(執筆:Rika)
厳しい書類審査を通過して、やっと掴んだ面接の機会です。せっかくのチャンスを無駄にしたくないので、万全の準備でのぞみたいですよね。
転職の面接では職歴に関する質問が中心であり、新卒のときのような、奇をてらった質問が少ないのが特徴です。
質問内容はどの企業でも似ているので、対策を立てるのはそれほど難しくはありません。
面接の所要時間は平均で60分ほどですが、そのなかで、応募企業から必ず聞かれる質問は以下の5つです。
まずはこの5つについて、しっかり対策することから始めましょう。
面接対策を効率的に進めるために

面接で質問される基本項目は、
上記のたった5つだけともいえるのですが、あまく見てはいけません。
たとえば「実績・スキル」について語るだけでも、

具体的なエピソードを聞かせていただけますか?

その業務でどのような実績を残されましたか?
このように深掘りされるので、しっかりとした回答を用意する必要があるのです。
当然ながら、対策するには時間もかかりますし、面接前夜だけで準備できるようなボリュームではありません。
面接準備のために、まとまった時間を確保することが必要です。
ただ大変なのは最初の2~3社だけでしょう。
同じ業界や職種であれば、志望動機以外の回答は他社でも応用できるので、場数を踏むうちに慣れてくるはずです。
また、実際の面接では、もちろん前述した5つ以外の質問もされます。
すべての質問を予測することは不可能なので、効率よく準備するためには、最初に企業ごとの質問傾向を掴むことです。
各企業によって質問の傾向がありますので、まずは過去の質問例を参考にしましょう。
口コミサイトや転職エージェントのアドバイザーから情報を入手できます。
面接の流れと基本マナーを押さえよう

中途面接では、新卒時のような多種多様な面接があるわけではなく、流れと質問内容はほぼ固定化されています。
中途採用面接における大まかな流れ
まず面接の所要時間ですが、
- 一次面接:60分ほど
- 二次面接:30分~60分
このような時間で行われるのが一般的です。
面接官が複数いても、質問を行う役割を担う面接官は決まっており、複数の面接官が交互に質問してくることはほとんどありません。
最近では、圧迫面接スタイルをおこなう企業は減っています。
面接官は履歴書や職務経歴書を見ながら、応募者が話しやすいように時系列で、そして穏やかに質問してくれるでしょう。
中途採用の面接では新卒時のときのように、
- あなたをモノに例えると?
- 無人島にもっていくとしたら何?
こういった想像力・発想力を試すような質問は、まずありません。
基本的に聞かれることは、
- これまでの職歴について(過去に関すること)
- これからどうなりたいか?(未来に関すること)
上記の2つについてだけです。
あらかじめ準備をしっかりしていれば、答えに窮するような場面はほぼ無くなるでしょう。
Web面接の対策について
最近では、新型コロナウィルスの影響もあって、Web面接を取り入れる企業が増えました。
対面でもWebでも、流れや質問内容に大きな変化はありません。
しかし、Web面接には特有の注意点があるため、事前に把握して、早めの対策をとる必要があります。
Web面接に関しては、以下の記事でやり方と注意点について解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
面接の基本マナーは、40代なら備わっていて当然と見られる
面接で問われる基本的なマナーについては、40代であれば「できて当たり前」と見られます。
とはいえ、面接で質疑応答に入る前の段階でミスを犯してしまい、
- 面接が始まって早々に、不合格が決まってしまう
というケースは実際によくあるのです。
社会人として当然の常識やマナーを、40代の転職者にイチから教えるぐらいなら、

それなら新卒を採用したほうがいいよね
と企業側は思っています。
企業側は職務に関する研修は実施しても、中途採用者に社会人の基礎を教え込む必要があるとは想定していません。
面接における基本マナーは、必ず押さえておきましょう。
服装のポイントは?第一印象でほとんどが決まります
人の印象を決めるにあたって、外見はいちばん大きな要素となります。
第一印象は”最初の数十秒”で決まるといわれており、いちど持たれた印象は簡単に覆すことができません。
自分の好みやこだわりで演出していることも、相手によってはマイナスに捉えられることもあるので注意が必要です。

それなら自分は大丈夫!
こんなふうに思っている人が、実はいちばん危ないかもしれません…
以下の記事などを参考にして、客観的な視点で身だしなみを考えましょう。
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SNSアカウントにも要注意!
身だしなみやマナーの話とは少し性質が異なりますが、面接の内容以外で注意をしておきたいのがSNSです。
応募者の名前を、インターネットで検索する人事担当者が増えています。
SNSの書き込み内容や投稿している写真を見て、

この人はちょっと怪しいな…
こんなふうに、企業側が採用するべきか不安を持つことも少なくありません。
FacebookやTwitterなどのアカウントを本名で開設している人は、投稿内容を念のため再確認しておきましょう。
政治的な内容や偏見ともとれる発言は、企業側にどう受け取られるかわかりません。
もちろん個人の思想は自由ですので、それを禁止するものではありませんが、思わぬところで転職の可能性を狭めてしまう可能性があります。
たとえば、第三者には閲覧できない設定にしておくなど、事前にとれる対策をしておきましょう。
転職時の適性検査ってどんなもの?
応募書類を提出すると、次は適性検査です。
採用過程でなんらかの適性検査を実施する企業は、4割~5割程度にものぼります。
企業によって、適性検査を実施するタイミングは異なりますが、いちばん多いのは一次面接の前、二番目に多いのが二次面接の前です。
多くの企業で使用されている適性検査は、リクルート社が開発したSPI3というもの。
自宅のPCを使って、Web受験する方法が最も一般的です。
SPIは以下の二つの検査で構成されています。
- 基礎学力や思考力を問う能力検査
- 性格検査
❶の能力検査は、正解がある問題が出題され、正答率や誤謬率(どれくらい間違ったか)が問われます。
問題の難易度としては、小学高学年から中学2年生レベルの問題といわれており、販売されている対策本をひととおり解いておけば、無事にクリアできるでしょう。
❷の性格検査は、性格に関する300の設問に答えていく形で、正解は無いのですが、企業が求める人物像と合致していない場合は、見送りになってしまうかもしれません。
近年の傾向として、学力考査よりも性格検査を重要視する企業が増えています。
性格検査では、
協調性 / 定着性 / 達成志向性 など
こういった複数の観点から、自社組織との親和性が計測できるようになっています。
一定基準の値を下回ると、面接でどんなに好印象だったとしても、不採用と判断されてしまう場合があるのです。
しかしながら、性格検査は対策のしようがなく、運次第ともいえるでしょう。
偽って回答しても、入社後のミスマッチを生む結果につながりかねませんので、ありのままに回答することをおすすめします。
40代が面接試験を突破するためのポイント

40代の転職活動において、面接対策はもっとも大きな山場となるでしょう。
面接まで進んだのですから、何としても内定を勝ち取りたいですよね。
ここでは、面接試験を確実に突破するために、40代転職者が備えておきたいポイントについてお話しします。
自己紹介・自己PRのポイントは、「企業が求める人物像」を知ること
40代ともなれば、複数の会社・複数の部署で勤務した経験を持つ人も多いはず。
しかし、自己紹介や自己PRでは、その経歴をすべて伝えきる必要はありません。
企業側が求めている経験や人物像に対して、

この人のこの部分はとてもマッチしているな
と思えるスキルや実績を中心に、伝えていきましょう。
企業の求める人物像を知らずに、自分の得意なことだけを盛り込んで、一方的な回答をしてしまうことは非常に危険です。

あなたは優秀そうだけど、我が社では求めていないですね…
面接においては、上記のような結果になってしまう可能性が高いです。
企業側、つまり人事や採用担当者の目線で、
- 面接官はあなたのどこを見ているのか?
- それに対して、あなたは何をPRするべきか?
という点をふまえて、回答を準備しましょう。
自己紹介・自己PRに関しては、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
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転職理由は必ず聞かれます。ポジティブな表現でまとめよう

あなたはなぜ会社を辞める(た)のですか?
上記のような転職(退職)理由については、面接官から必ず聞かれますので、これまでに転職を何度か経験している人は、経験社ごとの転職理由を用意しておきましょう。
当たり障りのない曖昧な理由を伝えると、
- 何か隠しているのではないか?
- そんな理由で辞めるのなら、ウチでも定着しないだろう
このように思われてしまうので、本当の理由をポジティブな表現に言いかえて、伝えることをおすすめします。
転職理由の伝え方のコツとしては、
want(○○したいから)の表現
を用いて伝えることです。
たとえば「年収が低いから」という理由であれば、
「人間関係がよくなかった」という理由であれば、
上記のように伝えると、転職理由がポジティブに聞こえて、面接官に好意的に受け取ってもらえます。
転職理由で面接官の合格をもらうためには、
- 面接官に好意的かつ共感してもらえるか?
という点が重要なので、現職(前職)企業を批判するようなことを言うのは避けましょう。
転職理由の伝え方に関しては、以下の記事が参考になりますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
志望動機を考えるうえで、企業研究は必須です
企業研究というと、
- 時間がかかって大変そう…
- そもそも何を調べればいいの?
このような声をよく耳にします。
確かに企業研究には、多少の労力と時間を要しますが、実はそれほど難しいことではありません。
研究という名がついているだけで、実際はリサーチに近いものであり、インターネット上でたいていの情報を収集できますので、労を惜しまずに始めていきましょう。
企業研究のコツは、応募企業を1から10までつぶさに調べあげるのではなく、優先順位をつけて情報収集をしていくことです。
- 面接に合格するための企業研究:
沿革、経営者情報、商材の特性、売上高、取引先情報、競合情報、中期経営計画(企業理念含む)、業務内容など - 入社するか判断するための企業研究:
年収や評価制度、産休・育休取得状況、ワークライフバランス(残業や有給)など
❷の待遇や働き方に関する項目は、内定が近づいた段階の調査でも構いません。
書類選考・面接対策としては、できるだけ❶に関する項目を集めて、履歴書や面接の志望動機作成に活用していきましょう。
志望動機だけでなく、自己紹介・自己PR・逆質問など、企業研究で集めた情報を活用する場面は多岐に渡ります。
1~2社ほど企業の情報収集を行っていけば、
- 企業サイトのどの部分を見ればよいか?
というコツも掴めるはずです。
たくさんの企業情報を集めれば集めるほど、他社比較などもできて知識に厚みが出ますので、早めに取り掛かりましょう。
志望動機や企業研究に関しては、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
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オリジナリティを出して、面接官に刺さる「あなたの強み」を語ろう
40代という年齢を考えると、企業側が求めるのは成長ポテンシャルではなく、
具体的にどういった貢献ができるのか?
という即戦力で活躍できるイメージです。
企業側に即戦力だと感じてもらうためには、若い年代でも言えるような内容ではなく、
これまでの経験や実績に裏付けされた、オリジナリティ溢れるあなただけの強み
をしっかり伝えなければなりません。
「転職の準備」の段階で実施した自己分析の結果をもとに、企業側が求める人物と合致する経験や実績を意識して、あなたの強みを語りましょう。
- 貴社の商品(サービス)には、どんな強みと特徴があるのか?
- そんな貴社において、自分はこれまでのどんな経験を活かせるのか?
この2点を具体的に言語化して伝えることで、他の応募者と被らない独自性のある回答にできるはずです。
逆質問タイムをあなどってはいけない
面接対策で忘れてはならないのが、逆質問の準備です。
逆質問とは、面接の最後に面接官から、

それでは最後に、○○さんの方から当社に対して何か質問があればどうぞ
このように聞かれる質問のことをいいます。
どの面接においても、必ずこの逆質問コーナーが設けられるはずです。
しかし、志望動機や転職理由の回答を考えるのに手一杯で、質問することを考えないままで、面接に挑んでしまう方をよく見かけます。
当然のことながら、

質問はとくにありません

有給休暇の取得率はどれくらいですか?
上記のような回答をすれば、マイナス評価となってしまうでしょう。
それまで高い評価を得ていたとしても、逆質問の回答ひとつで、不合格になることもあり得ます。
決してあなどってはならない質問なのです。
逆質問では、何を聞いてもよいということではなく、志望度の高さや自己PRにつながるような質問をする必要があります。
40代がどのような逆質問をするべきなのか、以下の記事で例文も交えながら解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
「面接でうまく話せない…」をもたらす3つの原因とは?

面接で流ちょうに話せなくて、

面接でうまく話せない…
このような悩みを持っている方は多いでしょう。
ただ、面接においては、ある程度の準備と練習を重ねれば、苦手意識は克服できます。
面接でうまく話せない原因は、大きく分けると以下の3つです。
- 企業研究不足:
企業側がどのような人物を求めているか理解できていない - 自己分析不足:
自分を表現するボキャブラリーが不足している - 話す練習不足:
そもそも話すことに慣れていない
あなたが面接でうまく話せないと感じているなら、上記3つのうちどの点が不足しているかを、まずは確認してみましょう。
もし話す練習不足なのであれば、とにかく模擬面接などをこなして、まずは慣れるしかありません。
具体的にどのように克服したのか、体験談の記事もありますので、ぜひ以下も参考にしてみてください。