【49歳の転職体験記】無職になったダメおっさんが再起した方法とは?
この記事では、筆者が49歳で転職した活動体験記を、赤裸々に書き綴っています。
最初に申し上げておくと、転職に対する準備をおろそかにした結果、筆者の転職活動はとても苦しいものでした。
そういったところまで、もれなくお話ししていますので、これから転職をしようと検討されている方は、反面教師的な参考事例としてぜひ参考にしてください。
転職は計画的に
40代で転職をしようと思ったきっかけ
転職を決意した当時の筆者は、49歳。
某大手アパート建築会社の営業マン・管理職として、9年目に差しかかったところでした。
基本給は少ないのですが、顧客から契約を取ればその分報奨金が別枠で支給され、優秀な営業マンであれば年収は青天井です。
ただ当然のごとく、
契約が取れなければ解雇ね!
このような「ゼロか100か」という環境でした。
顧客の契約金額は、6,000万円前後から最大で3億円くらいの間でしょうか。
年収1,000万~3,000万円前後もらって、華々しく活躍する営業マンの陰で、
そんな世界でした……
お施主様(オーナー様)のメリットが最大になるような提案をして、
- オーナー様も潤い(アパートの収入)
- 会社も潤い(建築費の利益)
- 自身も潤う(報奨金が入る)
上記のように、登場人物全員が潤う提案ができるのが理想的です。
しかし業界の中にいると、そんな理想通りには行かない現実にも突き当たることになります。
競合したライバル会社に勝ちたくて、徹底的に比較したんです。それぞれのアパート事業の内容を……
なななんと、ライバル会社の提案しているアパート経営のやり方のほうが、オーナー様のメリットが大きいのです!
もう逆立ちしても勝てません。
ウチのプランの方が良いですよ!
こんなふうに言えないんです。だってそう言ったらウソですもの……
元上司の甘い誘惑が、地獄の始まりだった…
かくして筆者は転職を決意しました。
というのも、1年ほど前に超一流企業への転職に成功していた元上司から、
一緒に働かないか?
このように誘われていて、いまの職場に限界を感じていた筆者は、すぐにその話に飛びついたのです。
お前レベルの人材が居なくて困ってる
はやく辞めてウチにこいよ
こっちは受け入れ態勢ができてるぞ!
元上司からは、まるで愛の告白のような、甘い言葉のオンパレードでした。
実際、いつから来れるんだ?
この言葉を聞いてからは、もうその超一流企業(A社)で働いている自分を頭に思い描き、いまの職場で窒息しそうだった筆者は、転職が決まる前に退職してしまったのです。(!!!!!!!!!!!)
ドラクエなら、呪いのベルトを装備したときのBGMが鳴り響く場面ですね……
この瞬間、筆者は課長Lv49から、
MA まるで
DA ダメな
O おっさん
略してマダオLv1へ転職
—-ここが地獄の始まりでございます。—-
面接でしどろもどろ
元上司の甘い誘惑は罠だった
A社に転職した元上司からは、
形だけでいいから出しておいて!
このように言われていたので、とりあえず履歴書や志望書類を提出し、面接の日時が決まりました。
アパートに特化していた前職の業務とは異なり、個人住宅から高層ビルまで総合建築を手掛けるA社。
ただ、違いはあれど同じ建築業界です。
そのまま自然体で来てくれればいいよ
このような元上司の言葉をそのまま鵜呑みにして、面接当日を迎えたのです。
結果からいうと、落選するべくして落選となりました……
どうにも元上司の発言の熱量と、面接官の熱量は真逆だったのです。
実際に面接を受けてみて思ったのは、筆者は単に中途採用にエントリーした、ただの中年男性に過ぎませんでした。
半ばヘッドハンティングされて、出来レースを走るエリートでも何でも無い、『ただの無職』だったのです。
元上司には悪意はなく、
選考には通るだろう…
と素で思っていたようですが、世の中はそんなに甘くはありません。
ひのきの棒でラスボスに挑むな
これをカンチガイと言わずして、何をカンチガイと称するのでしょう?
減量に失敗したボクサーにすら怒られるレベルです。
戦う準備すらしていませんでした……
しかも、退職して1発目の企業が本命【ラスボス】だったです。
レベル上げもせずに、
「ぬののふく」と「ひのきのぼう」のままで、竜王に挑んでしまったマダオでした。
面接のトーク内容は仕上げておけ
面接のなかで、
- 前職での経験や部下の育成
- お施主様への事業提案の内容 など
これまで自分が行ってきたことや、自分がA社にもたらすメリットなど、話すには話したのです。
しかし、面接官の反応はどれも、
フーン、そうですか…
このような域を出ることがなく、だんだんとこちらの準備不足、覚悟不足を見透かされていくような展開に。
もう絶賛しどろもどろです……
面接が終了して、
何か質問ありますか?
こう聞かれたときに、確信しました。
これはヤッチマッタ…
貯金はHPゲージ
自己都合による退職のデメリット
その後の筆者は、ワールドカップでオウンゴールを決めて敗退した選手、そのまんまでございました。
退職して、残った有給を消化して、しばらくは悠々自適にリフレッシュだな…
そして意識高い系営業として、A社で大活躍だ!
もう自分のカンチガイっぷりに 穴掘って土下座しても足りないほど、こっぱずかしさでございます。
そしてさらに気づきました、「自己都合による退職」です。
失業保険も待機で3ヶ月は出ないし、出ても最大で5ヶ月間のみ。
住宅ローンはあるし、車のローンも2台分残っています。
体の弱い妻は働けず、子供は高校生。カードの支払いだって待ってはくれません……
回復することのないHPゲージ
ゲーム画面上で、筆者の頭上に表示されるのは、「戦士Lv10」とかではなく「無職」です。
そしてハタと気づきました、貯金こそがHPゲージなのだと。
HPゲージは日々減っていきます。宿屋で休んでもけっして回復しません。
そして、HPゲージが真っ赤な0になったときは、ゲームオーバーです。
家に車にベタベタ貼られる「差し押さえ」の映像が、脳内に浮かんでゾッといたしました……
ただの無職(マダオ)になった筆者は、HPゲージが0になる前に、どこかに辿り着かなくてはなりません。
脳内のA社採用は何だったのでしょうか?
おとなになったらユーチューバーになりたいです!
満面の笑みでこう語る子どものようなものでした……
まるでダメなオっさんの逆襲
ようやく筆者にも、
自分はとんでもない失敗をやらかしてしまったのか…
このようなことが、実感として胸に突き刺さってきました。
なんでしょうか?
お尻のANAを毒蛇にチロチロ舐められているかのような、湧き上がる不快感と恐怖心。
日々ジリジリと追い詰められていく感覚……
最悪でしたね。
でもいつまでも、毒蛇にアレコレ舐められていても始まりません。
ここからがマダオの逆襲でございます。
40歳を過ぎるとそもそも書類が通らない
転職サービスへ登録してみた
最初に始めたのは、ネットの転職サービスへの登録でした。
登録して自分のプロフィールを埋めていくと、ネット上で履歴書が編集されていきます。
ひと昔前なら、
履歴書は手書きで書くように!
このような風潮がありましたよね。
しかし、ネットからエントリーする現代では、デジタルの履歴書でも遜色なく機能を果たしてくれます。
手書き文字が苦手な筆者には、これはとても助かりました。
過去の職歴も転職サイトのなかで埋めて行くので すべてを記載すれば、自動的に職務経歴書もでき上がります。
もう片っ端からコピペ登録して、希望する職種や年収など、条件の合いそうな企業に応募していきました。
転職サイトの選び方や活用する方法、40代におすすめの11社を以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
しかし求人がない
でも合わないんですよね、この年齢で希望年収を満たす求人が圧倒的にありません。
あったとしても、「東京都内」限定で、「完全同業種の経験年数○年以上のマネージャー」という感じで、もうピンポイントすぎます。
そもそも企業として、
国家資格の有資格者を○人揃えなきゃいけない…
こういった事情でもない限り、資格の必要もない営業職であれば、50代よりは40代、40代よりは30代、30代よりは20代です。
若いほうが伸びしろもあるし、管理職からしたら使いやすいですよね。人件費だって抑えられますし。
そもそも求人が無い。そして応募しても書類が通らない……
これはもう通行止めです。
世界から拒絶された自分
圧倒的弱者(ざわざわ)
最初のうちは選ぼうとするんです、こちらも。
案件が少ないながらも条件を比較してみたり、
面接日が被ったりしたら、迷惑をかけてしまうな…
このような心配をしたりとか。
そんな配慮はまったく必要なかったです。
最初のうちはドキドキしながら、すごく比較して吟味して、応募のEnterボタンも気合とともに、
ポチっとな!!!!!
こんなふうにやるんですけど、
応募に対しての企業からの返信が、テンプレートどおりの、
誠に残念ですが、今回は不採用…
上記の内容ばっかりです
1通2通、5通、10通と届くようなると、
あれ?おかしいな。ぼくのインターネッツ、どこかこわれたかな?
などとつぶやくようになり……
テンプレの不採用メールが30通を超えると、心が折れてきます。
心の奥がざわざわしてきます。
かつての部下が、輝かしい転身をとげていた
この頃、さらに息の根を止めるような痛恨の一撃も食らいました。
筆者が在職中に、イチから育てた部下くんが、大手企業への転職を成功させていたのです。
筆者がイチから様々な事を教え、彼を成長に導けたのは、自分のなかでも大きな自信となっていて、とても思い入れのある部下でした。
ある企業でなんとか面接までこぎつけて、いざ面接会場に行ってみると、
えっ? あれは部下くんでは?
なんとその彼が働いていたのです……
彼は新天地でピカピカに輝いて、そして筆者の面接結果は「不採用」。
もう世界中から全否定されて、
お前は役立たずだ!
と突き付けられているようです。
とにかく凹みました……
マダオが見つけた最後の秘策とは?
ネットがダメなら、ハローワークがあるじゃない
もうまったく後がありません。HPゲージはもう真っ赤です。
脳内では管財人が、「差し押さえ」の札を持ってウロウロしています。
筆者は、
もうなりふり構っていられない!
と地元のハローワークに出向いて、とにかく求人票を漁りました。
地元のハローワークなら、ネットよりも面接まで行ける確率はグッと上がります。
ネット上にある大量の情報のなかでは、筆者という49歳のマダオは、本当に無価値な無職でしかありません。
モニターに映る情報の一遍にしか過ぎないのです。
採用担当があなたの資料を手に取るタイミングにすべてを掛けろ
少なくとも面接する時点では、事前にその応募する企業の会社概要を読み込み、
- 自分がどんなメリットをもたらす事が出来るのか?
- 自分が何をしたいのか?
- なぜその会社を選んだのか?
上記のような部分を、文章にまで落とし込んでおくべきだと感じます。
- 話す内容をぼんやりとしたイメージで準備しておく
この程度ではダメで、音読して「ですます調」で言い切る形まで、しっかり準備をしておくべきです。
そして面接のチャンスをもらえたなら、最大限の自分プレゼンを仕掛けましょう。
履歴書、職務経歴書、もうひとつ「自分プレゼン資料」。
この3つを用意してください。
履歴書も職務経歴書も、よほど優秀な数字が計上できているのなら、それで充分かもしれません。
しかし、面接官の前にいる自分は、49歳ヨレヨレの無職のマダオです。
向き合って座っている段階で、マダオが圧倒的に不利な状況であることは、面接官にも透けて見えています。
椅子に座った時点で、面接官にマウントを取られているのです。
40代が書類選考を通過するために押さえるべきポイントは、応募書類(履歴書・職務経歴書)の書き方でご紹介していますので、あわせてご確認ください。
自分プレゼン資料が採用の決め手に
幸いにして筆者の場合は、前々職でデザインの経験や、画像加工技術をベースにしたプレゼン資料作りには自信がありました。
そこで思いっきりケレン味の効いた、「自分プレゼン資料」を作ったのです。
面接官が手に取る瞬間に、
おお! すごい資料ですね!
と声が出るような、パンチの効いた(ハッタリ)デザインのオンパレード。
その資料を面接官が手に取る瞬間も、シミュレーションしておきます。
1枚目には視覚的に圧倒する(だけの)デザインを載せ、2枚目以降に自分の紹介や過去こなしたプロジェクト、部下の育成などをまとめておきます。
時系列でまとめ、目立つ付せんを貼って視線を誘導。
細かい数字などは追わなくても、筆者がどんな業務をしてきたのか、全体像が掴めるような資料に仕上げました。
内容は大したこと無いのですが、パッと見で、実にハッタリの効いた、
これは仕事ができるオトナだわ!
このような印象を面接官に与えるための資料です。
そのスタイルで面接を受けるようになってから、5か6社目でしょうか。
やっと最後の選考を通過して、転職の神殿で「会社員Lv1」にクラスチェンジすることができました。
おわりに
転職活動でもがいている時期は、地獄に堕ちた餓鬼どもの群れのなかで、天界からの一筋の蜘蛛の糸を待ち望んでいるようなイメージでした。
「たられば」でしかありませんが、
最初のA社の面接時にさえ、油断せず準備万端にしていれば…
自分がしっかり準備をして面接にのぞんでいたら、まったく違う未来を引き当てていたのかもしれません。
魑魅魍魎の群れを掻き分けて、その糸を掴んでください。その瞬間は突然にやってきます。
準備しておいてください。大事なことなのでもう一度言います。
準備しておいてください。
あなたとあなたの家族のために……
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