公務員からの転職は厳しい…失敗した40代が学んだ攻略法とは
公務員からの転職を考えるとき、
転職することに不安がある。果たしてやっていけるのかな…
このような心境になる方も多いでしょう。
公務員を続けていれば、よほどのことがない限り失業することありませんし、どんな職業よりも安定しています。
安泰の地位を捨ててまで転職するわけですから、不安になるのはある意味で当然のことです。
ですから、公務員からの転職を考えている方は、安易な気持ちで転職に踏み切ってはいけません。
まずは不安に思う要素を、しっかりと潰し込んでおきましょう。
かくいう筆者も、40代で公務員から民間企業への転職を経験したのですが、不安を軽視して、
大丈夫、自分は次の転職先でもやっていける自信がある!
このような考えで転職にのぞんだため、見事に失敗してしまいました……
この記事では、40代で公務員から民間企業への転職を考えている方に向けて、公務員からの転職で注意しておくべきことをご紹介しています。
筆者の失敗体験を交えながら、わかりやすくお話ししていますので、ぜひ最後までご覧いただいて、あなたの悩みを解決するヒントにしてください。
公務員を20年続けてきた私が転職を決意した理由
公務員の人が転職を考えたとき、
公務員が民間企業へ転職するのは、そんなに甘いことではないよ…
という意見を聞くことがありますが、これは本当です。
筆者は40代になってから、公務員から民間企業への転職を経験しましたが、その転職に失敗……
甘くないことを、身をもって痛感してしまいました。
まずは筆者の転職体験についてお話しします。
公務員キャリア20年も、仕事をイヤに思う気持ちが強くなる
筆者は、地方公務員である消防職に従事していました。
簡単にいえば、消防士だったわけです。
消防署には約20年間勤務しましたが、その年月のほとんどを、専任の救急隊として働いてきました。
世間一般的には、
と言われていますから、筆者も一人前の救急隊員に当てはまっていたのかもしれません。
確かに、救急隊の業務を他の救急隊員よりも長くやってきましたので、
経験年数や知識、技術は誰にも負けない!
このような自信に満ち溢れていたのは、紛れもない事実であります。
しかし筆者は、救急隊の仕事を長く続けてきて、毎日の激務にもはや嫌気をさしていました。
- 業務上での不満
- つまらない人間関係
上記などが積み重なり、仕事をイヤに思う気持ちが強くなっていたのです。
専門学校からヘッドハンティングの話をもらい、転職を考えることに
仕事をイヤに思うものの、なんとか我慢しながらの日々を送っていたある日のこと。
専門学校の教員をしてくれないか?
このような仕事の誘いを知人から受けます。
救急隊員は、救急救命士という医療従事者に該当するのですが、その救急救命士の資格学科がある専門学校に、専任教員として誘われたのです。
筆者は、このヘッドハンティングの話を受けることにしました。
「もったいない」という気持ちもあったが、安定した転職先なので退職を決意
確かに、公務員を辞めるということに対して、
せっかく試験に合格してなったのに、もったいないのかも…
このような不安な気持ちはありました。
しかし、次の職場となる専門学校は、私立なのですが文部科学省認定の学校法人であり、安定性には問題ありません。
また、これまでの経験から、教育する仕事に対しても自信がありました。
私立だけど、専門学校の教員も安定している仕事だよな…
現場経験も十分だし、教えることには自信がある!
こういったことを加味すると、公務員から転職することの不安よりも、どちらかといえば自信のほうが強かったわけです。
公務員から民間企業に転職した結果。「甘くない」は本当だった
筆者は自信と希望をもって、公務員から民間企業への転職をしました。
しかし現実は、想像していたものとはまったく違っていたのです……
「民間企業は甘くない」は本当でした。
新しい仕事に不満はなく、やりがいを持ってのぞめた
専門学校におけるおもな仕事は、言うまでもなく授業をすることです。
ただ、授業をするためには、授業の倍以上の時間を費やして、授業をするための準備をしなければなりません。
筆者は救急隊をしながら、常に知識の習得に精を出してきたのですが、
忘れている医学知識も多いな…
このように実感することも多く、寝る間を惜しんで復習をしました。
大変ではありましたが、生徒たちは真剣に授業を聞いてくれますので、とてもやりがいのある仕事だったのです。
教員という仕事に対しては、何の不満もなく問題なく取り組めました。
働くうちに、民間企業の厳しい現実を知るように…
仕事に対しては、やりがいを持って取り組むことができ、転職先で幸先のよいスタートを切ることができました。
しかし、しばらくすると、
公務員と民間企業では体質が違う
ということに、たびたび直面するようになったのです。
私立学校は公立学校とは違って、いわゆるひとつの民間企業ですから、生徒が入学してこなければ利益が減ってしまいます。
つまり経営者としては、たとえ教育に対する信念を持っていたとしても、
経営を続けていく
ということを、第一優先で考えなければなりません。
勤務先の朝礼では、
合格率を高くしないと、来年から生徒が来ないだろ!
(利益が減るから)やる気のない生徒でも、一人も辞めさせるな!
上記のような言葉が、罵声を浴びせるように出てきます。
そのための対応策を求められ、そして行動するように言われ続けました。
このようなやり取りを繰り返す毎日のなかで、筆者は非常にストレスを感じるようになり、
最近はぜんぜん寝れなくなってしまったな…
という状態になってしまって、体調を崩して休みがちになってしまったのです。
頭の中ではなんとなく理解していたつもりでしたが、実際に働いてみて、
公務員が民間企業へ転職するのは、そんなに甘いことではないよ…
このような「よく耳にする言葉」を、あらためて痛感させられたのでした。
公務員の仕事には、民間企業のような「利益を求める」概念はない
公務員と民間企業では、根本的に体質が違います。
公務員の仕事も、決して楽なわけではありませんが、「利益を求める」という概念はありません。
しかし民間企業では、どんなに小さな業務であっても、
その仕事は、どのようにして利益につながるのか?
こういった考え方が原点にあります。
公務員にも、当然ながら経理というものはありますが、公務員の経理はあくまでも削減のことを考えるだけ。
基本的に、利益をあげるための業務ではありません。
むしろ逆に、
次年度の予算を削られないように、予算をどう使いきろうか…
このようなことを考えていたりします。
つまり、公務員は誰一人として、
という前提があるのです。
言ってしまえば、たとえ予算が減少したからといっても、給与が減給されるわけでもなく、解雇になるわけでもありません。
しかし、民間企業の場合であれば、そうはいかないでしょう。
利益が減ってしまえば、給料は削減されますし、役職も下げられます。
最悪の場合は、経営不振で会社が倒産してしまい、失業する可能性だってあるのです。
公務員からの転職に失敗してしまった原因とは?
筆者が公務員からの転職に失敗してしまった原因は、以下の2点につきます。
1.転職にあまり不安を感じていなかった
まず何よりも、転職にあまり不安を感じておらず、
自分の甘い見立てで、ものごとを進めてしまった
ということが、失敗につながった原因だといえます。
ヘッドハンティングされたことに浮かれて、次も「安定した勤め先である」と思い込んでしまいました。
ですから、筆者は民間企業への転職に対して、あまり不安を感じていなかったのです。
いま思えば、やっていける自信がありましたので、不安な気持ちを自信が打ち消してしまっていたのかもしれません。
しかし、自信があるゆえに、
きっと大丈夫!何とかなるだろう…
このように安易に考えてしまったことが、転職に失敗する結果につながりました。
2.民間企業の厳しさを理解していなかった
公務員からの転職で不安な気持ちになるのは、いうまでもなく、
民間企業は公務員よりも厳しい
という現実を危惧するからでしょう。
筆者も頭の中では、民間企業で利益を上げていくことの厳しさを、なんとなく解かっているつもりでした。
ただこれは、深く考えることをしなかっただけで、じつはちゃんと理解はできていなかったのです。
実際に民間企業で勤務してみて、
これほど違うものなのか…
と体質の違いを痛感し、あらためて公務員の安定性に気がつきました。
変な自信をもって甘く見ることなく、公務員を辞める前にしっかりと心の整理しておき、転職先の調査や対策などを練っておくべきだったのです。
ちゃんと準備をしておけば、転職したあとに体調を崩したりすることもなかったでしょう。
公務員から民間企業への転職を考えているのであれば、
- 利益を追い求める民間企業のなかで、自分はやっていけるのか?
- もし、転職が失敗した時は、その後はどうしていくのか?
このような違いについて、しっかりとイメージしておくことが重要です。
失敗を回避するために、不安を感じる要素にしっかり目を向けよう
筆者にも、不安な気持ちが無かったわけではないのですが、安易な自信を持ってしまったがために、その不安を打ち消してしまいました。
自信が大きいほど失敗しやすくなってしまうのは、
不安に思うことに対して、十分な対策を考えていない
このような状態になるからであり、転職の成功を阻む大きな要因になってしまいます。
人は不安の要素に目を向ければ、その不安を打ち消すための対策を考えるもの。
公務員から転職を考えるときには、自信をもっていることはさておいて、まずは不安に思う要素について真剣に向き合いましょう。
もしも筆者が転職を考えたときに、
生徒の教育と利益の追求を同時に課されたとしたら、自分には対応できるだろうか?
このようなことを考えていたら、おそらく「能力的にできない」という判断で、転職を見合わせていたかもしれません。
まとめ:公務員からの転職に失敗しないためのコツ
今回は、公務員からの転職に失敗してしまった筆者の経験にもとづいて、民間企業への転職を成功させるために必要なことをお話ししました。
- 「民間企業は甘くない」は本当です!
- 公務員と民間企業の体質の違いを、転職する前に理解しておく
- 自信の大きさではなく、不安を感じる要素に目を向けよう
あなたがいま、転職への自信を持っているのであれば、まずはその自信をいったん横に置いておきましょう。
自信があるのはよいことなのですが、その自信が裏目に出てしまうこともあります。
転職は人生のなかでも一大イベントとなる場面ですから、自信が過信となってしまって、悪影響を及ぼしてしまうことは避けるべきです。
- どうすれば、民間企業への転職に成功するのだろうか?
- 失敗しないためには、何をしておくべきだろうか?
- そもそも、転職すること自体をやめておくべきだろうか?
上記のような不安に思うことに、さまざまな角度から向き合って、しっかりと対応策を考えていく必要があります。
もし、自分だけで解決できないならば、誰かに相談してみましょう。
公務員の安定を捨ててまで転職しようと考えているのですから、不安に思うこととしっかり向き合って、ぜひ成功を掴んでくださいね!
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