48歳の私が履歴書の空白期間を持たずに転職できた理由とは?
キャリアコンサルタントのトッキーと申します。
現在は教育業界で、キャリア形成支援やキャリア教育の実践に取り組んでいます。
筆者は、長く勤めていた教育機関の退職を余儀なくされ、自身でも40代の転職活動を経験しました。
早いもので、転職してから2回目の冬を迎えています。
前職との大きな違いは、残業と休日出勤が大幅に減ったこと。
今では精神的にも時間的にもゆとりがあります。
ゆとりができたことで、今は週に3回程度は体を動かす時間も作っており、仕事とプライベートのバランスが格段と良くなりました。
しかし、新しい職を得るまでには、
すぐに次の職場は見つかるのだろうか?
40代後半での転職は、年齢的に無理かもしれない…
そもそもなぜ転職したいのだろうか?
このような、さまざまな葛藤があったのも事実です。
そこで筆者は、以下の3項目について何度も何度も考えて、自分の仕事や働き方を見つめ直しました。
- そもそも、何のために私は働いているのか?
- なぜ、転職したいのか?
- 本当に今の職場では、自分の力を発揮できないのか?
この記事では、48歳の筆者が履歴書の空白期間を持たずに、スムーズに転職できた理由を具体的にご紹介します。
40代の転職はもう無理だと思っている人、転職を経験しているが現状に違和感を抱えている人は、ぜひ最後までお読みください。
きっと、心のモヤモヤが晴れるきっかけになるはずです。
- 【48歳の転職体験談】失敗から学んだ業務経験をアピールする方法
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ミッションステイトメントを見直そう
まず、筆者が転職を考えて取り組んだことは、自分のミッションステイトメント(以下:ミッション)を見直すことでした。
ミッションとは、日本語では「使命」や「信条」などと訳され、企業や団体、個人などでも取り入れられています。
筆者がミッションを見直した話の前に、ミッションとは何かを具体的に説明しましょう。
例えば、「ユニクロ」を展開する、ファーストリテイリングのミッションは以下のとおりです。
ユニクロというブランドを通じて、単に服を売るだけでなく、新しい価値を持つ服の創造や良い服を着る喜び、幸せ、満足を提供するために存在していることが分かります。
会社や組織は人々や社会のために、何らかの目的を持ち、その実現のために存在しています。
同社Webサイトより
世界30国以上で翻訳されたベストセラー「7つの習慣」(〔著者〕スティーブン・R・コヴィー)をあなたは読んだことがありますか。
読む機会がなかった人はぜひ、手に取って読んでみてください。
同書の第二の習慣「目的をもって始める」のページでは、ミッションについて以下のように説明しています。
目的を持って始める最も簡単で大きな効果をもたらす方法のひとつは、ミッションステートメント(個人的な憲法、または信条)を書くことである。
その中で自分はどうなりたいのか、何をしたいのか、そして、自分の行動の基礎となる価値観や原則を明らかにする。
~中略~
個人のミッションステートメントが正しい原則に基づいていれば、個人に揺るぎない方向性が与えられる。
それは個人の憲法となり、人生の重要な決断を行う基礎となる。激しく変わる環境の中にあって、個人に不変の安定性と力を与えてくれるのである。
7つの習慣(スティーブン・R・コヴィー)より
いかがでしょうか?
ミッションとは、何も企業のためにあるのではなく、個人としても活用できるのです。
筆者は、ミッションが『人生の重要な決断を行う基礎となる』との一文に着目し、
自分のミッションと、置かれている状況を照らし合わせてみよう
このように考えてみました。
そうすれば、「なぜ転職したいのか?」ということについて、明確にできると思ったからです。
- 人生:
私は、人生をポジティブに捉え楽しみます。時に逆境や困難を迎えても諦めず、心配し過ぎず、その先には喜びがあると信じて人生を歩みます。 - 家族:
私は、家族のために働き、家族を支えられるように努力します。家族との時間を大切にし、家族の笑顔を創ります。 - 仕事:
私は、学ぶ人の成長や働く人のキャリア形成のサポートを通して、人の役に立つことを仕事の歓びとします。働けることに感謝し仕事に取り組みます。 - 健康:
私は、心と体の健康を保てるようリラックスできる時間、体を動かす時間を確保し、健康維持に努めます。 - 学習:
私は、自分自身の成長のために学習や読書を継続します。学んだことは他者との関わりや他者の成長に繋がるよう役立てていきます。 - 生活:
私は、足るを知り、自分の身の丈にあった暮らしを心がけます。身の回りの物は必要最小限にとどめ、整理整頓に努めます。 - 趣味:
私は、映画や音楽、芸術、自然などに触れて審美眼を養います。心を豊かにできる趣味や余暇に時間とお金を使います。 - 時間:
私は、与えられた時間をそれぞれの目的(仕事、家族、プライベート等)に応じて計画的に過ごします。人の時間を奪う「時泥棒」にならぬように努めます。 - 社会:
私は、さまざまな国の人と関わり、お互いの違いを認め人間関係を育みます。人と関わるときには、親切心を持ち、ポジティブな感情で接します。
筆者が仕事のことに悩んでいた時期には、ミッションの上記9項目のうち、叶っていたのは1つだけでした。
この結果によって、
いまの環境で働き続けることは、マイナス面が大きいな…
上記のように判断して、転職の意志を固めたのです。
現状をチェックリストで再確認しよう
ミッションと現状を照らし合わせた後に、今度は自作のチェックリストを用いて、職場のことを客観的に考えてみました。
仕事でミスやトラブルがあると、冷静に考えれば大した問題ではないのに、それまでの不満やストレスが影響して、一時的な感情で誤った判断を下してしまうことがあります。
ネガティブな状況のときこそ、冷静に判断することが大切です。
◆現状チェックリスト
NO. | □ | 内 容 |
---|---|---|
1 | □ | 給料の遅配はなく指定の期日に支払われている |
2 | □ | 自分の期待通りとは言えないが賞与も定期的に出ている |
3 | ☑ | 月に6日以上の休みがある |
4 | ☑ | 土日、祝日、GWや年末年始などに気兼ねなく休暇が取れる |
5 | □ | 残業をした場合には残業代が支払われる |
6 | □ | 数名程度、気の合わない人はいるが職場の人間関係はおおむね良好である |
7 | ☑ | 業務内容に慣れているので、自分で仕事を進められている |
8 | □ | 仕事に不安や悩みがあれば上司へ相談できる |
9 | □ | 人事との面談の機会もあり、話を聞いてくれる環境がある |
10 | □ | 希望すれば異動、出向、転籍等のチャンスがある |
11 | ☑ | 福利厚生もある程度は充実している |
12 | □ | 職場には10年以上の勤続者が活躍している |
13 | □ | 改めて理念や設立の目的等を見ると社会に対して貢献度も高い |
14 | □ | 自分の取り組みによっては成長できる職場である |
15 | □ | 自分が目指す目標やミッションにマッチしている |
結果は、チェックがついた項目が4つだけと、とても寂しい内容でした…。
同僚の多くはすでに退職し、増える業務量により職場はギスギスする一方でしたし、給料の遅配も経験して、不安を持ちながらの業務で本当に苦しい毎日だったのです。
チェックリストの結果によって、
やっぱり、自分が成長できる環境とは程遠い状況なんだな…
ということがわかり、筆者が下した転職の意志は、間違っていないと確信できました。
もしあなたが今、さまざまな悩みを抱えて転職を考えているならば、ぜひこのチェックリストを使って、いちど客観的に状況を見つめ直してみましょう。
本当に転職することで、その悩みは解消されるでしょうか?
ひょっとすると、チェックがついた部分を理解することで捉え方が変わり、いまの職場でも満足感を得られるのかもしれません。
転職を決意した後の具体的な活動内容
ここでは、筆者が転職を決意したあとの流れを紹介します。
転職活動の期間は2ヶ月でした。
◆転職活動の流れ
6月3日 | 求人サイトで情報収集を開始。興味を持った企業へすぐにエントリー |
---|---|
6月4日 | 履歴書、職務経歴書の作成し送付 |
6月7日 | 書類通過、面接日の案内メールを受信 |
6月13日 | 一次面接。面接官は3名 |
6月19日 | 一次通過のメール受信 |
6月27日 | 二次面接。面接官は3名 |
6月29日 | 内定通知 |
7月9日 | 上司へ退職意志を告げる。そのまま用意していた退職願を提出 |
7月10日 | 退職が公になってから引継ぎ開始 |
7月13日 | 内定企業より条件面の提示 |
8月31日 | 退職 |
9月3日 | 新しい職場へ出勤。(*土日を挟み月から出勤)現在に至る |
幸いにも、転職を決意してから退職までの流れはスムーズだったのですが、ゆいいつ大変だったのは面接時間の調整でした。
人によっては、現職の仕事よりも転職活動を優先させてしまい、
- 頻繁に身内に不幸が発生する
- 前日まで元気だったのに、突然休みの連絡を入れてくる
こんなふうに、「明らかに転職活動している」と周りの人が気づいてしまうことがあります。
はやる気持ちは分かりますが、そこはグッとこらえて、粛々と計画的に転職活動をしましょう。
筆者の場合は、求人企業に事情を説明して、午前中や土曜日に面接を設定してもらいました。
応募企業側も、仕事を続けながらの転職活動と分かっているのですから、遠慮せずに相談することをおすすめします。
転職を考えたときにすべきこと
2015年の厚生労働省が実施した「転職者実態調査」によると、転職者が直前の勤務先を離職した理由は、自己都合が75.5%と最も高い数字となっています。
自己都合のなかでも、上位を占める離職理由は以下の通りです。(3つまでの複数回答)
◆上位の退職理由
労働条件(賃金以外)がよくなかったから | 27.3% |
満足のいく仕事内容でなかったから | 26.7% |
賃金が低かったから | 25.1% |
また、転職先にいまの勤め先を選んだ理由は以下の通りです。(3つまでの複数回答)
◆転職先にいまの勤め先を選んだ理由
仕事内容・職種に満足がいくから | 40.8% |
自分の技能・能力を活かせるから | 37.5% |
労働条件(賃金以外)がよいから | 24.9% |
この他にも、気になる数字も示されています。
いまの勤め先における転職者の満足度についての割合は、
- 満足:53.3ポイント(満足・やや満足の合計)
- どちらでもない:35.5ポイント
- 不満:10.3ポイント(不満・やや不満の合計)
- 不明:0.9ポイント
このような結果となっており、転職しても「1割の人は転職先に満足していない」状況であると示しています。
転職を考えるうえでは、
- 次の職場で何を実現したいのか?
- 仕事を通しどんな成長をしたいのか?
このようなことをよく考えておく必要があります。
さいごに
最後に、最近の筆者の口癖をご紹介します。
人生は自分が思っている以上に短いのだろう。だから、行動に移そう!
仕事が中心の人生って、本当に幸せなことでしょうか?
大切な家族や友人と関わる時間、自分という一生付き合っていく存在に対して、時間は十分に足りていますか?
40代の転職は無理だと考えることより、
自分の行動の基礎となる、価値観や原則を明らかにする
上記のようなミッションをこの機会に作って、変化の激しい社会のなかでも、揺るぎない心でいられる基礎を築いて行きましょう!
48歳の筆者が、履歴書の空白期間を持たずに転職できた理由は以下の3つです。
- ミッションに基づいて転職活動へ取り組んだこと
- 焦らず、騒がず、粛々と転職活動へ取り組んだこと
- 自分が思っているより人生は短いと考え、行動に移したこと
一緒に社会人デビューを果たした同期が、この世を駆け足で去ってから、早いもので3年が過ぎました。
命より大切なものはありません。
与えられた「命」の「使い方」を、今いちど立ち止まって考えてみませんか?
そうすれば、無理だと思っていた40代の転職が、これからの人生の希望になると筆者は信じています。
令和の新しい時代とともに、あなたが踏み出す一歩を心から応援します。
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