ハイヤー運転手に転職したい45歳の現実…諦めなければ道は開ける
つい最近まで、転職市場では「35歳限界説」が囁かれており、40代の転職は難しいと言われてきました。
しかし近年では、団塊世代の大量退職や、若年層の減少に伴う人手不足が表面化。
中高年の転職も一般的になったように思います。
タクシー運転手をしていた筆者も、45歳で転職を決意してかなり苦労はしましたが、何とか異業種への転職に成功しました。
この記事では筆者の体験をもとに、タクシードライバーがハイヤー運転手を目指した理由や、転職活動の現実についてお話ししています。
40代の転職に悩みを持つ方はぜひ参考にしてください。
タクシードライバーからハイヤー運転手を目指した理由
42歳でタクシー運転手になった筆者は、しばらく転職する気持ちはありませんでした。
なぜなら「養成制度」といって、
- 会社の費用で普通2種免許を取得させてもらう
- その代わり、3年間は勤続し続ける必要がある
- 3年以内に退職すると、会社に費用を支払わなければならない
このような契約で入社したからです。
ですので、当初の3年間は必死に働きました。
しかし3年が経過して、4年目に入った頃から、
このままタクシードライバーをやっていても、進歩がないし自らの成長が止まってしまうのでは…
このような思いを持ち、キャリアアップを考えるようになったのです。
そこでタクシー運転手の上級職である、ハイヤー運転手を目指すことにしました。
ハイヤー運転手になると、給料や待遇が良くなる
ハイヤー運転手になろうと決めたいちばんの理由は、タクシーの上級職であり、給料や待遇も良いからです。
というのも、タクシーは歩合制の賃金なので、毎月の営業収入によって給料が異なるため、生活が安定しません…。
さらにタクシー運転手という仕事は、
1日働いて翌日は休み
という隔日勤務だったので、月間の休日数は決まっているものの、休日の曜日を固定できないのです。
長年に渡って会社員生活を続けてきた筆者には、給料や休日が安定しない状況は、かなり辛いものでした。
しかもボーナスや交通費の支給、退職金もなく、まるで契約社員のような扱いです。
やっぱり転職をした方がよいのでは…
徐々にこのような思いを持つようになりました。
一流のお客様を乗せるため、ビジネス感覚を肌で味わえる
ハイヤーとタクシーでは、お客様の層がまったく異なっています。
タクシー運転手の場合は、決まったエリアを走行してお客様を乗せるので、こちらでお客様を選ぶことはできません。
これに対しハイヤー運転手は、予約や契約で決まっているお客様を乗せるので、その差は歴然です。
ハイヤーの顧客基盤に、一流企業の役員などを乗せる仕事があることを知り、
一流の方たちの思考や行動、振る舞いを学習してみたい
筆者はこのような思いを持つようになりました。
一流の所作を知ることで、自然にそのような立居振る舞いとなり、自身のキャリアアップにつながると考えていたからです。
しかし現実は甘くなかった…
筆者はハイヤー運転手への転職を目標にして、タクシー会社に在職しながら、転職活動を始めることにしました。
しかし、「現実は甘くない」とすぐに実感することになったのです…
応募資格が厳しく、応募すらできなかった
ハイヤー運転手への転職を決意した筆者ですが、ハイヤー会社の応募資格を見て愕然とします。
どのハイヤー会社においても、
- 過去3年~5年の間に無事故無違反であること
- 無事故の証明となる、運転記録証明書を提出すること
という条件が義務付けされていたのです。
筆者は過去に、交通違反を重ねると課される、免許停止処分を受けていました。
つまり、過去3年の間に免許停止処分を受けていた筆者では、どのハイヤー会社にも応募をすることができません。
いろいろなハイヤー会社を探しましたが、運転記録証明書の提出を義務付けしている会社がほとんどでした。
いきなり苦しい転職活動を余儀なくされたのです…
運よく面接まで進んでも最後で落とされる
そんななかでも、応募資格に厳しい記載がないハイヤー会社を発見して、応募できることもありました。
その会社では、書類選考を通過して二次選考まで進むことができたのです。
そのハイヤー会社の二次選考では、
- 運転の実技試験
- 通常の面接
- 役員面接
これらを一日でやってしまう詰め込み式でした。
筆者はタクシー会社に在職している身ですから、運転の実技試験はもちろん問題なくクリアできます。
次の面接も順調に進んだのですが、いちばん最後の役員面接で、
運転記録証明書についてですが…
やはりこのような話が出てきたのです…
最後の選考まで進みましたが、結局は不採用となってしまいました。
ハイヤー運転手を諦めて、別の道を探ることに
ハイヤー運転手は応募資格が厳しく、実際に面接を受けても不採用ばかりです。
筆者も次第に、
タクシー業界でのキャリアアップは、もう難しいのではないか…
このように考えるようになりました。
これまで長年に渡って、ハイヤー運転手への憧れを抱いてきた筆者。
この決断を受け入れるのには数ヶ月かかりましたが、これ以上は先延ばしできません。
今後どんな業界で、何の仕事がしたいのだろうか?
上記のように改めて考えるようになり、これまでのキャリアを整理して、最初から転職活動をやり直す決断に至ったのです。
自己分析を見直して、どんな仕事に就きたいかを考える
まずは自己分析をするところからです。
転職サイトの適性診断をいくつか受けて、筆者がどのような性格で、どんな仕事に適性があるかを分析しました。
診断で見えてきた性格と適性を、これまでのキャリアと照合して、応募資格に合致する業界や会社を探します。
そして導き出した結論が、法人・個人の営業職です。
というより、これ以外に選択肢がなかったので、営業職に絞って転職活動を再開しました。
何社応募しても書類選考で落とされる!
営業職で転職活動を再開してから、気になる会社へは業界を問わずにどんどん応募をしたのですが、まったく通用しません。
ほぼ全てが書類選考で落とされました…。
この時点で筆者は46歳になっており、やはり年齢的な部分が大きくネックとなり、書類選考を通過できなかったようです。
しかたなく、経験のあった金融などの営業へ応募をシフトしたのですが、それでも結果はまったく変わらず…。
書類選考を通過することができませんでした。
スカウト機能やヘッドハンティングサイトを利用してみる
書類選考すら通過できない現状に、怒りというよりも、
これはまずい、このまま転職できないのでは…
という焦りを感じるようになりました。
そこで、これまでは利用していなかった、
- 転職サイトのスカウト機能
- ヘッドハンティング型の転職サイト
こういったものにも登録してみたのです。
履歴書と職務経歴書を登録しておくことで、こちらから求人応募するだけではなく、
経歴を見た企業の採用担当から、スカウトやヘッドハンティングが来るのでは…
という期待を持ちました。
転職サイトの選び方や活用する方法、40代におすすめの11社を以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
待てど暮らせどスカウトは来ない!
自らの求人応募と並行して、
企業からのスカウトやヘッドハンティングで、転職の可能性を広げよう
このように考えていたのですが、現実はそんなに甘くありませんでした。
スカウトがほとんど来ない状態が続いたのです…
自ら応募しても、相変わらず書類選考を通過できないですし、面接にすらたどり着けない。
徐々に打てる手段がなくなり、転職活動に対する行き詰まりを感じるようになりました。
転職エージェントに相談して、職務経歴書を添削してもらう
転職活動に行き詰まりと焦りを感じていた筆者は、事態を打開しようと、転職エージェントに相談してみることにしました。
転職エージェントでは、紹介できる案件がない場合は相談に乗ってもらえませんが、案件があれば親身になって相談に応じてくれます。
アドバイザーの方とメールでやり取りするなかで、筆者の現状を率直に明かして、面談でいろいろと相談に乗ってもらいました。
その際に、職務経歴書の内容を添削してもらい、
文章が長いので、もっと簡潔に分かりやすく手直ししましょう
このようなアドバイスをもらうことができました。
転職のプロによるサポートを受けることで、以下のような、たくさんのメリットを得ることができます。
- 転職サイトなどに出回っていない、40代向けの非公開求人を紹介してもらえる
- 履歴書や職務経歴書の添削をしてもらえる
- 面接対策のサポートをしてもらえる
- 業界や企業について、独自の情報を提供してもらえる
- 求人企業について、気兼ねなく質問できる
- 選考に落選した理由を教えてくれるので、次への対策が打てる
- キャリアや市場価値をプロの視点で見定めて、アピールするべき自身の強みを教えてくれる
- 応募企業との連絡や日程など、エージェント担当者が間に入って調整してくれる
- 入社時期や年収条件など、交渉ごとを代行してくれる
40代が無駄なく効率的に転職活動を進めるうえで、利用しない手はないサービスです。
しかも、転職エージェントは人材が採用されたときに、企業から成功報酬を得るビジネスモデルのため、転職者は無料で利用することができます。
エージェントとの相性を見極めて厳選するという前提で、最初から3~4社ほどに登録しておきましょう。
転職エージェントの選び方については、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
ついに転機が訪れる!
転職エージェントに相談してから数ヶ月後、筆者の転職活動にようやく転機が訪れます。
職務経歴書を添削してもらった通りに修正して、文章を短く簡潔にまとめたところ、徐々にスカウトがくるようになったのです。
スカウトの中から、2件ほど気に入った案件があり応募してみると、これまで落とされ続けた書類選考を通過して、面接までたどり着くことができました。
結果としてはやはり不採用だったのですが、少し自信を取り戻すことができた気がします。
まったく想定していなかった業界からのスカウト
面接まで行けるようになってから、また数ヶ月が経過した頃に、まったく想定していない業界から一通のスカウトが届きます。
スカウトをくれた会社は物流関連の倉庫で、
物流管理とフォークリフトの運転手はどうですか?
という内容のスカウトでした。
まったく考えていなかった会社からのスカウトに驚きましたが、その会社を調べるうちに、興味と関心を持つようになったので、
イチかバチか。勝負してみよう!
このように考えて、応募することを決めたのです。
書類選考と面接を通過して、無事に内定を獲得!
応募をした物流倉庫の会社は、書類選考と面接1回という、まさに一発勝負の採用試験でした。
しかし、採用担当の方とメールを数回交換するなかで、とても丁重な対応を受けたため、会社に対して安心と信頼感が芽生えていたのです。
書類選考を無事に通過して、いよいよ運命の面接にのぞみます。
面接は実質30分ほどでした。
会社の業務内容や福利厚生の説明を受け、筆者からは志望動機や退職理由を説明するといった、非常にオーソドックスな面接内容です。
1週間後に内定の通知を受けることができ、まだ在職中だった筆者は、1ヶ月後に入社すると説明して合意しました。
こうして筆者の長い転職活動は、ようやく終わりを告げたのです。
まとめ:40代での転職は厳しい。でも諦めなければ道は開ける
今回は、筆者が転職した時の内容を、ウソ偽りなく赤裸々にお話ししてきました。
ハイヤー運転手を目指して始めた転職活動でしたが、最終的には物流倉庫のフォークリフト運転手として、なんとか転職を果たしたのです。
何度も挫折を味わい、苦戦もしましたので、転職活動開始から内定獲得まで、じつに1年半もの期間を要しました。
転職活動を通じて学んだ大切なこと。
それは、どんな辛い体験をしてもそこで諦めず、次の打開策を探り続けることで、
必ず道は開ける
ということです。
諦めない強い心と、現状を分析する判断力、転職すると決めたら一心不乱に打ち込む行動力。
転職活動には、大きなエネルギーを必要とします。
転職を希望するなら、まずは本当にその転職で現状を打開して、キャリアアップにつながるかどうかを考えてください。
在職中の会社への不満だけで、転職活動を開始するのはおすすめできません。
なぜなら転職したとしても、転職先でも人間関係などの悩みはあるかもしれず、
もう一度転職をしたい…
と考えるようになって、歯止めが利かなくなるからです。
それに筆者の体験からも分かるとおり、40代の転職は決して甘いものではありません。
まずは在職中の会社に対して、不満に対する解決手段をすべて講じてみましょう。
それでも変わらない時に、転職という選択肢を考えてみることをおすすめします。
一度きりの人生ですから、過去でも未来でもなく、まずは今をしっかりと、悔いなく生き抜くことを考えてください。
お互いに頑張りましょう!
セカンドゴングは40代の転職を応援しています!
当サイト(セカンドゴング)では、40代の転職に特化した転職ノウハウについて、
- 実際に40代で転職を経験した人
- 企業の採用担当・キャリアコンサルタントなど、転職活動に知見を有する人
上記のようなメンバーが数多くの記事を提供しています。
転職活動を攻略するためのコツとして、以下のようなコンテンツをご用意していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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