40代営業マンの転職は異業種もあり!内定を勝ち取る方法とは
40代の転職では、何かと制約が多いですよね。
管理職経験 / 業界経験 / 職種経験 / 転職回数 / 勤務地 / 年齢の不利など…
30代の頃はそうでもなかったのに、40代になった途端に、転職に対するハードルの高さを感じている人も多いのではないでしょうか?
とくに最近では、コロナ禍による経済の停滞が、転職市場にも大きな影響を与えています。
これから転職をしようと考えている方にとっても、まだまだ厳しい状況が続くかもしれません。
このような状況ですから、あなたも今までのキャリアだけにこだわらず、異業種への挑戦も検討してみましょう。
たとえ未経験の業界でも、必要な準備と努力を怠らなければ、内定を得ることはできます。
筆者は25年の営業キャリアを活かし、トップセールスとして6社を渡り歩いてきたのですが、コロナ禍の転職活動はかつて無いハードルでした。
書類選考すら通らない厳しい状況だったのですが、応募する業界の幅を広げて、複数企業から内定を得られるようになったのです。
この記事では、コロナ禍の厳しい状況のなかで、45歳営業マンが転職を果たすまでに学んだことをお話ししています。
少しでもあなたのご参考になれば幸いです。
かなり厳しくなった?コロナ禍での転職活動の現実とは
筆者自身は転職回数が多くて、40歳の時点では3社でしたが、45歳の時点で転職回数は6社となっていました。
とはいえ、次の転職先として、
次は当社に来ませんか?
とお誘いをいただいている会社が何社もあったので、退職を申し出るタイミングでは、全く心配していなかったのです。
新型コロナで転職市場の状況が一変
ところが、世間で新型コロナが猛威を振るい始めて、状況が一変してしまいました。
入社予定だった会社が採用中止に追い込まれてしまい、急遽、自分で次の会社を探す必要に迫られたのです……
もちろん筆者は営業ですから、従来からのお付き合いや人脈はあります。
しかし、医療業界に身を置いていたので、コロナの影響をとくに強く受けてしまい、採用中止となる企業が続出しました。
知人のなかには、
このままでは、自分のポジションも危ない…
という危機感をもつ人も少なくなかったのです。
こういった状況のなかで、筆者は数少ない医療業界の求人に応募したのですが、コロナを機に応募者の殺到が続きました。
完全な「買い手市場」に突入です。
同じ業界でも40代での転職が困難に
求人に応募してもかなり狭き門となり、かなり細かく経験やスキルが要求されるケースが増えました。
- 〇×の取り扱い経験
- エリアの代理店人脈
- マネジメント経験
- プレイングマネージャー経験
- 海外出張あり(要英語力)
上記のような条件を、すべてを満たす候補者なんて、そうそういないものだと思いますよね。
ところが、コロナ禍以降は応募者が多くなり過ぎて、かなりマッチングの高い人が現われるようになったのです。
しかも、応募者が多いせいで年収も低く設定されており、40代よりも30代が有利な状況になってしまいました。
筆者は、このような現実を何度も目の当たりにした結果、
同じ医療業界で転職することは難しいのでは…
上記のように思うようになり、業界を問わずに、自分を発揮できる企業を探すことを決心したのです。
異業種への挑戦のために取り組んだこと
40代からの異業種への転職に挑戦することは、自ら希望していたわけではありませんでしたが、家族のためにもやるしかありません。
実際に筆者と同じように、未経験業種まで範囲を広げて、転職活動を進めている人は増えているはずです。
10社ほど未経験業種へ応募するも、すべて書類審査落ち
未経験業種への応募は、やはりハードルが高いものです。
当初に10社ほど応募してみたのですが、筆者はすべて書類審査で落ちてしまいました。
さすがにこれはマズいな…
このような危機感を覚えて、自分の応募書類を徹底的に見直すことにしたのです。
キャリアを棚卸しして、自身の強みを再認識する
まずは自身の過去のキャリアを棚卸しすることで、
- 自分に何ができるのか?
- 自分はどのように貢献できるのか?
- 自分はどのような影響を与えることができるのか?
上記のように、自身の強みについて徹底的に考えました。
強みを自己分析する方法については、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
強みを活かせる仕事を考え、求人に応募する
筆者の場合は営業職出身ですから、
- 高額商材の契約に慣れていたこと
- 資産家への営業経験が豊富なこと
こういった強みを活かすことができる、不動産業界への転職を考えました。
また、医療機器に通じる要素があると考えて、精密機械や産業機械の求人にも応募してみたのです。
さらに視点を変えて、
ベンチャー企業なら、管理職の経験を活かせるのではないか?
という思いから、ベンチャー企業へも応募してみました。
ベンチャー企業では、会社の成長に人材育成が追い付かなくて、管理職を中途採用する可能性があると考えたからです。
書類通過率が35%に改善
どれも未経験ですから、自分のキャリアとのギャップを懸念される場合は、
やはり書類審査で落ちてしまうだろうな…
という覚悟はしていました。
しかし、応募書類と応募先を見直した後は、40社に応募して、14社の面接に進めるようになったのです。
未経験にもかかわらず、35%の通過率ですから悪くはありません。
自分なりに応募先の照準を絞ったことが、功を奏したようです。
職務経歴書を作成するポイント
職務経歴書を作成するうえで、筆者が気をつけていたことは、以下の5点です。
- 営業は数字で書くことが最重要
- 数値化できないスキルは、できるだけ具体的に書く
- 転職回数が多いので、退職理由に気をつける
- 記載項目を絞って逆編年体式でまとめる
- 企業研究をして、応募先ごとに職務経歴書を書き換える
転職回数が多いうえに、40代で異業種への挑戦でしたが、書類選考の通過率を高められたのは、この取り組みの効果が大きいです。
営業は数字で書くことが最重要
筆者の場合は営業職でしたので、以下の項目については数字で記載しました。
営業の数値目標 / 実績数字 / 達成率 / 社内の順位 / マーケットシェアの推移 / 担当顧客数 / 受注数 / 総商談数 / 受注率 / 顧客セグメンテーション比率 / 代理店数 / 部下の数
ここで重要なポイントは、自分の仕事に対して数値化した意識を持っていることです。
客観的な数字での説得力を、最大限に活用することを心がけました。
数値化できないスキルは、できるだけ具体的に書く
数字で示せないスキルは、できるだけ具体的に書いて示すようにしました。
- ロジカルシンキング:
〇×社トレーニング受講済、業務活用歴△年 - 商談分析:
SWOT、4P、3C等分析手法活用歴〇年 - プレゼンテーションスキル:
対象人数〇~△人、経験年数×年、英語可 - 業務上、身に付けた専門知識:
電気工学基礎、FA基礎、医療知識・経営者・Dr打ち合わせ可能レベルなど - 部下育成:
経験人数〇人、手法・工夫点、効果判定 - 組織運営:
会議の運営工夫点とその効果、成績の悪い部下のサポート、優秀な部下との区別の在り方など
企業側が内容を見て、
なるほど、この経験とスキルだからエントリーしたのだろう
このように思ってもらえるように、できるだけ具体的に書くことで、書類通過率を高めることができます。
スキルを具体的に言語化する方法については、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
転職回数が多いので、退職理由に気をつける
筆者の場合は、これまでの転職回数が多いので、所属先ごとに退職理由を簡潔に書きました。
正直なところ、退職理由の記述がいちばん難しかったです。
短期間での転職が数社あったため、
長続きしない人なのでは?
こういった印象を与えてしまう可能性がありました。
この懸念点をクリアするために、
期待した業務内容との乖離が大きかったので、「短期間でも次を目指すべき」と考えました
上記のようなポジティブな記載としたのです。
当然ながら、面接に進んだ場合に必ず質問されるので、回答の準備もしっかり行いました。
転職回数が多い転職の注意点については、以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
記載項目を絞って逆編年体式でまとめる
筆者は転職経歴が多いので、普通に職務経歴を書き上げると、職務経歴書は8ページになってしまいました。
このボリュームでは、読むだけで一苦労であり、圧縮する必要があります。
そこで、数値化できた項目を優先的に残して、他の記載項目は最低限に抑えることで、なんとか4ページにまで削減しました。
また、できるだけ直近の勤務内容が目に入るように、「逆編年体式」で記載しています。
逆編年体式ってどんな形式?
逆編年体式は、文字通り編年体式の「逆」バージョンです。過去の職務経歴から記載していく編年体式の反対で、直近の職務経歴から順に書いていくフォーマットのことを言います。
出典:エン転職「転職大辞典」
そして、最後に自己PRの記載ですが、
上記のような記述としました。
40代が書類選考を通過するために押さえるべきポイントは、応募書類(履歴書・職務経歴書)の書き方でご紹介していますので、あわせてご確認ください。
企業研究をして、応募先ごとに職務経歴書を書き換える
職務経歴書は、応募企業ごとに内容を書き換えるようにしました。
この作業を惜しむと、書類通過率が明らかに落ちてしまうのです。
本気で受ける企業の場合は、
- 企業のホームページを熟読する
- 業界の情報を調べる
上記をおこなってから職務経歴書の修正をするため、最低でも3時間くらいはかかります。
応募先企業の戦略や計画が、
職務経歴書の記載内容と符合する
という点を意識していました。
企業研究をしっかりおこなうことは、熱意ともいえますが、志望動機を論理的にまとめるという意味でも、有効であったと考えています。
企業研究のやり方については、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
40代として面接で準備すること
書類審査を通過した段階で、企業のあなたに対する期待は高まっています。
面接という限られた時間を有意義に過ごせるように、事前にしっかりと準備をしましょう。
面接官によって評価は異なる
筆者の職務経歴書では、営業実績やスキルについて、漏れなく記載をしていました。
ですので、面接官が人事担当者の場合は、
記載内容があまり理解できない…
という場合があり、残念ながら次に進めないケースも多かったのです。
逆に、面接官が営業経験者の場合は、面接でかなり具体的な質問をされて、次のステップに進みやすい傾向にありました。
もし可能であれば、どのような人が面接官を担当するのか、事前に確認してみましょう。
面接官に合わせた対策をとることで、内定に近づくことができるはずです。
面接対策は入念に準備する
40代ですので、企業や業界を理解しておく知見と、情報収集や研究をする姿勢は重要です。
ですので、たとえ未経験であっても、業界初心者程度の知見を得てから、面接にのぞむようにしましょう。
筆者も、異業種への挑戦でまったく知見がない状態だったので、面接が決まった際には、相当な時間をかけて志望動機や自己PRを準備していました。
40代が面接試験で注意すべきポイントは、40代が転職面接で必ず聞かれる5つの質問でご紹介していますので、あわせてご確認ください。
逆質問で印象付ける
筆者は、相手に印象付ける機会として、
逆質問の時間が重要だ…
と考えていました。
ですので、毎回一つだけ、変わった質問を用意していたのです。
印象付ける質問は、どんなテーマでも構いません。
- 社名の由来
- 採用人事のポリシー
- 自分が書類通過した理由
上記のように、ちょっと変わった質問をしてみて、面接官に印象を残せるようにしましょう。
逆質問の準備については、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方は参考にしてください。
【FAQ】40代の転職でよくある疑問・質問にお答えします
ここでは、40代の転職でよくある疑問・質問にお答えします。
ぜひ参考にしてください。
-
結論からいうと、40代の転職が厳しいのは本当です。
ただし、転職に成功している40代がたくさんいるのも事実。
40代の転職におけるノウハウをしっかり学べば、転職することはけっして不可能ではありません。
十分な準備をしたうえで、転職活動に挑みましょう。
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40代の転職は、これから先の人生を見据えるうえでも、とても重要なタイミング。
キャリアプランを考える際は、
- 自身が人生で大切にしたいこと(ミッションステートメント)
- これまでのキャリアで得た「強み」と「弱み」は何なのか?
上記の2つを押さえて、あなただけの「軸」をしっかり定めて検討することが重要です。
-
営業として働くことに、ストレスや限界を感じているならば、無理に働き続ける必要はありません。
いまの会社でトップセールスではなかったとしても、営業職で培ってきたビジネスパーソンとしての能力は、どのような仕事に就いても活かせます。
長い人生を考えれば、早めに見切りをつけることも考えるべきでしょう。
-
40代女性が長く続けられる仕事に出会うためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
- 40代女性の採用が多い転職先を知る
- 転職先に「長く働ける環境があるか」を把握する
- 歴史のある、経営が長い企業を選ぶ
経験豊富な40代女性だからこそ、活躍できる職場がたくさんあります!
「将来性」「安定性」「柔軟性」を意識して、40代女性に実績のある転職エージェントを活用しながら、理想の仕事を見つけましょう。
-
ポイントをしっかり押さえれば、40代からでもできる仕事の選択肢は広げられます。
- 転職活動を始める動機づけは何か?
- 求人側の求める人物像や戦力はどのようなものか?
上記について、しっかりと整理をしておきましょう。
以下の記事で、タイプ別の攻略法をわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
40代転職の現実が知りたい。本当に厳しいのですか?
キャリアプランをどのようにして考えればよいですか?
40代だけど、もう営業を辞めたい…
40代女性が、一生出来る仕事に出会うためにはどうすればいい?
40代からでもできる仕事はある?
まとめ:厳しい環境で営業の転職を成功させるために
今回は、40代営業マンの転職体験談をお話ししました。
コロナ禍による経済の停滞が、転職市場にも大きな影響を与えています。
これまでの営業キャリアを活かして、何度も転職を経験してきた筆者でも、今回はかつてないハードルでした。
これから転職をしようと考えている方にとっても、まだまだ厳しい状況が続くかもしれません。
今までの営業キャリアを活かそうにも、完全な買い手市場の状況では、応募先のすべてから不採用通知が届くこともあり得ます。
ですから、今までのキャリアだけにこだわらず、異業種への挑戦も検討してみましょう。
たとえ未経験の業界でも、必要な準備と努力を怠らなければ、内定を得ることはできます。
自分自身と徹底的に向き合い、本気で自分の価値を客観的に考えて、職務経歴書に盛り込みましょう。
書類の通過率が上がれば、面接にも強くなっているのは間違いありません。
今回お話しした内容が、あなたの転職活動の一助、ご参考になれば幸甚の極みです。
セカンドゴングは40代の転職を応援しています!
当サイト(セカンドゴング)では、40代の転職に特化した転職ノウハウについて、
- 実際に40代で転職を経験した人
- 企業の採用担当・キャリアコンサルタントなど、転職活動に知見を有する人
上記のようなメンバーが数多くの記事を提供しています。
転職活動を攻略するためのコツとして、以下のようなコンテンツをご用意していますので、ぜひ参考にしてみてください。
また、当サイトにノウハウを提供している転職サポーターが、あなたの転職活動をお手伝いします。
さまざまなサポートをご用意していますので、悩みがある方はお気軽にご相談ください。