公的手続き

再就職手当とは?早く転職するほどおトクな制度!【社労士が解説】

失業保険(失業等給付)に、「再就職手当」というものがあるのをご存知ですか?

失業保険は失業中の生活費を援助してくれるもの。

しかし早く再就職を決めた場合に、もらえるはずだった失業保険のお金は、再就職手当として支給してくれるのです。

ギリギリまで失業保険をもらい続けるのも選択肢ですが、再就職手当はいわばお祝い金ですから、生活費としてではなく自由にお金が使える分、おトクな制度といえます。

転職活動をする上で、再就職手当がどんなものなのかを、ぜひとも知っておきたいですよね。

現役の社労士である筆者が、再就職手当について詳しく解説していきます。

再就職手当とはどんな手当なの?

まずは再就職手当の基本的な仕組みについてお話ししていきましょう。

再就職手当とは?

失業保険をもらいながら仕事を探している人が、早期に就職したり自営業を始めた場合に支給されるお金です。

制度の性格上、早く就職すればするほど再就職手当の金額も多くなります。

早く就職する方がおトクな理由

失業している人からすれば、できるだけ長く失業保険をもらい続けて、ゆっくり仕事を探したいと考えるものです。

早く就職が決まったら失業保険が出なくなるわけですから、ある意味当然といえるでしょう。

しかし政府は、失業保険をギリギリまで貰おうとする人を、できるだけ減らしたいと考えています。

なぜかといえば、早く就職してもらえば、その分早く税金を納めてもらう事ができますから…

そこで政府は早く就職した人に対して、もらえるはずだった失業保険を再就職手当として支給して、失業者の方の早期再就職を促進したいと考えているのです。

再就職手当はいくらくらいもらえるの?

再就職手当のもらえる金額は、失業保険がどれだけ残っているかで変わってきます。

再就職手当を受給できる金額
  • 失業保険の残りの日数を3分の2以上残して就職した場合
    →失業保険の1日あたりの金額×失業保険の残りの日数×70%
  • 失業保険の残りの日数を3分の1以上残して就職した場合
    →失業保険の1日あたりの金額×失業保険の残りの日数×60%

たとえば、失業保険が支給される日数が90日の人で、失業保険の1日あたりの金額が5,000円の人の場合、

  • 失業保険を70日残して就職→5,000円×70日×70%=245,000円
  • 失業保険を40日残して就職→5,000円×40日×60%=120,000円

上記が再就職手当として支給されるのです。

こうやって比べてみると、早く就職したほうが、もらえる金額が多いことがお分かりいただけるでしょう。

再就職手当には、もちろん税金もかかりません!

再就職手当はいつどんな手続きでもらえるのか?

まずは失業保険の手続きを、ハローワークで行うことが大前提となります。

そのうえで転職が決まったら、再就職手当の支給申請書をハローワークに提出して申請します。

再就職手当の申請手続き

再就職手当支給申請書には事業主証明欄があり、転職先の会社に記入してもらう箇所があります。

入社した会社に記入してもらって、ハローワークに提出するようにしましょう。

▼再就職手当の手続きに関する詳細はこちら▼

再就職手当はいつもらえるの?

ハローワークに提出してから、およそ1ヶ月前後のタイミングで、ハローワークから会社宛てに在籍確認の電話が入ります。

会社の在籍確認が取れたのちに、支給決定の通知書が自宅に届いて、再就職手当が銀行振込されるのです。

再就職手当の申請から会社への在籍確認、金額の銀行振り込みまでに1ヶ月以上のタイムラグがありますので、すぐに会社を辞めたいとなった場合などは注意が必要です。

再就職手当をもらうための注意点

再就職手当をもらうための注意点は以下の通りです。

失業保険の手続きをする前に、転職先が決まっていたら受給できない

転職をするときに、仕事をしながら転職先を探すことが多いでしょう。

そして転職先が決まったら前の会社を退職して、すぐに新しい会社に入社するかと思います。

この場合は、失業保険の手続きをする前に転職先が決まってしまっているので、再就職手当をもらうことはできません。

契約社員やアルバイト、パートの場合は要注意

再就職手当をもらうには、安定した職業に就くことが条件になっています。

具体的には、以下が判断基準となります。

  • 転職先で雇用保険に入ることができる
  • 1年以上続けて働く見込みがある

とくに契約社員の場合は、契約期間が設定されることがありますが、1年で雇用契約が終了するケースでは、再就職手当の対象になりません。

契約が自動更新になっていない場合は注意が必要です。

ハローワークに再就職手当の対象になる仕事なのか、事前に確認しておくようにしましょう。

待機期間後の1ヶ月間は就職の仕方に注意!

再就職手当をもらうには、待期期間後の1ヶ月間は、ハローワークか職業紹介事業者から、求人紹介を受けることが条件となっています。

たとえば、チラシやインターネットなどで求人を見て、自分で求人に申し込んで内定をもらえた場合。

待期期間後の1ヶ月以内であれば、再就職手当は支給されないのです。

待期期間後の1ヶ月が経過してしまえば、チラシやインターネットなどの求人でも大丈夫なのですが、注意をしておきましょう。

ちなみに職業紹介事業者とは、いわゆる人材紹介会社のことで、厚生労働省の許可を受けた業者です。

紹介してもらう前に、その業者に確認しておくことをおすすめします。

再就職手当を過去3年以内にもらっている場合はもらえない

再就職手当を一度もらったら、最低でも3年以上は間隔が空いていないと、再びもらうことはできません。

これは再就職手当にお祝い金の性質があるためで、短期間に何度ももらうことができないように設定されています。

転職してすぐに辞める場合は、残っている失業保険をもらえることもある

転職先が見つかって、めでたく入社したものの、実際に職場で働き出すと、いろいろと問題が見つかることがあるかもしれません。

その場合は退職の文字が頭をよぎりますが、失業保険はどうなるのか気になるところです。

失業保険の受給期間がまだ残っている場合は、再就職手当をもらわなかったとしても、ハローワークに申請すれば失業保険として支給されます。

支給総額として、どちらで損得をするということはありませんのでご安心ください。

再就職手当をもらわずに退職する場合

再就職手当をもらわずに退職する場合は、残りの失業保険を受給できる可能性が高いので、すぐにハローワークに相談するようにしましょう。

再就職手当をもらってから退職する場合

再就職手当をもらった場合は、失業保険から再就職手当の分を差し引いても、まだ失業保険の支給額が残っていれば、残り分の失業保険は受給することができます。

この場合も退職届を書く前に、ハローワークに相談しておくことをおすすめします。

起業しても再就職手当はもらえる!

再就職手当という名前から、会社を辞めて企業する人は対象外と思えるのですが、要件を満たす場合は、起業しても支給されます。

起業して再就職手当をもらう場合は、待期期間終了後に1ヶ月を経過してから、開業をすれば大丈夫です。

申請には登記事項証明書や開業届など、開業したことが分かる書類を添付することが必要となります。

ただし、「自立することができると認められる」という条件がありますので、業種によっては再就職手当の対象とならない可能性があります。

独立を予定している場合は、その業種が再就職手当の対象になるのか、どのような必要書類があるのか、事前にハローワークで確認しておきましょう。

まとめ:再就職手当を有効活用しよう!

失業保険をギリギリまで使うことも選択肢としてありますが、失業保険をもらうためだけに転職時期を伸ばすのは、転職活動を不利にするリスクがあります。

それならば早々に就職を決めて、給料以外に再就職手当もゲットしておきましょう。

もらったお金は、スキルアップのための資金に活用するもよし、再就職祝いの旅行資金にしてもいいでしょう。

せっかくの制度ですから、有効に活用して人生を思い切り楽しみましょう!

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この記事を書いた人
すすむ
40代男性、兵庫県在住。社会保険労務士の資格を取ったことを機に、10数年勤めていた製造業を辞め、社労士事務所に転職しました。毎日が発見の連続で、やり甲斐を感じながら楽しく働いています。

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