公務員を辞めたい40代女性。転職で後悔しないための解決策とは

公務員として頑張ってきたけど、

もう辞めたい。でも40代だと転職先もないだろうし、やりたいことも思いつかない…

生活費は稼がなくちゃならないし…かといって、定年まで10年以上あるのは、やっぱりつらい…
このような、出口の見えない悩みを抱えていませんか?
44歳の公務員だった筆者も、以下のような心配ばかりして、身動きできていませんでした。
- 相談できる人がいない
- そもそも、公務員から転職できるのか?
- 地方都市で、40代女性を雇う会社はあるのか?
- もし転職できても、ブラック企業だったらどうしよう…
- 給与や待遇が下がる可能性もある
- 生活費と教育費も稼いで、生活できるのか?
しかし、「悩んでも解決しない」と決意して、リスクのない行動をひとつずつ重ねていった結果、徐々に状況を変えることができたのです。
さまざまな取り組みで視野が広がったことで、柔軟な考え方ができるようになりました。
この記事では、「公務員を辞めたい」と考えている40代の方が、転職するか悩んだときにどのような行動を取るべきか、筆者の体験談を交えながらお話ししています。
ぜひ最後までご覧いただいて、あなたの悩みを解決するヒントにしていただけると幸いです。
16年続けた公務員を辞めたいと思った理由

公務員として採用された時から、辞めたい気持ちがあったわけではありません。
まずは辞めたい理由を整理して、
- 何が原因なのか?
- どうなったら嬉しいのか?
- どうしたいのか?
上記のような、思っていることを書き出すことから始めてみました。
採用された時は、意欲も喜びもあった
公務員を目指していた筆者は、

法学部出身であることを活かして、相談業務中心の仕事に就きたい…
このように考えて、出所者の再犯防止指導ができる法務省を志望しました。
採用内定の電話連絡をもらった時は、涙が出るほど感激したのを覚えています。
やりがいを持って働き始めた16年間を振り返ってみると、
- 嬉しかったこと
- 感謝されたこと
- 長く携われた仕事
上記のような、よいこともたくさんありました。
人事制度による仕事の行き詰まり
「公務員を辞めたい」と考えるようになった理由の一つは、
ということを感じるようになったからです。
勤続年数が増えるにつれて、キャリア組とノンキャリア組の格差を感じるようになりました。
平成21年に国家公務員の業績評価制度が始まりましたが、実質的には年功賃金制にもとづいたもの。
ノンキャリア組である筆者のひがみではありますが、

頑張っても、頑張らなくても、よくて「街はずれの課長級」どまりだな…
このような現実が見えてきたのです。
人事異動の希望は聞き入れられず、やり甲斐を感じていた相談業務からも外れてしまいました。
定年まで中間管理職として、「地方を点々とする生活」が待ち受けているのが明らかだったのです。
プライベートの変化によるワークライフバランスのズレ
「公務員を辞めたい」と考えるようになったもう一つの理由は、プライベートの変化によるものです。
公務員に採用された時は独身でしたが、その後、結婚、出産、育児を経験しました。
産休と育休、育児時間や短時間勤務など、人事制度を利用して、仕事と育児の両立に挑戦してきたのです。
職場からは、

子どもが小さいうちは、転勤を猶予します
このような配慮をしていただきました。
しかし、子育てしながら転勤せずに9年が経過しており、周りの目が年々厳しくなっている気がします……

これはもう転勤は避けられないな…
という覚悟するしかありませんでした。
もし転勤辞令が出た場合、選択肢としては、
- 夫と子どもを残して、ひとりで単身赴任
- 夫を残して、子どもたちとワンオペ転勤
上記のどちらかとなります。
家族離ればなれになってまで、

公務員として仕事を続ける意味はあるのだろうか?
このような自問自答を繰り返していました。
恵まれている公務員を退職するのは「自殺行為」なのか?
せっかく試験に合格して手に入れた公務員という立場。
恵まれた環境にいる有り難みを自ら捨てることは、「自殺行為に近い」と頭では分かってはいました。
けれども、正直な気持ちとして、「辞めたい」という思いは抑えられません。
贅沢だといわれることを恐れて、誰にも打ち明けられず、

自分で何とかしなければ…
このような悪循環におちいっていました。
職場の人間関係が悪いわけじゃないけど、相談できる人や場所がない孤独…
人間関係が悪いというわけではないのですが、同じ職場の40代も、過去に退職した先輩たちも、相談できるほど親しくありません。
職場と保育園を往復することで精一杯の毎日で、友人が減ってしまって、
- 今の悩みを正直に相談できるが相手がいない
ということにも、気づかされました。
親や親族も公務員が多く、葛藤を打ち明けてみたものの、

公務員を続けているほうがいいと思うよ
このように結論づけられてしまい、具体的な突破口を見つけられなかったのです。
公務員には雇用保険が適用されないので、ハローワークで相談することもできません。
思いつめていたときに訪れた機会
具体的な解決策も見つからないので、

もう定年まで我慢するしかないのかな…
このように悩みにフタをして、しばらく思考停止して過ごしていました。
しかし、転勤の時期も年々迫っているなかで、

家族離ればなれの生活を、定年まで15年以上も我慢し続けるのは、やっぱりとても耐えられない…
こんなふうに思いつめるようになっていました。
そんな時に、経済評論家の勝間和代さんの講演を聞く機会がありました。
彼女がサラリーマン時代に会社を5社も経験したのは、
上記のような理由があったことを知ったのです。
悩んだ末に行動してみたこと

筆者は思い悩んだ末に、以下のようなことを始めてみました。
- 今まで担当した業務を棚卸ししてみる
- 不満を書き出して、周囲に話してみる
- 転職経験者のエピソードを聞いてみる
そして実際にやってみて、あることに気がつきました。
公務員の場合は、法令で人事制度が定められていますから、
ということです。
当たり前といえば当たり前なのですが、

職場の人事制度は変えられないのだから、自分が動くしかないのか…
このようなことに、あらためて気付かされました。
転職サイトに登録して情報収集をはじめた
40代の公務員がキャリアチェンジするとしたときに、選択肢としては、
- 企業に勤める
- 他の公務員になる(経験者枠など)
- 自営する
- 無職になる、専業主婦(主夫)
上記の4択となります。
労働力調査と人事院統計から、労働人口を調べてみると以下のとおりです。
企業に勤める人 | 5,973万人 |
公務員全体 | 333万人 |
自営業とその家族 | 660万人 |
無職(失業者) | 193万人 |
人数で見ると企業勤務者が桁違いに多いですから、その分だけ求人数も多いと予測することができます。
こういった労働市場の情報から、まずは「転職する・しない」に関わらず、

まずは企業の求人を探してみよう!
という気持ちになったのです。
まず最初に、地元の求人情報誌をみたり、新聞の求人広告に目を通したり、ハローワークのサイトをチェックしてみました。
こういった媒体の求人では、学生向けのアルバイトやパートタイムの仕事が多く、職種も限られているように思えます。
また応募期間が短くて、じっくり吟味できそうにありません。
そこで転職サイトに3つほど登録して、情報収集を始めてみたのです。
- 転職サイトに登録するだけなら、リスクはない
- ネット上の活動なら、誰にも知られることはない
- 求人を見ることで情報が得られる
- 他の仕事を見て「やっぱり公務員が良い」と思えたらラッキー
- もし転職できるなら、1才でも若い方がチャンスが多いだろう
当時の気持ちは、このようなものでした。
異業種交流会やオンラインサロンに参加した
転職のチャンスや人脈を広げようと、異業種交流会やオンラインサロンにも参加しました。
Web会議システムのおかげで、国内外に友人・知人ができたのです。
年齢も職業も違う人たちと交流することで、考え方も視野も広がりました。
「どんぶり勘定」の生活をやめて、家計簿をつけ始めた
公務員をやめる場合に備えて、家計簿をつけ始めました。
今までは、

まぁ共働きだしね…
という言い訳をして「どんぶり勘定」だったのです…
家計簿をつけることで、月々の生活費の現状を把握できるようになり、
- 将来の教育費
- 老後の資金計画
といったことを夫婦で話し合いました。
公務員独自の福利厚生を整理した
公務員を辞めたいと悩んでいた当時は、公務員宿舎に住んでいたのです。
しかし今後に辞める可能性を考えて、賃貸アパートを探して引っ越しました。
また、利用していた財形貯蓄を解約して、
などへの預け替えも済ませ、退職した場合の社会保険についても確認しています。
副業を再開してみた

公務員を辞めるなら、自力で稼ぐ力をつけなくては…
上記のように考えて、出産を機に休んでいた、公務員でもできる副業を再開しました。
公務員宿舎からの引っ越し体験をAmazonで電子出版し、著者デビューを果たせたことで、

行動すれば、可能性が開ける!
ということを実感したのです。
最新の書籍では、公務員が安全に取り組める副業について執筆していますので、興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
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公務員が転職活動をしてみて感じたこと

転職サイトに登録してみて、たくさんの求人情報を見ることで、

世の中にはこれほどたくさんの職業があるのか!
改めてこのような驚きがありました。
筆者が公務員試験を受けた15年前とは、働き方も環境も大きく変化しています。
という社会がますます加速することは、40代の転職活動にとっても追い風になるかもしれません。
転職サイトから求人に応募。一歩前に進むことができた

まずは挑戦してみよう!
上記のようにダメもとで勇気を出して、転職サイトから2社に応募してみました。
履歴書と職務経歴書を書くことで、自身の経歴を整理することができ、今まで関わった公務に誇りを感じることができたのです。
結果は2社とも不合格。しかし、企業の採用担当者と話すことで、視野も考え方も広がって経験値が増えました。
結局、企業への転職はしなかったのですが、漠然と「辞めたい」と思うだけだった頃の自分とは、明らかに気持ちが変化していったのです。
40代が書類選考を通過するために押さえるべきポイントは、応募書類(履歴書・職務経歴書)の書き方でご紹介していますので、あわせてご確認ください。
転職活動をはじめて得られたものは?
実際に転職活動をやってみたことで、
- 公務員生活の何が不満なのか?
- 自分は、何を手に入れたいのか?
上記について、じっくり考えるきっかけとなりました。
転職活動を始めるまでは、

公務員は転職できない、キャリアの袋小路だ…
このように悲観してばかりだったのです。
しかし今では、情報収集ができるようになりましたし、交友関係も広がったので、さまざまな選択肢を知ることができます。
その結果、柔軟な考え方ができるようになりました。
40代が転職活動する際に押さえておきたいこと

40代の転職には「40代なりの攻略法」があるので、若い頃と同じ感覚で転職活動に挑んでしまうと、厳しい戦いが待ち受けているかもしれません。
とくに民間企業へ転職するのであれば、十分に心得ておくべきこともあります。
転職活動を始める前に、以下のポイントを必ず押さえておきましょう。
公務員と民間企業の違いを理解しておく
公務員と民間企業では、根本的に体質が違います。
民間企業では、どんなに小さな業務であっても、

その仕事は、どのような利益につながりますか?
こういった考え方が原点にあるのです。
しかし、公務員の場合は誰一人として、利益を求めることに縛られて、業務をしているわけではありません。
たとえ予算が減少したからといっても、給与が減給されるわけでもなく、解雇になるわけでもないのです。
しかし民間企業の場合は、そうはいかないでしょう。
利益が減ってしまえば、給料は削減されますし、役職も下げられます。
最悪の場合は、経営不振で倒産したり、リストラにあって失業してしまう可能性もあるのです。
民間企業への転職を考える場合は、
- 利益を追い求める民間企業のなかで、自分はやっていけるのか?
- もし、転職が失敗した時は、その後はどうしていくのか?
このような違いについて、しっかりとイメージしておくことが重要です。
これまでの経験を棚卸しして、自身の強みを自己分析する
40代の転職者に対しては、若い頃のように「ポテンシャル(伸びしろ)に賭けてもらえる」といった特典はありません。
「今後の可能性に期待」という悠長な姿勢はなく、入社してすぐに結果を出すことを求められます。

この人ならすぐに活躍してくれそうだ!
このような確証が持てない限りは、企業側が内定を出すことはないでしょう。
即戦力であると企業側に思ってもらうためには、

私が持っている強みは○○です!
ということをしっかりアピールしなければなりません。
まずは社会人になってからこれまでの、職歴や実績について棚卸しをしてみましょう。
そのうえで、自身の強みを自己分析しておく必要があります。
最初にしっかり自己分析をしておくことで、求人を選ぶ際の手がかりや、応募書類の作成でも役立つはずです。
転職への”動機づけ”を明確にする
転職準備をしっかり進めることに合わせて、転職に対する”動機づけ”を明確にしておくことが重要です。
採用面接で、面接官に転職の動機を聞かれたときに、

御社の事業内容に魅力を感じました
上記のような回答では、さすがに選考を通過するのは難しくなります。
退職理由にも、転職理由にもなり得る“ポジティブ”な理由や目標を、しっかりと決めておきましょう。
転職の動機を明確にしておけば、転職活動が長期化した際にも、原点回帰できるのでとても重要です。
なお、転職の動機については、
- 退職理由
- 転職理由
- 志望動機
上記のような要素として、面接で必ず質問される内容です。
それぞれにはノウハウが存在していますので、以下の記事などを参考にして、しっかりと対策しておきましょう。
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【FAQ】40代の転職でよくある疑問・質問にお答えします

ここでは、40代の転職でよくある疑問・質問にお答えします。
ぜひ参考にしてください。
-
40代だと軽い気持ちで転職するわけにはいきませんから、本当に転職したいのかどうか、自分自身をよく見極める必要があります。
転職に迷いがあるうちは、まだ現職に留まっておいて、
- 何に迷っているのかを明確にする
- 自分がどうしたいのかをしっかり考える
- 転職することのメリット・デメリットを整理する
上記について、まずはじっくり検討してみましょう。
そのうえで、どうすれば自分がいちばん望んでいる方向へ行けるのか、模索しながら作戦を立てることが重要です。
-
仕事選びに迷うなら、いちど自分の価値観を整理してみましょう。
以下の6つの方法で導き出してみてください。
- やりたいではなく、やれる仕事から探す
- 好きな分野、興味のある職種から探す
- 身につく資格やスキルで探す
- 社会貢献度の高い職種から探す
- 副業で経験を積みながら、やりたい仕事を見つける
- やりたくない仕事を除外して絞り込む
それでも見つからないときは、無料の転職サービスを利用して、客観的なアドバイスを取り入れてみるのもひとつの方法です。
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当サイトでは、さまざまな40代のリアルな実体験をご紹介していますが、今の仕事を辞めても次の道はあるというのが実際のところです。
何とでもなりますから、必要以上におびえる必要はありません。
身体やメンタルがまいってしまう前に、見切りをつけて次のステップへ進みましょう。
そのほうが明るい未来が見えてくるはずです。
-
仕事・生活のなかでやってきたことを、的確に言語化して表現することで、企業側に「強み」として認識されるものは誰にでもあります。
以下の記事を参考にして、これまで自分がやってきたことを、スキルとして言語化してみましょう。
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副業をプラスした働き方なら、仕事量と収入を自由にコントロールできます。
家族との時間を大切にするためにも、「副業ありきの転職」を考えてみるのはいかがでしょうか?
以下で実際の体験談を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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40代で転職したのなら、丁寧な入社フォローが用意されているわけではありません。
基本的に、自分であれこれ確認しながら、新しい職場に慣れていく必要があります。
スムーズに新しい職場に溶け込むために、入社後に実践しておくべきコツを押さえておきましょう。
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筆者も40代になってから、何度か会社を退職した経験がありますが、辞めてもなんとかなります。
当サイトに寄せられる「40代の転職体験談」をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
40代で転職するのはやめた方がいいですか?
何がしたいかわからない。適職を見つけ出す方法は?
40代での転職。本当になんとかなるの?
スキル・キャリアがない場合はどうすればいい?
40代で妻子持ち。転職のリスクなんて負えない…
40代だと転職後はしんどいですか?
実際に会社を辞めた人のリアルな実情を知りたい
まとめ:人生100年時代!後悔を残さないためにも、リスクなくできることから始めてみよう
公務員を辞めたい40代の筆者が悩んだ末にとった行動とは、「リスクなくできること」から、まずは始めてみることでした。
- 喜ばれた仕事と長く担当した業務を、思い出す
- 不満に感じていることを、すべて書き出す
- どうなりたいかを思い描く
- 転職経験者の話を聞いてみる
- 転職サイトに登録して、転職活動を始めてみる
- 公務員以外の交流をもつ
- 必要な生活費を計算する
- 金融リテラシーを高める
- 副業など、新しい挑戦を始めてみる
- 職場は変わらない、自分が変わるしかない
あなたが取り組みやすいのは、この10個のうちどれでしょうか?
人生100年時代、公務員にも人生の可能性が広がっています。
すべて今日から始められることばかりです。できることから行動を始めてみませんか?
セカンドゴングは40代の転職を応援しています!

当サイト(セカンドゴング)では、40代の転職に特化した転職ノウハウについて、
- 実際に40代で転職を経験した人
- 企業の採用担当・キャリアコンサルタントなど、転職活動に知見を有する人
上記のようなメンバーが数多くの記事を提供しています。
転職活動を攻略するためのコツとして、以下のようなコンテンツをご用意していますので、ぜひ参考にしてみてください。
また、当サイトにノウハウを提供している転職サポーターが、あなたの転職活動をお手伝いします。
さまざまなサポートをご用意していますので、悩みがある方はお気軽にご相談ください。