40代ハイクラス転職の実際は?失敗から学んだ成功させるコツを解説
40代でハイクラス転職なんて難しいのかな?
このような悩みを抱えていませんか?
ご安心ください。ノープランだと確かに難しいですが、工夫をすることで転職は十分に可能です。
じつは筆者も管理職への転職を目指し、最終的には年収650万円⇒800万円のハイクラス転職に成功しました。
ただ、筆者の場合は計画性とリスク管理が甘く、転職活動が長期化して収入が途絶えるなど、かなり苦しい思いをしてしまったのです……
40代でハイクラス転職を考えるなら、半年~1年の長期戦になることを覚悟して取り組みましょう。
現状の生活基盤を失わないようにリスクマネジメントを行ったうえで、転職エージェントをうまく活用することが成功の秘訣です。
この記事では、筆者の転職体験談をお話しするとともに、失敗続きの中からハイクラス転職の成功へ結びつけたコツについて紹介しています。
ぜひ、あなたの転職活動の参考にしてください。
平社員から管理職へ。40代で転職を選んだ理由
当時の筆者は、30代前半に転職した外資系コンサル会社の総務部で働いていました。
行っていた業務は、
オフィスの統廃合、移転計画、レイアウト変更、働き方改革など
上記のような、オフィスの管理運営全般です。
社員としてはそれなりの評価もいただき、会社での生活に大きな不満はありませんでした。
上のポジションが空かない。いつまでたっても平社員のまま
筆者が転職活動を開始した理由は、いまの会社では出世の可能性が低かったことです。
硬直化した流動性のない組織だったので、所属組織の役職者はずっと固定されており、ポストが空くことはありませんでした。
- 上司たちの定年を待つ
- 役職者ポストが空いている他の部署に異動する
こういった選択肢も検討しましたが、今まで培ってきた専門性を捨てて、イチから他の部署への異動することも気が引けます。
この会社にいては役職者にはなれない…
平社員のままで終わりたくない…
「管理職としてマネジメントを経験したい」という強い思いから、転職を決意しました。
40代は「最後の転職チャンス」だと思っていた
40代での転職は「人生で最後の転職」だと思っていたので、
次の転職で役職者になれなかったら、自分はずっと平社員のままだろうな…
と思っていました。
最後の転職になりますので、
定年までにどのようなポジションになっていたいのか?
という、キャリアの仕上がり状態をイメージしてみたのです。
しかし、役職者経験のない自分は明確なイメージをすることができず、
- 100名規模の企業なら経営陣
- 1000名未満の企業なら役員クラス
- 1000名以上の企業なら部長以上
上記のような漠然なイメージのまま、転職先を探すことになりました。
転職先が決まらず収入が途絶える… 40代ハイクラス転職は長期戦を覚悟
筆者は20代や30代でも転職経験があり、その際は1ヶ月くらいで問題なく転職できていました。
ですので、
名のある企業でキャリアを積んできた
だから今回もスムーズに転職できるはず
こんな驕りや勘違いを持ってしまっており、ろくな準備もせずに、甘ったれたメンタルで転職活動を始めてしまったのです。
結果は想像よりも苦しいもので、急性胃炎になるくらい精神的に追い込まれた体験となりました……
20代や30代に比べて求人が少ない。とりあえず3社に応募してみる
手始めに転職エージェント1社(パソナキャリア)に登録しました。
このエージェントは、30代で転職した際に多くの求人を紹介いただき、そのおかげで転職が成功したので良いイメージがあったのです。
さっそく求人情報をもらいましたが、紹介いただけた件数は5件のみ……
20代や30代の頃は10~20件の求人をいただき、もう少し選択の余地があった気がします。
しかし、エージェントから、
40代になると少なくなりますよ
という説明をうけ、とくに気にすることもなく納得していました。
5件のうち3件に応募することに。
3社の中には、よく知られた会社もありました。
管理職になりたいと思っていた筆者は、「社名」と「役職」にしか目が行っておらず、
- 知っている会社か知らない会社か
- 役職が提示されているかされていないか
という安易な部分で、応募先を選んでいたのです。
応募した3社はすべて書類選考を通過。自信満々で面接に挑むも撃沈…
自分の中では、それなりに名の知れた企業でのキャリアがあるため、
受かって当然だろう…
という気持ちがありました。
また、学生時代のアルバイトから今までの転職経験で、「面接で落ちたことがない」という自負があり、今思うとびっくりするくらいの驕りがあったのです。
ですから、
この3件の面接で転職先が決まるだろうな…
と思っていました。
2週間かけて3社と面接し、どこもそれなりに手応えがありました。
自身のこれまでのキャリアや仕事に対しての思い、将来的なビジョンもしっかりと面接官に話ができたと思っていたのです。
何よりも、自分には「面接不敗神話」があるため、
3社の中からどこを選ぼうかな…
と独りよがりの想像をしていましたが、結果はどこも採用見送りでした……
40代の転職は甘くない。半年から1年くらいを覚悟する
- 企業側の組織構成上、ポジションが合わなかったため
- スペック及びスキルセットは弊社の求めてるレベルだったのですが、他者と比べて「カルチャーフィットが難しいのでは」という懸念点が先般の面接で拭い去れなかったため
- 業界での実績、経験は期待レベルに到達しているも、柔軟性に富んでいる他の候補者がいたため
上記は、すべて見送り時にいただいた実際の文言です。
これらを目にしたとき、自分の中にあった驕りが一瞬で崩れ去りました。
自分の自信が何の根拠もないもので、
自分は何も準備できていなかったんだな…
と悔いた瞬間でした。
エージェントの担当者から、
40代の転職は時間がかかりますよ。じっくり取り組みましょう
と言われた際に、実感として初めて「時間がかかる」ことを意識しました。
自分は例外だと思っていたことが、幻想だということを思い知ったのです……
この3社の面接以降、数ヶ月間は面接にすらたどり着けず、地獄のような日々が始まりました。
退職願を先に出してはダメ。収入がなくなると家族全体に影響が出る
最初の3社の書類選考が通過した際に、勤め先に退職願を提出していました。
業務上、迷惑をかける可能性があったことと、
すぐに次の職場が見つかるだろう
という根拠のない自信があったからです。
しかし、前述のとおり、面接にすらたどり着けなくなるので、収入が途絶えることになりました。
筆者は既婚なので、妻と2人の子どもがいます。
「収入がなくなる」ということは、家族全体の生活にも影響が出てしまうのです……
あまりにも家庭を顧みず、リスクマネジメントができていない軽率な判断・行動でした。
転職先が決まるまで、約2ヶ月の無収入期間を作ってしまうことに。
家計に大ダメージを与えますし、転職活動中は日中に家にいる夫・父の姿で、家族に不安を与えてしまいました。
ついには、筆者自身もプレッシャーに押しつぶされて、急性胃炎で病院に運ばれるなど、自身や家族の心身が蝕まれる苦しい日々をすごすことになったのです。
求人案件を増やすためにおこなったこと
40代の転職を成功させるためには、多くの求人情報を得ることが重要です。
筆者は転職活動を開始した際、1社の転職エージェントしか登録していませんでした。
また、前職の経験を活かすべく、柔軟性にかけた希望をオーダーしていたのです……
そこで、応募できる求人案件を増やすために、
- 複数の転職エージェントを利用する
- 未経験の業務も受け入れる
- 希望条件に優先順位をつけておく
上記の3つを実践することにしました。
情報の供給元を増やすために、複数の転職エージェントを利用する
面接にもたどり着かないという状況は、絶対的に求人数が少ないということ。
実際に転職活動を経験してみて、最終的に思うのは、
1件の面接にたどり着くには、5件くらいの求人が必要だ
ということでした。
筆者の感覚値では5件中1件程度
求人件数:5件
↓
応募可能企業:2件
↓
面接:1件
しかし、「総務部の管理職(部長、課長)」という筆者の希望では、求人5件がなかなか出てきませんでした。
転職エージェントから初回は5件ほど紹介を受けて、ラッキーにも3社面接までたどり着いたのですが、その後は1週間に1件の紹介がある程度だったのです。
これでは、絶対的に求人件数が足りません……
そこで、筆者は求人件数を増やすために、登録する転職エージェントを3社に増やしました。
実際に登録したのは以下の3つです。
パソナキャリアは、以前もお世話になった大手のエージェントです。
面倒見のよい担当の方でしたが、なかなか書類選考も通過しない日々が続いてからは、筆者が希望する要件に入っていない求人を紹介するようになってきました。
このままでは決まらないので、試しに受けてみては?
もう少し柔軟にお考えになったほうがよいのでは?
一緒に考えてくれるのはありがたかったのですが、やや押し付けに思われる求人紹介に苦手意識が出てきたため、徐々に会話が減ってしまったのです……
次に登録したリクルートエージェントは、求人数が一番多いと言われている転職エージェント。
最終的に、転職先を紹介してもらったエージェントです。
日曜日に面談をしていただきアドバイスをもらったり、職務経歴書の書き方を添削いただいたり、転職活動中盤からはこの担当者との連携を深めていきました。
担当の方がとても冷静で、
「どこでもいいから入社したい」という考えは捨てましょう
必ずチャンスは来ますよ。それまでしっかり準備しましょう
とポジティブな励ましをいただき、とても元気づけられて有り難かったです。
JACリクルートメントは、ハイクラス求人が多いというエージェントでしたが、筆者が希望する総務業務の求人は少ない印象でした。
エージェントごとにサポート体制や特徴がありますが、それよりも担当者との相性が重要です。
- 背中を押してくれる人
- 冷静にジャッジしてくれる人
上記のように、さまざまな個性をお持ちの方がいますので、人対人の相性を見極めるためにも、複数社に登録することをおすすめします。
業務領域を拡大し、未経験業務も受け入れる
求人案件数を増やすためには、
企業の希望求人に自分をフィットさせる
ということも必要です。
自分の対応可能業務を広げれば、網にかかる求人を増やすことができます。
筆者の専門は、「総務部」で「オフィス管理」というとてもニッチなものでした。
この分野で「管理職」という希望までつけてしまうと、とてもじゃないですが、マッチする求人はなかなか出てきません。
そこで、業務領域をひろげて、
- 総務業務全般
- 事務・管理業務全般
上記を応募対象としました。
そして、自社の総務業務をおこなうだけでなく、
他社へ総務業務のノウハウを提供できます
という強みを提示し、「営業、コンサルも可能」という要件も加えて、求人の間口をさらに広げたのです。
事務・管理業務というのは、総務系や経理系、法務系など多岐にわたります。
未経験のものもあったのですが、これらの未経験業務も受け入れるべく、勉強も始めました。
希望条件に優先順位をつけておく
無職期間に突入したとき、「総務部スタッフ募集」という案件に飛びつこうとしてしまいました。
これは前職と全く同じ仕事です。
平社員から管理職になりたくて転職活動を始めたのに、焦りからまた平社員に飛びつこうとする。
こうなってしまっては、現職を辞めてまで転職をする意味がなくなってしまいます……
そこで筆者は、以下のような優先順位をつけました。
- 役職:プレーヤーではなく管理職になりたい
- 年収:現職を下回らない※同等でもよい
- 事務・管理系業務
- 企業規模
- 勤務地
- 福利厚生制度
- 業務形態(フレックス、リモートの有無など)
ブレない転職活動をするためにも、「なぜ転職をするのか」という目的をしっかり認識し、自分が譲れない条件を2~3つ決めておく必要があります。
管理職志望だが、管理職経験なし。落ちまくった書類選考の打開策とは
紹介いただく求人件数は増やせてきましたが、次の問題は書類選考をどう通過するかです。
応募をしてもなかなか書類選考が通らず、落ち込む日々が続きました……
そこで、書類選考の通過率を上げるべく、職務経歴書を見直すことに。
管理職を目指す筆者の最大の弱点は、「管理職経験がない」ことです。
自分の職務経験を変えることはできませんが、ちょっとした解釈と表現を変えることで、書類選考の通過率がぐんとアップしました。
「表現、解釈の仕方」で足切りを回避する
筆者は管理「職」としての経験はかったのですが、少なからず毎日の業務やプロジェクト業務において、人員・予算・納期などの管理をしていました。
そこで、経験してきた業務としての管理「能力」を前面に出して、職務経歴書を大きく作り変えてみたのです。
40代まで培ってきた職務経歴について、一つ一つしっかりと棚卸ししていけば、
実にさまざまな経験をしてきているな…
ということに気付けるでしょう。
この点は20代や30代などにはない、40代転職における大きな財産、武器であり、その財産・武器をどのように使うか(表現するか)が肝になってきます。
「ゼネラリスト」をうまく表現する
筆者は総務業務の中でも、「オフィス管理」という分野において専門性を持っています。
しかし、そのスペシャリスト部分に重きをおいてしまうと「業務領域」が狭く見えてしまい、
管理職としての広いマネジメント力が表現できなくなってしまう…
という思いがありました。
そこで、職務経歴書ではスペシャリストとしてではなく、ゼネラリストの側面を意識的に押し出すことにし、
全体を広く見渡しコントロールができます!
と見せることで、管理職への適性が見えるように努力をしました。
40代が書類選考を通過するために押さえるべきポイントは、応募書類(履歴書・職務経歴書)の書き方でご紹介していますので、あわせてご確認ください。
重要なのは実績やスキルではない。面接で成功するために工夫したこと
求人件数を増やして、書類選考通過率も上がったことで、面接の機会も増えてきました。
あとは最後の面接をどう突破するかです。
よく、面接は「演技」などと言われたりもします。
演技の側面があることも否定はしませんが、最後は人間対人間。
対峙した面接官に、どう誠意を見せられるかが重要です。
40代は完成品ではない。柔軟性や挑戦心をアピールする
転職活動の初期に落ちた際、相手企業側からのフィードバックでは、
- カルチャーフィットが難しい
- 他者のほうが柔軟性に富む
と評価されていました。
個人の性格的なものも当然ありますが、他社のカルチャーにどっぷり浸かってきたため、
頑固そう。融通が利かないのかな?
というイメージを持たれてしまい、「使いづらい」人間だと思われたようです。
20代なら「強い意思」と見られる部分でも、
40代だと「柔軟性に欠ける」という評価になってしまうのか…
と痛感しました。
そこで面接では、
- 柔軟性を見せるために「否定語」は使わない
- 頑固にみられないように「断定表現」は使わない
こういった点に注意するように心がけました。
企業研究は怠らない。「御社のことは知っている」状態が理想
面接に落ち続けていたときは、応募企業の研究が足りていませんでした。
中途採用で管理職志望なのであれば、
その企業のカルチャー、ミッションなどの価値観が共有できている
という状態になっていないと、企業側も採用しないのだと痛感したのです。
このような反省から、応募企業については以下のような企業研究を、面接前におこなうようにしました。
- 企業のHP、wikipediaを読む
- 日経電子版で当該企業の過去の記事をすべて読む
- 会社四季報や証券会社のHPで株価をチェック
- エージェントに面接担当の方のお名前を確認してもらう(最終面接が役員だった時)
- 確認した役員名で検索し、記事があれば読む
- エージェントに社風や、募集背景を詳しく聞く
- 転職サイトの書き込みを読む ※現職や退職した人の書き込みはネガティブ情報が多いから取捨必要
- 募集の文面を細かく読み込む 例)○○の経験を有するもの→○○とはなんぞやをわかっていても調べる
企業研究でいろいろ調べたあと、
だからこの求人には、○○が求められているのでは?
と仮説を立てたうえで、面接にのぞむようにしました。
最後は人間力。お役に立てるよう努力と決意を見せる
いま思うと、無職期間に突入して「どこでもいいから入社したい」と焦っていた時期は、受かるはずのない面接をしていました。
それは「入社してお役に立つ」という気持ちがあまりに欠如していて、
収入のためになんとしても潜り込みたい…
という邪な気持ちが現れていたのかなと。
そんな人間性を、面接官はきっと見抜いていたのでしょう。
選んでもらうからには、こちらもその企業を好きになり、「お役に立ちたい」と誠実にアピールすることが重要です。
転職活動の最後では、幸運にも2社の最終面接に合格することができました。
どちらの企業も念入りに情報収集したうえで、自分がお役に立てることをしっかり表現ができたことが、勝因になったと思われます。
書類選考を通過して最終面接までくれば、重要なのはスキルや実績ではありません。
今後どうありたいかを誠実に語る「人間力」が勝負のカギになるのです。
40代が面接試験で注意すべきポイントは、40代が転職面接で必ず聞かれる5つの質問でご紹介していますので、あわせてご確認ください。
まとめ:リスクマネジメントと転職エージェントの活用が成功への近道
今回は、40代から管理職へのハイクラス転職を目指した、筆者の体験談をお話ししました。
筆者の場合、最終的には転職に成功しましたが、長期化して収入が途絶える苦しい思いをしたり、計画性が足りない転職活動だったと言わざるを得ません。
40代でハイクラス転職を考えるなら、半年~1年の長期戦になることを覚悟して取り組みましょう。
現状の生活基盤を失わないようにリスクマネジメントを行ったうえで、転職エージェントをうまく活用することが成功の秘訣です。
退職届は出さずに、現職に一生懸命打ち込みながら、
よい求人が出たら転職しよう!
くらいの気持ちで活動されることをおすすめします。
その活動期間のなかで、「なぜ転職するのか」という目的と希望条件の優先順位をしっかり決めて、ご自身や家族、そして転職先企業が幸せになれる選択肢を探すことが重要です。
リスクマネジメントをおこない、しっかりと時間をかけて準備すれば、40代でも転職の成功率はぐんと高まりますよ。
あなたの転職活動を応援しております。
- リクルートエージェント
圧倒的な求人数と支援実績。40代の支持率もNo.1 - ビズリーチ
ヘッドハンターのスカウトが期待できる - JACリクルートメント
マネジメント経験者やスペシャリスト向け - パソナキャリア
管理職求人に強いハイクラス専門サービスがある
セカンドゴングは40代の転職を応援しています!
当サイト(セカンドゴング)では、40代の転職に特化した転職ノウハウについて、
- 実際に40代で転職を経験した人
- 企業の採用担当・キャリアコンサルタントなど、転職活動に知見を有する人
上記のようなメンバーが数多くの記事を提供しています。
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