医療事務の転職は未経験でも問題なし!40代女性が学んだ採用されるコツ
医療事務への転職を考えているけど、
もう40代だし、転職するには微妙な年齢かも…
こんなふうに思っている方はいませんか?
40代でも医療事務に転職するのは可能です。
それにもしかしたら、経験者よりも未経験者のほうが、採用される確率は高いかもしれませんよ。
医療事務の仕事を検討しているのなら、年齢や経験は気にせずに、ぜひチャレンジしてみましょう。
筆者は41歳のとき、育児中で未就学児2人のママでしたが転職活動を開始。
医療事務経験者だったにもかかわらず、最初は面接20件に挑んでも不採用続きでした……
でも、自分の働き方にマッチする医療職種に目を向けたことで、流れを変えて転職することができたのです。
この記事では、医療事務への転職を考える40代の方に向けて、筆者が転職活動から学んだことを、実体験とともにお話ししています。
ぜひ最後までお読みいただき、あなたの悩みを解決するヒントにしてください。
医療事務の仕事内容、必要なスキル
医療事務のお仕事では、大きく分けると、以下の3つの業務を担当します。
- 窓口での業務
- 補助的な業務
- 請求業務(レセプト)
医療事務員にどこまでの仕事が求められるかは、医療機関によっても違いますので、
どこまでの仕事を担当するのかな?
ということは事前に確認しておきましょう。
たくさんの仕事があり、不安になってしまうかもしれませんが、いきなり全てをこなすことを求められるわけではありません。
一歩一歩「昨日よりも何かひとつ覚えて帰る」という気持ちがあれば大丈夫です。
窓口での業務
医療事務が窓口でする仕事は、おもに受付と会計の業務です。
具体的には、以下のようなお仕事があります。
- 診察券の発行
- 問診票の基本情報の入力
- 保険の確認と入力
- カルテを見ながら、点数の入力
- 会計
- 予約の確認
- 処方箋内容の確認
- 他院の予約を取る
上記以外にも、入院を扱っている病院であれば、入退院の手続きなどが仕事に含まれます。
補助的な業務
窓口業務以外でも、カルテの入力や診療補助を担当する職場もあります。
カルテの入力は、ドクターに代わってカルテの入力をする業務です。
小規模なクリニックでは担当するケースは少ないですが、医療専門用語などの知識が求められます。
診療補助は、クリニックのなかでも耳鼻咽喉科、眼科、整形外科などで多く、
- 診療中のドクター補助
- 看護師の補助
- リハビリの助手
上記などを担当するお仕事です。
請求業務(レセプト)
患者さまの対応以外でも、「レセプト」と呼ばれるお仕事があります。
これは、患者さまが窓口で支払った以外の医療費を、保険者に請求する業務です。
◆レセプトとは?
診療報酬明細書(レセプト)を作成するだけではなく、「レセプトチェック」という仕事もあります。
保険組合などに請求する前に、レセプトの内容が合っているかを点検する業務なので、専門知識が必要です。
未経験の方であれば、まったく勉強せずに、いきなりレセプトを端から端まで見ることは難しいかもしれません。
まずは勤務する医療機関では、何を算定しているのかをチェックしてみましょう。
業務を覚えていくステップとしては、
- まずはレセプト上の保険証のチェック
- 出来るようになったら初診料算定のチェック
- 再診料算定のチェック
- 初再診料の時間加算
上記のように、一つずつ進んでいく形で大丈夫です。
医療事務で必要となる知識・スキルは?
医療事務で働く場合は、資格が必須というわけではありません。
ただ、「医療保険」については、できるだけ勉強しておくことをオススメします。
医療事務として採用されると、まずは「レセコン」の使い方をマスターすることになるでしょう。
レセプトコンピュータとは、レセプト(診療報酬明細書)を作成するコンピュータもしくは専用ソフトウェアを指す。一般的にはレセコンと略される。
出典:Wikipedia
まったくの初めてであれば、レセコンの使い方もすぐに覚えられるものではありません。
さらに「保険証の見方も分からない」となると、入ってからかなり苦労するはずです……
保険証には、
- 氏名
- 保険者の記号・番号
- 生年月日
- 被扶養者であれば家族の名前
- 資格取得日
- 有効期限(社保にはある場合とない場合があります)
上記などが記載されており、それらの情報をレセコンに入力していきます。
保険証の番号などを暗記する必要はないのですが、
どこに何が記載されているか?
ということが理解できていれば、短時間で入力できるようになるでしょう。
医療事務で採用されるのはどんな人?
医療事務の求人は、
というのが魅力です。
年齢制限がある病院もありますが、自分の条件と一致している病院だけを探せばいいので、とくに問題ありません。
筆者の場合は、転職活動を始めたときは41歳。
年齢は若干気になりましたが、
経験者の強みがあるし、すぐに採用されるだろう
このように思っていました。
しかし、医療事務の仕事は、経験者だから有利になるとはかぎりません。
未経験者のほうが採用されやすい場合もあるのです。
ここでは、筆者が実際に医療事務の求人探しをしてみて感じた、医療事務で採用されやすい人の特徴についてお話しします。
未経験でも問題ない求人は多い
筆者が狙っていた求人は、「外来だけのクリニック」でした。
元々クリニックの経験しかなかったので、応募に対する視野が狭くなっていたのかもしれません。
求人の募集内容を見たときに、
- 経験者優遇
- 経験○年以上
と書いてあれば、当然ながら経験者を必要としていると思いますよね?
しかし、実際には例外もあるようで、求人票には「経験者優遇」と並記して「未経験者歓迎」と書かれていることも……
結局のところは、経験はあってもなくてもどちらでもいいわけです。
として考えたほうが、無難なのかもしれません。
資格が仇になることもある
医療事務には、民間の資格が存在しています。
ただ、医療事務の仕事では、資格が必須というわけではありません。
「資格を持っているから優遇される」というわけでもないのです。
筆者は「医療事務をやろう!」と思ったとき、まず医療事務の学校に通いました。
ただ、正直なところ、何の役にも立っていない気がします……
むしろ役に立つどころか、面接の際にマイナスになることもあったくらいです。
取得した民間資格は、「医療事務職2級」というものだったのですが、履歴書に資格を書いて面接に行ったら、喝を入れられた経験があります。
年配の医師で、上からモノを言うタイプの人だったのですが、
こんなもんは必要ない、医療事務は経験がすべてだ!
こんな調子で、ほぼ怒られている感じでした……
怒られたことがトラウマとなって、
民間資格は書かないほうがいいのかなぁ?
履歴書を書くときに、毎回このように悩んでしまうくらいです。
ただ、求人のなかには「要医療事務資格」というのも見掛けますから、資格必須の求人では、もちろん書くようにしてくださいね。
「経験者」であることがマイナスになることも…
筆者が20件以上の面接を受けてみて思ったのは、
経験者は強みではなく、弱みにもなりうる
ということ。
下手に経験があると、相手に嫌がられるケースも多いのです。
確かに、筆者にも思い当たる節があります。
筆者が勤めていたクリニックで、医療事務経験者の人が後輩として入ってきたとき、
前の病院では○○でした
なにを教えても、こんなふうに繰り返し言われるので、
これなら、何にも知らない未経験の人に、イチから教えたほうがよっぽどマシだ…
と思ったものです。
医療事務に関しては、経験をアピールしすぎるよりも、控えめなほうがよい印象を与えるかもしれません。
医療事務の求人を探す方法
ここでは、実際に医療事務の求人を探す方法をご紹介します。
採用の入り口は人によって異なりますので、以下を参考にして、自分に合った勤務先を探していきましょう。
転職サイト・求人サイト
まずいちばん初めにしておきたいのは、転職サイトへの登録です。
すぐには希望通りの案件が見つからなくても、転職のための情報量の多さはダントツですし、無料で利用できますから、ぜひ登録しておきましょう。
大手の転職サイトであれば、業種・職種の枠を問わず、常に数多くの求人情報が掲載されています。
高度な検索機能もあるので、
職種 / 地域 / 年収 / 福利厚生 など
上記のような条件で、求人を簡単に絞り込むことが可能です。
インターネット上でいつでも簡単に応募できますから、家事や育児の合間でも、転職活動がしやすいですよ!
医療事務の求人は、dodaやリクナビNEXTなどの大手転職サイトでも探せますが、医療業界特化型のサイトも存在しています。
病院の規模やクリニックの診療科、仕事内容をより細かく選択できるようになっていますので、こだわりがある人はぜひ使ってみましょう。
転職エージェント
転職エージェントは、自分の希望や適正に合わせて、マッチする職場を紹介してくれるサービスです。
エージェントを利用する場合は、担当者との面談(ヒアリング)を実施して、自分に合う就職先を絞り込んでいきます。
時間はかかりますが、
ミスマッチがない就職先を見つけたい!
という人には向いているでしょう。
転職エージェントは膨大な求人を保有していますので、
- 40代以降のベテラン歓迎
- 子育て・介護との両立を支援します
こういった求人も少なくありません。
給料や条件のいい人気の医療機関ほど、求人情報を一般公開せずエージェントに登録しているケースも多いため、積極的に利用していきましょう。
ただし、大半が正社員求人であるという点に注意が必要です。
パート・アルバイト職を希望する場合は、他の方法で求人を探すことをおすすめします。
転職エージェントは人材が採用されたときに、採用側から成功報酬を得るビジネスモデルのため、転職者の利用は無料です。
エージェントの選び方については、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
派遣会社
派遣会社に登録すると、転職エージェントと同じように、自分に合った就職先を紹介してくれます。
病院に直接応募するよりも給与相場が上がりやすいので、
同僚よりも給与条件がいいみたい…
こういった職場に出会えるかもしれません。
ただし、その分しがらみが多いことにも注意が必要です。
- 「直雇用の正社員ではない」ことを理由に、どこか距離を置かれてしまう
- 短期アルバイトと同じような扱いを受けて、細やかな情報を共有してもらえない
上記のような扱いを受けて、疎外感を感じるケースもあるでしょう。
また、基本的には3年以内に派遣先が変わるため、どうしても職場に定着しづらいという問題が生じます。
しかし、40代は子どもの成長に合わせて、何かと働き方の希望が変わりやすい年代です。
3年にいちど職場が変わることを、ポジティブに捉えられる人であれば、派遣社員という選択もアリかもしれませんね。
ハローワーク
ハローワークは47都道府県全てに設置されており、予約なしでいつでも就職相談にいける公的施設です。
地域特化型の運営をしている医療機関と相性がよく、インターネットに掲載されていない案件も多数存在します。
公共の職業紹介機関ですから、採用側は無料で求人を掲載することが可能です。
そのため、
ブラックな求人が紛れていたりしないかな…
こういった心配をしている人もいるでしょう。
ですが、質の悪い求人は見分けることができますし、窓口で確認すれば、さまざまな情報を教えてもらえますよ。
また、子育てとの両立を目指す女性向けの「マザーズコーナー」という窓口も用意されています。
マザーズコーナーは名前のとおり、働くママを応援するための窓口です。
子どもの年齢に関係なく、子育てをしている女性であれば、誰でも利用することができます。
利用者はそれほど多くないので、一般窓口よりも待ち時間も短いですよ。
利用するマザーズコーナーによっては、希望条件を伝えておくことで、
といった対応をしてくれるところもあります。
ハローワークなどの公共支援サービスについては、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
折り込みチラシ
新聞に挟まっている折り込みチラシにも、医療事務の求人が掲載されていることがあります。
折り込みチラシの利点は、
40代~50代女性をターゲットにした求人が多い
ということです。
医療事務のほかにも、
- 介護職
- 清掃
- 飲食店やスーパーでの接客
- 内職など
上記のような求人が載っている割合が高いので、無理なく通いやすい近所の案件がたくさん見つかります。
年齢をネックに考えている人でも、応募しやすい求人が多いので、ぜひチェックしてみましょう。
求人情報誌
コンビニや駅で無料配布している求人情報誌も、貴重な情報源です。
- 医療・看護・介護・福祉・保育の仕事
- 未経験からチャレンジできる仕事
- ブランクあり歓迎の仕事
上記のような、医療事務を希望する40代にマッチする特集が組まれていることもあります。
ただし、正社員求人の割合は少なくなりがちです。
正社員を希望している人は「正社員特集」が組まれている号を狙いつつ、他の方法でも同時並行で探すことをおすすめします。
各医院のホームページ
病院などでは、ホームページ上に採用情報を掲載していることも多いです。
近隣の病院やクリニック名で検索して、いちど情報をチェックしてみましょう。
早い場合だと、連絡をしたその日のうちに、面接をしてくれる場合も……
エージェントや派遣会社などの仲介を挟まない分、スピーディに就職できる可能性があります。
ただし、求人数は圧倒的に少ないです。
看護師や臨床検査技師など、専門職限定の掲載が多いので、ホームページだけに頼って求人を探すのはオススメできません。
あくまでも他の方法で求人を探しながら、
ご縁のある病院はないかな…
というくらいの気持ちでチェックしてみましょう。
友人・知人からの紹介
医療業界は、意外と紹介による入職も多いものです。
医療事務で働きたいので、いい求人があれば教えて!
と友達や親戚に伝えておけば、ツテを頼って就職できるかもしれません。
あらかじめ年齢や簡単なプロフィールを伝えてもらえれば、面接の通過率も上がるでしょう。
ただし、距離が近すぎる知り合いと同じ職場で働く場合は、
- ママ友と同じ職場で働いていたけれど、ちょっとしたことから気まずくなってしまった
- 紹介を受けた身なので、辞めたいと思ったときに辞めづらい
こういったデメリットも少なからずあります。
就職するときのことだけでなく、実際に働いているときのイメージも膨らませながら、応募を検討していきましょう。
働き方に応じて、応募する医療機関の種別を考えよう
転職活動をしていた頃の筆者は、育児中であまり時間の自由がきかない状況でした。
しかし、時間に対するリスクがあるにも関わらず、
なんとかクリニックで働けないかな…
こんなふうに固執して考えていたのです。
その結果、面接を20件以上こなしても、不採用が続いてしまいました。
フルタイム勤務に支障をきたす可能性がある場合は、クリニックなど少人数で回している職場は不向きです。
医療事務で働くにしても、自身の働き方に応じて、応募する医療機関を柔軟に考えましょう。
育児中なら中規模以上の病院がベスト
育児中なら、子どもの体調不良で、急に休んだり早退するケースもあるので、なかなか思うように働けません。
他に子どもを看てくれる人がいるなら話は別ですが、
少人数の職場で働くことは難しいかもしれない…
と考えておきましょう。
しかし、中規模以上の病院であれば、それなりの数のスタッフが揃っています。
子どもの事情で1人や2人休んでも、職場の仕事が混乱することはありません。
育児中でも、採用してもらえる可能性が高くなるはずです。
最終的に筆者を採用してくれたのも、60床ある中規模病院でした。
育児中だけど医療事務で働きたい!
このように考えているのなら、中規模以上の病院で働くことを検討してみましょう。
時間に縛りがないならクリニックもあり
フルタイムで問題なく働けるなら、クリニック勤務も可能です。
年齢不問のクリニックなら、40代や50代でも問題なく採用されるでしょう。
クリニックでは、午後の診察が長引くと、夜になってしまうことも珍しくありません。
診療が終わるまで勤務可能です!
このような人なら、きっと重宝されるでしょう。
筆者の場合は、育児中で残業に対応できなかったので、不採用となるのは必然でした……
短期間やパート・派遣の勤務ならレセプト業務もおすすめ
医療事務をやってみたいけど、
ちょっとフルタイム勤務は無理だな…
という方であれば、短期・短時間の勤務でレセプトだけ対応するというのもありです。
筆者も過去に、月末月初だけ「レセプトスタッフ」として働いたことがあるのですが、
よかったら正社員として働きませんか?
という流れも可能性はありますよ!
医療事務にこだわらない選択が功を奏することもある
転職先の選択肢として、医療事務の一択で転職活動していた筆者。
さすがに20件以上も不採用が続くと、精神的にも疲れが出てきて弱気になってしまい、
もう医療事務だけに、そこまでこだわらなくてもいいかな…
と目先を変えたのですが、その途端に明るい兆しが見えてくるようになりました。
思いもしなかった「病棟事務」という仕事
クリニックをあきらめて、ちょっと大きめの病院に応募してみたときのこと。
その病院には、医療事務として面接に行ったにもかかわらず、病棟事務として働くことが決まったのです。
なぜか面接もリラックスできて、素に近い自分を出せたのがよかったのかもしれません。
- 人並み程度のパソコンスキル
- 人と接することに抵抗がないこと
という点が評価されて、病棟事務としての採用を打診されました。
ナースステーションが職場に!
転職先として、病棟事務という選択肢があったなんて、自分でも驚きでした。
ナースステーションで医師や看護師、看護補助さんと働く環境は、物凄く新鮮で毎日楽しく働いています。
患者さんとの距離も近いですし、病棟事務の仕事は、
自分の天職かもしれない…
このように思えてしまうくらいです。
これも不採用地獄を経験したからこそ。
不採用のおかげで、こだわりを捨てることができ、医療事務以外の道を開くことができました。
結果として、今まで学んできたスキルがすべて役に立ち、とてもやりがいを感じる理想の仕事に出会うことができたのです。
まとめ:働き方にあわせて、応募先の間口を広げてみよう
今回は、医療事務への転職を考える40代の方に向けて、
- 医療事務の仕事内容、必要なスキル
- 医療事務で採用されるのはどんな人?
- 医療事務の求人を探す方法
上記などについてお話ししてきました。
医療事務経験者にも関わらず、筆者が不採用続きになってしまった原因は、
働き方にマッチした応募先を選んでいなかったから
この点に尽きると思っています。
40代でも医療事務に転職するのは可能です。
それにもしかしたら、経験者よりも未経験者の方が、採用される確率は高いかもしれません。
医療事務の仕事を検討している方なら、年齢や経験は気にせずに、ぜひチャレンジしてみてください。
筆者が病棟事務で就職できたように、他の医療職種にも目を向ければ、転職の可能性はもっと広がっていくはずですよ!
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