大学職員への道に年齢は関係ない!40代主婦が就職できた方法とは
40代であれば、
子育てがひと段落したので、社会に出て働いてみたい
このように考えている主婦の方も多いのではないでしょうか?
ただし、働くにしてもどこでも良いわけではありませんし、ワークライフバランスも意識して、安心して働きたいものですよね。
筆者もそんなふうに考えていた40代主婦ですが、いまは大学職員として働いています。
高校までの期間と社会人とをつなぎ、モラトリアム(猶予)期間といわれる大学時代。
自由な時間が多く、通っている学生たちは希望に満ち溢れています。
ただ、あまり知られていない業界なので、
経験もない40代が働けるのかな…
このような思いの方も多いでしょう。
でもご安心ください。前に一歩を踏み出して、適切な手段を踏んでいくことで世界は広がります。
40代主婦だった筆者がなれたように、実際に大学職員に就職することは充分に可能です。
この記事では、大学職員への転職を考えている40代の方に向けて、大学職員になるためのポイントを解説しています。
筆者の体験も交えながらわかりやすくお話していますので、大学職員への道を切り開くために、ぜひ参考にしてみてください。
大学職員に就職するための基礎知識
大学職員は詳しい情報が少なくて、どのような職業なのか、わかりづらい面が多いですよね。
まずは大学職員に関する、基本的な情報について確認していきましょう。
大学職員は隠れた人気がある仕事
大学職員の仕事については、世の中にあまり知られていないのですが、隠れた人気を誇っている仕事です。
その理由として、以下の4つが挙げられます。
- 公務員に準拠した福利厚生
- 民間企業のようなノルマに振り回されることがない
- メインの顧客は大学生。一般消費者のクレーマーなど変なお客対応などが少ない
- 大学生へのサポートとなり、人材貢献・社会貢献ができる
このように、大学職員になるメリットは大きいのですが、一方で存在をあまり知られていないのも事実です。
国公立大学の職員になるには、公務員試験に受かる必要がある
ひと言で大学職員といっても、もそも大学は国公立大学と私立大学に分かれます。
国公立大学は、国立大学法人(国家公務員)となるので、全国一律に職員の募集が始まり、受験者は「公務員試験」を受けなければなりません。
採用試験の倍率も高く、特別な受験対策が必要となってくるので、転職する難易度は高めです。
私立大学なら職員に就職できるチャンスがある
私立大学では、採用活動は大学ごとで行っており、職員の採用者も独自に選んでいます。
私立大学で勤務する人は、教員と職員に分けることができますが、教員になるには特別な専門的なスキルが必要です。
したがって、この記事では「私立大学職員」に絞ってお話しします。
また、私立大学職員のなかでも、
- 専任職員:
無期雇用で安定して働ける - 契約職員:
大学独自の採用だが、働ける期間に定めがある - 派遣職員:
派遣会社から派遣されて勤務。働ける期間に定めがある
上記のように勤務形態を分けることができますが、今回は無期雇用として安定して働ける、専任職員を目指す方法について説明します。
大学職員の仕事内容について
大学で働くスタッフは、教員と職員に分かれています。
- 教員:教育と研究を担当する仕事
- 職員:おもに大学の運営を担当する仕事
また、大学職員の仕事内容は、所属する部署によってもさまざまです。
- 総務課:
大学のあらゆる問題に対応する - 学生課:
学生の大学生活や日常生活を支援する - 広報課:
大学の情報を国内外に発信する - 人事課:
大学教職員の雇用に関する業務
大学運営といっても、そんなに身構える必要はありません。
教員の研究を支援する部門などもありますが、ほとんどの職員のメイン業務は、教務部署や学生支援などの学生対応となります。
学生対応で求められる素養とは
学生対応とは具体的にいうと、
- アルバイトの斡旋
- 就職の支援
- ボランティアや奨学金申請などへの対応
上記のようなことが挙げられます。
これらの対応で最も求められるものは、事務職員というよりも、サービス業的な役割です。
学生さんに向き合うなかで、
- 学生に寄り添う力
- カウンセリング力
こういった能力が求められるでしょう。
大学職員の求人を探すには?
大学職員に転職しようと考えたときに、まず最初に思うことは、
大学職員の求人ってどこで探せばいいのだろう?
という疑問ではないでしょうか。
大学職員の求人は、一般的な転職活動とは探し方が少し異なっています。
具体的な方法について確認しておきましょう。
大学ホームページを細かくチェックするのが基本
大学職員に転職したいと思ったら、
大学のホームページを定期的にチェックする
というのが基本です。
中途採用試験は、毎年行われていますが、採用人数は若干名でしかありません。
ところが、何かのプロジェクトが開始されることをきっかけに、不定期で求人が出てくることがあるのです。
こういった不定期の求人を見逃さずに応募することが、大学職員に転職する近道といえるでしょう。
転職サイトを利用する
大学職員の求人探しでは、転職サイトへの登録もおすすめです。
私立大学の場合は、大学のホームページだけではなく、一般の転職サイトに職員の求人が出されることもあります。
希望の案件がすぐには見つからなくても、転職のための情報量の多さはダントツですし、無料で利用できますから、ぜひ登録しておきましょう。
大手の転職サイトであれば、常に数多くの求人情報が掲載されており、高度な検索機能があるので、
職種 / 地域 / 年収 / 福利厚生 など
上記のような条件で、求人を簡単に絞り込むことができます。
転職サイトの選び方や活用する方法、40代におすすめの11社を以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
転職エージェントも活用しよう
ある程度の経験やスキルを有する求人に関しては、「転職エージェント」を通じて募集されるケースもあるので、活用してみましょう。
転職活動を進めるには、かなりの労力が必要であり、ノウハウも必要となってくるもの。
あれもこれも一人でやるのは、なかなか大変なことですよね…
しかし、転職のプロによるサポートを受ければ、以下のようなメリットを得ることができます。
- 転職サイトなどに出回っていない、40代向けの非公開求人を多く保有している
- プロの視点で自身のキャリアや市場価値を見極めて、最適な求人案件を紹介してもらえる
- 自身の強みを効果的に表現できるように、応募書類作成や面接対策のサポートを実施してくれる
- 応募企業との連絡や日程調整、入社時期や給与の交渉まで、エージェント担当者が間に入って行ってくれる
40代が無駄なく効率的に転職活動を進めるうえで、利用しない手はないサービスです。
しかも、転職エージェントは人材が採用されたときに、企業から成功報酬を得るビジネスモデルのため、転職者は無料で利用することができます。
エージェントとの相性を見極めて厳選するという前提で、最初から3~4社ほどに登録しておきましょう。
転職エージェントの選び方については、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
採用されるために対策するべきことは?
大学職員になるためには、採用試験で合格する必要がありますが、
大学は業務の幅が広いので、何をアピールすれば分からない…
このような声もよく聞きます。
ここでは、選考をクリアして内定を勝ち取るために、事前に準備しておきたいポイントについてご紹介します。
面接対策でするべきこと
内定を得るために、必ず通らなければならない難関といえるのが面接です。
面接で効果的なアピールをするために、以下の点を押さえておきましょう。
大学の理念を理解しておく
大学ホームページ内の「大学の理念」をチェックして、
その大学が何を目指しているのか?
上記について知り、「自分が貢献できる部分」を具体的に探っておくようにしましょう。
教育改革の活動内容をチェックする
大学ホームページ内にある「特色ある教育」の欄をチェックし、その大学が力を入れているプロジェクトの方向性をチェックしましょう。
大学職員に求められているスキルや経験は、その大学がどのようなプロジェクトを進めているのかによって異なります。
大学が力を入れていることに、さりげなく面接で触れることで、自身のアピールにつながるはずです。
大学の改革の方向性を理解する
大学の改革の方向性は、学長の任期ごとに変わります。
その大学が、今まさに何を目指しているのか?
ということを知るためにも、大学ホームページ内の「学長挨拶」欄を必ずチェックしておきましょう。
自分が貢献できるスキルや経験をアピールする
あなたのスキルや経験が、大学の方針や目標に合致すればするほど、面接官に高く評価されるようになります。
ただし、自分ができることを自信満々に主張しすぎるのではなく、
- 大学の理念
- 特徴ある教育
- 学長挨拶
上記に照らし合わせながら、大学職員として貢献できることを真摯に伝えることが大切です。
▼面接で注意すべきポイントはこちら▼
志望動機はどうする?
大学職員の求人へ応募するときに、
志望動機をどのように書けばよいのだろう…
このように悩んでしまいますよね。
大学職員の求人では、大学側が「何らかの課題」を抱えており、その課題を解決するために求人募集されている場合が多いです。
大学側が求めているものを的確に判断して、
自身の経験からアピールできる要素
上記を志望動機に盛り込むようにしましょう。
以下の記事で例文を交えながら解説していますので、ぜひこちらも参考にしてみてください。
大学職員に就職する方法①:派遣職員から専任職員を目指す
ここでは、40代主婦が大学職員になる方法として、筆者が実体験から学んだ2つの方法をご紹介します。
ひとつ目は、派遣職員から専任職員を目指す方法です。
筆者はこのパターンで、大学の専任職員になることができました。
まずは派遣職員として働こう
いま現在で働いている大学職員が、みんなカウンセリング力があったり、学生に寄り添う力があるというわけではありません。
適材適所で配属が決まっていきますし、人事異動で学生と接する部署に移ったり、体当たりで学んでいくことが常となります。
じつはそこに、40代主婦の方が大学職員になるための道が隠されているのです。
派遣職員を募集する大学が増えている
いまの大学においては、
といっても過言ではありません。
教育研究を司る教員の充実だけではなく、大学職員の力量が問われる時代です。
学生支援部署が大きく拡大していくなかで、学生支援のための労働力が求められています。
しかし、専任職員は人件費も高く、そう簡単に補充できないなかで、
嘱託職員を増やすしかない…
このように考える大学が増えており、派遣として働く大学職員が多くなっているのです。
◆私立大学職員における嘱託職員の割合(特定地区13校)
1996年 | 19.4% |
2008年 | 37.8% |
40代主婦の方は、まずはそういった派遣職員の求人を狙いましょう。
例えば、転職サイトやハローワークなどに登録をしておいて、そこで大学職員の求人を探して、まずは派遣職員として働くのです。
派遣職員への応募は意外と少ない
大学職員という職種自体が、一般的ではなくあまり知られていません。
- どんな仕事をするのか?
- どんなスキルが求められているのか?
このようなこともわからないままで、応募するのは不安になりますよね。
ですから、大学職員よりも自分の知っている職種へ応募する方が多く、派遣の大学職員への応募は意外と少ないのです。
筆者の場合も、応募した大学職員の求人に他の申込者がおらず、1名の申込枠に入ることができました。
派遣職員から専任職員を目指そう
大学の専任職員になるためには、派遣職員になってからが本当の勝負となります。
- 率先して自分から動く
- 電話にも積極的に出る
こういった自分にできることを積み重ねて、積極的にアピールしていきましょう。
そして何よりも、学生との接点を増やして、
いまの学生のマインドを掴む
ということに注力するべきです。
もちろん、わからないことだらけですから、専任職員にアドバイスを乞う姿勢が重要となります。
そういった働き方を続けていくことで、あなたの信頼感は増していくでしょう。
大学職員は隠れた人気がある職種ですが、なかなか専任職員の求人がありません。
その理由として、広く公募してよく知らない人を選考で決めるよりも、
という背景があるためです。
大学からしても、これまでの働きぶりを知っている人であれば、
この人なら、専任職員になっても心配なさそうだ…
このような安心感が得られます。
とくに女性職員に関しては、このパターンが多くなっています。
筆者自身も専任職員になれたおすすめの方法なので、ぜひ検討してみましょう。
派遣社員として採用されるコツやおすすめの派遣会社は、以下の記事でご紹介していますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
大学職員に就職する方法②:キャリアコンサルタントの資格を取得する
ここまでご覧になって、
自分は派遣職員になれるのだろうか?
学生ときちんと向き合えるのだろうか…
このような不安を持たれる方がいるかもしれませんね。
主婦をしていると、ずっと社会から離れていたわけですし、40代という年齢に対しても、不安になるのは当然です。
筆者も実際そうでしたし、
- 自分に自信が持てない
- 自分の魅力を発見できていない
このような主婦の方は多いでしょう。
しかし、大学職員は学生対応がメインとなるため、自信満々の方はあまり好まれません。
むしろ自信満々の人よりも、
- 学生に寄り添って理解する姿勢がある
- 学生の気持ちを理解したうえで、自分自身の成長を語ることができる
上記のような人の方が、学生との親和性が高く好まれる傾向にあります。
そこで筆者がおすすめしたいのが、「キャリアコンサルタント」という国家資格を取得することです。
国家資格「キャリアコンサルタント」とは
キャリアコンサルトというのは、2016年4月から国家資格に格上げされた、コンサルタントの資格です。
キャリアコンサルタントとは、学生、求職者、在職者等を対象に職業選択や能力開発に関する相談・助言を行う専門職である。
2016年4月に職業能力開発促進法にキャリアコンサルタントが規定され、国家資格となる。
キャリアコンサルタントは名称独占資格であり、キャリアコンサルタントでない者は「キャリアコンサルタント」又はこれに紛らわしい名称を用いることができない。
出典:Wikipedia
「コンサルタント」や「国家資格」という言葉に、びっくりされた方もいるかもしれませんね。
でも、そこはご安心ください。
半年かけて1週間に1回だけ、養成学校に通いながら試験に合格すれば、「国家資格」という武器を手に入れることができます。
また現在は、政府がキャリアコンサルタントを10万人養成する計画を展開しています。
標準レベルのキャリア・コンサルタント及びキャリア・コンサルティング技能士の累積養成数について、平成36年度末(2024年)に10万人とすることを数値目標とする。
出典:キャリア・コンサルタント養成計画について|厚生労働省
合格率も60~70%と高く推移しており、資格取得のメリットはとても大きいものとなるでしょう。
◆国家資格キャリアコンサルタント 過去の合格率
実施回 | 学科合格率 | 実技合格率 |
---|---|---|
第18回 | 81.1% | 63.5% |
第17回 | 56.8% | 58.1% |
第16回 | 64.6% | 61.2% |
第15回 | 75.0% | 63.0% |
第14回 | 67.2% | 65.9% |
筆者の場合は大学職員になってからですが、養成学校に通って、キャリアコンサルタントの資格を取得しました。
キャリアコンサルタント資格の養成学校に通うメリット
キャリアコンサルタントの養成学校には、
- 大学職員をしている人
- Webメディア会社で働いている人
- 50代後半の定年間際の人 など
上記のように、さまざまな人が参加しています。
もちろん主婦の方もいますので、安心して参加することができますし、そのなかで学ぶだけではなく、多くの方から情報を得ることができるのです。
そのなかで、大学の専任職員の募集情報を、聞くチャンスがあるかもしれません。
筆者自身も、養成学校に通っていた主婦の方に、専任職員の求人を紹介したことがありました。
そしてその方は、求人に応募されて、今は大学の専任職員として働かれています。
養成学校に通うには費用がかかる
ここまで聞くと良いことばかりに思えますが、養成学校に通うには、もちろん費用がかかります。
筆者も半年間通うのに、30万円くらい支払いました。
勉強するのに費用がかかるとなると、
資格の勉強にそんなに支払うのは無理かも…
このように思う方もいるかもしれませんが、じつは費用に関しても、安心の制度が用意されているのです。
こちらもあまり知られていないのですが、国家資格「キャリアコンサルタント」の養成講座は、「専門実践教育訓練給付金」の対象となっています。
給付金を申請すると、養成学校を修了するだけで受講料の5割が返還され、また合格した場合は受講料の7割が返還されるのです。
実質3割ほどの負担で、国家資格を手に入れることができますし、何より自分自身の自己肯定感にもつながります。
国家資格ホルダーとして、家族からも尊敬されることになりますよ。
養成学校自体も、同じような不安を抱えたなかで参加される方も多くいらっしゃるので、筆者も安心して通うことができました。
そして、定期的に勉強会や情報交換の場を設けたり、切磋琢磨する新たな友人もできたのです。
◆おすすめのキャリアコンサルタント講座はこちら
まとめ:適切な手段を踏めば、大学職員への道に年齢は関係ない
今回は、勤務経験もない40代主婦だった筆者が、実際に大学の専任職員になれた方法を、経験にもとづいて詳しくお話ししました。
- 派遣職員から専任職員を目指す
- キャリアコンサルタントの資格を取得する
大学職員は、特別なスキルなどが求められる仕事ではありません。
適切な手段を踏めば、年齢に関係なく40代の主婦でも、充分に大学職員に就職できることがご理解いただけたはずです。
かりに大学職員にならないとしても、キャリアコンサルタントの養成学校に通うことで、自己肯定感が向上していきます。
自分自身の世界が広がりますし、本当にさまざまな情報が集まるようになるでしょう。
もしかしすると、そのなかで他の職種で働くなど、新たな道の発見につながるかもしれませんよ。
まずは、一歩前に踏み出してみましょう!!
お話しした内容が、あなたの道しるべになれば幸いです。
セカンドゴングは40代の転職を応援しています!
当サイト(セカンドゴング)では、40代の転職に特化した転職ノウハウについて、
- 実際に40代で転職を経験した人
- 企業の採用担当・キャリアコンサルタントなど、転職活動に知見を有する人
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