転職するときの退職時期をどうする?賢く決めるための6つのポイント
転職するときに退職時期を決めますが、転職をするのがはじめてだったりすると、どうやって決めたらいいのか悩みますよね。
自分の都合だけで、勝手に決められるというわけではないので、注意しておく必要があります。
たとえば、
子どもの入学時期に合わせて、1ヶ月後の3月末には退職したい
このように思っていても、会社と退職日のすり合わせをした結果、もっと先になってしまうこともあるのです。
退職するときに覚えておきたいのは、
退職をする時期によって、損得が分かれる場合がある
ということ。
退職する月の決め方も重要ですが、1ヶ月のなかでも、どの日に辞めるかによっても変わることがあります。
- 退職意思は遅くても1ヶ月前には伝えること
- ボーナス(賞与)の支給条件を確認する
- 繁忙期や責任業務の終了前は避ける
- 有給休暇の消化は、退職日当日から逆算する
- 求人の多い時期に合わせる
- 月末退社が望ましい
この記事では、転職をするときに退職時期で損をすることがないように、退職時期を賢く決めるためのポイントについてお話しします。
できるだけ損をしないためにも、ご紹介するポイントを押さえて、いちばんおトクなタイミングで転職できるように準備しましょう。
40代が転職で準備するべきことは、40代が転職活動で準備するべき5つのポイントでご紹介していますので、あわせてご確認ください。
ベストな退職時期を決めるための6つのポイント
ベストな退職時期を決めるために、押さえておきたい6つのポイントをご紹介します。
転職するときには、これらの内容を確認してから、退職時期を検討するようにしましょう。
退職意思は遅くても1ヶ月前には伝えること
まず最初の前提として、退職したい時期を決めたら、退職希望日の1~2ヶ月前には、退職意志を上司に伝えるようにしましょう。
遅くても1ヶ月前には申し出しておくことで、上司と話し合う期間も設けられますし、手続き上もスムーズに進められるようになります。
民法627条においては、
上記のように定められていますが、これはあくまでも「法的には」という話です。
社会人のマナーとして、「遅くとも1ヶ月前」と心得ておきましょう。
また、勤めている会社の就業規則を確認し、退職の申し出に関する記述も確認しておくようにしてください。
かりに「3ヶ月前に退職を申し出なければいけない」などとされていても、法的には無効とされる可能性が高いです。
3ヶ月以上前に退職届を提出するよう就業規則で義務付けることはできますか?|キノシタ社会保険事務所
したがって、就業規則でも「1ヶ月前までに」とされているケースが多くなっています。
上司への相談や後任人事のすり合わせ、業務の引き継ぎなどを考えると、トラブルなく退職するためには、最低でも1ヶ月が必要と認識しておきましょう。
ボーナス(賞与)の支給条件を確認する
会社を退職するタイミングで、注意しておきたいのがボーナス(賞与)の時期です。
賞与は会社によって支給される時期が異なりますが、
といった支給対象者の規定があるはずです。
給与や賞与については、退職しても在籍していた期間の分は支払われます。
しかし、賞与規定にある要件の前に辞めてしまうと、対象期間の賞与がもらえなくなってしまうのです。
退職を考えている日が、賞与の規定日に近い場合は、退職日を賞与規定日の後にずらすことも検討しましょう。
また、賞与が確定する前に退職申し出をしてしまうと、賞与査定に影響してしまい、支給額が下がってしまう可能性があります。
賞与が確定してから退職を申し出て、賞与の支給規定日までは会社に在籍しておけば、退職を理由にボーナスで損をすることを避けられるでしょう。
一般的に12月にボーナスが支給される会社が多いので、1月末~2月末に退職日を持ってくるのがおすすめです。
年末の賞与査定の影響を受けにくいですし、転職求人が増えてくる時期でもあるので、転職活動もしやすくなるでしょう。
繁忙期や責任業務の終了前は避ける
- 繁忙期で上司も仕事で手一杯
- 残業が毎日続いている
こういった時期に退職の相談を持ち掛けると、上司も困惑してしまうでしょう。
繁忙期になれば、誰だって心の余裕もなくなりますので、場合によってはキレられたり、嫌がらせに発展してしまうかもしれません。
人手が必要となる時期が事前に分かっているのであれば、退職時期を繁忙期からずらしておく方が、退職手続きを円満に進めることができます。
また、自分が参加しているプロジェクトが終了していないなど、責任業務が終わる前に、退職することも避けておきたいところです。
社会人として基本のルールとして、
いちど手掛けた仕事は、最後まで責任を持つこと
上記を心がけましょう。
有給休暇の消化は、退職日当日から逆算する
有給休暇の消化は、退職日当日までしか行うことができません。
したがって、残っている有給休暇の日数分だけ、退職日を先送りして設定し、
最終出勤後に、有給休暇を消化してから退職する
というパターンの人も多いです。
ふだんに有給休暇が取りづらく、
有給休暇が40日分たまっているんだけど…
上記のような場合は、退職までに取得可能な有給休暇を、消化しきれない可能性があります。
有給休暇は退職すると権利が消滅してしまうからです。
有給休暇の残日数を事前に確認したうえで、引き継ぎや有給休暇消化を考慮して、退職日を設定するようにしましょう。
求人の多い時期に合わせる
一般的に中途採用の求人は、「2~3月」と「8~9月」に増えるといわれています。
- 企業の人事異動が多くなる
- 新卒入社のタイミングとずらすため
こういったことがおもな理由です。
効果的な転職活動を目指すなら、求人が多くなるタイミングに合わせて活動すると、比較的有利に選考が進みます。
- 2月頃から転職活動と退職の準備を少しずつ進める
- 3月~4月あたりに転職できるタイムスケジュールを立てる
上記のようなスケジュールを立てておくと、集中的に効率よく転職活動ができるでしょう。
月末退社が望ましい
1ヶ月のなかでも、退職日に向いている日は月末です。
なぜなら月末の時点で、無職でどこの会社にも在籍していないと、社会保険料が国保(国民健康保険)扱いとなってしまうからです。
国保扱いになってしまうと、社会保険のように企業が半額負担することはないので、全額を自己負担で支払う必要があります。
家族が多い場合は、結構な金額になる場合もあるので、注意が必要です。
よほどの事情がないかぎりは、退職日は月末を選ぶようにしましょう。
転職先を決めてから退職をしたほうがいい4つの理由
退職するときには、転職先を決めてから退職手続きに入るという人が多いです。
たしかに会社勤めしながら時間をやりくりして、仕事と並行して転職活動をすることは、簡単なことではありません。
しかし、先に転職先を決めておくことで、以下のようなメリットがあります。
自分の市場価値を知ることができる
転職活動を通して、自分の市場価値を客観的に知ることができます。
その結果、いまの会社が、
やはり自分のことを、正当に評価していないな…
と感じるのなら、転職活動にいっそうの力を入れて、自分に合った企業を探せばよいのです。
しかし、実はいまの会社が自分を正当に評価していて、
市場価値と比較しても、かなり高い給料で雇ってくれているのかも…
このように実感する場合があるかもしれません。
自分の市場価値と、いまの会社の評価を客観的に対比することで、転職をするかしないか冷静に判断することができるでしょう。
金銭的に困らない
転職先が決まってから退職すれば、給料という毎月の収入が途切れることはありませんから、金銭的に困ることはないでしょう。
退職しても、失業保険に入っている間は手当をもらうことができますが、支給される期間は限られています。
その間に転職先が見つからない場合は、それ以降は無収入となってしまうのです。
また無職の間は、社会保険料を実費で支払わなければなりません。
金銭的なことでいえば、転職先を決めてから退職をしたほうが、生活に困るという心配をなくすことができるでしょう。
理想の会社をじっくり探せる
退職後に仕事を探すとなると、期間や金銭面で制限ができてしまうため、
失業保険手当が貰えているうちに探さなくては
貯金が底をつく前に、なんとかしなければ…
どうしても、このような焦りが出てしまいます。
焦りから余裕もなくなりますし、
応募してもなかなか決まらないじゃないか…
ということを繰り返すうちに、条件に納得していない企業に妥協をしてしまい、不本意な転職をしてしまうのです。
しかし、退職せずに時間をかけて転職先を探すやり方であれば、自分の条件に合う会社を納得できるまで探せます。
条件に満足できる、理想の企業に出会えるかもしれません。
職場ストレスが軽減される
職場の人間関係やハラスメント行為が原因で、転職を考えているという場合は、
どうせもうすぐ転職するしな…
上記のように割り切ってしまえば、多少のことは受け流せる気持ちになれるでしょう。
このままずっと、耐え続けなければいけないのか…
こういう気持ちで我慢し続けていると、心身を壊してしまいます。
しかし、「あと数ヶ月で終わり」と考えるだけでも、心にゆとりができますし、たいして気にならなくなったりするものなのです。
退職を申し出るときに、注意するべき3つのポイント
退職することをいまの会社に申し出る際に、注意しておきたいポイントが3つあります。
転職理由で会社批判をしない
転職する原因がたとえ会社にあった場合でも、転職理由として会社を批判しないことが大切です。
あくまでも、「一身上の都合」としておきましょう。
会社批判や悪口を転職理由にしてしまうと、会社側の心証を悪くして、円満に辞めることが難しくなってしまいます。
また、会社側に原因があるような話をしてしまうと、
わかった。改善するから転職の話は無しな
というふうに、引き留めの材料に使われてしまうかもしれません。
退職届・退職願は、上司に相談後に提出する
退職届や退職願は、上司に退職の相談をした後に、提出するようにしましょう。
突然なんの前触れもなく、いきなり退職届や退職願といった書類を突き付けられたら、
なんて一方的なんだ!
上司だって、このように困惑してしまいます。
どうせ辞めるのだから、印象なんてどうでもいいよ
このように考えてしまいがちですが、これはいけません。
最後まで相談に乗ってもらったり、退職手続きのお願いする相手は、その上司になるのです。
これまでイヤな思いをさせられたとしても、
もうあとちょっとのことだし…
このように割り切ってください。
表面上だけでも、円満なやり取りをできるようにしておいた方が、スムーズな退職につながります。
退職願・退職届は手書きで提出する
退職願や退職届は手書きが原則です。
ビジネス用のシンプルな白便せんに、縦書きで記載しましょう。
会社によっては、フォーマットが決まっている場合もあるので、確認が必要です。
便せんの大きさは、A4かB5を使います。
書き損じは修正ペンなどは使用せずに、もういちど書き直しましょう。
パソコンで作成してプリントアウトしても構いませんが、
一般的にはこのように言われています。
パソコンで作成する場合でも、署名だけは手書きにしておきましょう。
退職を引きとめられた場合はどうする?
いまは人手不足の会社が多いので、仕事を覚えてきっちりこなしている中堅社員の退職は、会社にとっても大きな痛手となります。
このような状況から、
退職を引きとめられる可能性もある
と考えておいた方が良いでしょう。
もし退職を引きとめられた場合は、以下の点を確認しておくようにしましょう。
期限をしっかり決めて、手続きを進める
自分の意志がしっかり転職に向かっていて、気持ちに揺らぎがないときは、感謝の気持ちを伝えつつ、
退職の意思は変わりません
このようにはっきり伝えましょう。
会社側は辞めてほしくないので、
何とか繁忙期まで引っ張って、辞めづらくしよう…
といった引き延ばし作戦をしてくる場合があります。
こういったことを回避して、転職先に影響が出ないようにするためにも、退職期限をしっかり決めて、手続きを進めてることを意識してください。
なぜ転職したいのか、もう一度しっかり考える
もし引きとめられて、心が激しく揺れ動くようなら、
ということなのかもしれません。
未練を感じる場合は、
なぜ転職をしたいのだろうか?
どうしても転職しなければならないのか?
といったことを、改めて自分に問うてみましょう。
- ハラスメント行為などに激高して、勢いで辞めたくなった
- なんとなく焦りがあって転職したくなった
上記のようなケースで、転職に対する明確な目標もなく辞めてしまうと、あとあと後悔することになるかもしれません。
しっかりとした、次のステップへの意志が固まっているのなら、どんなに引きとめられても冷静に対応して、辞めることができるはずです。
まとめ:転職するときは、慎重に退職時期を決めよう
今回は、転職をするときに退職時期で損をすることがないように、退職時期を賢く決めるための6つのポイントについてお話ししました。
退職時期は、自分の意思だけで簡単に決めることができないものです。
会社が忙しくなる時期や、自分が携わっているプロジェクトが終わる前などは、なるべく退職するタイミングとして避けておきましょう。
ボーナスが出る時期や査定の時期なども合わせて考えないと、もらえるはずのボーナスをもらい損ねてしまいます。
また、社会保険のことも考えておかないと、必要のない費用を支払うことにもなりかねません。
退職した後は、生活費を心配する日々がしばらく続くかもしれませんので、冷静にしたたかに考えて、もらえるべきものはもらいましょう。
ご紹介してきた退職に関わる規定などは、総務などにも確認・相談しながら、退職時期についての準備を早めに進めることをおすすめします。
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