得られる可能性もある
転職することによって、一瞬で給料アップしたり、職責が上がったりすることはありますが、転職したからといって、必ずうまくいくとも限りません。
転職を検討する前に、今いちど他の方法論を考えてみることも大切です。
いま勤めている会社に在籍し続けることで、
- やりがいのある仕事に就く
- 給料がアップする
という可能性も模索してみましょう。
同じ会社でも急にやりがいを感じられることもある
筆者は在籍していた会社で、急にやりがいを感じたことがあります。
新卒で入社した会社だったのですが、在籍して7年目くらいのときでした。
すっかり仕事にも慣れてきて、
毎日が同じような仕事ばかりでうんざりだよ…
上記のように、やりがいを感じられなくなっていたのです。
そんなある日、取引量も小さく、ほとんど通っていなかったクライアントに商談に行った席で、
あんたは今までどこにいたの?
このように言われてしまったのです。
クライアントが言いたかったのは、
という意味合いでした。
この出来事をきっかけに、
- 営業って売り込みに行くだけの仕事じゃない
- 相手に必要としてもらっていることもある
上記に気づかされて、今までしてきた仕事の点と線が結びついたのです。
おかげで、今まで疎遠だったクライアントへも商談に出かけるようになり、取引が増えて急に忙しくなって、仕事にやりがいを感じるようになりました。
このように、同じ会社に勤めていても、何かのきっかけでやりがいを見出せることはあります。
昇進して給料が大きく変わることもある
一般職の給料はそんなに高くなくても、マネージャークラスになると、急に給料が上がる会社もあります。
ある会社で、筆者の先輩にあたる女性社員がマネージャーに昇進したところ、
びっくりするくらい給料が上がったの!
このように話していたことがありました。
同じ会社で同じ仕事をしていても、急に環境が変わる場合もありますので、転職を考える前にその可能性を確かめておきましょう。
転職でお金以外を優先してもよいケースとは
転職するときには、「お金のことを優先したほうがいい」と言いましたが、人間はお金だけで動いているわけでもないんですよね。
仕事は一生続けるものですから、長く働いていくなかでは、お金より優先するべきときもあります。
年収が下がっても生きていける場合
年収が多少は下がったとしても、
- 生活していける財力がある
という方であれば、仕事にやりがいを優先するのもありでしょう。
仕事は人生の1/3以上を占めるものですから、
そこまでお金を優先しなくても、生きていくぶんには何とかなる
という状況にあるのであれば、やりがいを求めて転職するのも、人生を充実させる選択肢になるかもしれません。
仕事の人間関係に悩んでいる場合
はたから見ていると、
- 優良企業に勤めている
- いい給料をもらっている
このように思えるのに、それでも転職する人はいます。
そういう人が総じて口にするのは、
これはお金の問題じゃないんだ!
という言葉です。
人間関係やメンタルで悩んで、健康を害してしまう可能性があるのなら、お金よりも悩みの解決を優先するべきでしょう。
生きていくのにお金は必要ですが、もっとも大切にするべきは自身の健康です。
やりがい重視で転職を考えるときに、押さえておきたいポイント
仕事は人生の大部分を占めているわけですから、
いやいや、自分はやりがいを優先したいんだ!
このように考えている方も多いでしょう。
筆者は、やりがいよりもお金を優先すべきだと考えていますが、
というのもひとつの事実です。
ただ、たとえ「やりがい」を優先するにしても、最低限は考えておいてほしいことがあります。
やりがいがあるかどうかは、求人票の文章だけではわからない
やりがいを求めて転職するのも、もちろん選択肢のひとつです。
ただ、本当にやりがいがある仕事なのかどうかを、求人票の文章だけで読み取るのは、なかなか難しいことでしょう。
やりがいがあると思って転職したのに、
思っていた仕事内容と違った…
こんなにハードな仕事だったなんて…
こんなふうに後悔する結果になっては、転職する意味がありません。
面接のときには、よくよく仕事内容を聞いて、
本当に自分のやりがいとマッチするのか?
ということをしっかり確認しましょう。
見誤ってしまうと、やりがいもお金も得られない結果になってしまいます。
「やりがい」を搾取する危険な求人もある
やりがいを重視する方にとくに気をつけてほしいのが、やりがい搾取に引っかからないようにすることです。
そもそも、やりがいを前面に押し出してくる求人案件は、あやしいと思ったほうがいいでしょう。
そういう求人に限って、雇用者側は、
やりがいのある仕事だから、給料が安くても大丈夫だろう
と平気で買い叩いてきます。
求人票でこのようなアピールしてくる場合は、
- やってもやっても仕事が終わらない
- 給料は安いけど、クリアできないほどのノルマがある
というケースを言い換えているにすぎません。
結局のところ、仕事に対して給料が安すぎることの言い訳でしかないのです。
仕事に対して夢や希望にあふれている人ほど、やりがい搾取の絶好のターゲットになってしまいがちなので、とくに注意してください。
長時間残業や休日出勤をして、一生懸命に働いていても、
雇用主に都合よく使われているだけ
ということでは意味がありません。
働いた分だけ報われるのが正しい会社のあり方です。
生活していけるレベルの収入が確保できているならまだいいのですが、
やりたい仕事をやってるんだから、給料が安くても文句は言えない…
こんなふうに思いながら、いつまでたっても給料が上がらずに、50代60代を迎えてしまって大丈夫でしょうか?
仕事にやりがいを求めるにしても、
やりがいと収入のバランスを見極める
ということが重要なポイントです。
やりがいのないと思える仕事でも、やりがいは見つかるもの
やりがいがある仕事といえば、
- 自分が楽しいと思える仕事
- 人から感謝される仕事
こういったことを思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし、一見するとやりがいがないと思える仕事でも、やりがいが見つかることはあるのです。
誰にでもできるような仕事でも、自分の工夫で効率が上がって、
君は人よりもたくさん仕事ができるね
こんなふうに言われたら、仕事が楽しくなりますよね。
また、最初のうちは気がつかなくても、
自分の仕事は、こんなふうに人の役に立ってたんだ…
ということが分かれば、おのずとやりがいは生まれてくるものです。
やりがいがないと思い込んでしまうと、その仕事にやりがいは出てきません。
どんな仕事であっても、
どうやって楽しく仕事に取り組むか?
このように考えればやりがいも出てきますし、そのほうが建設的でしょう。
やりがいのある仕事とお金を稼ぐ仕事の二本立てにする
どうしてもやりがいを優先したいのであれば、
- お金のための仕事
- やりがいのある仕事
上記を両立させることを考えてみるのはいかがでしょうか?
日中は生きていくためにお金を稼ぐ仕事をして、それ以外の時間を使って、
副業でやりがいのある仕事に取り組んでみる
という組み合わせもひとつの方法です。
クラウドソーシングなどで、ネットで取り組める仕事にチャレンジするのもひとつの方法ですし、土日だけ本業とは別に、やりがいを持てる仕事を掛け持ちする方法もあります。
クラウドソーシング(英語: crowdsourcing)とは、不特定多数の人の寄与を募り、必要とするサービス、アイデア、またはコンテンツを取得するプロセスである。
群衆(crowd)と業務委託(sourcing)を組み合わせた造語で、特定の人々に作業を委託するアウトソーシングと対比される。
クラウドソーシングは狭義では、不特定多数の人に業務を委託するという新しい雇用形態を指す。
出典:Wikipedia
筆者もクラウドソーシングで少し仕事をしていますが、自分の好きな仕事でお金がもらえるというのは、やはりやりがいを感じるものです。
いちど小さく始めてみて、
という選択肢もありかもしれません。
たとえば芸人さんなどであれば、
お笑いをやるために、アルバイトで生計を立てています
という人は珍しくないですよね。
芸人さんはサラリーマンではないので、特別な事例といえるかもしれませんが、やりがいを優先して「二足の草鞋」を履いているのは、芸人さんだけに限ったことではありません。
まとめ:仕事で優先すべきは「やりがい」よりもまずは「お金」
今回は、仕事の「やりがい」と「お金」について、筆者なりの見解を詳しくお話ししました。
仕事はやりがいで選ぶべきか、お金で選ぶべきかという議論がありますが、転職を考えるなら、まずはやりがいよりもお金を優先すべきでしょう。
なぜなら、仕事の第一義はお金を稼ぐことのはずだから。
極端にいえば、「やりがい」という目的は、お金という報酬で達成されることがありますが、やりがいだけを求めてもお金には反映されないのです。
もちろん、いまの仕事に対して、
やはり仕事はやりがいが一番だよ!
このような思いで仕事をしている方を、否定するつもりはありません。
やりがいのある仕事で、満足のいく収入も得られているのであれば、それが最高だからです。
ただ、あなたが転職を考えるなかで、
「やりがい」なのか「お金」なのか?
もしこのように迷うことがあるのなら、今回お話ししたことを参考にしていただけると幸いです。
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