40代向け職務経歴書の書き方|自己PRのコツを例文付きで解説
中途採用での書類選考通過率は20%前後と言われており、「人気」と言われる企業においては、より低い通過率になることも少なくありません。
しかも40代以上となると、企業の見る目もより厳しくなっていくことがほとんどですから、できるだけ効果的な職務経歴書を仕上げて、転職活動を優位に進めたいですよね。
この記事では、40代の転職活動における「職務経歴書の書き方」に焦点を当てて、読みやすく効果的な職務経歴書に仕上げる方法を解説しています。
企業の採用代行経験から得た採用側の知見と、キャリアアドバイザーとして1,000人以上の転職支援を行ってきた経験にもとづいて、わかりやすくお話ししています。
少し長い記事ですが、目次で確認したい項目を選びながら、ぜひ参考にしてみてください。
職務経歴書とはどんな書類なのか?
今まで転職活動を経験したことがない方であれば、「職務経歴書」という言葉を聞いても、なにを指しているのかピンと来ないかもしれませんね。
職務経歴書を簡単に説明すると、以下のような書類です。
今まで取り組んできた仕事について、その仕事に就いていた期間や仕事内容について、書類としてまとめたもの
履歴書の書式はテンプレートが決まっていて、A3の見開き(A4サイズ2枚)であることがほとんどです。
そのため、限られた字数でしか自分をアピールできませんし、なかには自己PR欄がない履歴書もあります。
一方で、職務経歴書には決められた書式はなく、自由に書類を構成することが可能であり、分量も決まっているわけではありません。
履歴書と比べると記載できる文字数も多く、
というのが目安です。
通常の履歴書では、職歴を説明する十分なスペースがないため、履歴書に盛り込めない情報を職務経歴書に記載します。
企業側に職務経歴書を読んでもらうことで、応募者の経歴を詳しく知ってもらって、成果や能力を自己アピールできるのです。
採用担当者が職務経歴書の内容を見て、
この人にはこんな経験があるのか。ぜひ会ってみたいな…
このように思ってもらうために、作成する書類だと考えると分かりやすいでしょう。
採用担当者は職務経歴書で何を見ているのか?
応募企業の採用担当者が、1人分の職務経歴書に読むのにかける時間は、わずか1~3分程度しかありません。
長い時間をかけて、じっくり読み込んでもらえる可能性は少ない
このように思っておいたほうがよいでしょう。
そのわずかな時間のなかで、採用担当者がチェックしているのは、おもに以下の部分についてです。
- 読みやすさ:
ビジネス文書として読みやすい内容に仕上げられているか? - スキル・経験:
自社の求める人物像とマッチしている人材か?
上記2点をしっかり押さえて、職務経歴書を仕上げることを意識しましょう。
そのためのポイントについては、この記事のなかで解説していきます。
40代の転職は職務経歴書で成否が決まる
40代の転職と、20~30代の転職でもっとも異なる点は、これまで経てきたキャリアの数と質です。
企業は若手の人材に対しては、経験が浅くても成長できる可能性を見て、
ポテンシャルがありそうだ…
と採用を判断する傾向があります。
しかし40代の転職者に対しては、企業が求めているのは可能性ではありません。
これまで積み重ねてきた経験やノウハウを活用して、
即戦力として活躍してくれる
ということを期待しているのです。
したがって、40代で転職活動をするのなら、これまで積み上げてきた経験やスキルなどを、効果的にアピールする必要があります。
採用担当者が職務経歴書を読んだときに、
この人なら当社ですぐ活躍できそうだ!
このように思ってもらえる職務経歴書を提出できるかどうかで、40代転職の成否が決まるといっても過言ではありません。
読みやすい職務経歴書に仕上げるためのポイント
前述したとおり、採用担当者があなたの職務経歴書を読んでくれる時間は、わずか1~3分程度しかありません。
そこで重要になってくるのが「読みやすさ」であり、
- レイアウトがわかりにくい
- 何度も読み直さないと内容が理解できない
こういった書類では、そもそも読んでもらえないでしょう。
かりに読んでもらえたとしても、
この人には資料作成スキルがないな…
という判断に至りやすいのが現実です。
では、どんな職務経歴書が読みやすいのかというと、以下の5つのポイントを押さえているかどうかで決まります。
「事実」と「主観」が分けられている
採用担当者が応募書類で知りたいことは、基本的に「事実」に関することだけです。
- あなたがどう考えたのか?
- そのときどう感じたのか?
上記のような「主観」については、書類選考においてはノイズになりかねません。
「主観」は自己PRや志望動機への記載だけに留めて、「事実」を中心に書き出していくことが重要です。
内容が具体的である
具体性のない記述は、読み手にとって価値のある情報とはなりえません。
採用担当者が文章を読んだときに、
この人なら、ウチの会社で活躍する姿が思い浮かぶな
と具体的にイメージしてもらえるように、内容をまとめましょう。
内容をより具体的に記載するためには、以下の2つのポイントを押さえておくことが重要です。
- 定量で書く
- 5w1hを意識する
定量で書く
数字が書けるところは、すべて数字を書きましょう。
達成率や売上額などの、「実績」を書くことができればベストです。
でも自分には書けるような実績は無いし…
という場合は、これまで経験してきた業務をひも解くことで、定量化できる要素を探しましょう。
- 1日あたり〇人を接客
- 給与計算〇名分担当
- 新規のテレアポ〇件/日
- 請求書作成・発行〇件/月
上記のように、数字でやってきたことをまとめると、具体的に伝わりやすいです。
「多くのお客様を担当」「膨大な書類精査」といった表現をするよりも、
このように書かれているほうが、読み手に「どれくらいやってきたのか」が明確に伝わります。
5w1hを意識する
内容を記述するときに、
誰が / 誰に / 何を / いつ / どれくらい / どうやって
というところまで言及されていると、非常にわかりやすい表現となるでしょう。
たとえば職務詳細欄に、
とだけ書いある場合と、以下のような記載を比較してみてください。
[顧客]
首都圏の学校法人、官公庁等約30社(既存顧客のみ)
[商材]
電子計測器
[期間]
2017年4月~2019年3月
[実績]
2017年度:売上〇〇円、目標達成率〇%
2018年度:売上〇〇円、目標達成率〇%
2019年度:売上〇〇円、目標達成率〇%
[ポイント]
既存取引のある窓口から横展開し、取引窓口数を30社30窓口から、30社42窓口にすることで取引を拡大
いかがでしょうか?
読み手の印象も大きく違ってくるはずです。
項目と中身が正しく接続されている
実績などの箇所では、意外と間違った記載がされていることが多いものです。
たとえば、「実績」の項目にもかかわらず、
上記のような、「実績」ではないことが書かれているケースがあります。
項目と中身の接続がスムーズになるように意識して、
- 「実績」には実績を書く
- 「職務詳細」には職務の詳細を書く
- 「志望動機」には志望動機を書く
といった記載を心がけると、読み手はストレスなく読み切ることができるでしょう。
書き方が統一されている
「ですます調」「である調」などが、混在して記述されている職務経歴書も多いです。
職務経歴書の基本的な書き方として、
- 文章で書く箇所以外 ⇒ 体現止め
- 文章で書く箇所 ⇒ ですます調
上記のようなルールで統一すると、内容が読みやすくなります。
レイアウトを工夫している
40代ともなると、職務経歴書に盛り込むボリュームもそれなりの量になるはずです。
読み手の見やすさを意識して、
- 会社ごとに枠で区切ってみる
- 改行箇所を揃える
- 箇条書きを用いる
上記のような工夫をしてみましょう。
伝えたいことをたくさん盛り込むのではなく、
読み手が読みたいことを、読みやすい形で提出しているか?
という点を意識することが重要です。
職務経歴書の3つの書き方とそれぞれの特徴
職務経歴書には、以下の3つの書き方があります。
- 編年体式:
過去から順に経歴を書いていくまとめ方 - 逆編年体式:
編年式とは逆に、直近の職務から過去に遡って書いていく方法 - キャリア式:
時系列ではなく、職務内容ごとにまとめていく書き方
読みやすく仕上げるポイントを踏まえたうえで、職務経歴書の書き方と特徴を知っておくと、自分にはどのパターンが有効かを判断できるはずです。
ここでは、職務経歴書の種類とそれぞれの特徴を整理しておきましょう。
なお、それぞれの書式テンプレートは、以下よりダウンロードできます。
編年体式:経験社数が少ない場合に最適
編年式は、過去から順に経歴を書いていくまとめ方です。
履歴書と照らし合わせて読むことができるので、
- キャリアの過程が読み手に伝わりやすい
というメリットがあります。
ただし、職務経歴が多いとボリュームが多くなってしまうため、社会人経験が浅い方や、経験社数が少ない場合に効果的に使えるまとめ方です。
逆編年体式:直近の業務をアピールしたいときに有効
編年式の逆バージョンで、直近の職務から過去に遡って書いていく方法です。
逆編年式のいちばんのメリットは、
- 直近の業務内容をトップに持ってくることができる
という点であり、直近の業務内容と応募ポジションの関連性が強いときに、とくに有効に使うことができます。
直近業務の「実績」を具体的に示しながら、相関性の低い過去の経歴についてはさらっと流すことで、メリハリをつけてアピールすることができるのです。
キャリア式:転職回数が多い人に最適(経験を武器にできる)
編年式や逆編年式では、年代ごと、企業ごとにキャリアをまとめるのに対し、キャリア式は職務内容ごとにまとめていく書き方です。
経験社数は多いけど、スキルや得意分野で勝負したい!
という場合に適したまとめ方でしょう。
たとえば、47歳でこれまで6社経験されてきた方の場合。
編年式などで書くとどうしても文量が多くなってしまいますが、キャリア式でまとめると、冒頭の職務要約は以下のようになります。
このようにまとめることで、読み手は「転職回数」ではなく、「経験」に目が行くはずです。
経験やスキルを武器に戦っていく際に、有効な書き方といえます。
ただ一方で、
- どの職務をいつ経験していたのかは伝わりにくい
という側面も持っているので、最適な書き方であるかを吟味しなければなりません。
職務経歴書をキャリア式でまとめる場合は、以下の記事で書き方を解説していますので、詳しく知りたい方はこちらを参照してみましょう。
職務経歴書の効果的な書き方とは?
特別なスキルや人脈をPRできる人は別として、40代の平均的な書類通過率は2割ほどと言われています。
その狭き門のなかで少しでも通過率をあげるために、効果的な職務経歴書を書くためのポイントとして、以下でお話しする点を押さえておきましょう。
これまで何をやってきたのか、スキルと経験をわかりやすくまとめる
採用担当者は、募集ポジションの業務内容や組織構成と照らし合わせて、
この人は我が社で活躍できるのだろうか?
ということを判断しようとしています。
ここで重要なのは、採用担当者が知りたいことは、
- 業務にあたって、どんなこころがけを持っていたか?
上記のような情報ではありません。
この人はなにをやってきた人なのかな?
という点を、あなたの職務経歴書から見ているということです。
熱意をもって業務にあたってきたことをアピールしたい!
このように考える方もいるかもしれませんが、
というのが本来の姿です。
職務経歴を記載する部分では、「こころがけ」「考え」「熱意」といったものをアピールしたい気持ちは極力抑えて、「やってきたこと」を淡々と記載しましょう。
それが「最も伝わる」職務経歴書となります。
なお、効果的な書き方は前述したとおり、5w1hを踏襲することです。
[顧客]
首都圏の学校法人、官公庁等約30社(既存顧客のみ)
[商材]
電子計測器
[期間]
2017年4月~2019年3月
[実績]
2017年度:売上〇〇円、目標達成率〇%
2018年度:売上〇〇円、目標達成率〇%
2019年度:売上〇〇円、目標達成率〇%
[ポイント]
既存取引のある窓口から横展開し、取引窓口数を30社30窓口から、30社42窓口にすることで取引を拡大
自己PRで自身の強みをアピールしよう
40代ともなると、これまで経験してきた職務経験もそれなりのボリュームとなるでしょう。
そのなかで得てきた経験や実績を、職務経歴書のなかでしっかり自己PRすることができれば、企業側に自身の強みを効果的に伝えることができるはずです。
職務経歴書に経歴をただ書き連ねるだけでなくて、
自分の強みが的確に伝わるように、職務経歴書に自己PRを盛り込む
ということが、40代の転職活動で成否を分ける重要なポイントになります。
次項にて、そのポイントを詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
好印象な自己PRを作るためのポイント
40代の方が企業に好印象な自己PRを作るためには、以下の2点を内容に盛り込むことが重要です。
- 今までの経験や実績
- 入社後の仕事にどのような貢献ができるのか
ここでは、この2点について詳しくご説明します。
「どんな経験・実績を積み上げてきたのか」をアピールする
まずは自分自身が、これまでどんな経験や実績を積んできたのかをアピールしましょう。
40代での転職を考えた場合、若い世代と比べたときの優位性は、やはり「経験や実績」です。
40代ならではの優位性を、重点的に伝えるようにしてください。
自己PRを作るうえでのコツとして、文章で伝える際に「数字」を効果的に使うことです。
長年、製造部門に携わってきた経験があります
上記のような抽象的な表現よりも、
製造部門に20年間携わり、売上1億円という目標を達成してきました
このように、数字を盛り込んで表現する方が、具体的にイメージしやすく効果的なアピールとなります。
「入社後にどう貢献できるのか」をアピールする
次に、ひとつ目で挙げた過去の経験や実績が、入社後にどのような貢献につながっていくのかを考えましょう。
より具体的に考えるには、
入社後にどんな仕事内容に携わるのか?
という点を、よく理解しておく必要があります。
たとえば、部下をマネジメントできる人材を求めている企業なら、部下を従えた経験について深掘りし、そこで感じたことや実績について記入するべきです。
たとえ管理職の経験がなかったとしても、
チーム全体を意識して動いてきました!
ということを自己PRすれば、管理職の適性があることをアピールできるかもしれません。
面接官が職務経歴書を見たときに、
入社した後に、活躍してくれるイメージが持てるな!
とならなければ、採用には至ることはありません。
自己PRを考えるときは、「入社後のイメージ」まで含めて考えることが重要です。
40代が転職でアピールしやすいポイント3選
基本的には前述した2点をメインに、自己PRを作成すれば問題ありません。
ここでは、それ以外でも、40代の転職者がアピールしやすいポイントを3つご紹介します。
当てはまるものがあれば、ぜひピックアップして自己PR文に盛り込んでみましょう。
若い世代と協力して仕事を進めた経験がある
40代であれば、同じ部署やチーム内の若い世代の人と、仕事をしてきた場面も多いはず。
人によっては、
上司が年下だったよ
こういった環境で働いていたケースもあるのではないでしょうか。
若い世代に囲まれていた環境でも、
周りとうまく連携をとって、円滑に仕事を進めてきた
という経験は、大きなアピール材料として使うことが可能です。
部署異動など、環境の変化にも柔軟に対応できる
40代で同じ会社で長く働き続けていた場合は、部署異動の経験がある方がほとんどでしょう。
部署異動や転勤などがあった際に、
新しい環境にどのようにして馴染んできたのか?
上記について伝えることで、転職先の企業に入る場合にも、
その時の経験を活かして、柔軟に対応してくれそうだ!
というアピールにつながります。
長いキャリアのなかで、環境の変化に柔軟に対応してきたという点も、アピール材料の一つとして使いましょう。
新しい技術の習得に積極的である
中高年の転職者を受け入れる際に、
考えが凝り固まっているのではないか?
企業側はこのような心配をしています。
今でも新しい技術について、勉強を続けています!
上記のような積極的な姿勢を見せることで、企業側の心配を払しょくすることができるでしょう。
ただし、「自分はこれだけのことをやってきた」という、自信満々な自己PRはかえって逆効果となる場合もあるので要注意です。
40代の自己PRで避けるべき内容とは?
ここでは、40代の自己PRでは避けたほうがよい内容について、2つの例をご紹介します。
「企業の求める人物像」に沿わない点をアピールしている
自己PRのポイントを簡単にいえば、
自分が持っている技術や経験が、応募先の会社でどのように活かせるのかをアピールすること
上記のように説明することができます。
これまで培ってきた技術や経験は、もちろんどれも素晴らしいものであることは、疑う余地はありません。
ただし、転職活動においては、
その経験はウチではあんまり活かせないかも…
企業側にこのように判断されてしまうと、採用されることはないのです。
応募先の企業はどんな人材を欲しているのか?
まずは上記について徹底的に調べましょう。
そのためには、業界の理解やその会社独自の強みなどを、よく調べておくことが重要となります。
アピールする強みを絞り切れず、何が言いたいのかよくわからない
40代の自己PRでありがちな失敗例として、さまざまな経験を伝えようとするあまり、
- 一つ一つのエピソードが薄くなって、何をアピールしたいのかよくわからない
という自己PRとなってしまうケースです。
これまでのキャリアで得た、幅広い経験を伝えたい気持ちは分かります。
しかし、自己PRにおいては、伝える内容を絞ることが重要なので、
伝えるべき内容をできるだけ厳選して、それについて深く語る
という意識で、自己PRに盛り込む情報を絞りましょう。
効果的な自己PRを作成するための4つのステップ
自己PRとひとくちに言っても、いきなり書き始めるのは、誰にとっても難しいものです。
この人をぜひ採用したい!
採用担当者がこのように感じる自己PRを書くには、そのための手順があります。
ここでは、自己PRを上手にまとめるためのポイントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.キャリアの棚卸しをして、業務経験・実績を洗い出す
まずは、社会に出てからの経験や実績を、箇条書きですべて書き出しましょう。
今までの会社で担当した仕事内容、もちろん部署異動なども、すべて書き出してみてください。
そうはいっても、長い期間でいろいろなことをやっていれば、忘れてしまっていることもあるかもしれません。
そういうときに、過去にやったことを詳細に思い出すツールとして、
- 職場で使用しているメールソフトや個人メールの送信履歴
- 過去に職場で作成したドキュメント類
- 日記など(つけている人は)
こういったものをチェックしてみましょう。
一つ一つを流し見していくと、
そういえば、こういう仕事もやってたな…
みたいな感じで、具体的に思い出すことができます。
そして思い出したことを、箇条書きでどんどん書き連ねていきましょう。
職務経歴書を仕上げるまでの工程で、
過去のすべてを書き出す
というこの工程がもっとも重要となります。
職務経歴書はただ経歴を記す書式ではなく、あなたがその経験から、「何を学び取ったのか」について記入する書類です。
これまでに経験した出来事に対して、
- あなたはどう感じて、どのような対応を取ったのか?
- その結果どうなって、あなたは何を学び、どんな実績を出したのか?
上記について簡潔に記すことで、企業は職務経歴書からあなたの強みを読み取ります。
あなたの強みが企業の求める人物像と重なれば、内定を獲得しやすくなることは言うまでもありません。
これまでのキャリアから強みを洗い出す方法については、以下の記事で解説をしていますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
2.応募企業や職種で求められる能力を分析する
次に、応募する会社や職種において、求められている能力を分析してみましょう。
役職や業種、職種などからも、ある程度は把握できますが、基本的には求人票の以下の部分を読み込むことをおすすめします。
- 会社紹介の部分
- 職務内容
- 求める人物像(記載がない場合もあり)
そこから、応募企業が即戦力として求めている人物像を読み取ってください。
ただし、求人票の確認は最低限のチェックであり、40代の転職者に求められるレベルとしては不十分です。
企業をより深くリサーチするために、以下の情報も確認して、徹底的に企業研究をおこないましょう。
- コーポレートサイト:
新卒採用ページがあればそちらをまず確認しましょう。 商材や職種について網羅的に記載されており、効率的に情報収集できます。 - 四季報や業界地図本:
業界の中での企業の立ち位置が分かります。 - 雑誌や新聞記事:
新商品や開発意図に関する情報、最新の業績・動向が手に入ります。 データーベースを無料で閲覧できる図書館があります。 - 口コミサイト:
「やりがい」「将来性」「企業分析」などが参考になります。個人の主観が入っているので鵜呑みにするのは危険です。複数のリソースで真偽を確認しましょう。
企業研究のやり方については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
3.自己PRを100~300文字程度の短文で記載する
徹底的に洗い出した「あなたの強み」と、企業分析から見えてきた「企業が求める人物像」を組み合わせて、あなただけの自己PR文を作成しましょう。
自己PR文は、100~300文字程度の短い文章にまとめてください。
あまり短すぎるとあなたの良さが伝わりませんし、長すぎると最後までしっかりと読んでもらえません。
読み手にとって読みやすく、しっかりと根拠を添えて、論理的な文章を書けるようにしましょう。
実績をアピールする際は数字を使う
過去の実績をアピールするのなら、数字を使うのがもっとも効果的です。
たとえば営業職なら、
- 目標に対する達成率
- 全社員数のなかで何位になった
上記のような客観的な判断がつきやすい、数字での実績を盛り込むようにしましょう。
応募企業ごとに自己PRの内容は変える
自己PR文の作成で重要なことは、
複数の企業に応募する場合は、応募先ごとに自己PRの内容を変える
ということです。
当然ながら、会社ごとに求めている人材は違います。
しっかり企業リサーチして、応募する企業にマッチした自己PR文を作成することが、いちばんのポイントです。
繰り返しになりますが、いちばん最初の工程で、しっかりと「あなたの強み」を洗い出しておくこと。
そうすれば、応募企業の「求める人物像」に合わせて、自己PR文を再構成することはそれほど難しくないはずです。
4.誤字脱字をしっかりチェックする
基本的なことですが、誤字脱字には注意しましょう。
文章のなかに誤字脱字があると、
ケアレスミスが多い人なのかな?
もしかして常識がない人なのでは…
こういった判断をされてしまうかもしれません。
職務経歴書が完成したら、時間を置いて何度も読み返してみて、完成度の高いものに仕上げましょう。
職務経歴書の自己PRの例文集【ケース別4パターン】
職務経歴書を作成する手順やポイントが分かっても、
いざ実際に書くとなると、なかなか筆が進まないな…
という場合もあるかもしれません。
ここでは、職務経歴書の自己PR文の例文を、4つのパターンでご紹介します。
ケース別でご紹介しますので、自身のケースに当てはまるサンプルがあれば、ぜひ参考にしてみてください。
1.ブランク期間が長い場合の自己PR文
ブランクが長いことを、ポジティブに言い換えて、応募先企業に貢献できることを表現した自己PR文です。
前職から約1年間のブランクがありますが、その間、前職で培ったスキルをさらに伸ばしたいと考え、資格取得のために勉強をしてきました。
秘書検定2級を取得したほか、ワードとエクセルのMOSエキスパートにも現在挑戦中です。
営業事務職には高い専門性や正確性が要求されると思いますので、学んだことを積極的に活かして、責任感を持って日々の業務にあたっていきたいと考えています。
2.同職種へ転職する場合の自己PR文
現職での実績を示しつつ、応募企業の求める人物像ともマッチしているので、即戦力としての活躍が期待できる点をアピールした自己PR文です。
業界シェア率トップの機械メーカーで3年ほど、外回り中心の営業をしておりました。
受注後も親身なアフターフォローを心がけた結果、リピーター様が増えて、3年目には社内トップの営業成績を得ることができました。
貴社に入社後も、貴社の経営理念でもある、お客様の立場に立った親身なサービスを心がけ、着実に貴社の製品のファンを増やしていきたいと考えております。
3.他業種へ転職する場合の自己PR文
前職の経験談から、応募企業への意欲が高いことを示し、早期の貢献が期待できる点をアピールした自己PR文です。
前職では、ディーラーで新車を販売する仕事をしていました。
日々、お客様と接するなかで、車の性能や構造など技術的な質問をされることもあり、整備士の仕事に興味を持つようになりました。
思い切って会社を辞め、整備士の専門学校に通った結果、無事に整備士の資格を取得することができましたので、貴社の整備士の求人に応募させて頂きました。
初心を忘れず、一流の整備士になることを目指して、日々精進していきたいと思います。
4.派遣社員から正社員へ転職する場合の自己PR文
派遣社員の経験のなかで、応募企業の正社員として求められる点をしっかり学び、即戦力性をアピールした自己PRです。
今までスーパーやホームセンターなどで、レジ打ちや品出し、接客などの仕事を経験してきました。
これまでの仕事では、部分的な業務が中心でしたので、商品知識やお客様満足を求められる場面では、正社員の方にフォローをいただくことも多くありました。
その姿勢を見て学んだことは、仕事に対する臨機応変さの重要性です。
取り扱い商品の幅広い知識を持ち、お客様に喜んでいただく接客を極めながら、臨機応変な対応で、貴社の正社員として貢献していきたいと考えております。
未経験・スキルがない人向けの自己PR例文集
職務経歴書に書けるような、経験や実績なんて無いし…
このように悩んでしまう場合は、自分の得意なことやスキルなどを、過去の経験談から記載してみるのがオススメです。
具体的な例文を3つご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
また、スキルがないと思っていても、これまでにやってきたことを的確に言葉にして表現することで、スキルと認識される場合があります。
以下の記事でそのノウハウをお話ししていますので、ぜひこちらもチェックしてみましょう。
1.協調性など、他人とのコミュニケーション能力がある場合の自己PR文
前職では、ラーメンのチェーン店で働いていました。
その日に出勤したメンバーが、持ち場を超えてお互いに助け合いながら、繁忙時の忙しさを乗り切ることが日常であったため、働くなかでの協調性の大切さを強く感じておりました。
今回応募させていただいた英文事務の仕事でも、コミュニケーションを大切にしながら、協調性をもって柔軟に業務に当たっていきたいと思います。
2.成長意欲や実行力に自信がある場合の自己PR文
私は今まで仕事をするなかで、常に自分のした仕事を振り返り、足りないと感じた部分を修正することで成長してきました。
例えば、保険の営業をしていたときに、電話による営業でなかなか受注が取れなかったため、その原因を分析しました。
その結果、自ら顧客のもとへ足を運ぶことが重要と考えて、実行に移したところ、契約件数を大幅に増やすことができました。
自身の長所は、自らを成長させるために、躊躇なく問題に集中して、実行に移せることだと考えております。
3.問題解決能力に自信がある場合の自己PR文
前職では、チームで工程を管理していたのですが、納期がぎりぎりになることがよくあったため、作業管理表を作ることを提案し、誰がどこまで終わっているかを見える化しました。
その結果、個人に責任感が自然と生まれて、余裕を持った納品ができるようになりました。
貴社においても、常に問題意識を持って、業務に取り組んでいきたいと考えております。
まとめ:職務経歴書で自身の強みを効果的にアピールしよう
今回は、職務経歴書の書き方について、
- 職務経歴書とはどんな書類なのか?
- 読みやすい職務経歴書に仕上げるポイント
- 職務経歴書の効果的な書き方
- 好印象な自己PRを作るためのポイント
- 40代に役立つ自己PRの例文集
といったことをご紹介してきました。
職務経歴書は、あなたの強みを企業側にアピールするために欠かせない書類です。
お話しした内容にもとづいて、応募企業が求めるものとマッチする点をしっかり自己PRして、書類選考の通過を目指しましょう。
セカンドゴングは40代の転職を応援しています!
当サイト(セカンドゴング)では、40代の転職に特化した転職ノウハウについて、
- 実際に40代で転職を経験した人
- 企業の採用担当・キャリアコンサルタントなど、転職活動に知見を有する人
上記のようなメンバーが数多くの記事を提供しています。
転職活動を攻略するためのコツとして、以下のようなコンテンツをご用意していますので、ぜひ参考にしてみてください。
また、当サイトにノウハウを提供している転職サポーターが、あなたの転職活動をお手伝いします。
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