在籍証明書は退職後でも発行できる?書式や依頼方法を詳しく解説します

在籍証明書は退職後でも発行できる?

会社から在籍証明書を提出するように言われたけど、普段は扱わない書類なので、

何のために必要な書類なの?

退職した会社にどう依頼すればいいのだろうか…

このように悩んでしまいますよね。

筆者はかつて法務部・人事部に在籍していたのですが、社員からの依頼を受けて、様々なところに提出する在籍証明書を作成していました。

そこでこの記事では、筆者の過去の経験にもとづいて、

上記について詳しく解説しています。

必要な情報をわかりやすくお話ししていますので、ぜひ最後までご覧いただいて参考にしてください。

目次

在籍証明書とはどのような書類なのか

在籍証明書とは、いったいどんな書類なのでしょうか。退職証明書とはまた違うもの?

まずは基本的なところを確認してみましょう。

在籍証明書とは?

在籍証明書とは、あなたがその会社に在籍している、または以前在籍していたことを証明するために、会社が発行する書類のことです。

在籍証明書は、法律で作成を義務付ける書類ではなく、会社が任意で作成する書類となります。

そのため、決まった名称や書式が存在するわけではありません

名称は「在職証明書」や「就労証明書」などさまざまで、記載すべき項目の決まりもとくに無いのです。

ただし、提出先によっては「決まった用紙」が準備されていることもあるので、その場合は所定の用紙で発行を依頼しましょう。

例えば、認可保育園などの申込み時に添付する在籍証明書であれば、各市区町村で用紙が決まっています。

在籍証明書・就労証明書・退職証明書の違いと役割

在籍証明書・就労証明書・退職証明書は、それぞれ以下のように異なっており、別の書式です。

3つの書式の違い
  • 在籍証明書
    アパートの契約時などに使われ、記載項目が法律で決められていない
  • 就労証明書
    市区町村への認可保育所の申込み時に使われ、市区町村で書式が決められている
  • 退職証明書
    転職先への提出などに使われ、記載項目が法律で決められている

退職証明書については、記載内容などが労働基準法22条で以下のように定められています。

1.退職時の証明書の交付義務

労働基準法では、労働者が退職の場合において、証明書を請求した場合、使用者は遅滞なく交付しなければならないとされています(同法第22条第1項)。
労働者が証明書を請求できる事項は、
・使用期間
・業務の種類
・その事業における地位
・賃金
・退職の事由(退職の事由が解雇の場合は、その理由を含む)
となっております。

参考:福島県ホームページ「退職時の証明書の交付」より

ただ提出を求める転職先としては、在籍証明書と退職証明書を同じ意味合いで考えているところが多いです。

そのため転職先から、

在籍証明書を提出してください

このような依頼があった場合には、退職証明書でよいのかを確認して、退職した会社に発行を依頼しましょう。

在籍証明書は転職先に必ず提出するもの?

在籍証明書は、転職先が提出を求めてきた場合にのみ提出するもので、必須の書類ではありません。

転職先の会社が在籍証明書を求めていなければ、提出は不要です。

また提出を求められた際に、前職だけでなく、さらに前の会社の在籍証明書を求められる場合もあります。

その場合は念のため、前々職の会社にも作成を依頼してみましょう。

ただ退職証明書は、退職から2年を過ぎると、会社側に作成する義務はなくなります

なにかしらの理由で発行を拒否された場合には、正直にその旨を転職先に伝えましょう。

在籍証明書は退職後でも発行してもらえる?

在籍証明書の提出先が、「何の証明のために書類を求めているか?」によって、退職後でも発行してもらえるかどうかは異なります。

たとえば保育園の入園申込みで提出する書類であれば、

現在就労していることを証明してほしい

このような意味合いで書類を求めていますから、もちろん退職した会社に発行を依頼することはできません。

それに対して、転職した会社で、

前の会社に在籍していた証明書がほしい

という目的で求められているのであれば、退職した会社に退職証明書を発行してもらう必要があります。

まずは提出を求められている先において、

  • 現在在籍している証明書(退職後は発行できない)
  • 以前在籍していた証明書(退職後でも発行できる)

どちらの目的で要求しているのかを確認しましょう。

退職証明書であれば、退職後2年間は会社に発行する義務がありますので、退職後でも発行してもらえます。

在籍証明書がもらえない場合はどうする?

勤務中の会社で在籍証明書を発行してもらえないときは、担当部署に依頼が伝わっていないかもしれません。

再度、人事部などの担当部署に発行を依頼してみましょう。

退職先に在籍していたことを証明するため、退職証明書を依頼するのであれば、前述したとおり、退職から2年以内は作成する義務があります。

退職証明書は、法的に作成する義務がある書類なので、発行をお願いします

上記のように話して、作成してもらいましょう。

退職から2年が過ぎてしまうと、会社での作成義務はなくなりますが、会社によっては作成してくれるところもあります。

念のため、退職先にいちど依頼してみましょう。

もし断られたら、提出先にその旨を報告すれば理解されるはずです。

在籍証明書の書式(ひな形)はある?

在籍証明書には、決まった書式やひな形はあるのでしょうか?

ここでは書式の有無について確認しましょう。

決まった書式やひな形はない

在籍証明書に決まった書式はありません。提出先によって、名称も記入する情報もさまざまです。

そのため、まずは提出先に「決まった用紙」があるかを確認して、ある場合にはその用紙をもらっておく必要があります。

所定の用紙がない場合には、

どんな項目を記載する必要があるのか?

ということを確認してから、発行を依頼するようにしましょう。

提出先に決まった用紙がない場合は、依頼された会社は記載する項目に合わせて書式を作成する必要があるので、発行に時間がかかる場合もあります。

発行を依頼する場合は、できるだけ時間にゆとりをもって作成を依頼しましょう。

会社に依頼するときの文例は、後ほどご紹介していますので、そちらを参考にしてください。

退職後に発行を依頼するときの依頼文(例)はこちら

「退職時の証明」として記載する項目

退職証明書については前述のとおり、労働基準法22条で記載する項目は以下と定められています。

  • 使用期間
  • 業務の種類
  • その事業における地位
  • 賃金
  • 退職の事由

ただし、本人が請求しない項目については、会社は記載してはいけません

退職証明書も書式にとくに決まりはなく、上記の項目が記載されたうえで、あとは本人の氏名や会社名などが記入され、会社印が押印されます。

保育所等の入所申し込みの場合(就労証明)

認可保育所や認定こども園などへの入園申込みを行う場合に、在籍証明(就労証明書)が必要となります。

この証明書は、市区町村によって名称や書式が異なっており、指定の様式が設定されていることがほとんどです。

そのため、入園申請を行う場合には、必ず市区町村の窓口やホームページで書式を確認して、指定の書類で会社に発行依頼するようにしましょう。

ちなみに筆者の住む山形市では、以下のようにPDFで指定書式が設定されています。

在籍証明書が必要になる場合とは?

在籍証明書とは、どのようなときに提出するものなのでしょうか?

おもな使いみちとしては以下の通りです。

転職したとき

転職をした際に転職先の会社から、退職した会社の在籍証明書を提出するように求められる場合があります。

その目的は、履歴書などに記載した職歴や期間に、間違いが無いかを確認するためです。

転職先で指定の様式がある場合は、その書式を退職先に郵送するなどして、依頼をする必要があります。

決まった用紙がない場合は、まず「記載すべき項目」を転職先に確認したうえで、その項目を退職先に伝えて作成してもらいましょう。

新卒で就職したとき

学校を卒業して会社に就職する場合、会社から在籍証明書を求められることがあります。

会社から指示のあった書類を提出しますが、「卒業証明書」や「成績証明書」など、学校をきちんと卒業したかを確認する書類の場合が多いです。

ただ会社によっては、学生時代のアルバイト経験について、在職証明書を求めるところもあります。

退職証明書は、正社員だけにしか発行できないという決まりはありません。

アルバイトに対しても、会社側は退職証明書の発行義務がありますので、安心して発行を依頼しましょう。

保育所等の入所申し込み(就労証明書)

認可保育所などへ入園申込みを行う場合は、現在働いている会社の就労証明書が必要となります。

これは保育園を利用できる要件が、

仕事や妊娠、介護、就学などの理由で子供を自宅で保育できない場合

上記のように設定されているので、その証明をするためです。

役所のホームページなどで指定の様式を入手して、会社に記入してもらって、市区町村の窓口に提出しましょう。

アパート契約をする場合

マンションやアパートを新しく借りる場合に、不動産会社から在籍証明書を要求される場合があります。

これは借り手がちゃんと会社に勤めており、

問題なく家賃を払い続けられるかどうか?

という点を確認するためです。

このケースでは用紙が決まっていることが多いので、不動産会社から指定の用紙をもらって、会社に在籍証明を依頼しましょう。

当然ながら、「現在、在籍していることを証明する」ための書類ですので、在職中の会社に依頼してください。

退職先に在籍証明書を依頼する方法

退職先に在籍証明書を依頼する場合に、どのような注意点があるのでしょうか?

詳しく確認していきましょう。

退職後はいつまで発行してもらえる?

法律に基づいた退職証明書で考えると、退職から2年後までは作成する義務があります

ただし2年を過ぎてしまった場合でも、会社側に義務がなくなるだけで、作成してはいけないということではありません。

会社にお願いすれば、作成してくれる場合もあります。

退職先が在籍証明書を発行してくれないときは?

もし退職先が在籍証明書を作成してくれない場合は、退職から2年以内であれば、

退職証明書は法的に作成する義務があります

このように話して、作成してもらいましょう。

在籍証明書として依頼する場合

在籍証明書として依頼する場合であれば、法律で定められているわけではないため、何年後までという決まりもありません。

退職先が作成に応じてくれる限り

ということになります。

在籍証明書のもらい方

退職証明書の記載については、

退職者が希望しない項目を記載してはならない

上記のように法律で決まっているので、会社も適当に発行することはできません。

必要な記載項目や書式について、事前にこちらから指定しておく必要があります。

まずは転職先に書式の有無や必要項目を確認する

転職先から退職証明書を提出するように指示があった場合は、まずは所定の書式があるかを確認しましょう。

決まった書式がない場合には、

どのような項目の記載が必要ですか?

このように転職先へ確認してください。

退職した会社には郵送で依頼する

書式や必要項目が確認できたら、退職先に発行を依頼しましょう。

できれば電話で依頼したうえで、用紙と依頼状を郵送してお願いするのがオススメです。

所定の書式などがない場合は、「記載してほしい項目」を電話で伝えて依頼することもできますが、間違いを無くすためにも、依頼状を作成して郵送しましょう。

郵送する封筒には、切手を貼った返信用封筒を忘れずに同封しましょう

また電話や依頼状で、以下のことを伝えておくとスムーズに発行されます。

  • 氏名
  • 退職時の部署
  • 退職日
  • 記載してほしい項目
  • 作成理由

退職先に電話で依頼するときは

退職先に、電話で在籍証明書の発行を依頼する場合は、前もって次の確認事項をまとめておきましょう。

  • 証明書に記載してほしい項目
  • 発行してほしい期日

そのうえで退職先に電話して、発行を依頼します。

電話する際は、以下の項目を忘れずに確認してください。

  • 改めて依頼文を送付したほうがよいか?
  • 依頼文を送付する担当者名(依頼文が必要な場合)
  • 証明書はいつごろもらいに行ってよいか、郵送してもらえるのか?

とくに大企業では、電話だけでなく、依頼文が必要になることがよくあります。

次項を参考にして、ていねいな依頼文を作成して依頼しましょう。

退職後に発行を依頼するときの依頼文(例)

退職後に在籍証明書を依頼するときに、郵送する依頼状の例文をご紹介します。

依頼文の例

令和◯年◯月◯日

株式会社〇〇
〇〇部〇〇課 〇〇様

拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
令和○年○月まで貴社に在籍していた○○○○です。
在職中は、公私にわたり色々とお世話になりましたことを厚く御礼申し上げます。

この度就職のため、在籍証明書が必要となりました。大変お手数ではございますが、在籍証明書の発行をお願いいたします。

なお、在籍証明書には以下の項目を記載願います

1.使用期間
2.業務の種類
3.その事業における地位
4.賃金
5.退職の事由

以上

また、郵送して頂けますように、返信用封筒を同封いたします。提出期限があるため◯月◯日までに、ご返送頂けますと幸いです。

ご多用のところ恐縮ではございますが、ご高配のほどよろしくお願い申し上げます

敬具

〇〇(氏名)
〇〇県〇〇市〇〇(住所)
000-000-0000(電話番号)

おわりに:正しい情報で依頼しよう

いかがでしたか?

さまざまな場面で使われる在籍証明書ですが、決まった様式や名称がないので、紛らわしいところもありましたね。

最後に注意していただきたいのは、当然ですが「ウソの情報を書かない」ということです。

筆者が派遣会社の法務部に在籍していたときの話ですが、以前に働いていた派遣スタッフさんから、

通訳の仕事をしていたと、退職証明書を作って頂けませんか?

上記のように相談を受けたことがあります。

しかしそのスタッフさんに、通訳の仕事をお願いしたことが無かったので、

虚偽の証明書の作成はできません

もちろんこのように断りました。

そのスタッフさんからすると、軽い気持ちでお願いしたのかもしれません。

しかしこれは労働基準法に違反することになり、このような虚偽の証明書を出してしまえば、会社としての信用にも傷がついてしまいます。

このような困った依頼をする方もいるものですが、会社側が応じることはありませんし、自らの信頼を失うことにつながりますので、絶対にやめましょう。

今回お話しした内容を参考にして、在籍証明書の依頼時に役立ててくださいね。

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この記事を書いた人

40代男性、山形県在住。4度の転職を経験し、現在の会社は40歳で入社。法務部・人事部での勤務経験を活かし、「転職者側」と「採用する側」の両方の視点を持って、皆さんの役に立つ情報を発信します。

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