転職を考えるときに、
「やりがい」と「お金(給料)」のどちらで仕事を選ぶのか?
このような話はよく議論される内容です。
長く働いていくためには、もちろんどちらも重要なファクターなのですが、筆者としては、まずは「お金」を優先することをおすすめします。
なぜなら、仕事の第一義はお金を稼ぐことであり、やりがいは人の気持ちによって感じ方が変わるものだからです。
この記事では、これまで転職を7回経験してきた筆者の体験談にもとづいて、
ということについて詳しくご説明していきますので、ぜひ参考にしてください。
仕事のやりがいとは、いったい何なのか?

転職を考えたりするとき、

やりがいのある仕事に就きたいです!
このような言葉をよく聞きますよね。
ではいったい、仕事における「やりがい」とは何なのでしょうか?
まずはこちらについて考えていきましょう。
やりがいのある仕事とは、どんなもの?
「やりがいのある仕事」といっても、ざっくりした言葉なので、発する人によっていろんな意味を持っています。
- 他人に感謝される仕事のこと
- 自分で満足できる仕事のこと
上記のどちらの場合でも、やりがいを感じることができるでしょう。
とくに人さまからの評価や感謝がもらえると、

この仕事にやりがいを感じる!
と思う人は多いはずです。
また、好きな仕事や楽しい仕事というニュアンスの場合もあるでしょう。
確かに「好きなこと」や「楽しいこと」でないと、仕事を長く続けていくことは難しいですし、モチベーションが上がらないというのもひとつの事実です。
やりがいの定義について
もう少しピントを絞って、やりがいの定義について考えてみましょう。
「やりがい」を辞書で調べてみると、以下のようにあらわされています。
やりがい(やり甲斐)
事に当たる際の充足感や手応え、張り合い。過去に行った事について評価する場合は「やり甲斐があった」の他に「やった甲斐があった」とも表現する。
weblio辞書より
つまり、言葉の意味から考えると、
- 充足感のある仕事
- 手ごたえのある仕事
- 張り合いのある仕事
上記のようなものが、やりがいのある仕事ということになるのでしょう。
言い換えると、仕事をしたときに、

この仕事はやり甲斐があったな
このように思える仕事が、やりがいのある仕事ということになります。
ただ、これも個人個人の感じ方によって幅があるものなので、
やりがいとは、人によって感じ方が違うもの
上記のように定義づけることができそうです。
仕事における「やりがい」と「お金」の関係性とは
ここでは、仕事の「やりがい」と「お金」について、仕事との関係性にもとづいて考えてみましょう。
並べてみると、実際にはシンプルな問題であることがわかります。
「やりがい」と「お金」の相関関係。悩むパターンは決まっている
やりがいとお金(給料)の関係を、それぞれの軸で考えてみると、
A:やりがいがあって、給料が高い
B:やりがいがあって、給料が安い
C:やりがいがなくて、給料が高い
D:やりがいがなくて、給料が安い
上記の4つのパターンになります。
こうやって並べてみると、やりがいもお金も手にできるAのパターンが、ベストな仕事であるのは一目瞭然です。
そして、やりがいとお金のどちらにも満足できないDが最悪のパターンになりますので、Dを積極的に選択する人もまずいないでしょう。
つまり、AとDの場合はとくに悩む必要がありません。
B:やりがいがあって、給料が安い
C:やりがいがなくて、給料が高い
上記のどちらを優先するかということが、このテーマに関する悩みのポイントとなるのです。
仕事のやりがいは給料で変わることもある
筆者の経験としては、やりがいがある仕事というのは、
- 残業代がしっかりつく
- 評価が能力給で反映される
- 職責ランクアップで収入もアップする
上記のような、やった分だけしっかり給料に反映される仕事でした。
たとえ仕事としてやりがいがあっても、給料に反映されなければ、徐々にモチベーションは下がっていくものです。
そのうち仕事として、

最近はやりがいを感じなくなったな…
上記のような状態になってしまうでしょう。
仕事をはじめた当初は、やりがいのなかには、
- まわりからの評価
- 同僚や顧客からの感謝
といったものも含まれていました。
しかし、仕事をいくら頑張っても「給料(お金)に反映されない」となると、やはりお金以外のやりがいの順位は下がっていくものなのです。
どんなにやりがいがあっても、給料ゼロでは仕事にできない
仕事は「やりがい」か「お金」かという悩みを極論すると、
- ものすごくやりがいがあるけれど、年収が100万円の仕事
- 嫌な仕事でやりがいはないけれど、年収2,000万円の仕事
上記のどちらを選びますかという話になります。
低くても「年収100万円」に設定した意味は、仕事にやりがいだけを求めて、

やりがいさえあれば、お金はいりません
このような考えで働く人はいないからです。
もし給料ゼロでよいのなら、それは仕事ではなくて「ボランティア」であり、仕事とは別に取り組めばよいものでしょう。
お金を得る目的として仕事に取り組むのであれば、「やりがい」があるかどうかよりも、
まずは「お金」を優先に考えるべき
というのが筆者が感じているところです。
仕事では「やりがい」よりも「お金」を優先するべき理由

仕事にやりがいがあったほうがいいのはもちろんですが、
まずはやりがいよりも、お金を優先させた方がよい
と筆者が考えている理由は、以下のとおりです。
人生のやりがいは、仕事以外でも得ることができる
人生における「やりがい」は、仕事でないところでも得られます。
例えば、お金がかからないところでは、
- ボランティア活動
- PTA活動
上記などで人の役に立つことで、やりがいを感じることができるでしょう。
また、お金を使うのであれば、
- 後輩の成長のために資金を使う
- 企業に投資して、社会に役に立つ事業を支援する
このような形で、社会貢献というやりがいを得ることも可能です。
しかし、よほどの資産家でもないかぎり、お金は仕事をしないと得られません。
これが「やりがいよりもお金を優先すべき」と考える最大の理由です。
やりがいは仕事以外のことでも得られますが、お金は仕事でしか稼ぐことができないもの。
どんなに「やりがいがある」といっても、生活できないほどの収入であれば、働くことに満足できる人は少ないでしょう。
逆に給料が高ければ、私生活でもやれることは増えますし、自由度も高くなります。
プライベートな活動や趣味からでも、やりがいを得ることはできるのです。
転職では「やりがい」よりも「お金」が役に立つ
もうひとつ、やりがいよりもお金を優先した方がいい理由があります。
それは転職するときに、
「やりがい」よりも「給料(お金)」の方が役に立つ
ということです。
給料というのは、社会人としてのあなたの値段であり、世間からの客観的評価を表しています。
年収(お金)こそが、転職市場におけるあなたの市場価値であり、
年収が高いほうが、転職における市場価値が高い
というのが、いうまでもない事実なのです。
転職活動をするなかで、

これまで、やりがいのある仕事をしてきました!
このような発言をしても、転職先の企業では、その価値を評価のしようがありません。
やりがいというのは個人的な感情に近いものなので、他人には伝わりにくいものなのです。
仮にあなたが年間100億円の経済効果がある仕事をしていて、その仕事にやりがいを感じていたとしましょう。
でもその仕事の給与が、毎月20万円だとしたら、

この人は100億円の経済効果に関わる仕事をしてきたのか!
このような評価がされることよりも、

月給20万円の仕事をしてきたのですね
上記のような認識をされてしまう場合がほとんどなのです。
これから先に転職を見据えているのであれば、仕事においては「やりがい」よりも、お金を優先した方が有利になるでしょう。
転職でお金以外を優先してもよいケースとは
転職するときには、「お金のことを優先したほうがいい」と言いましたが、人間はお金だけで動いているわけでもないんですよね。
仕事は一生続けるものですから、長く働いていくなかでは、お金より優先するべきときもあります。
年収が下がっても生きていける場合
年収が多少は下がったとしても、
- 生活していける財力がある
という方であれば、仕事にやりがいを優先するのもありでしょう。
仕事は人生の1/3以上を占めるものですから、

そこまでお金を優先しなくても、生きていくぶんには何とかなる
という状況にあるのであれば、やりがいを求めて転職するのも、人生を充実させる選択肢になるかもしれません。
仕事の人間関係に悩んでいる場合
はたから見ていると、
- 優良企業に勤めている
- いい給料をもらっている
このように思えるのに、それでも転職する人はいます。
そういう人が総じて口にするのは、

これはお金の問題じゃないんだ!
という言葉です。
人間関係やメンタルで悩んで、健康を害してしまう可能性があるのなら、お金よりも悩みの解決を優先するべきでしょう。
生きていくのにお金は必要ですが、もっとも大切にするべきは自身の健康です。
転職する前に考えておきたいこと

転職することによって、一瞬で給料アップしたり、職責が上がったりすることはあります。
ですが、転職したからといって、すべてうまくいくとも限りません。
転職を検討する前に、今いちど他の方法論を考えてみることも大切です。
いまの会社で「お金」と「やりがい」を得られる可能性は?
いま勤めている会社に在籍し続けることで、
- やりがいのある仕事に就く
- 給料がアップする
という可能性はありませんか?
同じ会社でも急にやりがいを感じられることもある
筆者は在籍していた会社で、急にやりがいを感じたことがあります。
新卒で入社した会社だったのですが、在籍して7年目くらいのときでした。
すっかり仕事にも慣れてきて、

毎日が同じような仕事ばかりでうんざりだよ…
上記のように、やりがいを感じられなくなっていたのです。
そんなある日、取引量も小さく、ほとんど通っていなかったクライアントに商談に行った席で、

あんたは今までどこにいたの?
このように言われてしまったのです。
クライアントが言いたかったのは、
他の企業は定期的に商談に来ているし、おたくの会社とも商談したいと思っていたのに、なぜ今まで来なかったのか?
という意味合いでした。
この出来事をきっかけに、
- 営業って売り込みに行くだけの仕事じゃない
- 相手に必要としてもらっていることもある
上記に気づかされて、今までしてきた仕事の点と線が結びついたのです。
おかげで、今まで疎遠だったクライアントへも商談に出かけるようになり、取引が増えて急に忙しくなって、仕事にやりがいを感じるようになりました。
このように、同じ会社に勤めていても、何かのきっかけでやりがいを見出せることはあります。
昇進して給料が大きく変わることもある
一般職の給料はそんなに高くなくても、マネージャークラスになると、急に給料が上がる会社もあります。
ある会社で、筆者の先輩にあたる女性社員がマネージャーに昇進したところ、

びっくりするくらい給料が上がったの!
このように話していたことがありました。
同じ会社で同じ仕事をしていても、急に環境が変わる場合もありますので、転職を考える前にその可能性を確かめておきましょう。
自分でビジネスすることを前提に、副業を始めてみる
お金とやりがいの両方を満足させられるのは、結局のところ起業して、自分でビジネスをすることかもしれません。
自分のやりたいことをビジネスにしてお金を稼ぐのですから、これに勝るものはないでしょう。
筆者の周りにも、起業した知人が何人かいますが、彼らはみんな生き生きしています。
ただし、それは十分に稼げているからなのです。
起業した人のなかには、起業してもうまくいかず、会社を潰してしまう人もいましたので、転職に比べるとかなりハイリスクな選択肢になります。
ですので、いきなり起業とまではいかなくても、まずは副業で考えてみてはいかがでしょうか。
手に職がある人であれば、
時間や場所に拘束されない、クラウドソーシングで稼ぐ
という方法もあります。
もちろん、クラウドソーシングでも、稼げるまでには多少の時間はかかるでしょう。
ただ、確実に時間を拘束されてしまうアルバイトなどで、二重勤務をするよりは楽ですし、単価の高い仕事をもらえるようになれば、ある程度は稼げるようになります。
好きなことや、やりがいを感じる仕事を、
まず副業でチャレンジしてみる
というやり方は、お金とやりがいを両立させる方法のひとつだといえるでしょう。
40代の転職活動で押さえておきたいこと
40代の転職には「40代なりの攻略法」があるので、若い頃と同じ感覚で転職活動に挑んでしまうと、厳しい戦いが待ち受けているかもしれません。
もし転職を考えるのであえば、以下のポイントを必ず押さえておきましょう。
転職は万全の準備で進めよう
転職活動には、大きく分けて以下の6つのステップがあります。
それぞれのステップでやるべきことを理解して、しっかり対策することが重要です。
じっくりと読み込んで転職活動の流れを知り、万全の準備をしていきましょう。
転職への”動機づけ”を明確にしよう
転職準備をしっかり進めることに合わせて、転職に対する”動機づけ”を明確にしておくことも大切です。
採用面接で、面接官に転職の動機を聞かれたときに、

仕事内容にやりがいを感じたので
さすがに上記のような回答では、選考に通過するのは難しくなります。
退職理由にも、転職理由にもなり得る“ポジティブ”な理由や目標を、しっかりと決めておきましょう。
転職の動機を明確にしておけば、転職活動が長期化した際にも、原点回帰できるのでとても重要です。
なお、転職の動機については、
- 退職理由
- 転職理由
- 志望動機
上記のような要素として、面接で必ず質問される内容です。
それぞれにはノウハウが存在していますので、以下の記事などを参考にして、しっかりと対策しておきましょう。
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40代は転職エージェントの活用が成功への近道
転職活動を進めるには、かなりの労力が必要であり、ノウハウも必要となってきます。
働きながら、あれもこれも一人でやるのは、本当に大変なものです…
そこで筆者がおすすめしたいのが、転職に必要な一連の作業をフォローしてくれる、「転職エージェント」を活用すること。
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まとめ:仕事で優先すべきは「やりがい」よりもまずは「お金」
今回は、仕事の「やりがい」と「お金」について、筆者なりの見解を詳しくお話ししました。
仕事はやりがいで選ぶべきか、お金で選ぶべきかという議論がありますが、転職を考えるなら、まずはやりがいよりもお金を優先すべきでしょう。
なぜなら、仕事の第一義はお金を稼ぐことのはずだから。
極端にいえば、「やりがい」という目的は、お金という報酬で達成されることがありますが、やりがいだけを求めてもお金には反映されないのです。
もちろん、いまの仕事に対して、

やはり仕事はやりがいが一番だよ!
このような思いで仕事をしている方を、否定するつもりはありません。
やりがいのある仕事で、満足のいく収入も得られているのであれば、それが最高だからです。
ただ、あなたが転職を考えるなかで、

「やりがい」なのか「お金」なのか?
もしこのように迷うことがあるのなら、今回お話ししたことを参考にしていただけると幸いです。
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