【転職サイトのスカウトメール】見分ける方法を採用担当者が解説
転職サイトに登録すると、多くのスカウトメールが届くようになります。
企業からスカウトメールを初めて受け取ったときは、
自分のことを必要と感じてくれたのかな?
このような気持ちになって、嬉しくなったり自信がついたりするものです。
しかし、徐々に受け取るスカウトメールが増えてくると、
たくさんメールが来るけど、どれが有益なスカウトなの?!
こんなふうに、少し面倒くさい気分になったりしませんか?
じつは転職サイトのスカウトメールには、
- 無視して問題のないもの
- 転職につながる可能性があるもの
上記の2種類が存在しています。
この2つを見極めることができれば、転職活動を効率的に進めることができ、スカウトメールを通じて内定がゲットできるかもしれません。
この記事では、転職サイトのスカウトメールについて、その仕組みや活用する方法などを解説しています。
人事歴20年以上の筆者が、スカウトメールのオファーを出す立場からの視点で、わかりやすくお話ししていますので、ぜひ参考にしてください。
スカウトメールとは?
スカウトメールとは、企業から送られてくる、
当社の求人に応募しませんか?
このような応募をうながす案内メールのことです。
企業からスカウトメールが送られると、
というような通知が、転職者側のマイページに表示されます。
転職者にとっては、自分で求人を探さなくても、自分を必要としている企業から、ピンポイントでアプローチしてもらえる便利な機能です。
企業側が有料で利用しているサービス
企業は、転職サイトに求人を掲載するにあたって、転職サイトの運営会社に掲載料金を支払います。
掲載料金は、求人広告のサイズや掲載される順位に応じて異なっており、
- スカウトメール機能などを利用するかどうか?
- 送信できるスカウトメールの数
上記によっても異なっています。
スカウトメールを利用する企業は、転職サイトに登録されている経歴・希望条件などを確認して、マッチしそうな転職者にスカウトメールを送っているのです。
スカウトメールを利用するメリット
転職サイトのスカウトメールを利用することで、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
スカウトメールを利用するメリットとして挙げられるのが、以下の2点となります。
- 転職市場における市場価値を知ることができる
- 自身が想定していない企業・求人と出会える
転職市場における市場価値を知ることができる
メリットとしてまず挙げられるのが、
という点です。
転職サイトに登録するときには、自身が希望する年収や条件を設定します。
そして、設定した希望条件が妥当かどうかは、自身に届くスカウトメールの数で推し量ることができるのです。
もし、スカウトメールの数が少なければ、
この人の希望条件は高すぎる…
多くの企業で、このように判断されているからでしょう。
逆に、スカウトメールが多く届くようであれば、希望条件の設定が妥当か、もしくは低すぎると判断できます。
自身の市場価値をしっかりと把握できていれば、転職先との条件交渉においても、適切な判断が下せるはずです。
市場価値の把握するという側面からも、スカウトメールは積極的に活用しましょう。
自身が想定していない企業・求人と出会える
もう一つのメリットとしては、
- 自分が想定していない企業から、スカウトを受ける
- 自身のキャリアとはマッチしないと思っていた、業界や職種の求人に巡り合える
上記のように、企業側の視点で新たな求人に巡り合える可能性があることです。
もし、転職サイトの検索機能だけを使っていれば、あくまでも自身の考えの中でしか、求人を探すことができません。
採用活動の幅を広げる意味でも、スカウトメールを活用することはおすすめです。
スカウトメールのデメリット
スカウトメールのデメリットとして挙げられるのが、
必ずしも質の高いスカウトメールばかりではない
という点でしょう。
自身の希望とかけ離れたスカウトが届くこともありますし、内定の確率が高そうなスカウトメールでも、理想の転職先ではない可能性もあるのです。
企業がスカウトメールを利用する場合は、当然ながらそれなりのコストがかかるのですが、
- コストを掛けてでも良い人材を探したい
- まったく応募者が集まらないので、仕方なくコストを掛けている
上記のように、2つの考え方の企業が存在しています。
とくに後者の場合は、他の応募者から敬遠されている企業である可能性が高いです。
スカウトメールに、「役員面接確約」といった魅力的なワードが入っていたとしても、求人内容をしっかりと吟味しなければなりません。
無視して問題ないスカウトメールとは?
デメリットの項目でもお話ししましたが、企業から送られてくるスカウトメールは、必ずしも質の高いものばかりではありません。
まずは、無視しても問題のないスカウトメールについて、詳しく確認していきましょう。
属性だけで一斉配信されている
- 応募者が住んでいる地域
- 希望勤務地
- 希望職種や年収など
こういった属性の一致でターゲットを絞り込んで、配信されているスカウトメールがあります。
このような場合は、システムが自動検索して、一斉配信している可能性が非常に高いです。
システムが自動で一斉配信するスカウトメールは、あくまで求人企業を知ってもらったり、応募のきっかけづくりを目的としています。
企業側も応募者数を増やすことが目的なので、スカウトに反応したからといっても、選考で優遇されるとは限りません。
興味のある企業以外は、無視しても構わないスカウトメールです。
差し障りのない定型文で構成されている
宛先やスカウトメールの文中に、自分の氏名が入って送られていると、
これは自分のレジュメを見て、スカウトを送ってくれたのでは?
こんなふうに思ってしまいますよね。
しかし、メールの文面が差し障りのない定型文である場合は、無視しても構わないスカウトメールの可能性があります。
なぜなら、個人の氏名部分に指定された記号を挿入すれば、それぞれの応募者の氏名に置き換えできる機能があるからです。
つまり、採用担当者がレジュメをじっくり見てくれたとは限りません。
- 採用担当者が、属性検索で一致する人をリストアップ
- メールのテンプレートを挿入して、氏名部分に記号を挿入
- リストアップした転職者に一斉配信
上記のような手順で、あたかも個別に送信されたかのように、スカウトメールが応募者に届くのです。
氏名以外の文面が、
誰に届いても違和感のない内容だな…
という場合は、一斉配信の仕組みで送信されている可能性が高いでしょう。
結局は、属性の一致だけで一斉配信されているメールなので、興味のある会社以外は無視しても構わないです。
反応するべき「転職できる」スカウトメールとは?
転職サイトの会員専用ページにログインすると、1日で20件以上のスカウトメールが届いていることもあります。
件数が多いと、すべて見るだけでも大変ですよね……
しかしそのなかに、本当に反応すべきスカウトメールが混じっているかもしれません。
すべてのスカウトメールにしっかり目を通すのが一番ですが、転職活動が本格化してくると、じっくり見る時間がない場合もあります。
ここでは、反応すべきスカウトメールについて、詳しく確認していきましょう。
自分のキャリアに触れられている
まず反応すべきものとしては、採用担当者が自身のしっかりとレジュメを確認したうえで、個別に配信されているスカウトメールです。
採用担当者がレジュメを確認しているかを見分けるには、
あなたの管理職としての経験に興味を持ちました
あなたが持っている○○の資格は、弊社ですぐに通用すると考えています
上記のように、スカウトメールの文面のなかに、
レジュメを見ないとわからない内容に触れられているか?
というのが見分けるポイントです
あなたのレジュメを見たうえで送ってくるスカウトメールは、採用担当者の本気度が高いものです。
面接に進める可能性が高いですから、すぐに反応するようにしましょう。
書類選考免除や役員面接が確約されている
スカウトメールの文面やタイトルに、
- 書類選考免除
- 役員面接確約
- プラチナスカウト
上記のように記載されているスカウトメールは、反応してみる価値があります。
企業側も、このようなスカウトメールを一斉配信してしまうと、面接対応が増えてしまいますから、厳選して送っていることは間違いありません。
このようなスカウトメールも、すぐに反応するようにしましょう。
質の良いスカウトメールを増やすためのコツ
ここまでご確認いただいたように、スカウトメールにも当たりハズレがあることを、ご理解いただけたと思います。
それでは、良質のスカウトメールを数多くもらうためには、どのようにすればよいのでしょうか?
採用担当者が、思わずスカウトを送りたくなるようにするためのコツをご紹介します。
プロフィールや職務経歴をしっかり記載する
転職サイトのプロフィール欄は、いうなれば転職者の「履歴書」と同じです。
企業の採用担当者は、このプロフィールに記載されている内容やキーワードを参照して、スカウトすべき対象の絞り込みをしています。
ですので、プロフィール欄には基本データや職務経歴などを、しっかり記載しておきましょう。
そのほかにも、
- 過去に取り組んできた仕事内容
- 具体的な成果や実績
上記などを詳細に書き込んでおくことで、これまで築いてきたご自身のキャリアについて、企業の採用担当者へ分かりやすく伝えることができます。
検討できる条件はなるべく多く選択しておこう
企業の採用担当者がスカウト対象者を検索するときに、導線として使用している項目が、「条件設定」の項目です。
転職サイトによっても、設定できる項目に違いはありますが、
- 外資系企業
- 転勤なし
- 休日〇日以上
上記のように、希望する会社の特徴や働き方などを、細かく設定しておくことができます。
こういった条件をしっかり設定しておくと、条件に合う企業の採用担当者から、声がかかりやすくなるはずです。
自己PRなどのフリースペース欄を活用しよう
転職サイトのプロフィールや職務経歴を記載する欄は、ある程度フォーマットが指定されています。
それとは別に「自己PR欄」などとして、1000文字程度をフリーに入力できる欄が用意されているはずです。
このフリースペースを活用することで、企業の採用担当者と直接会う前に、自分の言葉を伝えることができます。
とくに40代の転職希望者にとっては、自らの経験や技術を自分の言葉でアピールできる、貴重なプレゼンテーションの機会といえるでしょう。
職務経歴や自己PRの書き方については、以下の記事を参考にしてください。
気になる求人情報は、お気に入りに登録しよう
掲載中の求人情報のなかで、気になるものは積極的に、「お気に入り」に登録をしておきましょう。
自社の求人情報が、転職者のお気に入りとしてブックマークされると、企業の採用担当者側に、その求職者のプロフィール概要が共有されます。
つまり、お気に入り登録をすることで、その企業の採用担当者に自身の存在を知らせることができるのです。
場合によっては、採用担当者側からスカウトメールが送られてくる可能性も……
ボタン一つ押すだけで、企業の採用担当者と接点を持てるわけですから、気になる求人があれば、積極的に「お気に入り登録」をしていきましょう。
求人検索や登録情報の更新を頻繁におこなう
転職者のログイン履歴は、採用担当者のスカウト画面上でも確認することができます。
より頻繁にアクセスして、登録情報の更新をおこなっていれば、
転職に対する意気込みを感じるな…
採用側に、こういった印象を与えることができるはずです。
- 転職サイトへの定期的なログイン
- 求人情報の検索
- プロフィールの登録情報を更新
上記のような行動を頻繁におこなって、採用担当者の目に留まる可能性を高めましょう。
まとめ:スカウトメールの本気度を見極めて厳選しよう
今回は、人事担当を務める筆者の観点から、転職サイトのスカウトメールを見分ける方法についてお話してきました。
どんなスカウトメールでも、採用される可能性が少しでもある場合は、できるだけチェックすることをおすすめします。
一斉配信されたスカウトメールも含めて、すべて読み込んでいくと、企業選びの視野が広がって転職活動の参考になるはずです。
ただ、採用担当者の本気度の低いスカウトメールに反応したとしても、優遇措置はありません。
一般応募の人と同じ選考となるので、時間を無駄に消費する可能性もあります。
転職活動を効率よく進めるために、お話しした内容を参考に、スカウトメールを厳選して応募していけば、転職を成功に導けるかもしれません。
諦めることなく頑張ってくださいね。
セカンドゴングは40代の転職を応援しています!
当サイト(セカンドゴング)では、40代の転職に特化した転職ノウハウについて、
- 実際に40代で転職を経験した人
- 企業の採用担当・キャリアコンサルタントなど、転職活動に知見を有する人
上記のようなメンバーが数多くの記事を提供しています。
転職活動を攻略するためのコツとして、以下のようなコンテンツをご用意していますので、ぜひ参考にしてみてください。
また、当サイトにノウハウを提供している転職サポーターが、あなたの転職活動をお手伝いします。
さまざまなサポートをご用意していますので、悩みがある方はお気軽にご相談ください。